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「Catch up Premier League」~Match week 34~ 2026.4.21-4.27

目次

ブライトン【9位】×チェルシー【6位】

意義を見出せない5バックで遠ざかる5位

 直近4連敗で得点は0。プレミアで今一番調子が悪いチームと言ってもおかしくないチェルシー。CL出場権はいつの間にか遠ざかり、目の前のブライトンに敗れれば6位の座も守れなくなってしまう。

 前線に不在の選手が多いこともあり、チェルシーはククレジャをWB気味にした5-4-1を披露。左シャドーのエンソが前に出ながら、ブライトンのビルドアップを左側に誘導しようとするような追い方を見せていた。

 しかし、このプレスはあまり整理されておらず、ブライトンは右サイドからあっさりと前進に成功。ファーサイドの三笘へのクロスに対してネトがマークを外したことで、最終ラインを5枚で揃えた意味もほとんど感じられない形となった。

 チェルシーがこの布陣で挑んだ意図を見いだせないまま、ブライトンは先制点をゲット。セットプレーからのカディオールのゴールで、開始3分に試合を動かす。

 保持においてもCBを3枚にした効果は見えず。相手の枚数を合わせたスライドに対応できず、結局は前線へのロングボールに頼る形に。デラップが比較的簡単に抑えられてしまったことで、ネトが何とかするしかないという状況に追い込まれる。

 だが、そもそも自陣からの脱出に安定感を出せないチェルシー。強度面ではブライトンが明らかに上回り、プレスで引っかけてこぼれ球を拾い、そのまま攻撃につなげてゴールに迫る。サンチェスの決定的なパスミスこそ見逃されたが、流れとしてはチェルシーの同点よりもブライトンの追加点の方が近い展開だった。

 中盤での回収でも安定したブライトンに対し、チェルシーはカウンターからも風穴を開けることができない。一方的なブライトンペースのままハーフタイムを迎える。

 後半、チェルシーは選手交代を機に4-2-3-1へ回帰。これによってビルドアップ時の中盤の立ち位置は明らかに自然になり、前からのチェイスも連動性を取り戻して押し返していく。

 だが、この日のチェルシーは要所での甘さが残る。ボックス付近の迎撃を中心に危ういシーンは消えないまま、カウンターからヒンシェルウッドとラターの2人でゴール。CBの対応の甘さが目に付く失点となった。

 このゴールをきっかけにチェルシーはシャープさを失い、再びブライトンに押し込まれる展開に。

 最後は交代で入ったウェルベックがダメ押し。シーズンダブルを達成したブライトンが、チェルシーの5位以内を絶望的なものとした。

ひとこと

 確かに5-4-1は奇策ではあったけども、ちょっとこれだと何をやってもという感じのチェルシーだった。

試合結果

2026.4.21
プレミアリーグ 第34節
ブライトン 3-0 チェルシー
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:3‘ カディオール, 56′ ヒンシェルウッド, 90+1′ ウェルベック
主審:クレイグ・ポーソン

ボーンマス【8位】×リーズ【15位】

粘って粘ってノルマ到達

 残留ラインの一つの目安とされる勝ち点40にリーチをかけているリーズ。だが、その前に立ちはだかるのは直近で好調のボーンマス。重圧から一刻も早く解放されたい状況で、難敵との一戦を迎える。

 立ち上がりから思い切りのいいプレスに出たのはボーンマス。ただし、FWとMFのラインがやや間延びしていたこともあり、リーズは田中とアンパドゥを起点に左右へ展開することができていた。

 一方で、より慎重だったのはリーズ。中盤を基準にしたミドル〜ローの5-4-1で構え、ボーンマスの保持を受ける形を選択する。CBが比較的自由に持てる状況となったボーンマスは、セネシを中心に左サイドから奥を取るアクションを増やしていく。

 この流れを嫌ったリーズはハイプレスにシフト。しかし、オカフォーの背後を使ったヒメネスのキャリーによって、ボーンマスはあっさりと回避策を見つける。リーズはオカフォーやキャルバート=ルーウィンにボールを預けて打開する場面もあったが、基本的には保持・非保持ともに前進に苦しむ展開となった。

