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「勝ちパターンを避けて萎えさせる」~2026.4.29 UEFAチャンピオンズリーグ Semi-final 1st leg アトレティコ×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ
Semi-final 1st leg
2026.4.29
アトレティコ
×
アーセナル
@エスタディオ・メトロポリターノ

戦績

過去の対戦成績

 過去の対戦でアトレティコの1勝、アーセナルの1勝、引き分けが1つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • アトレティコとアーセナルは4回目の対戦。今季のCLでは2回目の対戦で1回目はアーセナルは10月にリーグフェーズでホームでの4-0の勝利を収めた。アトレティコにとってこの敗戦はCLにおいて最も大きな得点差でのタイ記録での敗戦。
  • アーセナル(223)とアトレティコ(190)は前身のヨーロピアンカップも含めて最も多く大会で試合をしながらCLのタイトルを取れていないチーム。
  • ビセンテ・カルデロンかメトロポリターノのどちらかでプレーする際、アトレティコはCLのノックアウトラウンドで英国勢に敗れた事がない(W3,D3)。6回の内訳はチェルシー、レスター、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、トッテナムと全て異なる相手。
  • CLとヨーロピアンカップにおいて16回目の英国勢とスペイン勢の準決勝。過去の15回のうち、9回は英国勢が勝ち上がり。直近5回を見ても、21-22にシティを下したマドリーを除いた4回は英国勢が勝ち上がり。
  • アーセナルは直近12試合のCLで無敗(W10,D2)で2005-06に樹立したクラブの無敗記録に並ぶ可能性。この時はクラブ史上唯一の決勝進出を果たしている。
  • アトレティコは今季のエミレーツでの試合ではオープンプレーで0.32のxGしか生み出せておらず、枠内シュートは1つだけ。今季のCLの中ではどちらのスタッツも最低。その他の13試合ではアトレティコはオープンプレーから1.34、枠内シュートが6本を平均的に記録している。
  • アーセナルのノックアウトラウンドでの4試合はここまで5つのゴールしか生んでいない(4得点、1失点)。1試合平均では1.25得点。一方、アトレティコのノックアウトラウンドでの6試合では1試合平均4.7得点(17得点、11失点)が生まれている。
  • ビルドアップへの対峙の際に、アトレティコはローブロックで20.4%の時間を過ごしており、今季のCLで9番目に多い数字。ハイブロックの割合の26.4%は10番目に少ない数字。
  • アトレティコは374回の1試合平均の高強度のプレスを記録。2025-26のCL参加チームの中で5番目に多い。その他のセミファイナリストよりもおよそ100回近く多く、アーセナルが2番目に多い数字(281)を記録している。
  • 準決勝までの間でアトレティコ(7.1)よりも1試合平均のDFラインブレイクパスを記録したのはPSG(7.8)だけ。アトレティコのラインブレイクパスのうち、21本はジュリアーノ・シメオネが記録。2番目に多いアレクサンダー・セルロート(10)の2倍以上。
  • 今季のCLにおけるヴィクトル・ギョケレシュのゴールのうちの半分はリーグフェーズのアトレティコ戦の後半に生まれている。しかし、ギョケレシュはここまでのノックアウトラウンドで得点を決めておらず、シュートも6本だけ。R-16開幕以降、これよりも28人の選手が多くのシュートを放っている。
  • アーセナルは今季ブカヨ・サカがプレーしたCL8試合で2.6得点、xG平均2.3を記録。出ていない4試合では1.5得点、xG平均1.8。サカはプルバックス(ゴールライン際から後ろに引き戻すパス)を3つ決めており、レアンドロ・トロサール、ガブリエル・マルティネッリ、ノニ・マドゥエケを合計した数(2)よりも多い。
  • ユリアン・アルバレスの今季のCLでの9得点はアトレティコの選手におけるレコード。25-26シーズンにおいて最も多くのハイインテンシティプレス(853)を記録しており、500分以上プレーしている選手の90分平均(70)としても最多。
  • アントワン・グリーズマンはアトレティコがCLで記録しているゴールのうち、24,2%に関与している(56/231-40G,10A)。100得点以上記録しているクラブの中における選手としては最多の占有率で次点はバルセロナのリオネル・メッシ(24.1%)
  • ダビド・ラヤ、ガブリエウ・マガリャンイス、ウィリアム・サリバの3人が揃った22試合のCLにおいて、アーセナルは11失点で13個のクリーンシートを記録。

