MENU
アーカイブ
カテゴリー

「現在地への抵抗」~2026.11.7 J1リーグ 第14節 柏レイソル×川崎フロンターレ プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第14節
2026.11.7
柏レイソル(4位/9勝1分3敗/勝ち点28/得点29/失点19)
×
川崎フロンターレ(7位/6勝4分3敗/勝ち点22/得点27/失点22)
@三協フロンテア柏スタジアム

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で柏の2勝、川崎の5勝、引き分けが6つ。

柏ホームでの戦績

直近10戦で柏の2勝、川崎の3勝、引き分けが5つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近5回の公式戦対戦は川崎の2勝1分2敗。両チームとも13得点ずつを記録している。
  • 直近5回の公式戦の対戦では合計26得点が生まれており、1試合平均5.2得点を記録している。
  • 2026年の百年構想リーグでは川崎がホームで5-3と勝利した一方、柏のホームでは1-0で敗戦。互いにホームゲームを制している。
  • 百年構想リーグの1-0はこのカードで続いていた公式戦直近7試合連続の両チーム得点を終わらせた。

スカッド情報

柏レイソル
  • 若原智也
  • 渡井理己
  • 山田雄士(左膝外側半月板損傷)
  • 熊坂光希(左膝内側側副靱帯損傷)
  • 馬場晴也(右膝前十字靱帯断裂、外側半月板損傷)
  • 大久保智明(右アキレス腱断裂)
川崎フロンターレ
  • 家長昭博(?)
  • 谷口栄斗(右長内転筋肉離れ)
  • 大島僚太(?)
  • ラザル・ロマニッチ(左足底腱膜損傷)
  • 宮城天(ハムストリング)
  • 紺野和也(右リスフラン靭帯損傷)
  • 野田裕人(右腓腹筋肉離れ)
  • カイキ・ケイロス(左ハムストリング肉離れ)

予想スタメン

Match facts

柏レイソル
  • ここまで9勝1分3敗の4位。勝ち点28は首位FC東京とわずか2ポイント差。29得点はリーグ5位タイ、19失点は上位5チームで最多となっている。
  • 1試合平均ドリブル数は14.3回でリーグ最多。リーグ平均の10.3回を大きく上回っている。
  • 直近7試合の公式戦における日立台の試合では得失点合計で35得点を生み出している。この7試合のうち6試合で、少なくとも一方のチームが3得点以上を記録している。
  • 29得点のうち、クロス、ドリブル、30m未満のパスからそれぞれ7得点。3種類の攻撃パターンで計21得点を記録している。
  • 今季の上位5チームとの直接対決で2勝1分と無敗。町田、神戸にそれぞれ4-2で勝利し、首位FC東京とは0-0で引き分けている。
    • 2025年は上位5チームとの直接対決で8試合勝ちなし(D5,L3)
  • 瀬川祐輔は今季12試合すべてに途中出場し、8得点。先発出場が一度もないにもかかわらず、得点ランキング3位タイにつけている。
川崎フロンターレ
  • リーグ13試合すべてで得点を記録。27得点で1試合平均2.08得点を挙げており、今季まだ無得点に終わった試合がない。
  • 今季13試合でクリーンシートがわずか1試合。9月12日の水戸戦(1-0)を除く12試合すべてで失点を喫している。
  • 22失点のうち7失点はセットプレーから。失点全体の31.8%を占め、直近の横浜FM戦でもセットプレーから2失点している。
  • アウェイでの勝利はここまで2つ。水戸とC大阪でどちらもボトムハーフにつけているチーム。
  • マルシーニョは今季8得点。瀬川と並んでリーグ得点ランキング3位タイにつけている。
  • 1試合平均攻撃回数は106.3回でリーグ最少。一方、チャンス構築率は14.4%でリーグ3位となっており、攻撃回数の少なさに対してシュートにつなげる割合は高い。