 押し込みながらも仕上げに課題を残すボーンマス。左サイドではタヴァニアとトリュフォーをセネシが操る形で攻勢を強めるが、リーズも粘り強く対応する。カウンターからアーロンソンの決定機を作るなど、残留争いを戦うチームらしいしぶとさも見せる。

 それでもスコアは動かず、試合はスコアレスのままハーフタイムを迎える。

 後半立ち上がりはリーズが前線の特性を生かす形。キャルバート=ルーウィンへのロングボールやアーロンソンの突撃で前進を図る。しかし、すぐに主導権を取り戻したのはボーンマス。再び左サイドから圧力をかけ続け、ボックス内へと侵入を繰り返す。

 リーズはロドン投入で同サイドのテコ入れを図るが、ボーンマスの勢いは止まらない。タヴァニアのファーを狙うクロスに対して、リーズはPKすれすれの対応を強いられるなど後手に回る。

 均衡を破ったのはトランジッション。セネシのボール奪取から一気に縦に進むと、中央を打ち破ったクルーピがゴール。ボーンマスが先制する。

 それでもリーズはすぐに反応。4バックにシフトすると直後に同点に追いつく。ゴール前の混戦からヒルのオウンゴールを誘発し、力業で試合を振り出しに戻す。

 再び主導権を握るボーンマスは、左サイドに入ったライアンを軸に攻撃を展開。押し込みながら勝ち越しを狙う。そのライアンが結果を出したのは86分。右サイドからのクロスを見事に叩き込み、再びリードを奪う。ボックス内での段差の作り方、クロスとシュートの精度ともに見事なゴールだった。

 さらに後半追加タイムにはエヴァニウソンがネットを揺らすが、セネシのパスがわずかにオフサイド。追加点は認められない。

 それでも試合は終わらない。バタつく終盤を締めたのはリーズ。セットプレーのこぼれ球を豪快に叩き込み、再び同点に追いつく。

 劣勢の試合をなんとかドローに持ち込んだリーズ。勝ち点40に到達し、残留に大きく前進する結果となった。

ひとこと

 正直やや判定に恵まれた感じもあるが、よくこれだけやられて耐えたなという感があるリーズだった。

試合結果

2026.4.22
プレミアリーグ 第34節
ボーンマス 2-2 リーズ
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:60‘ クルーピ, 86‘ ライアン
LEE:68’ ヒル(OG), 90+7‘ ロングスタッフ
主審:マイケル・サリスベリー

バーンリー【19位】×マンチェスター・シティ【2位】

静かな降格決定

 勝てば暫定ながらリーグテーブルのトップに立つシティ。対するは降格に文字通りリーチがかかっているバーンリー。ターフ・ムーアで行われる一戦は、首位に立つ可能性のある2位と最下位に転落する可能性のある19位の対決となる。

 バーンリーは非保持で5-4-1を採用。バックラインには持たせる前提で構え、アイト=ヌーリを一列前に押し出して3バック気味に組み立てる形で対応する。

 シティはシャドーを引き出してからサイドに展開する流れで安定して前進。大外からハーフスペースに突撃するベルナルドを軸に決定機を作り、最後はチェルキが狙うが、これはドゥブラーフカのファインセーブに阻まれる。

 この場面を受けて引いて受けるのは危険と判断したのか、バーンリーはハイプレスにシフト。しかし、これが結果的に裏目に出る。後方に残った3枚をドクとハーランドに攻略され、最後はハーランドが1対1を冷静に沈めて先制。開始5分でシティが試合を動かす。

 シティは非保持では4-4-2のミドルブロックをベースに試合をコントロール。ミッドウィークの一戦ということもあり、過度に強度を上げずにゲームを掌握する意図が見える。

 バーンリーはシティの守備がやや緩いサイドからのキャリーで単発ながらチャンスを作る。アンソニーのドリブルやウォーカーへの裏抜けなど、まったくノーチャンスというわけではない。ただし、ボールを奪い返す手段が乏しく、攻撃の回数を確保できない。

 一方、シティはボールを持てば安定。チェルキの細かいタッチを起点に、限られたスペースをこじ開けにいく。バーンリーもフレミングのチャンスやウォード=プラウズのセットプレーで応戦するが、シティがしのぎ切ってハーフタイムへ。

 後半、シティはじわりとハイプレスでスタート。前半同様に主導権を握る入りとなる。アーセナル戦ほどではないにせよ、セメンヨのタッチの乱れもあり、バーンリーはなんとか耐える時間帯となった。

