マンチェスター・ユナイテッド、26-27シーズンの歩み。
第1節 ハル戦(A)

帰還したハルが土曜の幕開けを飾る
開幕週の土曜日の先陣を切るのはマンチェスター・ユナイテッド。キャリックが初めてのプレシーズンを過ごした勝負の2026-27シーズンは、昇格組のハル・シティとの一戦から幕を上げる。
序盤からボールを持つのはマンチェスター・ユナイテッド。ショウが左の大外を取るややシステマティックな3-2-5からポゼッションをしていく。ハルは5-4-1で構えることで、ある程度ユナイテッドのバックラインには自由を与える形だ。
狙いとなるのはダイアゴナルな背後へのラン。ブルーノ・フェルナンデスなどインナーレーンの抜け出しからチャンスを作っていく、一撃必殺感がある組み立ての方策となっている。
ハルはシンプルなロングボールから前進を狙っていく形。マクバーニーがロングボールのターゲットとなるところからボールを引き出し、サイドの裏から一気に陣地回復を視野に入れる。
意外だったのはユナイテッドがハルの保持に対して特にCBにプレスをかけに行く素振りを見せていないこと。ハルは後方でボールを動かしながらロングボールのターゲットを狙っていく形を探っていく。
単純な形ではあるが、むしろ手応えとしてはハルの方が上。サイドからスピーディーに抜け出しながら、インサイドでマクバーニーにクロスを上げる形で仕上げにかかる。
空中戦で主導権を握れそうな雰囲気を作ることができたハルはセットプレーから先制点をゲット。アジャイの一撃で昇格後初ゴールを奪う。
ユナイテッドは失点してもギアアップできず。オフザボールの量もハイプレスの圧力もかからず、ハルの大外からのクロスを咎めることができない。
保持ではようやく支配感が出てきて左右に散らしながら押し下げていくユナイテッド。マイナスのミドルやセットプレーでジリジリと攻撃の機会を増やす。だが、セットプレーでネットを揺らしたのはまたもハル。ライナー性のボールにフリーで合わせたメンディにより、ハルがリードを広げる。
2点のビハインドを背負ったユナイテッドはラッシュフォードをHTに投入。前半のドルグに比べると、少し外側のレーンに立ち位置も修正したようで左サイドは活性化。ストライカーらしい抜け出しからのチャンスメイクも出てくるように。
対角パスからのムベウモなど、散らすような展開も後半からは見られるように。前半よりは得点を取ることに腰を据えることができているようには見えた。
しかし、最後のゴールに迫る局面の工夫ができず。シェシュコを投入し、パワー側に舵を切ったものの、打開ができないまま時間だけが過ぎていく。
ゾラキス、イーガンを中心に守り切るハルを慌てさせることができないままタイムアップ。ユナイテッドの26-27は昇格組相手の敗戦から始まることとなった。
ひとこと
単調さが拭えなかったユナイテッドだった。
試合結果
2026.8.22
プレミアリーグ 第1節
ハル 2-0 マンチェスター・ユナイテッド
THE MKMスタジアム
【得点者】
HUL:17′ アジャイ, 38′ メンディ
主審:ダレン・イングランド
第2節 イプスウィッチ戦(H)

得点ラッシュで相手をへし折る快勝
開幕戦はハル相手に敗北を喫してしまったユナイテッド。オールド・トラフォードでのリーグ初陣は同じく昇格組のイプスウィッチとの対戦となった。
序盤は降りるクーニャから左右に散らすようなプレーもあったマンチェスター・ユナイテッド。左はラッシュフォード、右はムベウモを中心としたサイドアタックを敢行。右サイドはダロトなどと3人目の動きを画策するが、献身的に戻る前田をはじめとしてイプスウィッチの守備陣の枚数が揃っていたこともあり苦戦。徐々にクロスやシュートの選択のタイミングが早くなる。
