マンチェスター・シティ、26-27シーズンの歩み。
第1節 ボーンマス戦(H)

意地を見せた逆転劇で初戦を飾る
コミュニティ・シールドではアーセナルに完敗。準プレシーズンマッチの位置付けの中で結果をそこまで気にする必要はないとは思うが、プレッシャーを回避するためにも早めに勝利は欲しいところだろう。対戦相手は昨年優勝の望みを絶たれたボーンマスだ。
シティは3-2-5のポゼッションがベース。右の大外はフォーデンとルイスが大外レーンを入れ替えていたが、まずはカチッと型にハメる意識が高かったのはマレスカらしい。
ボーンマスは4-4-2ベースのミドルプレスを敢行。敵陣に追い込んでいこうとするのだが、ハーランドへのロングボールをちらつかせつつ、基本的にはFW-MFのスペースをきっちりと空けながら前進をしていく。一度浮いた選手を作ればそこから一気に加速。敵陣に押し込んでから仕留めるというよりは、ミドルゾーンからの加速をそのままフィニッシュに結びつけるスタンスのシティだった。
ボーンマスは直線的なアプローチ。前線へのロングボールが軸であり、中間をすっ飛ばすイメージはシティよりも強かったと言えるだろう。ハイプレスはやや空振り気味であったが、ロングボールは最終的に刺すことに成功したボーンマス。26分のタヴァニアのゴールは粘りながら最後はファーサイドに流れたタヴァニアがゴール。シティとしてはリコ・ルイスの戻りの遅れが悔やまれる失点だった。
試合のペースはスコアでは動かず。相対的にゆったりとしているシティは押し込むシーンも徐々に増えていくが、サイドが二人称気味になっており、なかなかギャップを作ることができず。左サイドにタメを作り、右のフォーデンに1on1を託すという形が作れていたが、大外をフォーデンに任せる形はそれでいいのかなという感じもする。
ハーフタイムを経ても流れは同じ。ポゼッションをしながらもアタッキングサードに物足りなさを感じるシティがもどかしいまま時計の針を進めていく。
ボーンマスは前半よりも極端に前に前にという感じではなく、左右にボールを散らしながらシティのプレスを外す。ボーンマスのビルドアップに対して、シティのハイプレスがイマイチきっかけを掴めなかったのが辛いところである。
シティが押し込む局面でも変わらない二人称のサイドアタック。それでもチェルキの登場で徐々に中央のナローなスペースを崩す場面が出てくるように。
決め手になったのはセットプレー。ぽっかり空いたグエイが同点のゴールを叩き込む。ボーンマスは前後半を通じて、CKでターゲットが空く場面が数回続いており、その懸念が最終盤に噴出してしまった。
最後の仕上げはチェルキの柔らかなラストパス。ストライカー仕様の抜け出しとフィニッシュを見せたグバルディオルが重要なシュートを仕留めて勝ち越し。終盤に意地を見せたシティがホームで開幕戦を勝利で飾った。
ひとこと
なんとか掴んだ3ポイント。勝利が内容を引っ張っていければ。
試合結果
2026.8.23
プレミアリーグ 第1節
マンチェスター・シティ 2-1 ボーンマス
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:84′ グエイ, 90+2′ グバルディオル
BOU:26′ タヴァニア
主審:ジャレット・ジレット
第2節 クリスタル・パレス戦(A)

見える設計図と見えない完成図
開幕節では苦しみながらもボーンマスを下したシティ。フライデーナイト行きとなった今節はパレスとの一戦に臨む。
お決まりのシティが保持でパレスがローブロックで迎え撃つという展開にはならなかったこの試合。序盤にボールを持ったのはむしろパレス。左右に散らしながらゆったりとビルドアップを敢行。CHの鎌田やウォートンが浮けば、そこから1つ奥に向かうことができる。
アタッキングサードでの狙いは右のハーフスペースの裏。ピノが抜けてここからアシストを狙っていく。4バック相手の狙いとしては悪くはないのだけども、少し気になるのはWBが静的な局面で相手に仕掛けるイメージが湧かないこと。ブロック崩しにおける大外のキャラクターは周りのオフザボールをエサに自分で仕掛けることができる怖さが欲しい。ミッチェルもカライリも、ついでにムニョスもそういうキャラクターではない。
