
サイドの壊し屋・メッシが降臨
メッシ×サラーというわかりやすい大エースがいるチーム同士の一戦。アルゼンチンはカーボベルデに手こずらされた影響も気になるところだろう。
少し気になったのは立ち上がりのアルゼンチンのポジション。一応上のように4-4-2で書いたし、実際にそのように見えるときもなくはなかったのだけども、実際はレアンドロ・パレデスがアンカーのような立ち回りで中盤に段差を作るイメージだった。
4-4-2で非保持を組みながら人を基準とするエジプトの守備はアルゼンチンに苦戦傾向。インサイドで高い位置をとるマック=アリスターとエンソの2人をどのように捕まえるか?というところに迷いがあり、背後を取られかけるシーンも出てくるように。
話としては前後するが、追いつくチャンスをアルゼンチンが得たシーンもライン間のエンソの潰し遅れから。タグリアフィコのバックドアなど一手一手先に進んだ結果のチャンスだった。
エジプトの保持に対してもアルゼンチンの中盤は段差を作りながら、元のポジションを守る意識はエジプトよりも低く、ボールサイドにはマック=アリスターやデ・パウルがスライド。4-3-1-2のような陣形から圧縮をかけるようなイメージの方が正しいかもしれない。
エジプトは左右に揺さぶりをかけながら、ボールをオープンなサイドに逃しつつ、サイドのローテーションを使いながら奥を取りにいく形。DFラインの背後を取るというよりは、中盤の網を越えるための一手というイメージ。その先に進むための手段はもう少し足りないかなという感じだった。
そうした中で意外な形で先制点を決めたのはエジプト。セットプレーからの二次攻撃でイブラヒムがゴール。アルゼンチンは早い時間にリードを奪われる。
保持の時間が長くなるアルゼンチン。以降も積極的にインサイドのポイント作りを敢行。タグリアフィコの左の大外のバックドアは再現性のある攻め筋であり、中央に縦パスを入れてサイドに展開した時の逃し先として機能していた。
エジプトはハッサンとアシュールの両SHの位置を下げることで4バックはペナ幅にフォーカス。タグリアフィコを気にしつつ、インサイドの縦パスに対して潰しをかけにいく。ハッサンは下がってもなおやや遅れることもあり、タグリアフィコを活かした形はアルゼンチンが引き続き探っていくスタンス。この形を作れさえすれば決定機になる頻度は高かったが、ショベイルのファインセーブでエジプトは難を逃れる。
後半も展開は同じ。負傷の影響もあり、メンバーを入れ替えはしたがDFの横幅をコンパクトにキープしながらラインを下げる格好。カウンターに出ていく時はハッサンと2トップを軸に3枚でファストブレイクを狙っていく。
CHの脇に立つことで挟まれにくいポジションを取っていたアルゼンチン。しかし、攻撃を完結させることができるエジプトのカウンターを食らうことに。一度は潰しのプレーでのファウルでお目こぼしをもらったものの、同じ形のカウンターでエジプトは追加点を確保。リサンドロ・マルティネスのマークの甘さが致命傷になり、速攻を完結させられてしまう。
セットプレーでの前残りのロメロで1点を返したアルゼンチン。だが、幅を取るWGがスカッドにいないアルゼンチンはひたすらに裏抜けを繰り返す以外になかなかボックスに迫る手段がない。誰か幅を取ることができればなと思っているところで右サイドに張り出したのはメッシ。馬力のある強引な突破でサイドの壊し屋として君臨。そのメッシが最後はボックス内に飛び込んだところからアルゼンチンは同点に追いつく。
得点が欲しくなったエジプトにより、試合はオープンな終盤戦を迎える。90分のうちにこの試合の決着をつけたのはアルゼンチン。右サイドに流れたラウタロはファストブレイクの中で緩急をつけてマークが寄らないことを確認すると、素早くクロスでエンソのゴールを演出。10分強で全てをひっくり返したアルゼンチンが窮地からの逆転劇を演じた。
ひとこと
サイドに出てきて壊し屋をやるメッシが2026年に見られるなんて。信じられない。
試合結果
2026.7.7
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Round 16
アルzゼンチン 3-2 エジプト
メルセデス・ベンツ・スタジアム
【得点者】
ARG:79′ ロメロ, 83′ メッシ, 90+2′ エンソ・フェルナンデス
EGY:15′ イブラヒム,67′ ジーコ
主審:フランソワ・ルティクシェ