極端に早めの仕掛けをした結果、試合は徐々にオープン合戦に。ユナイテッドのプレスはハル戦よりは時折高い強度で観測することができたが、イプスウィッチは基本的にはこのスピード勝負には乗っかりたい構え。スペースがある状況でのエンシソのキャリーはなかなかユナイテッドにとってはややこしいものだろう。WGは静止した局面でもスピードで対面に優位を取ることもできる。前田が大外レーンからダロトを脚力でぶち抜いたのは驚きだった。
イプスウィッチは逆サイドの仕掛けから先制。ファタウがアプローチに来たショウの逆を取ってボックス内にサイドから侵入。折り返しをデイビスが丁寧に流し込む。
トランジションからのチャンスに攻撃がフォーカスしていたユナイテッド。ゆったりとボールを持つケースもあるが、シュートやクロスの選択が割と早めで遠い位置からアバウトにしかゴールにアプローチができていなかった。
デイビスにさらなる決定機を与えるなど苦しい試合となったユナイテッド。しかし、ヌニェスのミスを逃さずカウンターでブルーノが同点に。タイスコアでハーフタイムを迎えることとなった。
後半は前半とは打って変わって一方的な展開に。ポゼッションからユナイテッドがゆったりと主導権を握ると、徐々にサイド攻撃が手応えのあるものに。上下動の揺さぶりから少しずつイプスウィッチの守備陣が体を投げ出して守るシーンが増えていく。
奪ったボールをどう処理するか?というところも含めて不安定なシーンが続いていたイプスウィッチ。エンシソが自由に運ぶシーンも限られるように。自陣に釘付けになったところに、マグワイアがオウンゴールを誘発するダイナミックなシュートを叩き込んで均衡を破る。
直後にCBの間をかち割ったクーニャの抜け出しでPKを獲得したユナイテッド。この3点目で試合の決着はもう決まったと言ってもいいだろう。献身的に上下動して攻守を成立させているイプスウィッチの仕組みはこれで折れてしまった感があった。
さらに2つのゴールを重ねたユナイテッド。イプスウィッチも終了間際にエンシソがハイプレスから意地の一撃をお見舞いするが、反撃はここまで。ユナイテッドが本拠地で今季初勝利を挙げた。
ひとこと
立て続けの得点で一気に流れを引き寄せたユナイテッド。縦への鋭い意識が奏功した試合だった。
試合結果
2026.8.30
プレミアリーグ 第2節
マンチェスター・ユナイテッド 5-2 イプスウィッチ
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:40′ 61′(PK) 68′ ブルーノ・フェルナンデス, 56′ グリーブス(OG), 82′ ムベウモ
IPS:29′ デイビス, 90+1′ アクポム
主審:クレイグ・ポーソン
第3節 エバートン戦(A)

特大インパクトの自己紹介
デッドラインデーでは駆け引きに失敗し、FWの補強は叶わず。トップチームでのCFはバリーただ一人という状況で残りのシーズンを戦うこととなったエバートンである。
いきなり試合はマグワイアの頭部の負傷でスタート。一時は10人となったことでエバートンがゆったりとボールを持つ展開で始まることとなった。
エバートンはGKを絡めながら自陣からショートパスで繋いでいく。左サイドからエンベウモを手前に引き寄せつつ、その背中をジョージで取る。
ジョージ自身が旋回、もしくはダイレクトに落とす人がいるかどうかという設計で出口を作ることができるか勝負。そうした賭けに序盤はかなり勝っていた。
非保持においてはいつも通り、ガーナーとアームストロングのところでボールを取り切りたいエバートン。しかしながら、必勝パターンに持ち込むには障壁が多い試合。早々にアームストロングが警告を受けてしまったのが1つ。もう1つはCHが前がかりに出て行こうとした時に、クーニャやエンベウモが背中を取るように縦パスをレシーブすることを狙ったこと。
敵陣に入っていくユナイテッドだが、少し仕掛けは早め。もう一手二手かけたいところでシュートを打つケースが散見された。