シティはそのままハイプレスに出てくるパレスをいなしながら前進。アンダーソンがアンカー役となり、SBのグバルディオルは前に出ていくというポジションバランス。序盤はやや直線的なアクションが目立つ展開ではあったが、少しずつWGを活かしながら押し下げる形にシフトする。
先制点は大外からのシンプルな形。ハーランドが空中戦でリチャーズに勝利。ノルウェー代表仕様に近いハーランドの活用方法からゴールを生み出す。
パレスはハイプレスでのギアアップができないのが辛いところ。保持のところで相手を外しながら前進するフェーズはできそうだったので、そこから右のハーフスペースの裏を出口にしていく。
しかしながら、前述の通り大外が効かせるキャラクターじゃないこともあり、なかなか決め手に欠ける展開。無理が効くインサイドの選手たちが軒並み欠場していたのも辛いところだった。
後半、シティは順当に押し込みながらポゼッションでの追加点を狙う。決め手になったのはチェルキのドリブル。アンダーソンのボール奪取から加速すると、見事な緩急でパレスの3人のCBを一気に刈り取り、冷静にフィニッシュして見せた。
ピノの一撃でオウンゴールを誘発し、ここから一気に巻き返したかったパレス。しかし、再びチェルキのミドルでシティが反撃ムードを黙らせてしまう。
このゴールで試合のテンションは一気に降下。ゆったりとした展開の中でシティの交代選手がアピールを必死に続けていく。
試合はハーランドがもう1つゴールを重ねてシティの完勝。2連勝と2連敗という対照的なシーズンの幕開けになった。
ひとこと
クリスタル・パレス、やりたいことは見えてきたけども、やりたいことのために必要な選手が揃っているかは微妙なところ。
試合結果
2026.8.28
プレミアリーグ 第2節
クリスタル・パレス 1-4 マンチェスター・シティ
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:56‘ ドンナルンマ(OG)
Man City:17′ 84′ ハーランド, 54′ 59′ チェルキ
主審:アンディ・マドレー
第3節 コベントリー戦(H)

ノルマを掴む逃げ切り
王座奪還を狙うシティは開幕2連勝スタート。2連敗で昇格組の中で唯一未勝利のコベントリーとは対照的なシーズンの序盤戦となっている。
まずはボール非保持から入ったコベントリー。5-4-1できっちりと陣形を組むことで相手の保持を受ける構えだ。機を見たハイプレスでドンナルンマを脅かすシーンもあったが、こうしたシーンは稀。基本は相手にポゼッションを許しながら、サイドに狭く圧縮できる場面を狙っていく。
シティは3-1-6のような布陣からポゼッション。アンカー役のアンダーソンは中央に鎮座する代わりに、動き回るのはデッドラインデーに加わったエンソ。主に右サイドに流れることで+1となりながら攻撃を活性化する。
前半はシティのチャンスが多かった。ハーランドの抜け出しに加えて、フリーマンやエンソのキャリーから前進。徐々にコベントリーに失点の危機を突き付けていく。
こじ開けるきっかけになったのは前半から存在感抜群だったエンソから。右サイドの縦へのセメンヨの抜け出しを誘発すると、ここからの折り返しをハーランドが仕留めてスコアを動かす。
ロングボール主体ながら前進のきっかけを掴むことができなかったコベントリー。失点しても一方的に殴られる構図を変えることができないまま。ハイプレスから相手のボールを奪うことができず、シティのポゼッションによるモノトーンな試合展開を動かすことができない。
一度アウォニィがカウンターからあわやというシーンを作るが、狙いが定めやすかったこともあり、あっさりとボールを奪って終了。エンソとセメンヨが存在感を発揮した右サイドからシティが一方的に殴り続けるままハーフタイムを迎える。
後半もペースはシティ。サイドから突っついていくフェーズは続き、延々とボールを回していく。
コベントリーは縦に速い展開を狙うが、メイソン・クラークが前を向いて加速する機会は作れず。前半と同じ停滞に直面する。
やや試合の流れが変わったのは交代選手が入ってから。チャウナの馬力が出て、右サイドから縦への鋭さが出たところから少しずつコベントリーは反撃のきっかけを掴んでいく。
ボックスの中ではシムズがヘディングから決定機。スピード&パワーという反撃の舵の切り方を見ると、坂元に出番がないのは妙な納得感がある。
