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「一点突破を探る試練」~2026.8.22 J1リーグ 第3節 サンフレッチェ広島×川崎フロンターレ プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第3節
2026.8.22
サンフレッチェ広島(2位/2勝0分0敗/勝ち点6/得点7/失点1)
×
川崎フロンターレ(13位/0勝2分0敗/勝ち点2/得点3/失点3)
@エディオンピースウィング広島

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で広島の4勝、川崎の4勝、引き分けが4つ。

広島ホームでの戦績

直近10戦で広島の3勝、川崎の5勝、引き分けが2つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近3試合では広島が川崎に全勝。Jリーグ創立以降、広島が川崎に4連勝したことはない。
  • 直近7試合の広島戦で川崎は1勝。それ以前は3連勝のランだった。
  • 百年構想リーグ2nd legのゲームにおいて川崎は広島戦での連続得点記録が16でストップ。
  • しかし、直近のJ1リーグである2025年のピースウィングでの試合は川崎が勝利。佐々木旭の追加タイム弾で1-2。

スカッド情報

サンフレッチェ広島
  • キム・ジュソン
  • 前田直輝
  • 浅野拓磨
川崎フロンターレ
  • 家長昭博(?)
  • 小林悠(?)
  • 宮城天(ハムストリング)

予想スタメン

Match facts

サンフレッチェ広島
  • 公式戦7連勝中。うち4試合が3得点以上でこの7試合の間のAGGは19-4。
  • 直近7試合のうち、4試合がクリーンシート。
  • 直近7試合のホームゲームで無敗。最後の敗戦は4月の福岡戦。
  • 7連勝は全て先制点を奪っている。直近6試合では必ず前半に得点を決めている。
  • 1試合平均走行距離は108kmでこれより少ないのは清水(104km)だけ。
  • 鈴木章斗はここまで3得点。レオ・セアラと並んでリーグリーダー。
川崎フロンターレ
  • 公式戦直近10試合で2勝(D3,L5)
  • 直近7試合でクリーンシートがない。
  • 京都戦で先制点を取った試合の連勝が6でストップ。
  • 開幕2試合で勝利がないのは2019年以来。2試合勝利がない直近4回のケース(2019、2014、2013、2009)では3試合目も勝てていない。
  • ここまでの3得点は全て外国籍選手。
  • 8月の試合では直近5試合負けなし(W2,D3)

予習

第1節 千葉戦

第2節 浦和戦

展望

選択肢を突きつけながら支配する

 開幕2試合はいずれもドローだった川崎。悪くはないが決め手に欠けるという状況の中で、早速今の立ち位置を突き付けられるような相手を迎える第3節。勢い十分に開幕から連勝を重ねる広島との一戦に挑む。

 ここまでの2連勝は抜群。スコアもさることながら内容面でも非常に際立っており、千葉と浦和を見事に飲み込んでみせた。

 一言でいえば敵陣でのプレーで完結させる支配力があるチーム。敵陣での局面をキープするためにいくつかのポイントが存在しているのが今の広島だ。

 一番わかりやすいのはロングボールの封殺だろう。押し込まれたチームがカジュアルに陣地を回復する手段となるのがロングボールなのだが、広島のバックラインはデュエルに連戦連勝。エリソン、オナイウというターゲットをことごとく封殺し、楽に前進することを許さない。

 特に佐々木翔は圧巻。オナイウを吹っ飛ばし続けた浦和戦はセットプレーでも得点に関与するなど文字通りの大暴れ。逆サイドの塩谷と共にボールを持つ局面に移行した時の落ち着きも印象的で、自分が空いているとわかればドリブルして相手を引き付けて列を超えるサポートもできている。

 CBに限らない話ではあるが、ボールを奪った後のプレーの落ち着きも広島のストロングポイント。強度押しチームあるあるである縦への一辺倒にならず、奪った直後から落ち着いて精度の高いプレーを敢行することができている。

 手数をかける際のポゼッションの肝は「閉じる」と「広げる」の繰り返しである。広島が保持からきっちり押し込める理由はセンターラインから左右に散らし、大外からの押し下げを利かせているから。

 ポイントになるのは外に広げる前にきっちりとインサイドに相手の守備の目を向けるような仕組みを作ること。先ほど挙げたワイドのCBのドリブルもその一端だし、アレーのポストを活用してCHの中島が前を向くなどの一連もそう。一度相手の守備の目線をインサイドに集めておきながらサイドに展開する。これで相手の目線は揺さぶられることとなる。

 この広げるアクションに慌ててSBがついていった場合、SB-CBの距離が一時的に空くケースが出てくる。このスペースにフリーランを敢行することで一気に前進を図る。鈴木、川辺などがこのフリーランロールを積極的に行う。

 守備側からするとこの時点でCBはかなり後手に回る。抜け出した広島のアタッカーを放っておくわけにはいかないので飛び出すと、その時点でボックスの中かファーサイドは確実に空いてしまう。