それでも左サイドのラッシュフォードは違いを時折見せることでミドルからあわやというシーンを演出。だが、ネットを揺らすことはできないまま。エバートンもレールが右の外からトランジションに出ていくが、こちらもユナイテッドの守備は間に合っていてチャンスには繋がらなかった。
前半ジリジリしていた展開は後半早々に嘘のように決着。インサイドに入り込んだエンベウモのミドルで先制。ドリブルに対するリアクションが遅れてしまった感があった。
返さなくてはいけないエバートン。だが、エバートンの左サイドの仕掛けに対するユナイテッドの守備者は少し遠さが気になるところ。ジョージはのびのびと仕掛け、ハーフスペースを抜ける味方との連携で大外を抉る。
時間の経過とともに左サイドのマークがタイトに。そのタイミングでグリーリッシュというのはなかなかにニクい。ユナイテッドの守備のロストの多さも相まって、この時間はエバートンペースだと言っていいだろう。
押し込む機会が増えたエバートンは右サイドのジョージが強烈な一撃で同点。鋭くニアを撃ち抜くシュートで追いつく。
ショウの高精度クロスからの88分のシェシュコの勝ち越しゴールはこの試合を決めるのに十分なものかと思われた。しかし、この日のヒル・ディッキンソン・スタジアムにはそれ以上の決め手が。実質ラストプレーで見事なゴールを叩き込んだのはメイトランド=ナイルズ。緊急出場となったデビュー戦でホームのファンに特大の自己紹介に成功。エバートンは勝ち点1を最後の最後で掴み取った。
ひとこと
ちょっと最後のシュートは凄すぎて言葉がないね。
試合結果
2026.9.6
プレミアリーグ 第3節
エバートン 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
EVE:83′ ジョージ, 90+6′ メイトランド=ナイルズ
Man Utd:47′ エンベウモ, 88′ シェシュコ
主審:ジョン・ブルックス
第4節 マンチェスター・シティ戦(H)

数と結びつかない武器
新監督の元でロケットスタートを決めているシティと、正式監督に着任してからはどこか閉塞感が否めないユナイテッド。ここまでのシーズンの運びはやや対照的な両チームのダービーだ。
序盤からボールを持つのはシティ。後方は3-1型、前線は遊びを持たせた6枚による動きをつけながらの前進で敵陣に入っていく。
アンカー役のアンダーソンのサポート役となったのは、エンソではなくトップ下のチェルキ。枚数を調整しながら後方でボールを動かしていく。
対するユナイテッドはロングボールから。ただし、この日はロングボールのターゲットとなる前線はいないので、対角パスでサイドを終着点としたキックが多かった。
インサイドにボールをつけることができなかったユナイテッド。外外での攻め筋となり、クリティカルな形で敵陣にボールを送り込むことはできず。
むしろ、ユナイテッドの手応えとなったのはプレッシング。4-4-2からCHのメイヌーがジャンプしてアンカーのアンダーソンにプレスをかけていく形はどことなく有効。強引に取り切るのではなく、ジリジリと圧力をかけて相手のミスを呼び込むのがうまかった。
シティはショートパスからプレスを回避していきたいが、ミドルゾーンでの少ないタッチでのミスが目立ったことで脱出できず。保持からリズムを掴むことができない。
とはいえ、ユナイテッドも決め手を欠く中で主導権がどちらに流れるかは難しいところ。そうした中でフォーデンが報復行為で退場。シティは10人での戦いを余儀なくされる。
シティのポゼッションに変化はなし。3-1をベースに中盤のヘルプなどレーンを明確に固定せず、流動性を持たせながら攻め筋を作っていく。あえて不確定要素を作っている感は個人的にはいい方向性だったように思える。
ユナイテッドは少しずつ保持のターンを増やしていくが、外循環でインサイドにパスを差し込むことができないのは同じ。大外での無駄なオフサイドなど、ため息が出てしまうような攻撃の終わり方が多かった。一番惜しかったのはラッシュフォードのFKという、退場が起きた展開とはあまり関係ないものだった。
