リバプール、26-27シーズンの歩み。
第1節 ニューカッスル戦(A)

最後にババを引いたのは・・・
イサクを巡って昨夏は大立ち回りを見せた両チーム。今季は開幕戦からいきなりの激突となる。
観客の盛り上がりに呼応するように立ち上がりから激しい激突となった両チーム。特にホームのニューカッスルはマンツーで高い位置から相手を潰しに行く。
リバプールはまずはマンツーでのハイプレスをひっくり返すところから前進。グラフェンベルフのコントロールからプレスを外す場面を作るなど、相手の逆を取るシーンもあった。
しかし、押し下げられたところからでも戦えるのがニューカッスル。ロングカウンターで脚力の差を見せつけたエランガの抜け出しから早々にゴールを決める。
ニューカッスルは先制したことで少しプレスの強度を下げていく形。逆に前がかりなリバプールのプレスに対してはオスーラへのシンプルなロングボールを使っていく。ジャケにつっかけていく形だったが、新加入CBは比較的冷静に処理することができていた。
それでも保持から左サイドの起点作りは安定。特にホールは非保持においてもングモハを封じるなど攻守にハイパフォーマンスを見せていた。
メリハリのある守備を見せるようになったニューカッスルに対してリバプールは前線に人をかけてのポゼッションを敢行。CHの前方への意識の高さはボーンマスっぽさを感じるところでもある。
イサクがサイドに流れるなど工夫を見せていたリバプールだが、押し込んだところからの定点攻撃の決め手を欠いたまま時間を過ごしてしまっているのは難しいところ。馬力で相手を剥がすことができるニューカッスルの中盤の方が展開としては向いているかな?という状況。グラフェンベルフがちょいちょい置いていかれる場面もあった。
後半も保持での解決策を探っていくリバプール。解決手段となったのは前半よりも自由度が増したガクポ。ライン間に入り、完全に浮いたポジションからミドルを叩き込んでみせた。
しかし、ニューカッスルはすぐに反撃。ウィロックがカウンターから2分後にゴールをゲット。すぐさまリードを確保。前半からカウンターの起点として安定していたウィサがこの場面でも効果的な働きを見せた。
このゴール以降はオープン合戦となっていったこの試合。エランガがスローダウンしていた場面は「なぜあなたが?」とツッコミたくなったりもした。いや、いいんだけども。
ニューカッスルが痛恨だったのは3点目を仕留めきれなかったこと。押し込むことはできているが、決めきれないリバプール相手にカウンターの機会は相当にあった。ここでダメ押しができていればという形だろう。
終盤はクーマスやムニョスなど交代選手を積極的に活用したリバプール。特にクーマスはボールの持ち方など見どころがあるパフォーマンス。それでもこじ開け切れないまま時間が過ぎていく。
だが、最後の最後でパワーを活かした前進が実ったリバプール。よりによってと言いたくなるホールがPKを献上し、ラストプレーで追いつくことを許してしまったニューカッスル。リバプールはなんとか開幕戦での敗北を切り抜けることに成功した。
ひとこと
惜しまれるワンプレー。最後の最後でババを引くのがMOM級のパフォーマンスをする選手というのはあるある。
試合結果
2026.8.23
プレミアリーグ 第1節
ニューカッスル 2-2 リバプール
セント・ジェームズ・スタジアム
【得点者】
NEW:5‘ エランガ, 57’ ウィロック
LIV:55‘ ガクポ, 90+9’(PK) ショボスライ
主審:スチュアート・アットウェル
第2節 ノッティンガム・フォレスト戦(H)

またも初勝利はおあずけ
ランチタイムキックオフはアンフィールド。ともに開幕節を勝てなかった両チームが初勝利を賭けて対戦する。
よりアグレッシブな入りとなったのはリバプール。高い位置からマンツーに出ていくことでフォレストに蹴らせていく。
ロングボールのターゲットとなったジェズスはまともにリバプールのCBとぶつかり合うと苦しいところがあったが、ラインを前後に駆け引きするアクションを組み合わせるとかなり威力は増す格好に。セルスからのダイレクトなフィードは再現性もあり、これが先制点にも繋がった。
フォレストは5-4-1の構え。リバプールは序盤こそフリンポンの追い越しによる縦への揺さぶりからチャンスを作ろうとしていたが、こうしたケースは稀。
