Fixture
明治安田 J1リーグ 第9節
2026.10.11
川崎フロンターレ(7位/3勝4分1敗/勝ち点13/得点16/失点12)
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名古屋グランパス(17位/2勝0分6敗/勝ち点6/得点7/失点14)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
戦績
近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎は5勝、名古屋の3勝、引き分けが2つ。
川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の8勝、名古屋の1勝、引き分けが1つ。
Head-to-head
- 2025年のリーグ戦では川崎がシーズンダブル。ホームとアウェイでそれぞれ4得点を挙げている。
- 直近6試合は3勝ずつ。いずれも勝利チームは複数得点を挙げている。
- 公式戦におけるホームの名古屋戦で川崎は直近7戦6勝。うち4つがクリーンシート。
- 2016年以降の等々力での公式戦10試合のうち、名古屋が勝利したのは2023年のリーグ戦のみ。キャスパー・ユンカーとマテウス・カストロのゴール。
スカッド情報
- 大島僚太(?)
- ラザル・ロマニッチ(左足底腱膜損傷)
- 宮城天(ハムストリング)
- 林駿佑(左膝側副靱帯損傷)
- 久保遥夢(代表活動)
- 浅野雄也(右アキレス腱断裂)
- マルコス・ヴィニシウス(左脛骨果部骨折)
予想スタメン

Match facts
- 公式戦直近11試合で1敗。直近5試合は無敗でうち3試合がクリーンシート。それ以前の2026年の公式戦26試合と同じ数の無失点を記録。
- 先制された試合は10試合連続で勝ちを落としている。最後に逆転勝ちしたのは4月のホームの浦和戦。河原創の後半ATの決勝ゴールで3-2。
- 直近4試合の公式戦はすべて外国籍選手が1点目を決めている。
- ホームでの公式戦は5試合連続複数得点中で、直近4試合はいずれも3得点以上を記録。
- 百年構想リーグを含めて2026年の川崎は公式戦で6人の外国籍選手(エリソン、ラザル・ロマニッチ、デリキ・ラセルダ、マルシーニョ、ペドロ・ホマーノ、フィリップ・ウレモヴィッチ)が得点を決めている。これは7人の外国籍選手(イジドーロ、ギド・アルバレンガ、リカルジーニョ、マジーニョ、ペドリーニョ、ダニエル、ルイス)が得点を決めた2000年以来26年ぶりの多さ。
- マルシーニョは今季ここまでリーグ戦6得点。81分に1回ゴールを決めている。キャリアハイの12得点を決めた2022年は165分に1得点。キャリアハイの倍のペースで得点をきめている。
- 浦和、柏と並んで今季ここまで引き分けがないチーム。
- 今季ここまで7得点。これより少ないのは東京V(4)と清水(5)だけ。
- リーグ戦は4連敗中。同一シーズン内での5連敗になれば2018年に記録した8連敗以来8年ぶりのこと。
- アウェイでのリーグ戦では今季ここまで4連敗。直近3試合は得点がない。
- 今季ここまで8試合のリーグ戦で相手が3回の退場者を出している。しかし、勝利できたのは退場者が出た時点でリードしていたG大阪戦のみ。ビハインドだったFC東京戦と清水戦ではいずれも無得点で敗戦。
- ミハエル・ペトロヴィッチはキャリアを通じて川崎相手に25敗。監督人生において最も多くの敗戦を喫している相手。
予習
第6節 町田戦