後半、ようやくユナイテッドは左右に散らしながらメイヌーのミドルなど、保持の長所を活かした攻撃からゴールに迫っていく。隙があればラインの高さを回復しようとするシティに対して、裏を取る動きを見せるアプローチも悪くはなかった。
ただ、誤算だったのは前半よりもプレスの強度が落ちていたこと。シティがなりふり構わずハーランドを前進手段に使ったこともあり、ユナイテッドは少しずつ自陣に押し下げられる場面も出てくるように。
すると、左サイドからのクロスをハーランドが一撃で仕留めることに成功。エンソのオフサイドの有無が物議を醸したゴールではあったが、この試合では得点は認められることとなった。
反撃に出たいユナイテッドだが、とにかく保持で勢いが出てこない。サイドでの少ない人数での攻撃、セットプレーでのマグワイア、強引なミドル。武器がいずれも数的優位というシチュエーションを活かしきれていない感が否めない。
相手の守備ブロックを越えてもそこに待っているのはドンナルンマ。ファインセーブでユナイテッドのチャンスをシャットアウトする。
10人で受けながらリードを守るという慣れない展開でも勝ち点3を確保したシティ。開幕からの連勝をさらに伸ばし、アーセナルと再び勝ち点で並ぶこととなった。
ひとこと
崩しに3人以上の連携のカードが出てこないと10人だろうと11人だろうと押し込む試合は難しくなる感が見えたユナイテッドだった。
試合結果
2026.9.13
プレミアリーグ 第4節
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 マンチェスター・シティ
オールド・トラフォード
【得点者】
Man City:60′ ハーランド
主審:マイケル・オリバー
第5節 フラム戦(A)

笑顔なきクレイブン・コテージ
代表ウィーク前の最後の試合はクレイブン・コテージから。勝ち点を手にすることができれば暫定最下位を脱出することができるフラムはこちらも波に乗ることができないユナイテッドとの対戦だ。
正直に言えばどちらのチームもなかなかハードな立ち上がり。フラムは3バックを形成するビルドアップからチャンスを探っていく。3枚目として浮いたバッシーはややアバウトさが先行していたが、それ以前にユナイテッドの右サイドの守備があまりにも相手との距離を掴めていない感じ。同数なのに相手が抜けていくシーンを作ることができるなど、重心を下げて枚数を合わせたところからさらに事態を悪くしてしまった。
インサイドでも自由に横断を許すユナイテッド。フラムに左右に振られてしまうようなボールの動かし方をされてしまった。
一方のフラムも順調とは言えない立ち上がり。前線と中盤の間でティーレマンスの受け渡しがうまくいかず、ここから自在な展開を許してしまう。たまたまラッシュフォードの動き出しのタイミングが合わずにオフサイドになる場面もあった。ラインの駆け引きはともかくとして、やはりここはホルダーをフリーにしてほしくはないところだった。
しかしながら、先に挙げたラッシュフォードのオフサイドのようにユナイテッドはアタッキングサードにおいてやや連携の噛み合わなさが目立つ。クーニャが右のハーフスペースから抜け出す(あまり普段は見ないムーブのように見える)ところなど、単発で成立させることはできていたが、ここから攻めていこうというところの優先順位ができていない中で効果的な攻め筋が見つけられなかった。
そういう意味ではフラムの方が左サイドを抜けたところからのファークロスということではっきりと攻め筋は見つかっていた印象。チャールズのチャラい組み立てへの関与と効果的な前進への寄与も個人的には新しい発見だった。
後半、ユナイテッドはリサンドロ・マルティネスが3人目のバックラインとして保持で振る舞うようになったことで、フラムと同様に陣形のズレを享受できるように。敵陣に入ったところからのクロスも含めてユナイテッドの攻撃は手応えのあるものになっていた。