 失点リスク自体はそこまで高くなかったバーンリーだが、この試合は敗れれば降格が決まる状況。それにもかかわらず前に出るきっかけを見出せず、シティのポゼッションを見守る時間が続いてしまう。

 3ポイントという大目標に食い下がることができないまま、静かに降格が決まったバーンリー。今季の残留チャレンジも、残り4試合を残して幕を閉じることとなった。

ひとこと

 後半はほぼ無抵抗だったバーンリー。シティは終盤のチャンスを得失点差のアドバンテージにつなげたかったところだろう。

試合結果

2026.4.22
プレミアリーグ 第34節
バーンリー 0-1 マンチェスター・シティ
ターフ・ムーア
【得点者】
Man City:5’ ハーランド
主審:アンディ・マドレー

サンダーランド【11位】×ノッティンガム・フォレスト【16位】

連勝で一気に加速

 とにかく早く残留争いから脱出したいフォレスト。狙うは連勝で一気にボーダーから遠ざかること。アウェイながら2トップをスタメンに並べる形は非常に強気なスタンスだ。

 サンダーランドは普段通り、CHがサリーすることで3バック化。フォレストはこれに対して強気に前からプレスをかける。序盤からビルドアップにミスを誘発する場面もあり、狙いは明確だった。

 一方でサンダーランドもこのプレスを外せば前進は可能。キャリーからインサイドに差し込み、レイオフで前を向く形を作ると、視線を中央に集めてからサイドに展開してゴールに向かう。

 フォレストはサイドからのスムーズな前進で対抗。特に右サイドのハッチンソンのクロスは鋭く、直接ゴールを脅かす場面も見せる。

 互いに押し込むところまでは到達していた中で違いを生んだのはセットプレー。先制したのはフォレスト。ファーに流れたジェズスがオウンゴールを誘発し、アウェイチームが試合を動かす。

 このゴールを境にサンダーランドはリズムを崩す。前線にシンプルに蹴る場面が増え、中盤の網に引っ掛かってカウンターを受ける展開に。インサイドに差し込めば前進できていただけに、「そこを越えられるかどうか」が大きな分岐点となった。

 さらにサイド守備でもファウルが増加。押し込まれる時間が長くなる中でミスも誘発される。決定的だったのはレフスのミス。フォレストのハイプレスに引っ掛けてしまい、追加点を許す。

 この2点目で試合はほぼ決壊。フォレストの得点はセットプレーに偏っていたものの、いずれもファーサイドのジェズスへの対応が甘く、同じ構図で失点を重ねたサンダーランドの守備対応の問題は大きかった。30分台に一気に畳みかけたフォレストは、前半を4点リードで折り返す。

 後半、サンダーランドは前からのプレスを強化。だが、ブロビーが無理なタックルでクーニャを負傷させるなど、立ち上がりはやや空回り気味となる。

 それでも全体のテンションは維持。大量ビハインドでもプレー強度が落ちないのはホームの空気も影響していたか。非保持ではラインを押し上げてオフサイドトラップを狙い、フォレストに簡単な陣地回復を許さない。

 バラードのセットプレーでのゴールが決まっていれば流れは変わった可能性もあったが、ムキエレのファウルで取り消し。反撃のきっかけはつかめない。

 終盤まで攻め続けたサンダーランドだったが、最後までスコアを動かせず。逆にフォレストにダメ押し弾を許し、ホームでの大敗を喫する結果となった。

ひとこと

 大きな勝利を手にしたフォレスト。難所で勢いがつく完勝だ。

試合結果

2026.4.24
プレミアリーグ 第34節
サンダーランド 0-5 ノッティンガム・フォレスト
スタジアム・オブ・ライト
【得点者】
NFO:17′ ヒューム(OG), 31′ ウッド, 34′ ギブス=ホワイト, 37′ ジェズス, 90+5′ アンダーソン
主審:ダレン・イングランド