ボーンマス時代に照らし合わせるとファジーなところで受ける前線はもう少し欲しい。この役割ができるのはヴィルツだけというのは寂しいところ。
なんで?と思ったガクポの右サイド起用は思ったよりもハマっており、オフザボールの巧みさを活かす形で強引なクロスまで持っていくことはできていた。
相手の腰が浮いたトランジションのミスからヴィルツがネットを揺らして追いついたかに思われたが、これはオフサイド。以降も右サイドのガクポから粘り強く叩き割ろうとしていくが、得点を手にすることはできず。左サイドのフィニッシャーとしてのムニョスはもう一声という感じだった。
逆にフォレストの少ない保持機会からの対角の揺さぶりに困らされる場面も。ジェズスの決定機をアリソンがカバーすることでリバプールは1点差をキープ。試合はフォレストがリードのままハーフタイムを迎える。
後半、いきなりチャンスを作ったのはフォレスト。エンドイェがファウルではあるものの、単騎でゴールまで迫っていく。
フォレストはこの場面以外にもエンドイェのスピードを活かしたロングカウンターを展開。リバプールのポゼッションを跳ね返す形でゴールに迫っていく。
リバプールは延々と保持から打開策を探っていきながら、フォレストのカウンターを紙一重でかわしていく苦しい展開。それでも頼みのガクポが右サイドをこじ開けることに成功。見事な駆け引きから裏抜けに成功し、ファーのイサクにボールをぴたりと合わせる。
だが、ファストブレイクが成就したフォレスト。交代で入ったデラップがスローインから攻め上がるニコ・ウィリアムスにパス。アリソンから見事にPKをもぎ取った。
再び押し込みながらなんとかしなければいけないフェーズに入ったリバプール。ガクポも下がり、さらに苦しい展開となったが、右サイドに移ったムニョスが素晴らしいフィニッシュを披露。唯一の突破口であるヴィルツの縦パスを見事に沈めた。
同点となった両チームだが、これ以上スコアを動かすことはできず。第2節でも今季初勝利はお預けとなった。
ひとこと
フォレストのカウンターに耐える時間で2点差にされなかったことで耐えたリバプールだった。
試合結果
2026.8.29
プレミアリーグ 第2節
リバプール 2-2 ノッティンガム・フォレスト
アンフィールド
【得点者】
LIV:60‘ イサク, 82’ ムニョス
NFO:24’ エンドイェ, 70‘(PK) ギブス=ホワイト
主審:サム・バロット
第3節 イプスウィッチ戦(A)

色がハマって今季初勝利
開幕2試合でまだ勝利のないリバプール。すでに今季は勝利を挙げているイプスウィッチの本拠地に乗り込んで今季の初勝利を狙う。
ミドルゾーンで構えるイプスウィッチに対して、ポゼッションからスタートするリバプール。ゆったりと左右にボールを散らしつつ、本命となるのは激しいボールハント。イプスウィッチの右サイド側に誘導するような形でボールを奪うと、ここからショートカウンターを発動。マイキ解説員も指摘していたが、ショボスライが1つ前に出てきてガチっとハメ込めるかがキーだったように思う。
ゴールを奪ったのはまさにこのプレーの1つ目。イプスウィッチとしてはファタウがロストした後にCHが逆を取られてしまい、さらにはイサクにCBの背中を取られてしまう。イサクは塞がっていたニアをシュートのパワーでこじ開けてみせた。
2つ目のゴールは後方3枚のポゼッションから。イサクのシグネチャープレーと個人的には思っているニアのCBの背中を取る動きからファーのCBを引き出してかわすというCB2枚抜きを披露し2点目。
イプスウィッチとしてはGKのシェルペンのポジションが絶望的。CBと面がかぶる中途半端なポジションを取ったせいで、イサクにとってはCBのグリーブスをかわすことができれば、そのまま無人のゴールに流し込むことができるボーナスステージとなった。
イプスウィッチの保持はまずはプレスに出てくるショボスライの背中を取ることができるかどうか。失点以降も再三ここでボールハントをされており、そういう意味では3失点目をしなくてよかったと言える序盤となった。
希望の光となったのは右サイドのファタウ。抜ききらなくてもファーにクロスを上げることができるWGはイプスウィッチの攻め手として十分有力。リバプールは自陣に残るアラウホがクロス対応に奔走。普段は攻撃的なSBを置くことが多い中で用兵がハマっていると言えるだろう。
