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「Catch up FIFA World Cup Qatar 2022 Asia qualifiers」~カタールW杯 アジア最終予選 グループB 第9節 中国×サウジアラビア~ 2022.3.24

■イチゴなきお祝い

 第9節の最初の対戦カードであるオーストラリア×日本の結果を受けて、試合前にW杯進出が決まったサウジアラビア。プレッシャーが少ない状況で中国との一戦を迎える形になった。

 試合は序盤からサウジアラビアがボールを握る時間が続く。中国の1トップのチャンの脇にCHのモハメド・カンノ、アル=シェフリの2枚が降りてくることで安定してボールを持つことができるようになっていた。

 だが、ここから先にもう一歩踏み込むフェーズにおいてサウジアラビアは苦戦。ライン間への縦パスは中国のバックラインによる積極的なチェックによって潰されてしまうし、大きく幅を使った展開は中国の5バックとシャドーで挟みながらスマートに対応。サウジアラビアは裏への動き出しもそこまで多くなかったため、後方での安定したボール保持とは裏腹に、ここから先にスムーズに進むことが出来ていなかった。

 逆に中国はカウンターから好機を得る。サウジアラビアのSBの積極的なオーバーラップの機会を逆手に取り、サイドからのカウンターでチャンスを見出すように。序盤でやれて自信がついたのか、30分くらいからプレスに出ていく機会も増えて、サウジアラビアに圧力をかけるケースは徐々に出てくるようになった。

 それでもさすがにサウジアラビアから格上の貫禄は徐々に出てくる。外を循環させながら、サイドからの押し下げの機会を増やすようになったサウジはバイタルからのミドルで中国の守備を強襲するように。左サイドからはアッ=ドーサリーのカットインも見られるようになり、押し込む時間帯が増えてくる。

 すると、前半終了間際。先制したのはサウジアラビア。CKからニアでフリックをしたアル・シェフリのゴールでハーフタイムまでに前に出ることに成功する。

 後半もサウジアラビアが押し込むペースは変わらない。序盤に大ポカからの大ピンチを迎えるが、逆に言えばミスらなければ中国には決定的なチャンスを与えない。大きく幅を使いながらアブドゥルハミドのオーバーラップで奥行きを狙っていく形。前半よりも決定機の数は増える。

カウンターの初動を遅らせることができれば、中国はパスをつないでいるうちにいつの間にかミスる。交代で入った17番のワイツンは脅威にはなっていたが、マークが3枚も4枚もついている状況では何とかするのは難しい。

 だが、ミスって決定機を与えてしまったのがこの日の後半のサウジアラビア。エリア内での軽率なPKから中国に同点のチャンスを与えてしまうことに。

 サウジアラビアは序盤から相手を攻め立ててはいたが、追いつかれてしまうと『なんとしてでも!!』感が薄れてしまうのは仕方ないだろう。W杯出場をお祝いしたかったところだが、勝利というケーキのイチゴを載せるのには失敗してしまったサウジアラビアだった。

試合結果
2022.3.24
カタールW杯アジア最終予選 第9節
中国 1-1 サウジアラビア
シャールジャ・スタジアム
【得点者】
CHI:82′(PK) 朱辰杰
KSA:45+1′ アル・シェフリ
主審:モハメド・ハッサン

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