
完勝も次戦は試練濃厚
開催国として視界良好な山に入ったと言えるノックアウトラウンドのアメリカ。初陣はグループBをギリギリのところで通過したボスニア・ヘルツェゴビナとの試合となる。
ボスニア・ヘルツェゴビナはこの試合で5-3-2を選択。引いて受ける前提でアメリカにボールを渡す。ボールを持たれる前提のフォーメーションではあったとは思うが、ボスニア・ヘルツェゴビナは引いて受ける一辺倒ではなく、IHやWBがスライドして前に出ていく場面もちらほら。
ボールをカットすると、素早く前に蹴ってのロングボール勝負に出るボスニア・ヘルツェゴビナ。ジェコとデミロビッチの2人で攻撃を完結させるイメージで前に前に進んでいく。
序盤はボスニア・ヘルツェゴビナのペースだったと言っていいだろう。アメリカはボスニア・ヘルツェゴビナの5-3-2に対して3バック変形をしないなど、後方に安全地帯を設けることはしていたが、前線の細かいポジションのズレからチャンスを作れる感じはしなかった。
それでもアメリカはコラシナツとラデリッチの間から裏抜けのルートを見つけることで攻撃を徐々に加速。縦へのシャープな展開の中でプレスも強化していく。ボスニア・ヘルツェゴビナはロングボールの精度が乱れるなど、明らかにテンポアップしたアメリカに苦戦。バログンにネットを揺らされたシーンはオフサイドで事なきを得たが、今にも飲み込まれそうな様子だったことの象徴とも言えるだろう。
インターセプトからのミドルゾーンでのトランジッションからボスニア・ヘルツェゴビナの左サイドを咎めるターンが続くアメリカ。待望の先制点は前半終了間際。雑なロングボールを回収するとそこから素早く縦パス。スカスカの中央を進むと、最後はバログンがネットを揺らす。
後半、試合は強度が重要な展開にシフト。前半はアメリカに飲まれていたボスニア・ヘルツェゴビナも3枚交代からサイドアタックを整備。左右の縦関係の再構築からボックス内に素早いクロスを入れていく。
ボスニア・ヘルツェゴビナが反撃のルートを探る中でアメリカはバログンが一発退場をするというアクシデントに。4-4-1で守るアメリカに対して、ここからはボスニア・ヘルツェゴビナがボールを持つ展開に。
しかし、アタッカーの切れ味で勝るアメリカは数的不利ながらも追加点。左サイドからティルマン、プリシッチ、マケニーでボックス内に入っていくシーンを作って会場に活気を取り戻すと、ティルマンのFKでリードを広げることに成功する。
ボスニア・ヘルツェゴビナはスローテンポながらボールを持たされる状況というのをあまりイメージができていなかったように思えた。左サイドから一人気を吐いていたアライベコヴィッチのカットインを除けば有効打はかなり限られたものに。アメリカもGKのクロス対応の怪しさがありながらも逃げ切りに成功。2点差を守って次のラウンドに駒を進めることとなった。
ひとこと
バログンなしのベルギー戦は相当試練感が強い。
試合結果
2026.7.1
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Round 32
アメリカ 2-0 ボスニア・ヘルツェゴビナ
サンフランシスコ・ベイエリア・スタジアム
【得点者】
USA:45′ バログン, 82′ ティルマン
主審:ラファエル・クラウス