面白いのは攻め上がらないリバプールのSBは保持においても効いていたこと。イプスウィッチの撤退守備は最終ラインまで下がることができるSHの守備意識の高さが助けになっていたけども、アラウホやケルケズが攻め上がらなければさすがに下がることはしない。
リバプールの攻め筋はSBを上げずにイプスウィッチのDFラインに横を4枚で守らせた状態をキープし、前線が斜めのランで相手の管理から外れること。この動きを繰り返してできるイサクは非常に状態が良くなっているように見えるし、ヴィルツやガクポが初期位置とは異なる位置から飛び出してくるのも管理から外れるための工夫のように見えた。
このリバプールのプランで持ち味を完全に殺されたのが前田。守備で最終ラインに入りながら、攻撃で相手より早く敵陣に辿り着くのが彼の強みだけども、そもそも攻め上がってこないアラウホが対面であれば、トランジションでのアドバンテージを取りにくい。リバプールのプランに消されてしまった感があった前田だった。
イプスウィッチは後半にプレスを強化することで対応。具体的にはリバプールのボールが左サイドにある時に前田を中盤の守備に組み込むことでワンサイドにボールを追い込む圧力をかけていく。
こうなると、意地でもリバプールの左サイドにボールを閉じ込めたいイプスウィッチ。しかしながら、GKを経由してリバプールは逆サイドまで展開。こうなると前田の中盤の守備参加はスカされた感がある。逆サイドのムニョスも最低限ファウルを取ってくる程度の単騎性能は見せていたのも大きい。
ただ、イプスウィッチはラインの駆け引きの点では前半よりも手応えがあった感。オフサイドを取ることができていた。ここは早々にイサクが下がった影響もあるのかなと思う。それだけ、彼の動き出しは盤面を制圧する武器になっていたということだろう。
エメルソンとジャケのマッチアップから活路を見いだせそうな時間もあったイプスウィッチだが、時間の経過とともに前線の運動量が低下。ファタウとエンシソの存在感がなくなっていくことをクラークとフレミングの投入だけではカバーできていなかった。
リバプールはメリハリをつけて自陣にきっちりと下がる守備をしながら落ち着いて時計の針を進める。時折飛んでくる長いレンジのシュートもアリソンは難なくシャットアウトしてみせる。
序盤で得た2つのゴールを元手に逃げ切ったリバプール。アウェイの地で今季初勝利を挙げた。
ひとこと
素晴らしかったリバプール。イラオラは本来対策色が薄い監督だと思うのだけど、すごくこの試合ではイプスウィッチにプランが刺さった感があるので、あえてなのかどうかがめっちゃ気になる。
試合結果
2026.9.4
プレミアリーグ 第3節
イプスウィッチ 0-2 リバプール
ポートマン・ロード
【得点者】
LIV:6′ 9′ イサク
主審:ダレン・イングランド
第4節 フラム戦(H)

探る間にフルタイム
負けこそしないものの、なかなか勝ち切ることができない試合が続いているリバプール。今節ホームに迎えるのはフラム。こちらは勝ててはいないが、極端に内容が悪いわけではないという流れで来ているチームだ。
序盤からボールを持つのはリバプール。2CB+2CHの4枚が時折形を変えながらポゼッション。たとえば、CHがサリーしてCBが外に押し出され、フラムの2トップの脇から前にボールを運べるか探るといった工夫である。
フラムは大暴れ感のあったパレス戦に比べると非常に落ち着いた入り。構える4-4-2でリバプールの保持を受けていく構えだ。
陣形のズレを作るためのきっかけは見えるリバプールではあるが、そこから先のボックスに入っていく過程は非常に不安定。なかなか相手のエリア内に効果的なボールを送り込むことができない。
相手の保持に対する迎撃の脆さも辛いところ。フラムは非常にシンプルではあるけども、左の大外から背後を狙う形での前進でリバプールを押し下げることができる。ロスト後にアグレッシブにボールを取り返しにくるリバプールをかわすことができるかがポイントで、ここで引っかかり、なかなか起点を作れないケースも。フラムもそういう意味では順調なスタートとは言えない形。ただし、左サイドから縦に進撃する形とそこからのセットプレーでチャンスの目はあった。