シティは反撃を受けても最後のところを凌ぎつつ、中盤をブアディで補強して保持局面を制御することに注力。交代選手でコベントリーが反撃攻勢に出てからは主導権を握り切れなかったが、淡々と時計の針を進めることには成功。ノルマとなる勝ち点3の確保には成功した。
ひとこと
コベントリー、勝てない現状から少しずつ方向性の整理に入った感じがする。
試合結果
2026.9.5
プレミアリーグ 第3節
マンチェスター・シティ 1-0 コベントリー
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:26′ ハーランド
主審:ポール・ティアニー
第4節 マンチェスター・ユナイテッド戦(A)

数と結びつかない武器
新監督の元でロケットスタートを決めているシティと、正式監督に着任してからはどこか閉塞感が否めないユナイテッド。ここまでのシーズンの運びはやや対照的な両チームのダービーだ。
序盤からボールを持つのはシティ。後方は3-1型、前線は遊びを持たせた6枚による動きをつけながらの前進で敵陣に入っていく。
アンカー役のアンダーソンのサポート役となったのは、エンソではなくトップ下のチェルキ。枚数を調整しながら後方でボールを動かしていく。
対するユナイテッドはロングボールから。ただし、この日はロングボールのターゲットとなる前線はいないので、対角パスでサイドを終着点としたキックが多かった。
インサイドにボールをつけることができなかったユナイテッド。外外での攻め筋となり、クリティカルな形で敵陣にボールを送り込むことはできず。
むしろ、ユナイテッドの手応えとなったのはプレッシング。4-4-2からCHのメイヌーがジャンプしてアンカーのアンダーソンにプレスをかけていく形はどことなく有効。強引に取り切るのではなく、ジリジリと圧力をかけて相手のミスを呼び込むのがうまかった。
シティはショートパスからプレスを回避していきたいが、ミドルゾーンでの少ないタッチでのミスが目立ったことで脱出できず。保持からリズムを掴むことができない。
とはいえ、ユナイテッドも決め手を欠く中で主導権がどちらに流れるかは難しいところ。そうした中でフォーデンが報復行為で退場。シティは10人での戦いを余儀なくされる。
シティのポゼッションに変化はなし。3-1をベースに中盤のヘルプなどレーンを明確に固定せず、流動性を持たせながら攻め筋を作っていく。あえて不確定要素を作っている感は個人的にはいい方向性だったように思える。
ユナイテッドは少しずつ保持のターンを増やしていくが、外循環でインサイドにパスを差し込むことができないのは同じ。大外での無駄なオフサイドなど、ため息が出てしまうような攻撃の終わり方が多かった。一番惜しかったのはラッシュフォードのFKという、退場が起きた展開とはあまり関係ないものだった。
後半、ようやくユナイテッドは左右に散らしながらメイヌーのミドルなど、保持の長所を活かした攻撃からゴールに迫っていく。隙があればラインの高さを回復しようとするシティに対して、裏を取る動きを見せるアプローチも悪くはなかった。
ただ、誤算だったのは前半よりもプレスの強度が落ちていたこと。シティがなりふり構わずハーランドを前進手段に使ったこともあり、ユナイテッドは少しずつ自陣に押し下げられる場面も出てくるように。
すると、左サイドからのクロスをハーランドが一撃で仕留めることに成功。エンソのオフサイドの有無が物議を醸したゴールではあったが、この試合では得点は認められることとなった。
反撃に出たいユナイテッドだが、とにかく保持で勢いが出てこない。サイドでの少ない人数での攻撃、セットプレーでのマグワイア、強引なミドル。武器がいずれも数的優位というシチュエーションを活かしきれていない感が否めない。
相手の守備ブロックを越えてもそこに待っているのはドンナルンマ。ファインセーブでユナイテッドのチャンスをシャットアウトする。
10人で受けながらリードを守るという慣れない展開でも勝ち点3を確保したシティ。開幕からの連勝をさらに伸ばし、アーセナルと再び勝ち点で並ぶこととなった。
ひとこと
崩しに3人以上の連携のカードが出てこないと10人だろうと11人だろうと押し込む試合は難しくなる感が見えたユナイテッドだった。
試合結果
2026.9.13
プレミアリーグ 第4節
