
リリーフエース対決はメリーノに軍配
大会の本命と目されるフランスが待ち受ける準決勝の切符。奪い合うのは試合が進むにつれてパフォーマンスを上げてきている欧州の両雄だ。
共にゆったりとしたリズムでプレーすることが多い両チーム。しかしながら、この試合は非保持で相手を前から捕まえにいくアクションをすることで押し込まれることを回避しようという強い意志を感じるスタートとなった。
スペインはプレスを誘引しつつ、前線の降りるアクションから中盤の背後を狙っていく。オルモとオヤルサバルが中盤に空いた穴を突いていく形で前に出ていく。
ベルギーの狙い目は左サイド。人につく意識が強いスペインに対して、ドクがややインサイド寄りに降りるアクションと左の背後を取るデ・ケテラエルで縦に揺さぶりながらチャンスを作りにいく。
手応えがあったのはスペインの方だろう。ベルギーは2トップでロドリまで管理するようなシステム。たまにベルギーのCHが出ていくケースもあったが、いつも出ていくほど前がかりでもない。そうなってくると、デ・ブライネがいくらパスコースを消してもロドリが浮く場面は出てくる。
2トップに対して、浮く位置を探すことに関してはロドリはもはや名人の領域。スペインは攻撃の起点を作ることに成功。ロドリからの幅とライン間を合わせた組み立てとクバルシの背後を狙うアクションを組み合わせる形で徐々にベルギーを追い詰めていく。ベルギーはスペインのバックラインにプレスに出ていくことができず、少しずつスペインの保持の時間が増えていく展開に。
ハイドレーションブレイクの直後にベルギーは決壊。右サイドからのバックドアで背後を取ったポロからの折り返しをファビアンが沈めてスペインが先制する。
押し込んだ局面においては右サイドの切れ味が光っていたこの日のスペイン。ヤマルは1枚剥がすアクションのキレが上がっており、いよいよギアが上がってきた様子を感じさせる場面も。左サイドに顔を出す場面もあるなど、この日は右の幅取り役以外の顔も見せた。
ベルギーは先制されたこともあり、もう1回ハイプレスに行くがこれも空振り。スペインは前線の動き出しと1枚剥がせるヤマルを使いながら優位に立つ。
それだけにデ・ケテラエルのゴールは脈絡がない意外なものだった。一発勝負で空中戦を仕留めるデ・ケテラエルの勝負強さは間違いなく前のラウンドでの流れを汲むものだった。
瞬間的に右サイドからの攻撃の機会を取り戻すベルギーだったが、スペインが保持からのリズムを取り戻したところでハーフタイムに。試合はタイスコアで後半に。
後半は両チームともよりはっきりと中盤を最終ラインに落とすことでポゼッションの確保を優先。クバルシのタッチダウンパスなどダイレクトな展開から中盤を省略するケースもあったスペインだった。
ベルギーは右サイドのトランジッションを大事にする入り。ゆったりとした定点攻撃においては左サイドから枚数をかけた攻撃で敵陣に侵入していく。
時間が経つとやはり支配的に保持を進めるのはスペインの方。対角パスとサイドからのトライアングルの攻撃をなめらかに行っていく。ベルギーは起爆剤となりうるルカクの投入を早々に決断することになる。
ドクとルカクの直線的な動きは瞬間的な切れ味も垣間見えたが、時間の経過とともに中盤が間延びするベルギーの守備ブロックを隠すまでには至らず。こうなったら容赦なくライン間を刺す攻撃にフォーカスできるのがスペイン。左サイドにニコ・ウィリアムスを入れて、横幅もコンパクトに守ることを許さず最後の仕上げにかかる。
そして、今日も仕上げを担当したのはメリーノ。クバルシの鋭いミドルのこぼれ球をメリーノが押し込んで決勝ゴールをゲット。クルトワの負傷によって出番が回ってきたラメンスにとってはほろ苦いW杯となった。
2試合連続で貴重な決勝ゴールを手にしたメリーノ。フランスの待つ準決勝に駒を進めたのはスペインだった。
ひとこと
ルカクの投入からの反撃を抑えて、一手一手仕上げに向かうスペインらしい勝利だった。
試合結果
2026.7.10
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Quarter-final
スペイン 2-1 ベルギー
SoFiスタジアム
【得点者】
ESP:30′ ファビアン, 88′ メリーノ
BEL:41′ デ・ケテラエル
主審:マイケル・オリバー
