守備的布陣が実らずまさかの大差に
残留争いの最激戦区の少し上にいる両チーム。沼の上からは上半身は出ていて、余裕を持って呼吸をできる状態くらいだろう。この両チームの一戦は差し詰め残留争い完全脱出ダービーといったところだろうか。
いつもと風情を変えたフォーメーションを組んでいたのはボーンマス。4バックではなく後方は5枚である。以前にもこの形は採用したことはあったが、今回はWBの片方にスミスを置く形であり、前回よりも守備的な傾向が強い形である。
今回のこのボーンマスの形ははっきり言えば裏目に出たといっていいだろう。ボールを持てない、前に運ぶことができない。そしてウェストハムにサンドバックにされる。苦しい状況の連続である。
そして、先制点を決めたのは一方的に押し込んだウェストハムだった。2トップ脇からボールを運び、セットプレーからあっさりとアントニオが先制ゴールをゲットする。
追加点もあっという間だった。右サイドのタヴァニアのロストからクロスをシンプルに上げてパケタがゲット。すぐに突き放しにかかる。
ボーンマスは全く持って全体を押し上げられず。WBが攻め上がる時間を作ることができず。ソランケが全く時間を作ることができなかったのは非常に珍しい。強引に攻め上がったWBからクロスを上げるも、高さのあるウェストハムのバックラインに弾かれてしまい、クリティカルな攻め手にならない。
20分になると少しずつボーンマスは保持の時間を増やす。だが有効打を打てていたのはウェストハムの方。右のボーウェンからゴリゴリと押し込む形でエリアに迫っていく。ボーンマスはパケタを前にグイっと押し出すウェストハムの4-4-2を前に打開策を見つけることができなかった。
そして、セットプレーからライスが追加点をゲット。前半のうちに3点差をつけたウェストハムが完全に試合を決めてしまう。
後半、ボーンマスはムーアを投入し4-4-2に移行。リズムを作りたいところだが、無用なファウルが足を引っ張ってしまい、押し込んでの攻撃が機能しない。さらなるアタッカーの増員で最終的にはアンソニーをSBに入りするが、最後までテンポを戻すことができなかった。
引きこもってのロングカウンターに専念するウェストハムは72分に追加点をゲット。メファムのパスミスからまたしても右サイドからのクロス。これをフォルナルスがスコーピオンで決めて試合の最後を飾る。パケタのゴールが認められなかったのは本人にとっては残念だろうが、特に問題にはならないだろう。ウェストハムが大勝で残留争いから遠ざかることに成功した。
ひとこと
ここまで一方的になるとは思わなかったが、言われてみれば全体的にウェストハムがボーンマスの上位互換な気もする。
試合結果
2023.4.23
プレミアリーグ 第32節
ボーンマス 0-4 ウェストハム
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
WHU:5‘ アントニオ, 12’ パケタ, 43‘ ライス, 72’ フォルナルス
主審:アンソニー・テイラー