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 マンチェスター・シティ
オールド・トラフォード
【得点者】
Man City:60′ ハーランド
主審:マイケル・オリバー
第5節 サンダーランド戦(H)

乱戦を制して唯一の5連勝
前日にアーセナルが敗れたことで、唯一の5連勝の可能性を残すチームとなったマンチェスター・シティ。今節は前節にそのアーセナルに敗れたサンダーランドを迎えての一戦だ。
アーセナル戦で撤退した守備+ブロビーによる前進という徹底的な割り切りを見せていたこともあり、この試合でも同様の形で進んでいくかと思われたサンダーランド。しかし、3-1-5にプラス1でサンダーランドの撤退4-4-2を攻めるというシーンはあまり見られず。サンダーランドはガッツリと組み合いながらトランジションで勝負を仕掛けていく。
一方のシティもこの直線的な試合展開に乗っかった感。こういう展開でもWGに雑にボールを預けておけば勝負をかけられるというところが今季のシティの編成の強みでもある。
先制点は少し意外な形から。レフスのポジショニングを見たエンソが虚を突く直接FKで試合を開幕させる。
しかし、すぐにサンダーランドは反撃。糸を引くようなル・フェの正確なラストパスからブロビーが一気にゴールを奪い取る。
このゴールをきっかけに始まったトランジションの応酬は試合の終盤までテンポを引っ張ることに。常に先手を取っていたのはマンチェスター・シティ。今季のサンダーランドの悪癖と言ってもいいCBの強引なパスをカットし、チェルキが見事なフィニッシュで仕留めた。
しかし、シティが先に行くとすぐに反撃をするというのがこの試合の前半の構図。ムニエの抜け出しから、あとは誰もいないゴールに押し込むだけのブロビーが2点目を確保する。
だが、三度シティは前に。サイドからのファークロスを狙うアクションが奏功し、セメンヨが二次攻撃を仕留めてリードでハーフタイムを迎える。
後半はシティがゆったりとした保持からペースを整えようとするが、サンダーランドは非保持でペースが緩まるのを許さない。アングロ、ブロビーのフィジカルを活かした前進にはだいぶシティも苦しめられた感がある。
しかし、その状況を活かしたのはシティ。ラストパスを受けようとしたセメンヨとハーランドは同じ目的地に同じ時間で待ち合わせをしてしまうという、ややもったいないオフザボールの動きを見せてしまったが、この動きがお互いのマーカーが待ち合わせ場所で事故るという奇跡を創出。こぼれを手にしたセメンヨがゴールを奪った。
一手遅れながらお馴染みとなった反撃をブロビーが仕留めたのは2分後。この試合のブロビーのゴールはいつだって反撃を目指すための一撃であった。
終盤はオープンな中で兵糧に勝るシティが少しずつアドバンテージを引き寄せる格好。最終的には終始シティが頑張っていたサイドのトランジションで決着。飛び出したグバルディオルが最後にハーランドのゴールをお膳立て。大乱戦はついに終幕。シティがリーグ唯一の開幕5連勝を決めた。
ひとこと
ブロビー、3点中2点がxG0.9超え。PKよりはるかに上のxGで面白い。
試合結果
2026.9.20
プレミアリーグ 第5節
マンチェスター・シティ 5-3 サンダーランド
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:9′ エンソ・フェルナンデス, 29′ チェルキ, 43′ 57′ セメンヨ, 81′ ハーランド
SUN:12′ 33′ 59′ ブロビー
主審:ロベルト・ジョーンズ
第6節 リバプール戦(A)

大騒動をよそにアンフィールドを制圧
ピッチ外での大騒動を経て3週間ぶりのリーグ戦に臨むシティ。アンフィールドに駆けつけたファンはバナナの風船を持ち込み、チームを盛り立てるサポートをしてみせた。
迎え撃つアンフィールドのリバプールファンは凄まじい圧力。シティがボールを持つたびに大音量のブーイング、リバプールが奪うたびに大歓声。普段から雰囲気がいいスタジアムだが、この日は明らかに一段上のパワーを発していた。
リバプールはサイドからきっちりと奥を取るスタート。右サイドを中心に背後を取っていく。ミドルゾーンにおいてはフラフェンベルフのキャリーもアクセントになっており、シティのプレスを回避するところから攻撃を一気に加速させていく。
