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「Catch up FIFA World Cup QATAR 2022」~2022.11.28 Group H 第2節 ポルトガル×ウルグアイ ハイライト~

■保持の引き出しと最終局面の武器で質の差が

 勝てば3チーム目のグループステージ突破チームの仲間入りを果たすポルトガル。対戦相手は南米の常連であるウルグアイ。初戦は韓国を引き分けに引き摺り込んだ彼らを相手に連勝を決めることができるだろうか。

 序盤からボールを持つ機会が多かったのはポルトガルの方である。彼らの4-3-3に対峙するウルグアイのフォーメーションは3-5-2。高い位置からプレスをかけようとすればバッチリと噛み合わせが合うフォーメーションである。

 よってポルトガルは積極的な移動でズレを作ることをしていた前半となった。もっとも、こうした動きは第1節のポルトガルでも見られていた部分。相手のフォーメーションにどこまで合わせたものであるかは不明である。

 ズレを作ることが多かったのはアンカーのネベス。バックラインの左側に落ちる動きで相手から離れてフリーになる。ネベス以外にもブルーノ、ベルナルドなどがフリーになる動きを模索するのも前節と同じである。バックラインの中でズレができると、前線に積極的に蹴っていくのがこの日のポルトガル。ロナウド、フェリックスをロングボールのターゲットとしてボールを動かしていく。

 サイドに流れるロナウドをフォローするように高速でオーバーラップするメンデスは攻撃の厚みをもたらすのに重要な存在。負傷交代してしまったのは残念極まりないと言えるだろう。

 一方のウルグアイの狙いはトランジッション一本。ボールを引っ掛けることができれば一目散にゴールに向かっていく。32分のベンタンクールの決定機は最後のタッチが見事だっただけに決めたかったところであった。ただし、この日のポルトガルはそこまでショートパスの本数が多くなかったため、高めの位置で引っ掛けてショートカウンターまで移行できるのは稀である。

 個人的にはウルグアイはもう少しボールを持ちながら試合をコントロールしてもいいかと思った。ポルトガルのプレスは繋ぐ余裕がないほど強烈なもののようには思えなかったので、ウルグアイはもう少し前節のようなボールの繋ぎ方をしても良かったのかもしれない。

 そうした余裕があれば、たとえばカンセロとマッチアップするヌニェスのようにもう少し優位が取れそうな場所を落ち着いて攻めることができたはず。前半のウルグアイはそうした攻め筋を存分に活かせたようには見えなかった。

 ウルグアイの繋ぐチャレンジは後半頭に。引っ掛けてしまってポルトガルのショートカウンターにつながってしまう。ボールを落ち着かせて繋ぐという部分ではこのトライは失敗に終わってしまった格好だ。カウンターにおいても右サイドの厚みが十分ではなく、相手のゴールまで攻撃が届かない状況が続く。

 チャレンジが狙い通りに決まったのはポルトガルの方。自在に左右に流れるブルーノが左サイドに登場。クロスを上げた先にいたのはロナウド。触ったか、触ってないかはぱっと見ではわからない状況ではあるが、ニアサイドでフリーランを行っていたゲレーロのおかげでロナウドはオンサイド。どちらにしても先制点は認められることになった。

 リードを奪ったポルトガルはウルグアイにボールを持たせるアプローチに素早く切り替える。WGはSBを徹底監視するリトリート第一主義になる。

 ウルグアイは右サイドを強化。カットインする成分をもたらすことができるペリストリに加えて、左のSHをベースポジションとするデ・アラスカエタもこちらのサイドに裏抜けを繰り返すことでチャンスメイク。シュートに迫る時間帯を演出することに成功する。

 ゴメスのポストへのシュートやデ・アラスカエタの冴えないフィニッシュなどウルグアイがこのチャンスを逃すと、流れは再びポルトガルに。ヒメネスがハンドを取られてポルトガルにPKが与えられる。

 このハンド判定は非常に微妙なもの。確かに体を支える手ではあるが、ボールが出そうなところにあえて支え手を出したように見えなくもない。支え手の項目にも「故意ではない限り」という但し書きがあるように、このプレーがあえてととらえられてしまえばハンドである。要は主審の解釈次第と言える場面だろう。この場面では故意に近いと解釈されたということだ。

 このPKをブルーノが決めて2ゴール目。その後もハットトリックに向けてシュートチャンスを貰い続けるブルーノだったが、思い出となる3ゴール目を決めることはできなかった。

 それでも混戦の各グループを見渡せば、決勝トーナメント進出を一足先に決めることができたのは恵まれている。ボール保持が効いていた時間帯の長さと、ゴールに向かう武器の豊富さで考えればポルトガルの順当な勝利と言えるか。

 一方のウルグアイはこれで2試合ノーゴールで無得点。他会場の条件付きでガーナ戦に突破の可能性を残すとはいえ、ここまでの戦いをみれば決して楽観視はできない状況だ。

試合結果
2022.11.28
FIFA World Cup QATAR 2022
Group H 第2節
ポルトガル 2-0 ウルグアイ
エデュケーション・シティ・スタジアム
【得点者】
POR:54′ 90+3′ フェルナンデス
主審:アンソニー・テイラー

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