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「消耗戦で測る本気度」~2025.9.21 プレミアリーグ 第5節 アーセナル×マンチェスター・シティ プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第5節
2025.9.21
アーセナル(2位/3勝0分1敗/勝ち点9/得点9 失点1)
×
マンチェスター・シティ(8位/2勝0分2敗/勝ち点6/得点8 失点4)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去5年間の対戦でアーセナルの2勝、マンチェスター・シティの8勝、引き分けが3つ。

アーセナルホームでの戦績

 直近10試合の対戦でアーセナルの3勝, マンチェスター・シティの7勝。

スカッド情報

Arsenal
  • ブカヨ・サカ(ハムストリング)
  • マルティン・ウーデゴール(肩)
  • ベン・ホワイト(膝)
  • ガブリエル・ジェズス(ACL)
  • カイ・ハヴァーツ(膝)
Manchester City
  • ジョン・ストーンズ(?)
  • ラヤン・アイト=ヌーリ(膝)
  • オマル・マルムシュ(膝)
  • マティス・チェルキ(ふくらはぎ)
  • マテオ・コバチッチ(脚)
  • カルビン・フィリップス(脚)

Match facts from BBC sport

Match facts
  • アーセナルは直近4試合のおけるリーグ戦でのシティとの対戦で2勝(D2)。それ以前の22試合の対戦と同じ勝利数(D5,L15)。アーセナルは2015年以来のシティ戦連勝のチャンス。
  • シティは直近2試合のアーセナルホームでのリーグ戦で2敗。それ以前の14試合と同じ数字(W7,D5,L2)。2009年4月の4連敗以来、一番長い敗戦のラン。
  • アーセナルは直近3試合のプレミアのホームゲームで全勝。AGGは9-0。4試合連続無失点でのホーム戦勝利となれば2021年12月以来。3試合連続開幕からホームでの失点なしの連勝となれば1960-61シーズン以来。
  • シティは直近7試合の欧州カップ戦直後のプレミアで5敗(W2)。2月のアーセナル戦の5-1での敗戦もここに含まれる。それ以前の5敗は同シチュエーションで5年間46試合で喫したものとなる。
  • アーセナルのダイレクトアタックはここまで8でこれより多いのはボーンマス(9)だけ。昨季は1試合平均1.7回で11位だった。
  • シティは4試合アーセナルとのプレミアで勝ちなし。ペップ・グアルディオラにとっては特定の相手にトップリーグで5試合連続未勝利というのは過去に経験がない。ミケル・アルテタはグアルディオラ相手に5試合連続負けなしを記録する初めての監督になる可能性。
  • エーリング・ハーランドはアーセナルとのリーグ戦6試合で5得点。ロンドンのリーグ戦では20試合19得点。1000分以上プレーしている選手の中で、首都での得点率が最も高い選手(93分ごとに1得点)。
  • ヴィクター・ギョケレシュはプレミアにおける2つのホームでのリーグ戦でいずれもゴール。デビュー後、3試合連続ホームでのリーグ戦でゴールを決めた選手は過去にアレクサンドル・ラカゼットただ一人だけ。
  • ギョケレシュはファイナルサードにおけるプレッシャーが今季どの選手よりも多い(166)。一方、ハーランドは相手のPA内でかけるプレッシャーが今季どの選手よりも多い(65)。
  • ジャンルイジ・ドンナルンマはプレミアデビュー戦となった先週末のシティ戦で2つのセーブとクリーンシートを達成。リーグ戦デビュー後2試合連続でクリーンシートを達成したシティのGKはカスパー・シュマイケルとステファン・オルテガの2人だけ。

予習

第2節 トッテナム戦

第3節 ブライトン戦

第4節 マンチェスター・ユナイテッド戦

CL 第1節 ナポリ戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

「買い」のジンクスとドクが生む上昇気流

 欧州カップ戦が始まったチームにとってはここから週2日での試合がスタート。国内カップ戦次第では代表ウィークを除き、基本的には毎週ミッドウィークに試合がある運用となる。地獄の消耗戦のスタートである。

 その週2試合での運用が実質スタートしたといってもいい今週、アーセナルの対戦相手となるのは同じく週2試合の消耗戦が始まったマンチェスター・シティとの一戦である。

 今季のシティはすでにここまでは2敗。出遅れているといえばそうだが、「出遅れた時のシティは買い」という格言もあったりはする。ちなみに去年は絶好調のスタートであった。

 当たるタイミングとしては正直不気味である。流れとしては1試合ずつ出てきている課題を克服しているように見えるからだ。序盤のリーグにおける攻撃はマルムシュとハーランドを軸とした速攻だった。