フラム【12位】×アストンビラ【4位】

決定的な勝利はお預け

 CL出場権まであと一歩というところまで進む事ができたアストンビラ。仕上げとなる残り4試合の第一ラウンドはクレイブン・コテージ。フラムとの一戦に挑む。

 アストンビラは非常に慎重なスタート。4-4-2のミドルブロックからSHが下がる形で重心を下げながらフラムのポゼッションに対峙する。CBからボールを動かしながらセセニョンを片上げしているフラム。左サイドの連携からシンプルにクロスを上げていく。アストンビラはボックス対応が甘くこのシンプルなクロスをなかなか綺麗に跳ね返す事ができない。

 アバウトなロングボールから前に進むアストンビラ。一度押し下げる事ができればそこからはフラムを自陣に押し込むことができる。基本的には保持側がターン制となる試合となっているが、なかなかこじ開けることができないまま時間が過ぎていく展開。

 保持の時間帯はアストンビラの方が長い。左右に散らしながらのサイドアタックとインサイドのワトキンスの力技からこじ開けに行こうとするが、ゴールまでは辿り着く事ができず。

 少ないチャンスを生かす展開になったところからこじ開けるのに成功したのはフラム。右サイドのカスターニュのキャリーからファーサイドにクロスを送ると、ボールがこぼれたところを仕留めたのはセセニョン。先制ゴールを奪い取ることに成功する。

 後半、反撃に出たいアストンビラだが、点を繋ぐようなパスに終始。なかなか相手を動かしながら穴を開けるパスワークを行う事ができない。

 フラムはヒメネスが右に流れる形を作り、起点を作ってクロスまで。しかしながら、ターゲットがボックス内にいないとなると、なかなか効果的に押し込む事ができない。それでも敵陣に運ぶところまでの安定感はフラムの方が上だったという事ができだろう。

 押し込むことがうまくいっているチームにとってのアドバンテージといえば当然セットプレー。フラムはセットプレーから押し込むことに成功するが、これはオフサイドで認められず。ベルゲのオブストラクションが取られてしまい、点差は1点のまま。

 追加点こそ取る事ができなかったものの、フラムはリードをキープすることに成功。アストンビラはここでCL出場権を決定的なものになる勝利をあげる事ができなかった。

ひとこと

 アストンビラ、たまにある淡白な日だった。

試合結果

2026.4.25
プレミアリーグ 第34節
フラム 1-0 アストンビラ
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:43′ セセニョン
主審:マイケル・オリバー

ウェストハム【17位】×エバートン【10位】

ベテランの一撃がチームを救う

 リーズとフォレストの浮上で、ややトッテナムとの一騎討ちの様相を呈している残留争い。ウェストハムにとって、このエバートン戦は非常に重要なものになる。

 だが、入りが良かったのはエバートンの方だろう。守備からリズムを作っていった印象で、アバウトなロングボールに対する処理や、サイドの高い位置からボールを奪うことで敵陣から攻撃を作っていく。

 保持においては2トップが縦関係となるウェストハムに対して、エバートンはCBがキャリーからズレを作っていくことで前進。抜け出しからバリーが決定機を迎える。

 主にズレを作るエリアになっていたのはボーウェン周辺。ガーナーが流れたり、あるいはエンジアイが降りてきたりすることでフリーで前を向く選手を作り、ボールを運んでいく。

 逆にウェストハムは明確な前進のポイントを作ることができず。早めにプレスをかけてくるエバートンに対して、窒息気味な展開だった。

 押し込むエバートンの中で、敵陣で違いとなっていたのはエンジアイ。1枚を剥がし、さらに多くの味方を関与させながらボックス付近に侵入。あわやというシーンを作り出す。

 サマーフィルも同様にライン間で浮くシーンはあるが、この日はエンジアイに比べればタッチが雑で、なかなか前に出ていくことができない。ややペースはエバートン。しかし、スコアは動かないままハーフタイムを迎える。

 迎えた後半、ペースを少しずつ取り戻したのはウェストハム。前半は見られなかったサイドからのジリっとした押し下げで押し込む機会を作ると、セットプレーから先制ゴールをゲット。ピックフォード周辺に人をわらわらと集めた形から、ソーチェクがゴールを決める。

 以降もディザシが高い位置からのボール奪取で攻勢をキープ。敵陣ではボーウェンのドリブルで、前半のエンジアイのようなキレ味を見せていく。

 メンバー交代から少しずつリズムを掴んだエバートン。交代で入ったジョージも絡めながら左右からクロスを上げていく。シュートはクロスバーにも当たるなど、かなり得点に近い状況。かなり黒に近いグレーといえるマティアス・フェルナンデスのハンドも見逃されるなど、いくつかの角度からのピンチを迎える。