予習

第11節 FC東京戦

第12節 鹿島戦

ACL-E リーグフェーズ 第3節 ラーチャブリー戦

第13節 浦和戦

ACL-E リーグフェーズ 第4節 大田ハナ・シチズン戦

展望

同じ哲学の上に乗せていく

 神奈川ダービーに敗れて再び上位との差が広がった川崎。代表ウィーク前最後のリーグ戦は柏戦。川崎よりも上位にいて優勝争い真っ最中のチームとの一戦だ。

 柏はここまでリーグ4位。首位との勝ち点差は2。彼らの1つ下の神戸までがひとまずの優勝争いのボーダーとなるだろう。川崎が代表ウィーク前に優勝争いに食い込む最低条件は横浜FM、柏戦の連勝だったが、それができなくなったことでまた上位進出は厳しくなった。鹿島以下の4つのチームはまずはこの5強を切り崩して優勝争いを射程に捉えることが当面の目標となる。けど、出遅れをリカバリーするのは大変。ましてや勝ち点2ペースで走っているチームが5つあるのだから。

 さて、柏に関してだが、上位5つのチームとは少し異なるチーム作りをしているように思う。今のJのトレンドはパワーのある外国籍選手をセンターラインもしくはWGに据えて、その周りを海外帰りの日本人で固めるスタイル。FC東京、広島、町田、神戸はこのスタイル。その下に目を向ければ、浦和と鹿島もここに分類してよさそうかなと思う。

 そうした中で柏のチーム編成は異質。J1の準レギュラークラスを引っ張ってきて、そこから主力に育て上げるというサイクルを取っている。ACLに臨む今季は外国籍の補強をするのかなと思ったのだが、日本人でスカッドを固める方向性は変わらないまま。海外帰りの日本人も少なく、そうした選手たちも遠藤渓太のように一度日本のクラブを挟んで柏に加入している。

 チームの方向性については少し複雑になったように思える。変わっていないといえば変わっていないし、変わっているといえば変わっている。

 保持で相手の布陣に対するギャップを使い倒してやろうという根本は変わらない。4-4-2であれば3バックから生じるズレを作りながら前進。外循環からサイドの三人称の攻撃で一気に敵陣深くまで侵入し、折り返したクロスを仕留めに行く。

 ギャップを作る起点になるのは小泉で、右のシャドーに入る彼が下りるアクションから中盤以降の移動が始まる。右サイドでは大外のWBで幅を取りつつ、ワイドCBの原田がハーフスペースに突撃していく格好で縦方向にギャップを生んでいく。

 まずは自分たちの形を打ち出しつつ、相手の守備に変な穴があればそこを突いていくことを優先。インサイドとアウトサイドを柔軟に使い分けながら敵陣に入っていく。

 左サイドは可変要素が右よりも少なめ。その分、遠藤や山内といったキレで勝負できるアタッカーを置いて1on1から勝負を仕掛けることができる。小屋松以降の柏に足りなかったバグ成分は彼ら2人で担保されている感がある。

 変化点があるとすればCFのところだろうか。個人的には藤尾の存在は大きいと思う。瀬川、垣田のように従来の柏のCFの文脈で攻撃ができる選手も面白いが、ダイナミックにロングボールを左右に流れながらキープすることができる藤尾の存在によって柏の攻撃の幅が広がっている。

 これまでであれば保持で何とか!というところにこだわりそうな状況においても、藤尾へのロングボールを柔軟に使うようになったことで幅が広がった感じ。ベースに置いた保持へのこだわりをそのままに、ダイレクト志向の攻撃も交わっている。

 非保持に関してはさらにコンセプトが多様化している印象。マンツーで前から捕まえに行くときはCFをアンカーもしくはCHの監視役としてつけて、シャドーがマンツーで相手のCBに襲い掛かりに行く格好が4バック相手の基本線。

