
ルカクの一発回答で追いつくが・・・
黄金世代の総決算とも言えるW杯が開幕したベルギー。対するはこちらも英雄・サラーにとっては重要なW杯となるエジプトである。
立ち上がりに目立ったのは積極的な守備を見せるエジプト。ラインを上げてベルギーのバックラインに非常にタイトに体を当てていく。
ベルギーの立ち上がりの前進は相手にハードに当てられた状態で何かができる選手次第という感じ。体のキレが好調で反転できるドクと、ポストプレーが安定していたデ・ケテラエルの2人が時間を作ることで味方をフリーにしたり、あるいはミドルシュートをお膳立てしたりなどチャンスを作っていく。
エジプトの保持はアッティアが右にサリーするような形をメインとした後方3バック化。大外はSBとSHで分け合う形でSBが低い位置に下がってビルドアップに関与するケースもある。
ベルギーは無理にプレスに行かずに4-4-2をキープ。プレスのスイッチ役となるのはデ・ブライネで、彼がプレスに行った際には後方の選手たちがついていくという格好だった。
徐々に試合のリズムを掴んできたのはベルギーの方。エジプトのプレスのタイトさに慣れてくる選手が出てきて、無駄なロストが減少。前を向く選手を作るのが容易くなってくる。
誤算だったのは前を向いても精度が定まらない選手がいたことだろう。オナナのパスミスの多さは流れを切ってしまう苦しさ先行のものだった。
いい流れながら、守備でもミスが出て先制点を献上してしまうベルギー。サラーのパスを受けたアシュールのシュートは素晴らしいものだったことには違いないが、簡単にオナナの背中を通されて、ムニエのシューターへのアプローチが遅れてしまったことは痛恨だった。
失点以降はベルギーの保持の時間が長引く展開に。SHの左右を入れ替えて、トロサールを左固定、ドクをフリーロールに変化させるなど配置の工夫も見えた。
エジプトの守備ブロックはDF-MF間が空いていたが、そこを生かし切ることはできなかった印象。逆にベルギーはCHの背中に現れる降りるエジプトの前線を捕まえきれなかった。
後半もビハインドのベルギーは引き続きポゼッション。デ・ブライネのFKなど、あわやという場面を早々に作る。流れの中の攻撃においてもインサイドに縦関係をいかし、ナローなスペースで前を向く選手を作るアクションを見せる。
エジプトはカウンターにフォーカス。左に移動したジコをSBで追い越すなど厚みのある形からファストブレイクを狙っていく。自陣に押し下げられたとしてもマルムシュの爆発的なスピードがあれば、一気に陣地回復ができるのは魅力的だった。
膠着した試合を打開したのは交代で入ったルカク。右サイドからのクロスに飛び込むことでオウンゴールを誘発。試合を振り出しに戻す。
逆転を狙いたいベルギーは右サイドのフリーランを生かした攻略というここまでとは少し違う攻め筋から対抗。この攻め筋自体は悪くはなかったが、ボールを失った時に取り返すエネルギーがなかったことは痛恨。セットプレーからメシェレの決定機などはあったが、終盤はやや軟着陸気味のドローでの決着となった。
ひとこと
守備でギアアップできないチームなのはベルギーの痛いところである。
試合結果
2026.6.15
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループG 第1節
ベルギー 1-1 エジプト
シアトル・スタジアム
【得点者】
BEL:66′ ハニー(OG)
EGY:19′ アシュール
主審:ラモン・アバッティ