引き続き、フラムの攻撃も効果的な状況。ボックス内での対応がバタバタする中で、ユナイテッドはリサンドロ・マルティネスのOGを献上してしまう。
フラムは徐々に攻撃の手数を緩めながら自陣の陣形を固めていくように。80分には早々に5バックにシフトする決断をする。
後ろの枚数が揃ったことで攻めあぐねることになったユナイテッド。このまま逃げ切りができそうな空気だったが、ユナイテッドはクーニャのミドルがディフレクトする形で同点。ここまで素晴らしいセーブでチームを救っていたレノもこの跳ね返りにリアクションすることはできなかった。
試合はドローで決着。ともに悪い流れを断ち切りきれなかった両チーム。試合後もオールド・トラフォードのピッチには笑顔はなかった。
ひとこと
フラム、悪い流れのチームのそれにハマってしまった感。
試合結果
2026.9.20
プレミアリーグ 第5節
フラム 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:63′ リサンドロ・マルティネス(OG)
Man Utd:89′ クーニャ
主審:ピーター・バンクス
第6節 トッテナム戦(H)

笑顔なきオールド・トラフォード
ここまでなかなか勢いが出てこない両チーム。復活を期するシーズンで思うような結果を残すことができていない。少しでも上の順位に登るためにまずは目の前の相手を叩きのめしたいところだろう。
立ち上がりにいいフィーリングを見せたのはトッテナム。ワーワーするスタートの中でプレッシングからリズムをつかんでいく。ラメンスの地雷パスからいきなりソランケが決定機を迎えると、以降もユナイテッドの中盤のパスワークを阻害することで敵陣からカウンターを仕掛けていく。最終ラインのファン・ヘッケもボールを奪ったところから一気に攻撃参加を見せるなど、アグレッシブに高い位置を取る。
自陣からのゆったりとした保持においては逆のCBであるセネシが中心。ライン間の楔とハーフスペースの背後にふわっと送るパスを使い分けながら敵陣に入るきっかけを作る。サイドの三人称での攻撃も悪くなく、自陣からのポゼッションでもスムーズに敵陣に入っていく。
ユナイテッドは自陣からボールを出すフェーズが不安定。トッテナムに対して押し返すアクションをかけることができないまま飲み込まれてしまう立ち上がりとなった。
しかし、こういう状況でも得点が入らないのが今のトッテナムの苦しいところ。あとは決めるだけという決定機もつかむことができないまま時間が過ぎていく。
時間が経つと少しずつ保持の時間を取り戻していくユナイテッド。トッテナムのプレスの一つ前に入るポゼッションからゆったりとボールを回していく。
だが、1人の選手のドリブルにあまり周囲が反応することができず。仕掛けに連動する動きがないことで攻撃が仕上がりきらない。
トッテナムもこの時間帯は停滞。レーンを変えながらパスをつないでいくが、ユナイテッドの守備に先回りされているシーンが目立った。
後半もにらみ合いが続く展開。ユナイテッドは前半よりもフィーリングは良好。クーニャのポストからサイドの奥を取ってより深く攻め込むことができていた。
定点攻撃ではファン・ヘッケ周辺を狙い撃っての攻撃も。引き出して背中を取るところまで持っていき、シュートで相手を脅かしていく。
トッテナムはクドゥスのカウンターなど少ない手数で反撃。前半の立ち上がりに比べれば減ったが、押し込むことができれば三人称の攻撃から決定的なチャンスも作っていく。
先制点は押し込むユナイテッド。左のハーフスペースへの侵入から反転したムベウモが仕留めてリードを奪う。
さらに乱闘からベンタンクールが退場。ユナイテッドは数的優位を確保する。