第2節となるトッテナム戦はきっちりと自陣に相手を引き寄せて中盤まで相手を引き出すアクションをベースに戦っていたが、第3節のブライトン戦ではかなりこの2人への依存度を引き上げた印象。ブライトンのDFラインのアジリティをつこうという狙いがあったのかもしれないが、いずれにしてもスピードを生かした色が強まっている状況での、代表ウィークでのマルムシュの離脱は手痛いものであることにはちがいない。

 ユナイテッド戦で問われたのはそうした速攻に変わる新しい武器が出てくるかどうかである。終盤はラインブレイクし放題になっていたが、ユナイテッドがやけっぱちになるハイラインを敷くきっかけとなったのはドクが挙げた2つのゴールだ。神出鬼没の右サイド登場からの超反応でのクロスでの1点目とヨロを半身で背負ってラストパスを送る2点目のアシストはいずれも大外から数勝負でしかけていく従来の彼のイメージとは異なる新機軸である。

 続くナポリ戦では相手の退場をハーランドの抜け出しで引き起こした後にローブロックの攻略に直面。ドクは2点目として豪快な突破を見せながら繊細なフィニッシュまで持って行った。1点目のフォーデン→ハーランドのラインも含めてスモールスペースの攻略という課題にも見事に結果を出したという形である。

 連敗で出た課題+マルムシュ負傷という状況からドクの躍動とハーランドの牽引で復活気配でひっくり返した感があるシティ。あまりアーセナルが当たるタイミングとしては完ぺきではない。

SBの人選が気になる理由

 しかしながら、アーセナルにも付け入る隙はある。ハイプレスに関しては昨年末に比べれば若返りを果たしたということもありエネルギッシュではあるが、トッテナムは撃退することが出来た。プレス回避能力であればより高いアーセナルも十分打ち破ることは可能だろう。

    ナポリ戦ではコンパクトな4-4-2も見せてはいたが、バックラインが裏抜けの耐性があまり高くないことを考えれば前線が裏抜けのアクションを見せる揺さぶりも有効かもしれない。

 さらに、ドンナルンマが入ったことでバックラインのプレス耐性も低下傾向。もちろん、彼が君臨することで別の厄介さが生まれるのは間違いないのだが、それでもシティの骨格の部分は叩きやすくはなっている。

    いつもであればそういう状況で下がってギャップを作るのはベルナルドの仕事ではあるのだが、今季の彼はここまでその点で十分な仕事ができていないのもプレス回避の質が高まらない要因となっている。ハイプレスとプレス耐性というポゼッションチームの骨格を叩くことで、まずは彼らが思うような展開にさせないことを狙っていきたい。

 アーセナルがプレッシングに回る際に気にしたいのは相手の右のSBの人選。ここ2試合はフサノフがプレーしているが、ナポリ戦では対面のマクトミネイがフサノフをあえて浮かせることで、ボールをこちらに追い込んでいた感がある。出てきたら寄せることでサイドに圧縮する設計だった。

 個人的にはナポリのこの設計は悪くないものと思った。背後へのアバウトなボールは基本的にはアーセナルはこれまでシティが対戦したどのチームよりも強力な対応ができるだろうし、つなぐことに関してはある程度空けてもいいだろう。ビルドアップはここに誘導し、選択肢を制限しながら詰まらせる形がいいかもしれない。

 SBが大外を駆け上がるヌネスや絞って働くルイスであれば勝手は違ってくる。大外を上がってくる攻撃+クロスの迎撃に怪しさがあるヌネスの場合であれば、対面はマルティネッリの相性がいいかもしれない。

 いずれにしても先週末のクオリティを出せれば十分に戦えるはずだ。しかし、ミッドウィークのビルバオ戦でのプレスの接続の悪さは気がかり。ウーデゴールというプレスの先導役がいれば問題はないのだが、献身的に走っている前線のメンバーの疲れがたまっている状態での1週間で3試合目という状況は懸念ではある。

 シティに比べれば2日多く間隔が空いておりホーム開催であるという利点はある。彼らもここ2試合連続かなり固定メンバーで戦ってきたということを踏まえると、条件は同じである。そうした中で選手層で出力の差を見せることが出来るかは気がかりなところ。特にサカが間に合わないのであれば、マドゥエケにかかる負荷は相当なものになるだろう。ここを凌げばリーグカップで一息を入れられるだけに何とか踏ん張ってほしいところだ。

    ただ、スカッドの消耗戦は今年のスカッドであれば臨むところであるはず。リバプールに続き、シティにも敗れるとなるとかっこはつかないし、何よりホームのファンにはタイトルに向かう本気度を見せたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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