
出戻りハイタワー戦略が不発に終わったドイツがR-32で敗退
前回大会と異なり、なんとかグループステージの突破を決めたドイツ。首位で迎えたノックアウトラウンドの初戦はパラグアイとの一戦に挑む。
序盤からボールを持つのはドイツ。立ち上がりは高い位置からプレスを仕掛けてきたパラグアイだが、ドイツは幅を使うところからこのプレスをいなすことに成功する。フリーになったCBは対角パスから大外レーンを活用。今大会ではインサイドに絞るアクションを見せていたヴィルツがこの日は左の大外に立っていたのが印象的。逆にブラウンは絞ることで大外のパスコースを空けに行く。
右はサネ、左はヴィルツ。パラグアイの守備者はダブルチームをつける様子はなかったし、ドイツの攻撃陣も特にホルダーの周辺に寄っていくようなアクションはなかったため、シンプルな大外の1on1のセットアップが多い展開に。これもインサイドでハヴァーツとウンダフの2枚のターゲットを生かすためということなのかもしれない。
パラグアイは敵陣でのセットプレーなどのチャンスがある場面もあったが、基本的には前に進めるターンがないことで苦戦。自陣からの脱出ができずに受けに回ったままハイドレーションブレイクを迎える。
中断明けも延々とポゼッションが続くドイツ。ただし、主体なのはあくまでクロス。ハヴァーツとウンダフを並べた意味を見出すのであればそれでもいいのかもしれないが、外と中のコンビネーションから揺さぶっていく姿はかなり少なくなった。右サイドに出張したヴィルツが絡んだ攻撃は少ないながらも良かっただけに、もう少しここを使っても良かったように思えた。
前進の機会がないパラグアイだったが、少ない機会での先制に成功。セットプレーからの二次攻撃で先制。アルミロンの外を回るガラルサからのクロスを最後はエンシソが仕留める。少ないチャンスを生かしてパラグアイがハーフタイム前に前に出る。
後半もドイツがボールを持つ展開は続くが、なかなか波には乗れず。シンプルなクロスの跳ね返しからカウンターのピンチを受けたり、無駄なオフサイドで攻撃の流れを切ったりなど。パラグアイのエンシソのファストブレイクの方が手応えがある状況だった。
しかし、そうした悪い流れを変えたのはハヴァーツ。マークを受けながらもワンタッチですらすことに成功して同点ゴールを確保。リードを帳消しにする。
このゴールでオフザボールが活性化したドイツはムシアラを投入し、MFを増やして揺さぶりをかける。これで攻め筋を変えるのかと思いきや、再びヴォルテマーデを入れてタワー型戦略に舞い戻るというのはやや不思議な感じはした。
延長戦はヴォルテマーデとハヴァーツを使いつつ、クロスのターゲットとポストからのミドルの二刀流で攻めていく。ラインは上がらない、プレスはかからないという状態のパラグアイであったが、ボックス内を防衛するというデッドラインだけはなんとか守り抜くことに成功する。
PK戦までもつれた一戦は6人目で決着。ドイツの夢をパラグアイがくじき、Round16に駒を進めることになった。
ひとこと
基本的にはパラグアイが好きなフィールドで戦ってしまった感があったし、その上での行ったり来たりということでプランニングの成否は気になるところである。
試合結果
2026.6.29
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Round 32
ドイツ 1-1(PK:3-4) パラグアイ
ボストン・スタジアム
【得点者】
GER:54′ ハヴァーツ
PAR:42′ エンシソ
主審:ジェラル・ジェイド