攻撃の機会を得たリバプールではあったが、仕上げるところまでは至らず。序盤のラッシュはドンナルンマを中心とした守備でシティに抑え込まれてしまう。
15分が経つとシティが少しずつ保持を敢行するように。セメンヨ、エンジアイというWGから仕掛けてボックス内にボールを入れていく。リバプールもWGからの仕掛けが攻撃の中心。どちらのチームもWGからの仕掛けのクオリティ次第という状況に。
この流れの中で悪い意味で目についてしまったのはバルコラ。1on1を仕掛ける舞台自体は味方に整えてもらったものの、シティの守備者がサポートに来て1on2になるまで仕掛けることはできず。味方を引き寄せたことを特に左サイド全体でカバーするような動きもなかったので、時間をかけてただただ潰されてしまう場面が多かった。
対面との駆け引きという意味ではバルコラに比べると、シティのWG陣は1on1をなんとかできそうな雰囲気はあった。しかしながら、インサイドとのつながりやサイドとの連携という意味では充実度はもう一つ。リバプールに比べると押し込む頻度が少なかったこともあり、得点に直結する機会を作ることはできず。序盤のアンフィールドの圧力というハイライト以降はなかなかチャンスという意味での見どころが少なめの前半だった。
後半も立ち上がりを思い出すようにリバプールはハイプレスから攻勢に。中盤のカットからスピーディに攻撃を完結しにいく。WGに展開してしまうと決め手に欠けるという前半の反省を活かすように、縦に速く仕留める意識を持ちながら攻撃を仕上げにいく狙いだ。
非保持からリズムを掴む攻撃の完結はミドルシュートラッシュ。ブロックの外からオープンになったところでガンガンシュートを放っていく。しかしながら、ドンナルンマ相手に遠距離から穴を開けるのは骨の折れる作業。なかなかこじ開けることができないまま時間が過ぎていく。
そうした中で流れを変えることになったのはドクの投入だろう。右に移ったセメンヨも含めて、この時間からシティのWGは懐の深さを見せるように。相手を背負いながらの反転でマークを剥がし、リバプールのセンターラインにカバーを強いる場面が目立っていく。
敵陣でもドク→オライリーというラインが成立したことで、ラインを押し下げながらの攻撃が機能するように。どこからでも崩壊してもおかしくない流れを作ると、リバプールはまんまとこの流れにハマってしまうことに。この日好調だったフラフェンベルフが2枚の警告で退場。アラウホを剥がして加速するドクに対して思わず体が反応してしまい、リバプールは10人となる。
攻め筋を確立したシティが一番欲しかった「攻撃の機会」を担保する数的優位を確保できたことで試合は一方的に。ドクの仕掛けに合わせたハーランドをきっかけに一気に3得点を決めてアンフィールドを沈黙に陥れる。
ピッチ外の騒動の余波を感じさせないパフォーマンスを見せたシティ。虎視眈々と反撃の機会を待ちつつ、一気に牙を剥いてのアンフィールド制圧に成功した。
ひとこと
優勢ではあったものの、危ういバランスでもあったリバプールなので、こういう傾き方をすると一気にというのは仕方ないかなという感じ。
試合結果
2026.10.11
プレミアリーグ 第6節
リバプール 0-3 マンチェスター・シティ
アンフィールド
【得点者】
Man City:65′ ハーランド, 68′ ドク, 78′ チェルキ
主審:クリス・カヴァナー
第7節 イプスウィッチ戦(H)

長いATも問題なし
ここまで開幕から連勝が続いているシティ。今節は昇格組のイプスウィッチをホームに迎えての一戦に臨む。
イプスウィッチはきっちりと自陣で受ける構え。5-4-1のようなフォーメーションでまずはローブロックを組んでいく。
特に入念にケアしていたのは前節アンフィールドで流れを変える一手となったドク。ワッタラが対峙しつつ、オシェイが連携。さらには中央のCHもスライドしながらドリブルでスピードに乗らせるスペースを与えない。逆サイドのエンジアイにもきっちりとマークをつけてはいたが、ドクのサイドの方がより手厚いケアを見せていた。
とりあえず、WGに任せながら試合を進めていくシティ。CHが同サイドに圧縮する素振りをしていたイプスウィッチに対して、CHの背中を取るようなインサイドに入っていく形ができればギャップを作ることができる。
だが、そうした場面は稀。大外に立つWGが孤立しながら困るシーンが多かった。