 決壊したのは88分。攻勢が続いていたエバートンは、デューズバリー=ホールのゴールでついに同点に追いつく。

 かなり重たい失点となってしまったウェストハムだが、92分に勝ち越しに成功。ファーサイドでボーウェンが体を投げ出しながらクロスを折り返したところに飛び込んだのはウィルソン。ベテランFWの一撃でウェストハムが土壇場でリードを奪う。

 最後は5バックにシフトしての逃げ切り。ウェストハムは水際でなんとか勝ち点3をもぎ取った。

ひとこと

 他チームが勝っていただけにこれは大きな一勝。

試合結果

2026.4.25
プレミアリーグ 第34節
ウェストハム 2-1 エバートン
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:51′ ソーチェク, 90+2′ ウィルソン
EVE:88′ デューズバリー=ホール
主審:スチュアート・アットウェル

ウォルバーハンプトン【20位】×トッテナム【18位】

手負いの反撃体制構築

 フォレストが連勝、リーズが40ポイントに到達したことで、プレミアの残留争いはロンドン勢の一騎打ちの様相を呈している。トッテナムとしては一刻も早く2026年の初勝利を手にしたい状況だ。

 ウルブスは5-3-2でインサイドをプロテクト。トッテナムのバックラインにはボール保持を許容しつつ、中央を閉じる守備を選択する。

 インサイドを封鎖されたトッテナムは縦パスからリズムを作れず。シモンズが内側に絞る一方で、大外の幅取りはスペンスとコロ・ムアニが担う形となるが、このレーンで違いを作るにはやや力不足。中央を閉められたから外で勝負、という構図に持ち込めてはいるものの、打開力には欠ける。

 さらに問題なのはその先。インサイドに旋回して再侵入する工夫がなく、初期配置のまま外に追いやられ続ける形に。結果としてトッテナムは決定機を作れない時間が長く続く。

 一方のウルブスもカウンターで試合を動かすほどの鋭さは見せられず。インサイドを閉じて相手を外に追いやる守備は機能していたが、それ以上の上積みはなく、全体としては淡々とした展開が続く。

 後半に入り、よりゴールに近づいたのはウルブス。左右からクロスを上げる形で前半よりもフィニッシュに近い場面を増やしていく。

 対するトッテナムはカウンターから反撃を狙うが、DFとの駆け引きで内外の入れ替えができず、決定機には至らない。

 さらに苦しいのは負傷者の発生。シモンズが負傷し、前半のソランケに続いて前線の選手を複数失う展開となる。

 守備面でも安定感を欠き、ダンソの対応の甘さなどからウルブスに危険な場面を作られる。ドハティが紙一重で触れたリシャルリソンへのクロスに象徴されるように、ボックス内の対応はウルブスの方が安定。トッテナムはクロスのターゲットに対して有効なアプローチができず、苦しい時間が続く。

 それでも耐え続けたトッテナムに訪れたチャンスはセットプレー。82分、パリーニャが値千金の先制ゴールを決める。ラインを上げきれなかったドハティの背後を突く形となり、トッテナムに大きな1点がもたらされた。

 終盤はドラグシンも投入し、リードを守りに入るトッテナム。ラストプレーとなったジョアン・ゴメスのFKもキンスキーがセーブ。ビッグセーブで試合を締め、トッテナムが2026年の初勝利を手にした。

ひとこと

 更なる手負いとなりながらようやく反撃の体勢を作り出した。

試合結果

2026.4.25
プレミアリーグ 第34節
ウォルバーハンプトン 0-1 トッテナム
モリニュー・スタジアム
【得点者】
TOT:82′ パリーニャ
主審:アンソニー・テイラー

リバプール【5位】×クリスタル・パレス【13位】

殺伐とした雰囲気を切り裂いたヴィルツ

 今季のリバプールにとって最大の天敵であると言っていいクリスタル・パレス。すでに3回敗れている相手に対して、本拠地でなんとか1つ借りを返したいところだろう。

 序盤からボールを持つのはリバプール。マテタは中盤をケアし、シャドーはSBを軸にケア。今日もパレスはある程度ボールを持たれることはOKというスタートとなっている。

 浮いたCBから組み立てを狙うリバプール。背後を狙うようなアクションも見られはするものの、インサイドにピーキーなパスをつけてカットされることも。オフザボールの動きが乏しく、逆にハイプレスでジリっと追い込んできたパレスに対して、苦し紛れに蹴るケースも出てくる。