トッテナムは割り切って攻撃的な選手を投入することで、ユナイテッドのゆったりとした保持に風穴を開けにいく。終盤にようやく押し返す機会を得たトッテナム。ユナイテッドはシンプルなクロス対応で痛恨の失点。ボールではなくソランケをチェックしたことが裏目に出てしまったリサンドロ・マルティネス。アクシデンタルに追いつかれてしまうこととなった。
今季の内容に沿った消化不良の90分を過ごした両チーム。オールド・トラフォードの両チームには笑顔は見られなかった。
ひとこと
苦しい。とにかく。
試合結果
2026.10.10
プレミアリーグ 第6節
マンチェスター・ユナイテッド 1-1 トッテナム
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:73′ ムベウモ
TOT:90+2′ ソランケ
主審:スチュアート・アットウェル
第7節 リーズ戦(A)

後半に自分たちの流れを作れず
ミッドウィークにアトレティコに敗れ、雰囲気はかなり暗くなってきたマンチェスター・ユナイテッド。今季ここまで好調のリーズとの一戦に臨む。
戦い方をガラッと変えたのはマンチェスター・ユナイテッド。非保持でミラー気味の3-4-3を採用。ブルーノは真ん中に入るという配置のトリッキーさもありながら、リーズに対してきっちりとプランを組むような振る舞いを採用する。
リーズはまずはCHが列落ちしながらプレスがどこまでついてくるかを監視。サリーなどで陣形をずらしていくと、マンチェスター・ユナイテッドはプレスに迷いが出てくるため、徐々にリーズはフリーの選手が出てくるように。
運べる手段を見つけたリーズは右サイドからキャリー。ブルーノ、リサンドロ・マルティネスなどが安易にスライディングするケースもあったが、後方に陣形を重くしたこともあり、ハーフスペースへの侵入を許しても大きなピンチにはならないケースもあった。
マンチェスター・ユナイテッドは保持においてはゆったりと。CBの2枚がGKを挟んでのポゼッション。ボールを奪った後のトランジション以外はなかなかチャンスを作ることは難しそうな展開に。
シンプルな右サイドからの攻撃が多かったマンチェスター・ユナイテッド。リーズはボックス内の守備のマークの受け渡しが怪しく、マークがずれてフリーの選手を作ってしまうこともあった。
チャンスは少ない展開であったが、ワンチャンスをモノにしたマンチェスター・ユナイテッド。右サイドへの展開からティーレマンスがディアロの手助けを利用し、突破に成功すると折り返しをムベウモ。リードを前半のうちに確保する。
以降はリーズがボールを持ちつつ、ジリジリとした展開が続行。だが、サイドからの切り崩しはなかなか本丸まで辿り着かず。試合はマンチェスター・ユナイテッドがリードしてハーフタイムを迎える。
後半、追いかける立場となったリーズは引き続き右サイドからクロスをガンガン上げていく。ボーグルのボールタッチはなかなか守備側が咎めるリズムを掴みづらそうではあった。
押し返すきっかけが掴めないという意味で、このままリーズにクロスを繰り返させていていいのか?という疑問が出てきそうなタイミングでセットプレーから追いつくことを許してしまう。ニアでムハレモヴィッチがすらしたところに飛び込んだのがキャルバート=ルーウィン。マーカーのバレバは途中でマークをするのをやめてしまったように見えた。
同点となったことでめんどくさい空気になるエランド・ロード。前節アーセナルにやられた逆転劇をやってやろうとリーズは愚直にクロスを上げ続けていく。
マンチェスター・ユナイテッドはなんとか空気をフラットなモノにするが、そこからもう1つ踏み込むことができずに停滞する。まさに前節のトッテナム戦と同じ雰囲気に乗ってしまった感がある。
リーズも左サイドにヌメチャを入れることでもう一度ギアアップを図っていくが、ボックス内での水際のマンチェスター・ユナイテッドの粘りを振り切ることができず。あわやというシーンもブロックされてしまい、押し切ることができなかった。
結局試合はそのまま終了。タイスコアで勝ち点1を分け合う結果となった。
