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「Catch up Premier League」~2023.5.22 プレミアリーグ 第37節 ニューカッスル×レスター ハイライト

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焦れないニューカッスルに点を取る術がないレスター

 残留争いの旗色が悪いままついに最終局面を迎えてしまったレスター。セント・ジェームズ・パークという難所に乗り込む上での唯一の好材料はニューカッスルがすでに来季のCL出場権を手中に収めていることだろう。

 レスターはこの試合で非常にはっきりしたスタイルを披露。3人のCBを並べながら徹底的にニューカッスルのスペースを封鎖していく。レスターとしては紆余曲折と多くの指揮官を経てようやくこの割り切りにたどり着いたという感じだろうか。

 ということで試合はニューカッスルが保持一辺倒でレスターのブロック攻略に挑む流れとなった。レスターは3センターがスライドして同サイドを圧縮しつつ、トップが中盤をケアすることで素早いサイドチェンジを抑制する。

 ニューカッスルはこのボールを押し付けられた状況にやや苦しんでいたように思う。大外のアタッカーのサポートとなるハーフスペースの抜け出しはレスターの中盤に抑えられていたし、その背後の動きを利用して手前を使うような3人目を使った崩しの精度はシティやアーセナルに比べるとまだまだ。結果的には大外のアルミロンの打開力頼みとなる状況が続くことになる。

 ニューカッスルが偉かったのは左右に揺さぶって薄いサイドを作るという部分を徹底して行えていたこと。焦れてインサイドに刺してしまうとカウンターを喰らってしまうという構造はポゼッション手づまりチームのあるあるだし、レスターもヴァーディとイヘアナチョの併用でその状況を描いていたのだろう。しかし、サイドにきっちりボールを運ぶことでそうした局面は完全に塞ぐことに成功。レスターの狙いは半分だけ成功したと言えるだろうか。

 この状況を変えようとハイプレスを行うレスターだが、ニューカッスルとのパワーバランスを変えることはできず。ひたすらニューカッスルがレスターを殴り続ける流れでハーフタイムを迎える。

 レスターはイヘナアチョに代えてマディソンを投入するが、5-3-2はキープ。よって、前半からの流れはほぼ変わらなかった。ニューカッスルが前半と同じく大外の基準点を起点としたサイド崩しを徹底するが、レスターはこれに粘り強く対応。ニューカッスルのブロックの中に入り込むアプローチはほぼ無効化されており、チャンスがない展開が続く。

 60分を過ぎたあたりでレスターは交代から4-3-3にシフト。得点を奪いに勝負に出る。だが、これは思ったよりも攻撃の活性化につながらず。それでも献身的なWGの守備意識からブロック守備に綻びが出なかったのは幸運だった。

 終盤になると押し込む機会がグッと増えたニューカッスル。セットプレーからギマランイスが決定機を決められなかったり、シュートチャンスをイサクとバーンが被ったりなどレスターとしてはギリギリで首の皮が繋がっている展開となった。

 最後の10分ほどは4-3-3にした効果かレスターは徐々に保持の時間を増やすように。後半追加タイムに迎えたカスターニュのシュートはポープのセーブに遭う。なんと、後半追加タイムにしてレスターはこの試合初めてのシュートを打ったことになった。

 レスターが一番欲しかったものは3ポイントだが、なんとか望みをつなぐ1ポイントを確保したと言えるだろう。ウェストハムとの最終節の勝利は逆転残留に向けての最低条件となる。

ひとこと

 規律ある撤退形の5-3-2は良かったが、そこから攻撃に繋げるプランや選手交代のオプションの整備はまだまだ。クローズし続けるという相手に焦ったい思いを見せることがチャンスにつながらなかったのは無念。そういう意味でももう少しここに早く辿り着いていたら感はあった。

試合結果

2023.5.22
プレミアリーグ 第37節
ニューカッスル 0-0 レスター
セント・ジェームズ・パーク
主審:アンドレ・マリナー

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