スカッド情報

Atletico
  • アデモラ・ルックマン(筋肉)
  • ホセ・マリア・ヒメネス(筋肉)
  • パブロ・バリオス(もも)
Arsenal
  • エベレチ・エゼ(?)
  • リカルド・カラフィオーリ(打撲)
  • ミケル・メリーノ(脚)
  • カイ・ハヴァーツ(打撲)
  • ユリエン・ティンバー(筋肉)

予習

準備中

予想スタメン

展望

多様なカウンターが攻撃を牽引

 苦しみながら週末は勝利を挙げて首位の座をキープしたアーセナル。舞台は一度CLに。2年連続となるセミファイナルはマドリードでの一戦から幕を開けることとなる。

 アトレティコは現状リーグではCL出場権争いでは安泰。しかしながら、上位との勝ち点差が開いてしまっており、これ以上はなかなか望めない。それもあってか、リーグ戦では積極的なターンオーバーを敢行。重要な試合とのコントラストを明確にしながら国内外のカップ戦を勝ち上がってきたのがここまでのアトレティコである。

 終盤にかけてアトレティコはコンディションを上げてきていると言っていい。特筆すべきはカウンターの質の高さ。コパのバルセロナ戦に代表されるようにハイラインの相手にはシンプルに左右のWGから背後を取っていく。ルックマン(この試合では不在の公算が強い)とジュリアーノという快速コンビを活かすのが一番手っ取り早い。

 インサイドでは降りて受けるグリーズマンがリンクマンとして機能。ここから左右のサイドに展開できれば一気に敵陣に入り込む電車道を作り出すことができる。

 スピード頼みでなくとも流れるようなカウンターができるのが彼らの強み。降りてインサイドに起点を作り、サイドに展開すると味方を追い越す選手をきっちりと作って相手を足止め。逆を取るようにカットインや横断で揺さぶりをかけて、最後は抜け出したフリーの選手からのラストパスやシュートで仕留めるという流れは美しい。

 受けた選手が捌いた後の動き直しまでがスムーズなので、カウンターの流れの中で一人二役をこなすようなことも多いのが特徴。ホルダーに複数の選択肢を作りながら、敵陣までガンガン侵入していく。

 押し込んだ状態でも攻めの手段は豊富。右サイドは人数をかけた崩しがメイン。3人以上の連携からハーフスペースの無理のない裏抜けでボックス内にスペースを作る動きを見せる。CHとしてかSBとしてかはわからないが、ジョレンテの3人目の動きは特に抜群だ。

 ルックマンとルッジェーリの左サイドは大きな展開を引き取ってから2人で崩す形を作れるのが強み。右に比べると人が入れ替わってしまえば変容しやすいタイプの強みであるように思う。

 サイドからの定点攻撃をさらに強力にしているのはインサイドのミドルシュート。積極的な揺さぶりでまず相手の守備が自陣のPAを埋めることに注力すれば、アルバレスやモリーナから容赦なくミドルシュートが飛んでくる。

 守備に関しては4-4-2をベースに、非保持は右のSHのジュリアーノの上下動で5-4-1にシフトすることも。自陣をきっちりと埋めることをカジュアルに選択する。

 非保持においてはやや脆さが目立つところは否めない。リーグ戦ではメンバーを入れ替えている影響もあるが、R-16のトッテナム戦ではベストメンバーでも脆さが見えることも。バルセロナとの国内外での決戦を見れば多少は集中力は戻ってきているように見えるが、往年ほどの凄みは感じないところはある。

