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「Catch up FIFA World Cup Qatar 2022 Asia qualifiers」~カタールW杯 アジア最終予選 グループB 第5節 ベトナム×日本~ 2021.11.11

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■速攻以外のギャップが…

 5-4-1と5-3-2を併用して今最終予選に臨んでいるベトナム。彼らのこの試合での選択は5-3-2だった。5-3-2の場合、日本には2トップの脇からボールを持つ時間を捻出することが出来る。日本はこの場所からボールを進める。

   左サイドは守田がこの位置に降りることで長友を同サイドの高い位置に押し上げる。SHの南野は内側に絞ることで大迫のそばに位置する形である。

    逆サイドはもう少し流動的。2トップの脇は山根か田中のどちらかが使う。山根が高い位置に入るときは伊東は内側のスペースに入り南野と左右対称のナローな3トップを形成するが、山根が低い位置に入り田中が高い位置を取るときは伊東は大外に張る。どちらかといえば後者の方が割合としては多かっただろうか。

 変則的ではあったが5トップ気味になり、ベトナムの3センターを外から回るように超えることが出来た日本。だが、苦戦したのはそこから。5バックは5レーンを埋める相手にはマッチアップがはっきりしやすい。対人で上回る選手がいればいいのだが、日本はその糸口を見つけるのが難しかった。

   左の大外を取る長友には対面したWBを交わせる力はない。大外で優位が取れない5レーン型の攻撃はなかなかにしんどい。逆サイドの伊東も連携が不完全。押し込んでからの攻撃で光る部分はなかなか見えなかった。

 こういう停滞の時に期待されるのはここ数カ月増量中の川崎成分だろう。すなわち、守田と田中である。しかし、この試合の彼らの役割は前者が左サイドの低い位置まで降りて長友を押し上げる役割をやっていたのに対して、田中は前線に留まる役割。互いの距離が遠い上、オーストラリア戦で見せた均質的な3センターによるポジションの入れ替わりは鳴りを潜め、分業型での前進となっていた。

 前進はできる。けど5レーンで詰まった先は打開できない。ベトナムからはカウンターが飛んでくるという状況。日本にとって誤算だったのは日本の守備陣のカウンターでの対応が意外と危うかったこと。特に相手に反転を許したり、スピードで置いていかれる吉田麻也のパフォーマンスはちょっと不安定。勤続疲労か加齢の影響なのかはわからないが、ここでハイラインが維持できないようだと今後の予選の見通しはいろいろ変わってくる。

 逆に日本にとって幸運だったのはベトナムが前から捕まえに来てくれる意識を持っていたこと。早い攻撃ならば日本のWG陣のスピードを生かした攻撃が可能。まさしく日本のチャンスはこの速い攻撃から。大迫のポストから南野が裏を取り、いつの間にか伊東純也が相手を追い越しているという質的優位マシマシのゴールで先制点をゲット。ちなみに2点目も伊東純也マシマシだ!!になるはずだったのだけど、残念そこはオフサイド!である。

 ただ、日本のゴールを生んだベトナムの強気な姿勢も日本にとってありがたかったばかりではない。徐々に長友をプレスやロングボールの狙い目として前に進むチャンスを見出していた。

 後半も大きな展開は変わらず。日本の攻撃で気になったのはとにかくライン間を使わないこと。確かに5-3-2は本来ならば中央を固めており、攻撃側に外から壊すことを強要する形である。だけどもベトナムの3センターはサイドに拠るときに横並びが過ぎる。アンカーの位置に入る選手はIHの斜め後方に入るべき。ベトナムの中盤はこれを怠っているので、日本はとてもライン間への縦パスが入れやすい状況だった。

 にもかかわらず、日本はとにかくライン間にパスを入れられない。そもそもライン間に人がいないのもあるし、いても受ける気も出す気もない感じ。それならば裏抜け一本!!という形で浅野、伊東、古橋の三雄揃い踏みで出し手の柴崎までセット!というところまではわからなくもないけども、そうなった途端ボールキープとか始めちゃうのはどうして!ライン間で受ける浅野が松井大輔にダメだしされるというシュールな状況になっていた。

 ベトナムのカウンターには最後まで冷や汗をかいたものの、日本は何とか逃げ切り成功。残り20分くらいから85分のサッカーをやっていた感も否めないのだが、結果が大事と本人たちが言っているので、その結果をオマーン戦でも出してくれることを信じたい。

試合結果
2021.11.11
カタールW杯アジア最終予選 第5節
ベトナム 0-1 日本
ミー・ディン・スタジアム
【得点者】
JAP:17′ 伊東純也
主審:モハメド・ハッサン

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