 しかしながら、シャドーの一角の小泉がCFと並ぶような4-4-2風味の守備もたまに。結局のところサイドは縦にスライドしていくイメージなので、3-4-3の亜流との区別はつきにくかったりはするけども、時折DFにボールを持たせてもOKというようなスタンスを見せる。

 噛み合わせるにしてもある程度距離を取りながらジリジリというパターンも。高い位置から1stプレスをかけていくことに関してはまぁまず間違いなくトライはしてくるチームだろうが、その強度とかメソッドにはそれなりに濃淡がある。自陣では5-4-1でブロックを組む安全策を取ることで割り切るのも印象的だ。

 ハイプレスで相手を狭い位置に追い詰めていくというよりは、ふと相手が気を抜いた雑な中盤へのパスをとにかく狙っていくという印象が強い。浦和戦では無理なターンをする瀬古が餌食になっていた。懐かしい感じがした。

 ミドルゾーンから敵陣にかけてのボール奪取を起点としたミドル~ショートカウンターは神戸戦以降の得点の生命線であり、ここがトランジッション色の強まりを感じるところでもある。保持に尖ってはいないのかもしれないが、2025年に苦手としていた上位との直接対決にも今年は勝てているし、現に神戸や鹿島もトランジッションで飲み込んでいるので、こちらの方がいいのかなとも思う。

 結局のところ、ベースと補強戦略は変えないまま上乗せを狙っていくのが今の柏の基本線。多くの選手を起用して、選手層を広げながらどういう色を乗っけられるかを模索しつつ、今のところ成功しているため上位に君臨している。そういう道筋をたどっているように見える。

向きあわなければならない

 ここから3つ柏と戦う川崎。90分なら誤魔化せるようなことも270分なら露呈してしまう。控えも含めた戦力値まで、否が応でも今の力が露呈してしまう3連戦になるだろう。そんなシビアな状況で上位の柏と対峙することになる。

 まぁ、でも横浜FMに負けてしまったのだから、そんなに緊張することもないのかなと思う。こういうのはいけそうだけどダメだったらどうしようという時が一番緊張する。今は腕試しくらいの感覚だったりする。自分の中で。

 さて、いろいろ上で書いたけども、結局のところ柏の初手である保持での分岐に関して手も足も出ないのであれば、ここで制圧されるだろう。2つのルートを防いでも3つ目のルートを見つけてくるのが柏のポゼッションなので、3つくらいのルートをすべてフリーパスで通すような横浜FM戦と同じクオリティの非保持をすれば、結果は火を見るよりも明らかである。

 かといってズレを嫌がって押し下げられれば、彼らは嬉々としてワイドのCBを攻撃に組み込み、ひたすらハーフスペースの突撃で殴ってくる。引いて受ければそれでOKという相手でもない。

 受けに回る時間帯もあるが、プレッシングにはある程度出ていくことが必要だろう。ただし、前線からすべてを捕まえきるというよりは、前線から方向を誘導し、後方が連動しやすい守備をすることが大事になるだろう。3人目のCBにはSHがスライドするが、その背後のWBにはSBがスライドできるように仕向けたい。相手のCHも簡単には浮かせず、CHのスライドとCFのプレスバックによってパスコースを制限したい。まずはこの2つを防ぐところから始める必要があるだろう。

 どちらも一つ遅れれば致命傷。横浜FM戦のようにサイドのズレに対してCBが簡単に釣り出された挙句、折り返しを許してしまうのであれば、ファーサイドには逆サイドからWBが走り込んでいる。直近のACLの大田戦で決めた2つのゴールはどちらもサイドにCBを引き出したものである。

 前の選手がスイッチを入れたら、後方も連動して縦に速く寄せていく。これを繰り返すしかない。柏はワンタッチでのプレス回避に慣れているチームだが、速いテンポでプレーを強いられれば当然ミスはしやすくなる。そういう部分を誘発するようなプレスでなければならない。

