
やはり特殊な3位決定戦
「本当だったら優勝を目指してニューヨークで戦いに備えているはずだったのに・・・」という思いを抱えながら、マイアミに飛ばされることとなった両チーム。3位決定戦の要否も含めて、試合前から議論が多少交わされる中で序盤に見られたのは疲れ切った両チームの姿だった。
序盤から緩さが際立ったのはフランスの方だろう。ジリっと高い位置から追い合うスタートの中でイングランドにライスのミドルであっさりと先制点を許してしまう。この失点を皮切りに攻守の切り替えの拙さがとにかく目立つのがこの日のフランス。特にネガトラの遅さが顕著であり、DFラインは高い位置に出ていくこともしなければ、背中を取られた後のスペースを埋めるアクションも鈍重。
コナテはサリバを使い詰めたことの答え合わせのようなパフォーマンスであり、出ていく潰しのアクションも皆無な上にギュストの背後を埋めるような動きも見せられず。この一番に合わせたパフォーマンスを見せることができず、イングランドは左サイドから自在なファストブレイクを見せることができた。
背後を直線的にエンバペのスピードで突く形はそれなりにピックフォードを脅かすことができていたものの、インサイドのコンビネーションの質はやはりレギュラーセットよりも低下。特にワンタッチ主体のコンビネーションの中でゆったりとしたリズムのチェルキをどのように組み込むか?ということにはかなり苦心していた印象だった。
インサイドのコンビネーションの質の低さと怠慢なネガトラとの相性は最悪。とにかくひたすら打たれる展開が続き、背後を完全に抜け出し切る場面もしばしば。セットプレーからのコンサに加えて、サカがさらに2つのゴールを上乗せ。4点のリードでハーフタイムを迎える。
フランスは怒りの4枚交代で後半をスタート。高い位置からのプレスへの意欲も見せることでこの試合の火を復活させようとする。その甲斐があり、エンバペは早々に反撃のゴールをゲット。起点になったのは4人の交代の選手のうちの1人のウパメカノ。高い位置から奪いにいくというチームのプランをきっちり正当化する潰しで、フランスのカウンターの起点に。
このゴールでの成功体験もあり、高い位置からのフランスの守備は機能。イングランド陣内でのボール奪取から攻撃に転じるケースが出てくるように。さらには2列目をレギュラーセットに戻したことで速いリズムでのコンビネーションも復活。アンカー脇の空いているスペースを修正しようとしないイングランドを延々とインサイドから攻め続ける。
フランスはスコアを重ね続けることに成功。オリーズの決定力が普段通りであれば、逆転まで行っていたケースもあったくらいだった。
単発のカウンターにフォーカスしていたイングランドの勢いを取り返すきっかけになったのはベリンガム。馬力のあるドリブルで左サイドを蹂躙することでフランスの守備の難点を脅かすことに成功。左サイドの加速からPKを奪取し、サカがハットトリックとなるゴールを決める。
デンベレ、ベリンガムと最終的にさらに1つずつのゴールを重ねた合計10得点のゴールが生まれた3位決定戦。やはり特殊な位置付けの試合だと思い知らされる結末だと思った。
ひとこと
一度チームとして崩れると脆いのがフランスということを思い出した試合だった。
試合結果
2026.7.18
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
3位決定戦
フランス 4-6 イングランド
マイアミ・スタジアム
【得点者】
FRA:48′ 66′ エンバペ, 54′ バルコラ, 90+6′ デンベレ
ENG:3′ ライス, 18′ コンサ, 37′ 45+1′ 87(PK) サカ, 90+8′ ベリンガム
主審:ヘスス・ヴァレンズエラ
