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「Catch up FIFA World Cup 2026」~2026.7.5 アメリカ・メキシコ・カナダW杯 Round 16 メキシコ×イングランド ハイライト

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交代選手によって10人ブロックに魂が宿る

 悪天候により1時間キックオフ時間が遅くなったこの試合。ホームで試合を行うメキシコにアメリカから飛んで向かうイングランドにとっては負荷のかかる状況が連鎖する。

 様子見のロングボールでライスがいきなり警告を受けるなど幸先が悪いスタートとなったイングランド。基本的には立ち上がりはメキシコの試合と言っていい展開。イングランドは中盤をマンツーで仕留めたさはありつつ、降りるメキシコのIHにCHがついていけず。

 メキシコは3バック気味に変形することでホルダーがオープンになっているので、イングランドのCHにとっては「ついていって平気?背後を使われない?」と迷いが出てもおかしくない状況。マンツーで行きたさだけ残しつつ、ホルダーがフリーになっていることが実行の邪魔になっているという立ち上がりだった。

 メキシコは右サイドからの進撃でスタート。モラに加えてレーンを変えながら前に出ていくアルバラード、サンチェスの縦関係から抜け出す選手を作ってボックス内にボールを入れていく。

 イングランドはロングボールで様子見の立ち上がりが過ぎると、左サイドからの旋回で脱出を狙う。左に流れるベリンガムにリラがついていったことを踏まえると、メキシコの中盤も相当に人を捕まえる意識は高そうだった。

 メキシコが旋回やオーバーロードでフリーマンを作る設計が前提なのだとしたら、イングランドは目の前に相手がいることを前提として勝てるマッチアップを探っていくことがプランとなっている。ゴードンのところは明確にイングランドがスピードで上回れそうな場面だった。

 欲を言えばインサイドでもそうしたポイントを見つけたかったのではないかなぁと邪推する。降りるケイン、反転しようとするベリンガムに対してはメキシコの守備陣は非常に優秀な対応をした。中盤でデュエルの強度が高まってもメキシコは後手を踏むどころか前に出ていくきっかけとしていた。捕まっても勝てるポイントを作るという設計が前提のイングランドとしてはここは誤算だったはず。

 それでもトランジッションから隙を見逃すのだからイングランドはさすがである。右サイドからキャリーしたライスからサカにボールが渡ると抜き切らないクロスからケインの背後に飛び込むベリンガムに綺麗にボールが合って先制。切れ味勝負できっちりと先制点をもぎ取ってみせる。

 この先制点で勇気を与えられたのかアンダーソンが前に出ていく潰しからイングランドは立て続けにベリンガムがゴール。得点までは本当に前に出ていくきっかけすら掴めない状況だったので、先制点がアンダーソンに与えた勇気が2点目に繋がったのだなと感じたりした。

 このままでは終われないメキシコは前半のうちにセットプレーからキニョーネスの一撃で反撃の狼煙を上げると、以降もイングランドを自陣に釘付けにしてメッタ打ち。サイドのローテからフリーマンを作られる苦しみは想定できるけども、シンプルにファークロスからの空中戦でイングランド相手にメキシコが主導権を握っているのは興味深かった。

 ピックフォードの活躍、ライスのクリアにゴードンとサカのプレスバックと前半からあらゆるファインプレーを重ねたイングランドがギリギリリードを確保してハーフタイムを迎える。

 後半、積極策が目立ったのはイングランド。前にスライドするプレスに加えてオライリーのオーバーラップを解禁。ゴードンをドクに見立ててハーフスペースへの侵入を試みる。ベリンガムも数枚を剥がす凄みのあるドリブルで左サイドの攻め筋の1つとして機能する。

 しかし、想定外だったのはクアンサーの退場だろう。足裏一発で10人に追い込まれたイングランドはサカをストーンズに変えて4-4-1にシフトする。

 ここから20分間は主審を絡めて小競り合いとPKの連打。退場の直後にケインとゴードンの2人でPKをもぎ取ることに成功したイングランド。ケインが自らこのPKを決めてリードを広げる。

 だが、そのケインが今度はPK献上。巧みに前に入った相手の足を蹴り上げてOFRからのPK判定でまたしても試合は1点差に。

 ハイドレーションブレイク明けの2枚交代はトゥヘルからの「守り切る」という明確なメッセージ。バーンとスペンスの投入で最終ラインを増強する。

 80分台が過ぎるとロングボールの跳ね返しに手応えを感じてくるイングランド。ATを前にケインも下げて専制守備に移行する。

 35分に及んだクロスの千本ノックを凌ぎ切ったイングランド。文字通りメキシコの壁となり、ベスト8に駒を進めた。

ひとこと

 クロスで負ける前半を見ると後半の引きこもりは心配だったが、交代選手が魂を注入してミッションコンプリート。

試合結果

2026.7.5
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Round 16
メキシコ 2-3 イングランド
エスタディオ・アステカ
【得点者】
MEX:44′ キニョーネス, 69′(PK) ラウール・ヒメネス
ENG:36′ 38′ ベリンガム, 60′(PK) ケイン
主審:アリレザ・ファガニ

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