 また、CHの縦パスは特に中川がやや強引につけて引っかけるシーンもある。ここをカウンターに結びつけることができるのがベストケースであり、ここからのブレイクは仕留めたい。もちろん、CHの間が空いていれば精度の高いパスを通してくる相手でもある。こちらもゲートを狭めながらライン間の選手の時間を奪うようにコンパクトな守備にチャレンジしたいところ。

 柏の右であればポケットへの突撃、左であれば大外からマイナスに旋回するドライブからのミドル。ざっくりとこの2つに警戒したいところ。深さを作る右とそれを活かす左という特徴に合わせた守り方をしたい。ミドルであれば容赦なく足を振ってくるはずで、寄せが遅れるのも致命傷だ。

 保持においては基本的には横浜FM戦の方向性が悪いものとは思わない。CHがフリーで前を向く。この編成であれば、突き詰めればここから逃げることはできないと思う。それくらい偏った編成なのが今の川崎である。

 柏がどこまでのプレスに出てくるかは読めない。CH封鎖を優先してCBにはある程度持たせるか、GKまで深追いするのか、あるいはGKはあえて追わず受け手だけをすべて封じるマンツーマンというパターンもあるだろう。

 基本的にはCH+トップ下が移動しながらフリーマンを作るガチンコ勝負に挑んでいいと思う。結局のところ、マンツーに対してここで前を向く選手を作る連携ができなければ、この編成のチームには未来はないと言い切ってもいい。横浜FM戦は方向性の失敗ではなく、技術の失敗。まぁ、その方が大変やろ!というのもわかるけども、あれがいつもの中盤の姿ではないことも理解しているので、結局ここから向き合わないといけない。無理ならオフに方針と人員を見直せばいいだけなので。

 CHを封鎖するような守り方を柏がしてきた場合はさすがにMFの関係性だけでフリーマンを作るのが強引なので、他のところでギャップを作りたい。個人的には鹿島のメカニズムは参考になるかなと思った。中盤をケアしつつCBにプレスをかける小泉と垣田に対して、SBをビルドアップに関与させずに柏のWBを高い位置にピン留め。小泉とWBの距離を広げてこの間のスペースでフリーマンを作る。CHが流れるか、マルシーニョが下りて受けるかのどちらかがいいと思う。

 もしくはピン留め役をマルシーニョにして、LSBを組み立てに使うパターンでも良い。それならばLSBの人選は佐々木の方が適切かもしれない。

 キニョーネスに比べれば、柏のCB陣にはロングボールは効くだろう。エリソン爆撃ほど直線的な威力を出せはしないかもしれないが、背走と組み合わせたフィジカル勝負に持ち込めればラセルダでも一撃を狙える可能性はなくはない。ポストを活用しながらスピードを生かすパターンも含めて、前節よりはロングボールを活用する手段を調整していいのではないか。

 勝つのは大変な相手ではある。けども、結局のところ強いチームに勝つためにやっているのだから受けて立つしかないよなと思う。横浜FM戦は自分たちの実力を痛感させられる試合でもあり、本来の自分たちはこんなもんではないと感じる試合でもあった。現在地は嘘をついていないと思う。けども、もうちょっとできるでしょ。この順位表に抵抗できるところを見せてよ。そう思いながら3連戦を受け止めようと思う。

 

【参考】
https://www.jleague.jp/j1/standings/
https://www.jleague.jp/j1/stats/2026/
https://www.jleague.jp/j1/stats/player/2026-27/score/search-list/
https://www.jleague.jp/club/kashiwa/
https://www.reysol.co.jp/game/results/
https://www.jleague.jp/match/j1/2026/020801/
https://www.jleague.jp/match/leaguecup/2025/100801/summary/
https://www.jleague.jp/match/j1/2026/051003/livetxt/
https://www.jleague.jp/match/leaguecup/2025/101201/review/
https://www.jleague.jp/match/j1/2025/092810
https://www.jleague.jp/match/j1/2026/110101/

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次