 ならばやや初めから幅を広げて守ればどうか?となるのだが、そうなってくると中島やCBから縦パスが飛んできて失点につながってしまう。外ばかりを気にしていてもダメということだ。

 平たく言えば外をぶん回して壊され続けたのが浦和、内を閉じきれなかったのが千葉という傾向があった。特に点差が小さい局面での得点やチャンスはこの傾向が強かったと言えるだろう。内と外、どちらかだけを固めれば空いた方で殴られてしまう。

 二択を突き付けるのが得意という意味では先に挙げたロングボールの迎撃も同じ。ロングボールでは負けるから嫌がってつなごうとすると、今度はサイドに誘導しながらの圧の高いプレスでショートカウンターにつながれてしまう。

 どちらも捕まるという前提であれば一般的には自陣でのロストにつながる方がまずい。ロングボールで勝てずにつなごうとすると、さらにダメージが広がるという仕組みになっている。

 二択を突き付ける局面をホールドし、延々と自分たちのターンをキープする。試行回数を稼ぎながら敵陣で腰を据えた攻撃を繰り出すことができるのが今の広島の強さと言えるだろう。

ポゼッションこそロングボール

 浦和サポが結果を受けて嘆く気持ちはわかる。延々とプレスに行きながら外され続けるというのはつらいものがある。しかしながら完成度で勝てないチームに対してはまずどこかで突破することが必要であり、浦和にとってはそこが高い位置から延々と追い回す行為だったのだろう。

 川崎も浦和とスタイルは違えど立場は同じ。この力関係を踏まえるとまずはどこかで相手を突破する術を探さないといけない。

 ここまでの戦いと照らし合わせるとやはりここはプレス回避になるだろう。GKを絡めながらのプレス回避はここまで比較的落ち着いてできており、ビルドアップの人数を工夫しながら前に人数をかけることもできていた。

 ただ、広島相手となるといくつかの観点でつなぐハードルは上がる。一番はロングボールのターゲットがいないこと。つなぐのにロングボール?と思われるかもしれないが、個人的にはポゼッションにおいて重要なことの1つはロングボールの収めどころの有無だと考えている。守備側がロングボールを簡単に撃退できる確信があれば、前の選手たちは恐れることなく人を捕まえに行くことができる。だが、ハーランドがいる相手に同じように無鉄砲に振る舞うのは難しいだろう。

 先に述べたように広島は佐々木翔を筆頭にロングボールの競り合いには滅法強い。それでも逃がしどころは作る必要がある。広島相手にロングボールを競ることができた試合を振り返ると、山田が中盤まで降りて収めに来た試合とトップ下のような家長がCFと縦関係になってエアポケットになる位置でロングボールの的になった試合が思い浮かぶ。

 広島のCHもあらゆる範囲をカバーできるわけではないので、CHを手前に引き出すところまで手数をかけることができればこうした駆け引きができるスペースはできる。CFの降りるアクションや配置の工夫で陣地回復のきっかけを作りたい。

 低い位置の保持では強いプレスの背中を取るような動き直しと加速が通用するかどうか。ややノッキング気味の右サイドに佐々木を入れて左右のサイドから前進の仕組みができるようにしたい。広島は人基準の守備ではあるもののオールコートマンツーという感じではなく受け渡しは発生するため、細かく動きながら受け渡しのミスを引き起こしたい。

 注目点は2つ。1つはホマーノのプレス耐性。どちらかといえばここまではフリーの状況での持ち上がりや状況判断によって持ち味が出た印象。この試合ではより時間がない中で普段通りのプレーができるかどうかが問われる。

 もう1つは脇坂の立ち位置。京都戦のように高い位置で残れればチャンスは増えてくるはず。ただ、京都よりもプレスはシビアな相手なので彼が降りないと前進できない局面は出てくるはず。理想は高い位置にフォーカスすることだが、つながらないのであれば下がるという判断が求められるところになるだろう。

 ロングボールの逃がしどころを作る。その上で低い位置でのつなぎで勝算を探す。それが川崎なりの一点突破になるだろう。できればセットプレーでの仕掛けが1つ上乗せできれば最高。もちろん川崎が得意ではないのは知っているが、広島の守備を見る感じだとオープンプレーよりはバタバタしている感じがある。マークを逃がしやすいセットプレーとそこからの流れで1つつかめるような仕掛けは欲しい。

 非保持においては積極的にいきたいところであるが、後方同数で受けるリスクはここまでよりも明らかに高い。特にSHは低い位置でのプレスバックが増えてくるはず。素早いリレーを意識しながら惜しみなく攻守に上下動していきたい。

 ある程度下がって受ける時間ができるのは仕方がないこと。その中で一回一回の機会を大事にした前進ができるか。浦和とは戦う土俵を変えていきたい。

 正直に言えば未勝利で迎えたい相手ではなかった。だけども今季ここまでやってきたことがどの水準のものなのか、はっきりさせるいい機会になるだろう。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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