第7節 長崎戦

第8節 FC東京戦

ルヴァンカップ 2回戦 北九州戦

展望
修復する前に動かし切れるか
中断期間の2つの試合はいずれもクリーンシートでの勝利。ベストメンバーをきっちりと投入し、中断前の手堅く戦う流れを継続する3週間を過ごすことができた。中断明けの対戦相手は名古屋。3週間ぶりに等々力でトップチームの試合を迎えることとなる。
名古屋は2026年の頭にミハイロ・ペトロヴィッチを招聘。西地区3位で百年構想リーグを走り切ったが、新シーズンはここまで17位と苦戦が目立つ。8試合で7得点というペトロヴィッチのスタイルにしては少ないゴール数が、らしくない戦いの象徴になってしまっている。
基本的なフォーメーションは3-4-2-1。保持においては4バックに変形することが基本線。CBをSBのように扱いながら、最終ラインが変形する。CHが最終ラインに入って組み立てるケースは札幌時代に比べると少なく、高嶺が主にアンカーの位置に座り、相棒は前線に飛び出していくようなタスクを担う。
例外となるのはCHに徳元が入った長崎戦。この試合では相手のフォーメーションが3-4-2-1のミラーだったので、可変成分を増やす狙いがあったのかもしれない。
失点はともかく、得点が少ないというのは先に述べたようにミシャ式としては珍しいのだが、個人的にはこの可変フォーメーションの恩恵がうまく受けられていないのではないか?と思っている。
CBがSB化することでサイドの攻撃は厚めなのだが、枚数をかけて崩しに行けているシーンは少なめ。サイドに枚数はいるのだが、特にオフザボールでのつながりが薄く、個人の動きがぶつ切りになっている。
例えば、FC東京戦では相手のSHの俵積田の背後にワイドCBの原を送り込むことはできていたが、そのズレを使うことはできない。俵積田が原を逃がしてしまった分、ほかのFC東京の選手が慌てて対応していたのだが、その瞬間を動き出しで周りが生かすことができず。結局はFC東京がブロックを組み直すまで動くことができなかった。
後方に攻撃的な選手を使っている分、こうしたズレは起きやすい仕組みにはなっている。だが、ズレたとしても相手がそれを修復するまでに崩しきることができず、結局は低い位置からアーリークロスを入れてのボックス内勝負という、あまり陣容に合っていないプランから攻撃を仕掛けている。このミスマッチはかなり気になる部分だ。
個人的にキーマンになるのではないか?と考えているのは内田。中盤に降りて高嶺をサポートしたり、そこから前に出ていってサイドの攻撃をつないだり、ボックス内に飛び込んだりしている。ミシャ式は可変フォーメーションが可変したまま硬直してしまう時があるのだけども、あらゆるところに顔を出す内田はそこにアクセントを加える存在。
何より、オフザボールのタイミングがうまく、彼が出ている時間帯の方が守備側に発生した歪みを明らかに突くことができている。FC東京戦で名古屋の攻め筋がよかったのは、高が退場して相手が10人になってからよりも、内田がピッチにいた時間帯だった。右サイドで彼とオフザボールでつながれる選手が出てくることが、今の名古屋にとって一番ホットな攻撃の形だと言えるだろう。
逆サイドでは木村が相手を背負う強度を見せているが、初期ポジションがサイドであるせいか、ややゴールには直結しきれない印象もある。相手に当たり負けするシーンは少ないので、直線的に突き抜けられるようなシーンが出てくると、一気にゴールを陥れる武器になりうるポテンシャルは感じる。
攻守は分断されて考えるべきとは思わないけども、現状前に人数をかけたいチームであることは間違いないので、かけているなりの得点という成果は欲しい。リスクがある戦い方をしていることは間違いないが、同じ前がかりの状態であれば、攻撃を完結させた方がカウンターの可能性は下がる。得点という果実を手にする機会を増やすための、人数をかけた攻撃の熟成がまずは求められることになるだろう。
速攻に繋げる勝ち筋は成立する?
リーグ戦に関して言えば、名古屋は比較的立ち上がりに敵陣に攻め込む機会が多いチーム。川崎は初めの数プレーで簡単にゴールを割られることは避けたいところ。木村を生かしたロングボールや早めのクロスなど、序盤の名古屋は特に直線的で、手数をかけずにボックス内への襲撃回数を増やしていくイメージだ。
まずは初手の迎撃で簡単に後手を踏まずに試合を落ち着かせるところまで持っていきたい。サイドで簡単に破られてしまうと、そこからの折り返しを虎視眈々と仕留める機会を狙っている山岸のようなストライカーには格好の形になる。ホマーノ、もしくはウレモヴィッチを木村に当てる形ができれば助けになるかなと思う。
後方ではパスの出し手となる高嶺の受け渡しはきっちりとやりたいところ。浮かせると背後やライン間に一撃で仕留めかねないパスを出せる選手。高嶺から前線の動き出しを生かすタッチダウンパスのように、まずは素早い少人数の攻撃を機能させないようにしたい。
