
固めた守りは逆効果に
マルタは強度を活かすイメージでの立ち上がり。特に前がかりになったタイミングで1人がプレスをかけた時の連動は意識しており、高い位置でボールを奪うところからリズムを作りにいく。
ただ、常にプレスをかけているとリスクが伴うため、4-4-2でミドルブロックを組むところで踏ん張りに行く。オランダはシモンズをインサイドに絞らせて大外をダンフリースにする変則的な形。3-2-5に近いイメージだろうか。
試合を動かしたのは3-2-5での静的な攻略ではなく、マルタのトランジッションへの意識の高さを利用したところから。逆サイドでオープンなところでボールを持ったファン・デ・フェンからのキャリーでひっくり返すことに成功。クライファートがコルバランに倒されてPKを獲得する。
もっとも、トランジッションを意識したマルタの戦略自体は悪くはない。オランダは即時奪回の意識が高いわけではなく、自陣からでもカウンターのチャンスはありそう。その上で、右のユニットのビルドアップは不安定でサタリアーノやギラウマーからボールを運べるシーンもあった。
しかしながら、自陣での守備の距離が長かったのがマルタの難点。サイドでの対応が甘くなると、デパイのミドルからリードを広げる。
さらにはトランジッションのカラーを強めた展開の中で攻め上がったファン・ダイクが3点目。前半のうちに試合のリードを広げる。
以降も時折マルタにトランジッションの機会を与えながらも、支配的に試合を進めていくのはオランダ。序盤よりは落ち着いた形で試合を掌握していく形でハーフタイムを迎える。
後半、マルタは5バックに移行。自陣を堅めにいく。ダメージを最小限にという方向性なのか、前半のプランが持続可能なものではなかったのかはわからないが、前半よりも明らかにラインを下げて防衛を行う。
しかし、上に書いたようにマルタの守備は自陣の方がむしろ明確に問題点を抱えている。したがって、オランダは押し込む機会の増加がそのままチャンスの増加につながることに。左サイドからのクロスを早々にチャンスにしていく。
4点目を決めたのはシャビ・シモンズ。右のハーフスペースの抜け出しから、角度のついたところからゴールを決めてリードを広げる。
終盤に暴れたのはマレン。加速だけでなく、緩急をつけながら細かいスペースを作り出し、自らの得点や周りの得点のサポートで後半のゴールラッシュに貢献した。
試合は終わってみれば大量8得点。オランダがフィンランド戦に続く大勝を飾った。
ひとこと
マルタ、後半もアグレッシブなスタイルを見たかったけども。
試合結果
2025.6.10
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
欧州予選 グループG 第4節
オランダ 8-0 マルタ
ウーロボルフ・サッカースタジアム
【得点者】
NED:9′(PK) 16′ デパイ, 20′ ファン・ダイク, 61′ シモンズ, 74′ 80′ マレン, 78′ ラング, 90+2′ ファン・デ・フェン
主審:リカルド・デ・ブルゴス