 5-4-1の場合はプレスに出ていくスイッチがあまり定まらないことも多く、中盤にスペースができるケースもちらほら。出ていった選手のスペースが埋まり切らず、インサイドに起点を作られることもあり得る。

 DFラインは裏抜けに対する鈍さも見られる。ポストで相手の前線にラインを固定されたところに後方から抜け出す選手が出てくるとリアクションが遅れることも少なくはない。DFラインのメンバー構成は負傷者とターンオーバーの関係で流動的なところもあり、連携面でも難しさはあるのかもしれない。

 セットプレーではムッソとオブラクのどちらが出てきてもややハイボール処理は狙えるところはありそう。より優れているように見えるムッソにもファーサイドからの折り返しのパターンがハマりそうだ。

 繰り返しになるが守備に関してはテンションが重要。バルセロナ戦のような再現ができればアーセナルを苦しめることができるし、あっさりと崩れるパターンも除外できない。素晴らしいカウンターと読めない守備のテンションが今のアトレティコらしさであるというのが予習をした感想だ。

難しい環境でリスク回避

 一つのエラーが大きな影響を与えてしまうのがCLのノックアウトラウンドというコンペティション。アトレティコがこのコンペティションを勝ち上がる上で、バルセロナ戦のDOGSOによる退場とトッテナム戦のGKが絡んだミスは見逃せないところでもある。

 やや滑りやすい芝であることはアウェイチームにとっては大きな関門になるだろう。ホームチームもそれなりに滑るくらいには影響は大きい。1つのミスから退場を招いてしまえば、数的不利と出場停止が同時に襲いかかることになる。試合前のグラウンドのコンディションチェックは入念にやっておきたいところだ。

 1st legで大きなアドバンテージを作って逃げ切るというパターンが今季のアトレティコのカップ戦ではハマっているように見える。イケイケのモードになると止めにくいチームなだけに、まずは相手のリズムを掴ませないような試合プランを組みたいところ。

 理想としては保持でアトレティコの5-4-1に対して腰を据えた攻略をすること。敵陣で仮に滑ってしまっても相対的には失点や退場にはつながりにくい。まずはそこのリスクヘッジができれば最高。サカの復帰もこのプランの後押しとなる。ようやくウーデゴールとの共演が叶えば、ここ数試合よりは3人目を活かすような右サイドの崩しは期待できるはず。ヤマルと渡り合ったルッジェーリとのマッチアップは非常に楽しみだ。

 ファーサイドのクロスへの対応はアトレティコの守備の弱いところ。ペナ角付近からファーサイドに向かう巻くようなクロスでのチャンスメイクを期待したい。

 自陣に押し込まれたアトレティコにとって反撃のきっかけになるのは降りて受けるグリーズマン。ここを躊躇なく潰せるかは非常に重要。CBがついていくことになると思うが、降りて受けるだけでなく背後を狙うクレバーさがあるのも怖いところ。特にサイドから背後を狙う形で相手を振り切って抜け出したところからのラストパスは脅威。ただ、ここはアーセナルが強いところでもある。欧州では特に冴え渡っている相手の起点潰しをこの試合でも発揮したいところ。

 押し込めないなど陣形をコンパクトに保つことができない場合は、ここ数試合と同じようにスビメンディ周辺を狙われるケースもある。マドゥエケからサカに先発が代わればニューカッスル戦の前半ほどはひどくはならないだろうが、切れ目に顔を出しながらフリーになる選手を作るのが上手い相手だけにこのあたりは継続して警戒したい。

 勝てれば一番いいが、今年のアトレティコを考えればまずはイケイケの状態で彼らに1st legを終わらせないことが一番重要。相手の勢いを咎めるような嫌がらせは得意分野。メトロポリターノの観客を萎えさせるような試合運びで難しいゲームを乗り切りたい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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