 一方のパレスの保持に対して、リバプールは枚数を噛み合わせにいく。だが、パレスは冷静に対処。ジョンソンでジョーンズをピン留めして大外のミッチェルにボールをつけて運んだり、CHの細かい段差作りから前進を図っていく。

 リバプールはファストブレイクから試合を動かしにいく。FKのカウンターから独走したサラーがPKを獲得するが、OFRでこれは取り消し。ジョンソンのコンタクトはギリギリで許されることに。

 それでもこのプレーをきっかけに敵陣に入っていくリバプール。インサイドのマーカーに強く当たれないなど、少しずつパレスの守備には綻びが出てくる。先制点は微妙な切れ目からパスを繋いで。サラーとマック=アリスターの粘りから敵陣に運ぶと、素晴らしいトラップからゴールを決めたのはイサク。復帰後初ゴールでリバプールがリードする。

 パレスはセットプレーから反撃。フリーでのヘディングを許してしまったリバプールのDF陣だが、これを救ったのはウッドマン。素晴らしいセーブでピンチを凌ぐと、ここからカウンターを発動。退団が決まったロバートソンが追加点を奪う。

 得点のきっかけになったウッドマンはさらにラクロワのセットプレーも防ぐことに成功。ファインセーブによってリバプールは2点のリードをキープしてハーフタイムを迎える。

 後半、パレスは敵陣でのプレータイムを増やしていくが、リバプールはポゼッションから押し返すことに成功。再びゆったりとボールを動かす時間を作り出す。パレスのカウンターにも落ち着いて対処しており、展開はコントロールされていたように思えた。

 しかしながら、その状況を変えたのはワンプレー。クリーンに抜け出すところからの大チャンスはウッドマンが防ぐが、このプレーでウッドマンは負傷。だが、その隙にムニョスがゴールを決めたことでアンフィールドは騒然とする。

 やや混乱の最中、パレスは同点を目指して猛攻。ややオフサイド気味のラーセンの抜け出しから更なるチャンスを迎える。

 どこか殺伐としたアンフィールドの空気を変えたのは鮮烈なボレー。切り裂くような一撃でポジティブな活気を取り戻し、CL出場権確保に向けた大きな3ポイントを手にした。

ひとこと

 審判がすぐに止めてあげるのが一番いいんだろうな。

試合結果

2026.4.25
プレミアリーグ 第34節
リバプール 3-1 クリスタル・パレス
アンフィールド
【得点者】
LIV:35′ イサク, 40′ ロバートソン, 90+6′ ヴィルツ
CRY:71′ ムニョス
主審:アンディ・マドレー

アーセナル【1位】×ニューカッスル【14位】

クタクタで落ち着いたクローズ

 レビューはこちら。

 ミッドウィークにはシティが勝利し、テーブルのトップは彼らのものに。取り返すのであれば、アーセナルは未勝利の記録を止めてニューカッスルに勝利を挙げる必要がある。

 序盤からボールを持つのはアーセナル。ニューカッスルの高い位置からのプレスをなんとか回避し、ウーデゴールとエゼのおりるアクションからポゼッションを行っていく。

 だが、アーセナルは降りるアクションに連動するような列を上げるアクションが乏しいのが悩みどころ。ウーデゴールに連動するスビメンディくらいのものであり、後方のユニットがなかなかビルドアップに貢献する事ができない。

 それでもハヴァーツがサポートに入る右サイドからなんとか陣地回復に成功すると、CKから先制点をゲット。3回続いたショートコーナーをゴールに繋げることに成功。エゼのスーパーなミドルから試合を動かす。

 だが、このゴール以降はニューカッスルが少しずつ巻き返し。マドゥエケの背後で広いスペースをカバーするスビメンディ周辺からミドルシュートを放つことでゴールに迫っていく。左サイドでもエゼがいる分、大外からフリーになる選手が多いため、自由にクロスを上げるシーンも。