ひとこと
マンチェスター・ユナイテッド、もう少し後半にギアを上げて行きたかった。
試合結果
2026.10.18
プレミアリーグ 第7節
リーズ 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
エランド・ロード
【得点者】
LEE:51′ キャルバート=ルーウィン
Man Utd:35′ ムベウモ
主審:ダレン・イングランド
第8節 ボーンマス戦(H)

さらに強まる風当たり
勝てない試合が続き、キャリックへの風当たりが強まる一方のユナイテッド。オールド・トラフォードで自分たちよりも下の順位に沈むボーンマスに勝てなければ、その風がさらに強まることは想像に難くない。
ともに4-4-2の組み合い。そこからどうズラしていくか?というのが求められるスタート。
ボーンマスはゆったりとボールを持つ最終ラインからサイドに展開。時折、CHのアダムスがサリーするなどして3バックになり、後方の出し手を確保する。
アタッキングサードにおいてはロングスローなど、スタジアムに吹き荒れる強風を加味した不確定要素を作りやすいセットプレーを連打する立ち上がりとなった。
ユナイテッドも3バックへの可変。LSBのショーがビルドアップに関与せずに大外に張ることは確定。その分、SHのマウントは内側に入る。3バックは残りの3枚をストレートに入れるか、CHが落ちて逆側のSBも押し出していくか?ということになる。
しかしながら、アタッキングサードの攻め筋は不足。フリーになった中盤から対角のルーク・ショーを活用することはしていたが、マウントとの二人称の連携では早々にクロスを上げるくらいしか勝負をかけることはできず。
かといって、右サイドの攻め筋には縦方向のベクトルがない。ディアロのドライブに対して守備側がきっちりと縦を切れば、ユナイテッドは怖さのない左サイドに横断せざるを得ない。
それならば中央を一発でこじ開けようとムベウモへのパス。こういうことをするならば不調とはいえ、この日はベンチのブルーノ・フェルナンデスが適任。ブルーノがいない状況でブルーノが一番向いていることに帰結するのはなかなかハードモードである。
かといってボーンマスも序盤に数回放ったカウンターとセットプレー以降は攻撃の形を見いだすことはできず。試合はチャンスが少なく膠着した展開に。
その状況を動かしたのはセットプレー。右サイドからのFKをファーでフリーになって詰めたラヤンが先制ゴールをもたらす。勢いに乗ったボーンマスは足元を取られたヨロを咎めて5分後にショートカウンターから追加点。立て続けに2点を奪い、ハーフタイムを迎える。
後半も立ち上がりからボーンマスはユナイテッドを強襲。バタバタしたバックラインはミスを重ねてあわやというシーンを作られるが、なんとか失点だけは回避する。
前線に入ったクーニャを中心に2列目より前は中央に集結。前半よりは近い距離感でパス回しを行っていく。しかし、ボーンマスも2点のリードがあるだけに中央をきっちりとプロテクト。アウトサイドでのユナイテッドの連携は動き出しとパスが合わず、ボールが相手に渡って攻撃が終了する。
そうしている相手にボーンマスは3点目。ユナイテッドのロングボール処理の切れ目を突いたエヴァニウソンがゴール。マグワイアとリサンドロ・マルティネスはGKに任せて保持に備えたといえなくもないが、風のある状況でそういう判断が本当に正しかったか。少なくとも相手のFPはサボらずに詰めた結果、ご褒美をもらった格好である。
再起を図る一戦でキーマンを外して大敗。キャリックの思い描いていた結果はまるで手に入らず、オールド・トラフォードにはブーイングが吹き荒れる結果となった。
ひとこと
クルーピ、おかえり。
試合結果
2026.10.25
プレミアリーグ 第8節
マンチェスター・ユナイテッド 0-3 ボーンマス
オールド・トラフォード
【得点者】
