新宿の反撃をいなし高知が逃げ切る
JFLの試合を見るのは生まれて初めてかもしれない。YouTubeにフルマッチの試合は上がっていて、定点カメラ(左右首振りあり)での映像が延々と流れている。
ファーサイドの選手がどんなプレーをしたかを把握するのは難しいし、リプレイがないので得点につながったプレーがどんな感じだったのかを詳細に把握することは不可能。そのため、この記事をはじめJFLの試合の記事では人間違いがいつもより高い確率で起きうることをご容赦いただきたい。
その一方でこの高知の会場の画角は意外と横幅を広く捉えているので、陣形の把握が容易だったりする。Jやプレミア(ボーンマスのヴァイタリティスタジアムとか)でも画角が狭いため全体の構造が見えないことはよくあるが、この試合ではそこまで気にならなかった。
さて、JFLのYouTubeへの感想はここまでにして試合に入る。天皇杯で川崎と当たる高知は今節新宿と激突する。
どちらのチームもフォーメーションは5-4-1。かみ合うフォーメーションではあるが、両チームとも無理に敵陣にまで捕まえにはいかず、5バックをキープ。序盤は前線にロングボールを当てることで安全策をとる方向性が見えた両チームだった。
時間の経過と共に両チームのテイストは見えてくる。少しずつショートパスの割合を増やしていたのは高知。CHも段差をつけるようになり、シャドーの2人は低い位置まで降りる。
逆に右のCBである小林が1列前のポジションをとるなど列上げのアクションも。中央の連携も逆に抜け出す動きも見せたりなど、前後関係を入れ替えながらのパスワークを志向する。前線の小林は裏に引っ張る動きでチームを牽引する。
新宿は大外のWBにボールをつけて、サイドから前線の裏を狙うアクション。インサイドでのパスワークが基調となった高知とは少し違うテイストでの攻略を狙っていく。
先制点を決めたのは高知。ライン間に入った樋口を起点に抜け出した小林がフィニッシュ。大きな先取点を手にする。
先制点を奪われたことで攻撃に出たい新宿。しかしながら、WB同士のマッチアップは失点以降後手を踏むようになり、プレスのギアも上がらず。保持とカウンターの両面から高知に攻め込まれる時間が増えてしまい、前半を終了する。
後半、新宿はプレスの圧力を強めて高知から主導権を握り返す。高知はハーフウェイラインからブロックを組む形で対抗。サイドを変えるアクションが少ない新宿に対して圧縮することでスペースをケアする。
新宿はボールを持った時は押しこむことができるようになったが、なかなか相手の保持を阻害するプレスを組むことができず。外循環を増やした高知のポゼッションに苦戦。1トップに交代で入った東家も左に流れながら起点を作る。
新宿は3枚交代から3バックを維持しつつ、トップを2人置く形で前線を強化。守備においても高いラインでカウンターを迎え撃つなど強気な姿勢で高知を迎撃する。
しかしながら、新宿は高知のブロックに対して重要なところでのパスミスが散見。ボールを下手に奪われてしまい、逆に高知に攻め込まれる隙を許す。GKの浅沼は終盤非常に目立つ展開となった。
最後はパワープレーに出た新宿だが、高知は逃げ切りに成功。ホームで勝ち点３を得た。
ひとこと
この公園で試合をやるのか。天皇杯はどんな感じの雰囲気になるのだろう。
試合結果
2023.7.9
JFL 第15節
高知ユナイテッドSC 1-0 クリアソン新宿
春野運動公園陸上競技場
【得点者】
高知:11′ 小林心
主審:佐々木信也
