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「Catch up Carabao Cup」~2023.2.26 カラバオカップ 決勝 マンチェスター・ユナイテッド×ニューカッスル ハイライトレビュー

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確固たる「復活」のためには

 カラバオカップのファイナルはマンチェスター・ユナイテッドとニューカッスル。リーグでも今季から堅実に力を伸ばし、CL出場権の確保が十分に視野に入っている両チームのファイナルとなった。

 試合はファイナルらしい堅実な立ち上がりだったといえるだろう。まず先に持ち味を見せたのはマンチェスター・ユナイテッド。ベグホルストのポストを使った形から、ラッシュフォードが抜け出して決定機を演出する。

 ラッシュフォードが決定機を作るというのはいつも通りなのだが、この日はベグホルストの存在感が際立っていた。ニューカッスルのバックライン相手だと少し収まり切らないかな?と思ったのだが、そんなことはなかった。むしろ、動きながらポイントを作ることで主導権を握っていたといえるだろう。

 対するニューカッスルはサン=マクシマンが前進の主役。早めに潰しに来るダロトとのマッチアップは熱いものだったが、早々に警告を出させたという意味ではサン=マクシマン側が優位に運んだ展開といえるだろう。

 どちらのチームも前線にポイントを作れたこともあり、序盤は比較的慎重に前にボールを当てるプランが両チームの中心となっていた。バックラインに対しては両軍共にCBを1枚余らせる形を取っていたので、ショートパスから駆け引きを行う形も出来たのだろうが、それでもまずは前に当てるという部分が先に来るというのはいかにもファイナルという感じである。

 両チームが慎重策を取る理由としてもう1つ挙げられるのは中盤の強度である。どちらのチームも保持よりも非保持での潰しが効くキャラクターが多く、保持側がボールを入れてしまうと激しいデュエルでボールを回収される恐れがある。相手にカウンターのチャンスを与えないというのもまた慎重策の一種といえるだろう。

 そうしたなかなか展開が動かないタフな試合を動かすのはいつの時代もセットプレーである。33分にルーク・ショーのFKからマンチェスター・ユナイテッドが先制。決めたのがマドリーからやってきたカゼミーロというのもまた「いつの時代も」感があっていい。

 勢いに乗るマンチェスター・ユナイテッドは前半の内に追加点をゲット。ベグホルストのポストから抜け出したラッシュフォードが追加点をゲット。記録上はOGだが、実質彼のゴールといっても過言ではないだろう。均衡した展開から2点のリードを奪うという試合巧者ぶりを見せたマンチェスター・ユナイテッドが前半をリードで終える。

 後半、ニューカッスルはイサクを入れる4-4-2に移行。前半の終盤は中盤を軸にサイドでズレを作りたい素振りも見せていたニューカッスルだったが、シンプルに前線の的を増やすというダイレクト志向で巻き返しを図る。

 となると、後半もサン=マクシマンは重要になる。しかしながら「前半と同じようにやらせないよ!」と1stプレーで存在感を見せた対面のワン=ビサカはダロト以上にサン=マクシマンにとって厄介な存在であった。

 マンチェスター・ユナイテッドはボールを持たせての迎撃+カウンターでスタンスが決定した様子。左サイドからボールを持ち運び、右サイドにフィニッシュをゆだねるという形でニューカッスルの攻撃を跳ね返しつつ反撃に出る。

 ニューカッスルは時間の経過とともに、マンチェスター・ユナイテッドの敵陣深くまで入り込めるようになった。やはり、ギマランイスの復帰は大きいと特に保持においては感じる。それを察知したテン・ハーグが中盤の増員やバックラインの増員に踏み切ったのも、展開を受け入れつつ耐えることで凌ぐという選択を持ったメッセージになる。

 終盤はゴールにあわやというシーンも増えたニューカッスルだが、最後まで集中したマンチェスター・ユナイテッドの守備陣がニューカッスルの反撃をカット。クリーンシートで激戦を制し、6回目のリーグカップタイトルの獲得に成功した。

ひとこと

 「ユナイテッドが復活!」というファンにとっては耳障りのいい言葉が聞こえてくるが、本当に復活するかが問われるのはここからである。長らくリーグの覇権争いから遠ざかっていたリバプールが名声を取り戻したのはカップ戦制覇のタイミングではなく、リーグで上位争いをするようになってから。アーセナルもFAカップを制した時と比べても、今の方がアルテタを明らかに評価する声が大きい。

 よって、「復活」にある程度確固たる説得力を持たせるのはリーグでの覇権争いに加わることが求められる。国内カップ制覇による「復活」の賞味期限は短い。テン・ハーグのユナイテッドが2020年代のプレミアを彩るクラブの1つになるのか、あるいは一過性の復活にすぎないのか。本当の価値はここから先の戦いで決まることになるだろう。

 最後に改めて、マンチェスター・ユナイテッド、優勝おめでとう。

試合結果

2023.2.26
カラバオカップ 決勝
マンチェスター・ユナイテッド 2-0 ニューカッスル
ウェンブリー・スタジアム
【得点者】
Man Utd:33’ カゼミーロ, 39‘ ボットマン(OG)
主審:デビッド・クーテ

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