
インボムの飛び出しが決め手となった逆転勝利
開催国のメキシコと同じグループに入った両チーム。まずは開幕戦で勝利し、弾みをつけたいところだろう。
ともに3-4-3というフォーメーション同士の対戦となったこの試合。まずはどこからマークを外していくのか?というところが重要となってくる。そのプランが明確だったのは韓国の方だろう。降りるイ・ガンインが瞬間的にフリーになれば、ここから背後を狙うランに合わせる裏へのパスが見えてくる。
チェコの守備はミラーを生かしたマンツーがベースに見えたが、人を捕まえ切るという意識が低く、一番警戒したいイ・ガンインを簡単にフリーにしていた印象。左サイドへの展開と縦に急ぐ形を併用する韓国がチェコを押し下げていく展開が続く。
もっとも、チェコにとって誤算だったのは自分たちがボールを持つターンがあまり通用しなかったことかもしれない。ロングボール攻勢は相当あっさりと韓国に跳ね返された印象。特にCFのシックは試合を通してキム・ミンジェに消されることとなった。
ミンジェは味方のミス起因のネガトラから背後のスペースを消すことで、そつなくチェコのカウンターを封殺。降りる相手に対してのインターセプトからカウンターの起点になるというところも素晴らしく、まさに天下のバイエルンの格を見せつけるパフォーマンスとなった。
それでもサイドにボールをつけながら強引に高さ勝負へ持ち込むチェコ。ボックス内にハイタワーを送り込むことができる状況を作ることができれば、韓国を脅かせることは明確。そこにいかに持ち込むか?というところに問題を抱えていたチェコだった。
ハイドレーションブレイク後はチェコが中盤の降りるアクションを増やして保持のターンを作っていく。シャドーのシュルツのキープは、この試合に関していえばロングボールよりも前進に寄与していたと言えるだろう。
だが、降りるアクションから手応えがあったのは韓国も同じ。センターラインの列落ちからチェコのマンツーを後手に回すことに成功し、インサイドにギャップを作っていく。このギャップから少しずつソン・フンミンが存在感を出していく。ミドルシュートや背後を狙う仕上げの部分は、明らかにチェコよりもゴールに迫る場面につながっていた。
後半も主導権を握っていたのは韓国。ライン間で受けたインボムのミドルも、前半と同様に中央ユニットの列落ちによってチェコのマンツーを動かせていたことの表れだった。押し込まれる展開が多かったチェコはカウンターから反撃を狙うが、カウンターへの移行速度不足は顕著。韓国のDF陣は難なく対応することに成功していた。
だが、押し返すわずかな局面を逃さなかったチェコ。ツォウファルのロングスローを仕留めたのはクレイチー。ピンポイントでスペースに合わせるロングスローからチェコが先制点を決める。
しかし、韓国はすぐに反撃。左サイドから抜け出したインボムが冷静にゴールを決める。マンツーベースのチェコの守備の不備を突き、チャロウベクの開けたスペースに飛び込むことに成功したインボム。マンツーを徹底するのであれば、本来は対面のソイカがついていかなければいけない場面だったかもしれない。
セットプレーとインボムの前線への飛び出し。どちらも再現性のある形であり、次のゴールが生まれてもおかしくはなかった。しかし、得点につながったのは韓国。右のハーフスペースに飛び出したインボムからのクロスをヒョンギュが仕留めてゴールを決める。チェコは再びインボムの飛び出しを捕まえきれず。オフサイドでセットプレーからのゴールが認められなかったチェコに対し、韓国がリードを奪う。
終盤は2トップにシフトしてパワープレーに磨きをかけていくチェコ。しかし、押し下げて放り込むまでの土台作りがあまりにも不安定。クロス勝負に持ち込む局面をホールドできないまま時間が過ぎていく。
逆転からの逃げ切りを決めた韓国。インボムの飛び出しが決め手となり、チェコ相手に初戦を制した。
ひとこと
マンツーの守備をやりきれないというチェコの難点を韓国がうまく利用した印象だった。
試合結果
2026.6.11
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループA 第1節
韓国 2-1 チェコ
グアダラハラ・スタジアム
【得点者】
KOR:67′ インボム, 80′ ヒョンギュ
CZE:59′ クレイチー
主審:アミン・モハメド