BOU:38′ ラヤン, 43′ タヴァニア, 71′ エヴァニウソン
主審:ジャレット・ジレット
第9節 チェルシー戦(A)

CBが空けた致命的な大穴
前節はホームのファンにいい試合を届けることができなかった両チーム。巻き返しに向けての一戦、特に16位に沈むユナイテッドにとってはかなり勝ちに飢えて迎える試合となるだろう。
4-4-2で組み合う試合の中で、まずは前線を動かしながらポゼッションしたのはチェルシー。パーマーも最終ライン手前まで落ちるなど自由なポジション取りを許容しながらボールを前に動かそうとする。
ただ、どちらかというと試合のテーマはこのポゼッションへのトライから派生したトランジションを仕上げられるかどうか。サイドアタッカーがカウンターの出口になることができるかである。
そういう意味ではチェルシーのアタッカーの方が役割を果たすことができていた。前を向いたときの1on1の怖さを作ることができていたし、エステヴァンの横パスでのズラしの作り方も面白かった。
しかしながら、ユナイテッドは体を張って攻撃を止めたあとのカウンターで相手の裏を取るという守から攻への接続でカバー。ブルーノ、ディアロの両サイドが抜け出していく。
ラストパス、シュートの精度が戻らないブルーノは引き続き苦しんでいたが、ディアロは時間の経過とともに悪くない形作りに成功。ムベウモが縦にフリーランのサポートをすることで、ディアロのカットインだけ消しておけばOKという策を打たれてしまった前節の反省を生かしたように見えた。縦へのサポートランがあることで内側へのカットインも光るようになったディアロだった。
逆にチェルシーは低い位置でのロストからユナイテッドのカウンターをお膳立てしてしまう場面が散見。自陣での対応としてはやたらと入れ替わられて抜け出しを許すフォファナの怖いプレーが続いていたが、なんとかギリギリで踏ん張った。
ユナイテッドも直前のシーンではオフサイドながらもセットプレーからアシストパスを出したマグワイアが入れ替わられてピンチを演出。ヒーローにも批判の的にもどちらにも転びうるパフォーマンスを見せた前半だった。
後半、チェルシーは保持を前半よりも回復。深い位置を取りながらサイドアタックから糸口を探っていく。しかし、ユナイテッドもダロトの抜け出しから左サイドへの強襲を試みる。守から攻へのトランジションが後半もキーになりそうな展開だった。
このキーポイントを制したのがチェルシー。トランジションからドリブルしたロジャーズが中央を切り裂いてゴール。外に流れたエステヴァンがいたとはいえ、中央を開けてしまったマグワイアは軽率だったと言えるだろう。
深追いしてリカバリーをかけなければいけないユナイテッドだが、前半から後方に人数をかけてポゼッションしていくチェルシーにゆっくりと外されていく。サイドアタックに対する手当てが後手に回るようになったユナイテッドはリサンドロ・マルティネスが警告を受ける。
この直後にリサンドロ・マルティネスはセットプレーで再び警告を受けて退場。試合の決め手となる2点目の献上とともにピッチから去ることに。
こうなってしまうと完全にチェルシーのワンサイド。ライン間のパーマーが自力で前を向くなどやりたい放題。ユナイテッドのDF陣を背走させ続ける。
3点目こそ奪いきれなかったチェルシーだが、内容としては完勝。ユナイテッドは公式戦の未勝利が9に伸びることとなった。
ひとこと
序盤は沈黙、後半になんとか点をもぎ取るスタイルのユナイテッドだが、今日は前半に点が入らなかったことが痛かったかなという感じ。スタッツ通りといえばそれまでだけど。
試合結果
2026.10.31
プレミアリーグ 第9節
チェルシー 2-0 マンチェスター・ユナイテッド
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:50′ ロジャーズ, 64′(PK) パーマー
主審:ピーター・バンクス