ややズルズルした流れを変えたのはトランジション。イプスウィッチがやや前がかりになったシーンをうまく利用したシティ。ここまでは2枚以上でマークされていたドクにこのシーンでは1枚のみ。このドクからのクロスをフォーデンが仕留めて先制する。
保持の側に回ればイプスウィッチはゆったりとボールを持ちながら動かしていく形を作っていく。非保持のシティは無理にペースアップすることはなし。ある程度ボールを持たせていく。
後方でゆったりと動かしつつ、どこかで一気にスピードアップをするというのがイプスウィッチのスタンス。左サイドのエメルソンへのロングボールが主体だったが、決め手になったのは右サイドの前田。グエイの背後を取るフリーランで抜け出し、プレミア初ゴールをゲット。試合を振り出しに戻す。
追いつかれてからは再びゆったりとボールを持ちながら試合を進めるシティ。サイドに流れたコバチッチからのクロスをハーランドが仕留めてリードを再び確保する。
後半はイプスウィッチが非常にアグレッシブなプレスをかけてきたことで試合は一気にオープンに。序盤は組み合う手応えもあったイプスウィッチだが、徐々にファストブレイクからシティが主導権を握っていく展開に。
空中戦からお互いに決定機を仕留めきれなかった後、カウンターの打ち合いとなった試合でスコアを動かすことに成功したのはシティ。こういう展開ならお手の物という形でハーランドが追加点を決める。
そのハーランドはもう1回ネットを揺らすもこれはオフサイド。シティが試合を決め損ねた直後にグエイがPKを献上。このPKをフレミングが仕留めて1点差に縮める。
12分という長いATの反撃の機会が与えられたイプスウィッチだが、反撃はここまで。試合はシティが逃げ切り、開幕7連勝を果たした。
ひとこと
前田、この難所でプレミア初ゴールというのはなかなかに持っている。
試合結果
2026.10.17
プレミアリーグ 第7節
マンチェスター・シティ 3-2 イプスウィッチ
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:19′ フォーデン, 34′ 70′ ハーランド
IPS:21′ 前田大然, 90′(PK) フレミング
主審:ファライ・ハラム
第8節 アストンビラ戦(A)

一番渡ってきた危ない橋
アストンビラは立ち上がりから誘引ビルドアップ狙いを前面に押し出すスタート。ジャクソン、マンザンビへの縦パスを狙って一気に加速させる形を目指す。
シティのポゼッションは後方から左右に散らしながら。しかしながら、ビラ・パークのブーイングを浴びながらのファーストトライでミスが。エンソのサイドチェンジを受けたところからのグエイのトラップが大きくなり、マッギン→ジャクソンのカウンターが発動。角度のあるところからのシュートになりそうだったが、アンダーソンが滑って入れ替わられてしまったせいでシュートコースが空いてしまった。
先制を許したシティはWGにボールをつけていくスタート。カットインからのシュートが冴え渡るエンジアイと、グバルディオルをオライリーのように操るドクが左右から異なる攻撃を仕掛けていく。
カットインからのシュート、縦突破からの鋭い折り返し。シティの攻撃パターンはどちらも厄介ではあったが、アストンビラは体を投げ出しながら対応。鈴木のセーブも非常に落ち着いていた。アリソンがいる右サイドはやや対応がハードそうだったが、途中から中央に移ったマッギンがカマラと共にフォローすることで守備を機能させていた。
カウンターベースとなったアストンビラ。ボールを預ければシュートまで打ち切ってくれるジャクソンの存在感は頼もしい。
ポゼッションにおいては危険を冒しながら誘引を継続。エンソを手前のスペースに引き出しながら、空いたアンダーソンの脇に縦パスを打ち込むムーブを継続。カマラは半身のままで前につけるなど危ない橋を渡っている感があったが、彼らが長年持ち味としてトライしてきた部分でもある。
後半、シティは2枚交代を敢行。ルイスの登場で右サイドはよりフォローが増える。押し込みながらサイド攻撃を続けていたシティはセットプレーの二次攻撃から同点。流れの中の対応としてエンジアイへのケアがマンザンビになってしまったのは誤算。インサイドではハンドオフしてフリーになったハーランドが仕留める。