その高嶺と並んで気をつけたいのは内田の動き。前に出ていく選手と中盤に降りてくる選手の両方を担うことができる。スタートポジションがやや読みにくいが、複数の役割を担う可能性が高い分、受け渡しが重要になる。内田が降りてきたところに中盤中央のユニットがついていけば、その背後に生まれたスペースをほかの選手に使われる可能性があるし、逆に放置すれば高嶺が浮いてしまうきっかけを与えかねない。
特に警戒したいのは内田自身の動き出しだけでなく、彼が動いたことによって周囲の選手が連動するパターン。予習した試合の中で名古屋の攻撃が最も機能したのは、それができたFC東京戦の一部の時間帯。押し込まれたときにこれが機能するのであれば、そもそも受けるという戦い方で収支が合うかを見直す必要がある。
逆に、名古屋の攻撃を単調なクロスに持ち込むことができれば話はだいぶ楽になる。川崎のクロスの跳ね返しが成立するのであれば、枚数をかけた攻撃をひっくり返してのカウンターというのが今の名古屋に対する最もクリティカルな得点手段になる。
先制点を確保し、ローブロックで名古屋の攻撃をひっかけてのカウンターというパターンに早いうちに持ち込むことができれば、一気に大量得点というケースもあり得る。それにはきっちり受けられるという前提が成り立つ必要がある。名古屋の攻撃を受けて、彼らの苦手な守備のパターンを強いることをまずは手札に加えたい。熊本戦、宮崎戦で別格のパフォーマンスを見せたウレモヴィッチがリーグ戦で先発に名を連ねるパターンも個人的にはあるかなと思っている。
跳ね返した後の攻撃に関しては川崎の持ち味を生かすイメージは湧く。名古屋の守備は左サイドからのドリブラーを生かすパターンに弱い。俵積田や相馬といった選手たちのカットインから失点や危ういシーンを呼び込んでいる。マルシーニョで川崎はこの攻撃の焼き直しを狙っていきたいところだろう。
速攻が成功するバロメーターになるのは中盤のフィルター役である高嶺を超えることができるか。ここを突破するか、特定の場所に引き付けておきながらリリースし、中盤中央をお留守にさせられれば、一気にシュートまでの道筋が見えてくる。
裏への抜け出しも有効。ハイラインブレイクでGKとの1on1という失点パターンも長崎戦では見られている。即時奪回の甘さが見られたところから、中盤で浮いている選手から一気に背後を狙うパターンは、特にセットプレーのカウンター時には意識したいところ。ここでもマルシーニョは重要な存在。山本とのホットラインがつながればパス一つで決定機を迎えることができるはずだ。
もちろん、名古屋が前に出てくるのであれば、川崎も相手のプレスをどう外すかというところは重要になる。名古屋は人基準で相手を捕まえに出てくるので、ボールを持つ選手が相手の圧力を受けること自体は避けられない。ただし、裏を返せばプレスに出てきた選手の背後にはスペースが生まれることになる。
宮崎戦で見せたように、SBやCHが立ち位置を変えながら相手のプレスの基準点をずらしていくことができれば、そこから攻撃を加速する余地は十分にある。大事なのは最初のプレスを外すことだけで満足しないこと。名古屋の守備者が前に出てきたことによって空いたスペースに、次の選手がタイミングよく飛び込んでいくところまでセットで考えたい。名古屋は最初のプレスを剥がされた後のリアクションが早いチームではないので、きっかけを作ったら相手に判断を迫り続けながらゴールまで進んでいきたい。
セットプレーでの失点自体は少ないが、今のバックラインの人選は藤井を除けば本職SBで揃うことも多い。国内カップ戦2試合で得点につながったCBの高さを生かすパターンの活用は頭に入れておきたいところだ。
定点攻撃においてもなるべく高嶺のいないところからという攻め筋は意識していきたいところ。CBの藤井に関しても狙いどころを絞れてしまうと簡単に跳ね返される可能性もある。藤井の周辺には複数の選択肢を用意して迷いを与えながら攻め切りたいところだ。
川崎にとって中断期間の2試合は相手に対して変な弱みを見せず、余裕をもって受け切ることができたという点で収穫がある。J1のチーム相手ということで受け切るハードルは当然上がると考えられる。鹿島戦では大枠を握れたものの、ミドルの跳ね返りへの反応の遅さやロングボール対応の受け渡しなど、わずかなスキをことごとく失点につなげられた。
川崎がリーグで上位を目指すのであれば、大枠でいい試合を重ねるだけでなく、細かな部分でスキをつぶす必要がある。試合の主導権を握ることと、スキをつぶすことの両立。どちらも川崎の上位進出に必要な要素だ。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)
