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「Catch up Premier League」~2022.8.22 プレミアリーグ 第3節 マンチェスター・ユナイテッド×リバプール ハイライト

■異なる顔を見せて主導権を握ったユナイテッド

 第3節で迎えたナショナルダービーはよもやよもやの未勝利対決。開幕時の予想とは違った意味での負けられない一戦になった。思い切った戦い方をしてきたのはテン・ハーグ就任後の初めてのポイントが欲しいユナイテッド。高い位置からのプレッシングでリバプールを追い立てる。

 直近の負け方ゆえにビルドアップにばかり議論が行きがちだったが、アヤックス時代のテン・ハーグのもう一つの特徴といえば極端なマンマーク。割とここまでの試合ではその部分は鳴りを潜めていたが、リバプール相手には立ち上がりからこちらの特徴を全開にした。

 ユナイテッドはゴメスにはやや持たせるのを許容した印象もあったが、後はマンマーク。特に縦パスを受ける選手には厳しくチェックすることで咎めていた。サラーに対しては深追いせずに後ろを気にする対応もちらほら。このあたりもユナイテッドは人によっての対応を変えている感じがあって面白かった。

 チアゴがいないこともあり、ボールを落ち着けることができないリバプール。割と我慢できずに蹴ってしまうが、フリーランに物を言わせるような前線の構成でもないので、長いボールも収めきれないというジレンマに陥ることになる。

 一方のユナイテッドは前節と異なるCB+2CHでのボックス型のビルドアップ。その分、左に流れられるマルティネスはのびのびとフィードを蹴ることができていたし、マラシアは1つ前でプレーする機会が多かった。

 ユナイテッドは前線のオフザボールの動きも良好。ブルーノ・フェルナンデスとラッシュフォードの2人は縦に相手を引き伸ばすフリーランでリバプールのDFラインを攻略していた。左サイドのエランガも同様。ワンツーからの抜け出しでアレクサンダー=アーノルドを出し抜いて見せた。

 ユナイテッドの先制点はその左サイドから。抜け出した左サイドから折り返しを受けたサンチョが切り返しながら逆足でゲット。

 リバプール視点で言うと、まずエリア内で悠々とサンチョに持たせる余裕を見せたのがまずい。失点の元は確実にここである。その上でミルナーとダイクの対応である。

 失点直後にダイクに即座に文句を言っていたミルナーの言い分は「右を切ったのだからダイクが左足に寄せるべき!」と言うものだろう。この失点の責任どうこうというよりはああいう寄せるべきタイミングを作ってあげれば、いい時のダイクは迷いなく潰せていたので、開幕からあまり調子が上がらないのかもしれない。

 先制点もあり、徐々にユナイテッドのプレスもマイルドになり、敵陣に攻め込めるようになるリバプール。だが、ヌニェスがいない時の右サイド偏重は相変わらずで、ユナイテッドは閉めるところの狙いは定めやすかったように思う。それでもクオリティを見せる場面はあったが、連携面も含めて右サイド一本槍では少し苦しい部分はあった。

 後半も同点ゴールを狙うリバプールだが、ユナイテッドがカウンターから返り討ちに。ハーフタイムに投入されたマルシャルからのポストで抜け出したラッシュフォードが追加点を奪う。

 2点のビハインドを背負ったリバプールは右サイドから猛攻。両IHも同サイドに集結し、とにかく右に狙いを定めた格好だ。マラシアを中心にユナイテッドはボールを閉じ込めるべく抵抗する。

 エリア内に入ってくるシーンが増えたリバプールだが、ここは前節失態を犯したデ・ヘアが奮闘。なかなか反撃のきっかけを許さない。それだけに81分のサラーのゴールは彼にとって悔しかったはず。直前のスーパーセーブもそうだし、この場面でも一度は弾いただけになんとかクリーンシートでリバプールを食い止めたかったはずだ。

 それでもリバプールの追撃はここまで。ハイプレスというテン・ハーグユナイテッドの異なる一面を見せた前半の優位がこの試合の大きな分かれ目だったと言えるだろう。連敗中のユナイテッドがリバプールを下し、本拠地で今季初勝利を飾った。

試合結果
2022.8.22
プレミアリーグ 第3節
マンチェスター・ユナイテッド 2-1 リバプール
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:16′ サンチョ, 53′ ラッシュフォード
LIV:81′ サラー
主審:マイケル・オリバー

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