 保持においてもサイドからなかなか三人称の攻撃が定まらないアーセナル。トランジッションでもエゼのパス精度が高まらず、なかなか陣地回復のきっかけを掴む事ができない。

 後半はアーセナルが守備を改善。マドゥエケの外切りプレスを止めることで展開を少しずつ収めることに成功する。ニューカッスルはアーセナルを押し下げることはできるが、外からの展開にフォーカス。

 ウィサの決定機のような中央をかち割るシーンもあったが、それは散発的。後半はギョケレシュが陣地回復に成功し、保持からリカバリーをするシーンもちらほら出てくるように。ニューカッスルが押し下げる場面の割には効果的なチャンスは少なめ。かといってアーセナルもカウンターから更なるゴールを決める事ができず、試合は1-0のまま推移する。

 最終的には1-0のままクローズに成功したアーセナル。まずは連敗の負の連鎖を止めて、ひとまずの首位奪還に成功した。

ひとこと

 クタクタではあったが、最後は落ち着いて試合をクローズできた。

試合結果

2026.4.25
プレミアリーグ 第34節
アーセナル 1-0 ニューカッスル
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:9′ エゼ
主審:サム・バロット

マンチェスター・ユナイテッド【3位】×ブレントフォード【7位】

決めきれない決定機の応酬

 6位争いがかなり下に離れていることで、事実上CL出場権はほぼ手中に収めているユナイテッド。あとは壊滅的な終盤戦を回避すれば、見事なV字回復のシーズンを手にすることになる。

 ブレントフォードは前からのプレスを積極的に敢行。だが、相手を追い込むところまでは至らず、あまり有効にはならない。ユナイテッドはスペースが生まれた中盤からキャリーし、簡単に敵陣に進撃する。早々にメイヌーが敵陣でディアロの決定機を生み出したシーンは象徴的である。

 押し込むことは簡単にできたユナイテッドはセットプレーから先制。マグワイアの折り返しをカゼミーロが仕留めてリードを奪う。

 リードをされたブレントフォードは少しずつポゼッションを回復。ユナイテッドはきっちりとラインを下げながらサイドで枚数を合わせて対応。ルイス=ポッターが懸命にマークを剥がそうとしていく。

 なかなかチャンスが作れない展開だったが、流れを変えたのはワンツーから抜け出したワッタラ。ラストパスは中央を割るフリーランを見せたチアゴに向けられたが、これを決めることができず。以降もチアゴはCBを振り切るところまではいくのだが、ラメンスに阻まれてしまうなど、多くのチャンスを仕留めきれない。得点王争いにおいても、この試合で落とした決定機は痛手だろう。

 一方のユナイテッドも悩みは同じ。ブルーノを軸に多くのチャンスを作るのだが、こちらはディアロが決めることができない。ようやく決めたかと思いきや、大外からのオフサイドで取り消しというため息が出そうな展開が続く。

 お互いが「いける!」と感じるオープンな展開の応酬を終わらせたのはユナイテッド。ブレントフォードのカウンターを防いだところからのカウンター返しで数的優位を得たブルーノ。ためて、ためて作り出したスペースでたっぷりと時間をもらったシェシュコが落ち着いてシュートを決める。

 2点をリードしているユナイテッドだが、後半の頭から修正。マズラヴィを入れて5バックにシフトし、受ける局面の安定化を図る。後半はブレントフォードがボールを持つ時間が長くなる反面、前半終盤のような行ったり来たりの展開は少なくなる。

 明確にペースを握ったという形にはならないが、ロングスローなどセットプレーの機会が少しずつ増えていくブレントフォード。ボックス内に迫る状況を作っていく。

 時間はかかったが、スコアを動かすことができたブレントフォード。イェンセンの素晴らしいミドルでムードを引き戻す。

 だが、最後のところで追撃を許さなかったユナイテッド。先制点を決めたカゼミーロを中心に、なんとかリードを守り切ることに成功。3位固めとなる3ポイントを手にした。

ひとこと

 終盤戦にかけてセンターラインに頼り甲斐が出てきた。

試合結果

2026.4.27
プレミアリーグ 第34節
マンチェスター・ユナイテッド 2-1 ブレントフォード
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:11′ カゼミーロ, 43′ シェシュコ
BRE:88′ イェンセン
主審:クリス・カヴァナー

今節のベストイレブン

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