しかし、すぐにファストブレイクからアストンビラは反撃。エンバイェをパートナーに速攻の起点と終点をどちらも務めたジャクソンがこの日2得点目。フィニッシュが決まらず揶揄された過去が嘘のように自信たっぷりのシュートでドンナルンマを打ち破り、再びリードを得る。
終盤も延々とWGのところで勝負していくマンチェスター・シティ。繰り返しのファウルで警告を受けたキャッシュはシビアな対応になったが、なんとか決壊しないまま最後まで進めることに成功。インサイドでも体を投げ出すことに注力したビラは逃げ切り。シティの開幕からの連勝を見事に7で止めてみせた。
ひとこと
みんないいパフォーマンスだったが、ジャクソンはちょっと別格。
試合結果
2026.10.24
プレミアリーグ 第8節
アストンビラ 2-1 マンチェスター・シティ
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:6′ 60′ ジャクソン
Man City:52′ ハーランド
主審:ピーター・バンクス
第9節 ブライトン戦(H)

またしても大物食いを果たす
まずはシティがいつもの3バック可変からスタート。アンダーソンが最終ラインに入るところからギャップを作りにいく。即座にフサノフが右サイドから爆速キャリーをしていたのはなかなかに印象的なスタート。マンツーをきっちり外すよという意識づけに見えた。
ハイプレスは無理に行っても空振りそうだなと感じたブライトンはミドルゾーンで4-4-2を構える形。ドクにはゴメスがカバーに入ってダブルチームにいく形。逆サイドのデ・クーパーは割とヌネスを監視しており、エンジアイはボスカリに任せる格好だった。
ブライトンは前に起点を作るのには苦労しつつ、なんとか時間を作ってグロスが攻め上がる時間を確保するスタート。それだけに先制点は意外な形から。対角フィードをつけることで右サイドの大外を取ったゴメスからの折り返しがファーまで抜ける形に。デ・クーパーが戻したところにいたアヤリが落ち着いてゴールを沈める。
シティとしてはファーまで流してしまったのがまずかったシーン。逆に、ブライトンはゴメスまでの対角であれば流れの中でダンクのフィードから再現可能な場面でもあった。
先制したことで保持局面が安定したブライトン。左右に散らしてシティのプレス隊の背中を取ることに成功する。
しかしながら、それ以上に強烈なシティのプレスに苦しんだのも確か。右サイドは先に挙げたフサノフに加えて、ブアディのキャリーでデ・クーパーのいない右サイドを上がっていく。カットインのカバーがいないエンジアイのケアには相当に苦労していた感があった。
ドクは2枚マークに来ても縦に抜ける強さがあったが、なんとか体を投げ出してのセーブを続けるブライトン。幾度もハンドが主張される展開だったが、いずれも腕が体についているか、予測が難しい跳ね返りだったため、VARからのレビューの推奨はなかった。
後半、立ち上がりに攻めたのはブライトン。タイミングよく最終ラインの間をかち割ったアヤリからの抜け出しでデ・クーパーがフリーに。しかし、これはシュートを枠に飛ばすことができず。だが、このシーン以降もアバウトなラインブレイクとそこからの押し上げによるハイプレスでブライトンは素晴らしい入りを見せる。
シティはトランジションからWGで殴り返し。後半は右のエンジアイからさまざまな選手のハーフスペース突撃を絡めて深さを作っていく。中央では途中投入のチェルキも右サイドへのフリーランを増やしながら、敵陣に入っていく。ブライトンはフェルブルッヘン、ヴシュコヴィッチを中心になんとか耐えていく展開に。
ブライトンはSBを早めに交代するなど、サイドの手当てを迅速にする展開。左サイドのハジャムは早めの投入の効果が見えたように思えた。シティも停滞気味だったエンジアイをアランに交代することで攻撃を加速させていくなど、見事な応じ手を見せた。
終盤にはルターというキープ役も投入し、時間稼ぎと決定機創出を両立させていく。なんとか終盤までしのいだブライトン。アーセナルに続いて大物食いを達成した。
ひとこと
マンチェスター・シティ、この日は決定力不足に泣かされた。
試合結果
2026.10.31
プレミアリーグ 第9節
マンチェスター・シティ 0-1 ブライトン
エティハド・スタジアム
【得点者】
BHA:11′ アヤリ
主審:クレイグ・ポーソン