攻める局面を過ごす時間は長かったリバプールだが、決め手に欠ける展開は相変わらず。左のバルコラ頼みの突破はなかなか報われず、右サイドはそもそもアラウホが大外でボールを持ってもな、という状況だった。
後半も大まかな展開は同じ。リバプールはポゼッションからのこじ開けを狙うが、フラムはきっちりとサイドを下げて防衛。引っ掛けてからのカウンターでチャンスをうかがう。
イサク個人の体のキレなど見るべきものがなかったわけではないが、ボックス内でフリーの味方を生み出すための方策に欠けているという状況は前半と同じ。スペースレスな状態に解決策を見つけられず。むしろ、カウンターからキングのキャリーや左サイドの攻め上がりを効果的に使えるフラムの方が一撃のダメージは大きそうではあった。
ングモハやフリンポンといった攻撃色の強いサイドの交代選手を入れても流れは変わらないまま。フラムのカウンターに決壊しなかったのが唯一の好材料。アンフィールドは閉塞感のあるスコアレスで幕を閉じることとなった。
ひとこと
どうするのかな?と思って見ていたら90分が終わってしまった。
試合結果
2026.9.12
プレミアリーグ 第4節
リバプール 0-0 フラム
アンフィールド
主審:トーマス・ブラモール
第5節 ボーンマス戦(A)

猪突猛進な勝ち越しゴールで2勝目
なかなか勝ち点を順調に積むことができていないリバプール。負けてこそいないが、4試合を終えて勝利は1つだけというのはうまくいっているスタートとは言い難い。対するは今季初勝利を中断前になんとしてでも欲しいボーンマスだ。
序盤から互いの強度を活かしたアグレッシブな入りとなった両チーム。ひとまずは前線にアバウトにつけていく立ち上がりとなった。
個人的によく目についたのはボーンマスのポゼッション時のポジションの自由度が高いこと。CHがかなり移動するくらいはイラオラ政権時代も見られた部分ではあるが、旋回しながらフリーの選手を作るということに関して今季は熱心に取り組んでいるように見える。
リバプールはマンツーの原則に則ってきっちりと高い位置からのプレスについていく。降りるクリスティーを深追いするマック=アリスターはその象徴と言えるだろう。
リバプールはよりダイレクトな展開を好む。ボールを奪ったら素早く縦につけていく。イサクの動き出しのシャープさを利用したいことがよく見える立ち上がりに。
ボーンマスはボールを失うとすぐに4-4-2ブロックを形成。バックスに無理にプレスをかけるのではなく、CHをケアすることを優先。リバプールのバックスはフリーでもあまりキャリーをする様子がなかったので、窮屈なインサイドからなかなかきっかけを掴むことができずに苦しむ。
リバプールは時間の経過とともにポゼッションを高めていく。ボーンマスの旋回しながらサイドの裏を狙う保持には苦しんでいたので、ボールを持つ時間を増やすことはそこに対する防衛という意味では大きな意義があった。その一方で、もう1つボックスからゴールに迫る決め手というところはトランジション要素を差っ引かれると苦しい側面もあったと言える。
一方のボーンマスも縦パスを受けたホルダーがなかなか前を向けず。押し下げられてからはかなりチャンスメイクはタイトとなった。
後半は前半よりはオープン。自身へのプレスが弱まったクリスティーからキャリーできる頻度が増えたボーンマスはサイドの奥からチャンスを狙う。
しかし、先制したのはリバプール。トランジションを中心としたチャンスメイクではなく、猪突猛進の右サイドのガクポが密集を切り拓いたところからのボール。強引にマイボールにしつつ、最終的には目の前にボールが転がってきたイサクが先制ゴールを仕留める。
反撃に出たいボーンマスだが、中盤が浮いた先の一手がなかなか出てこず。リバプールのタイトなDF陣とプレスバックをサボらない中盤の強度にも苦しめられた。攻撃に転じればゴリゴリとドリブルで切り拓きにくるアタッカー陣にも苦戦する。
交代で入ったアタッカーがアクセントをつけることができなかったことにも苦しんだボーンマス。リバプールの守備陣に穴を空けることができず、未勝利のままでブレイクを迎えることとなった。
ひとこと
アタッキングサードでの単調さはないことはなかったけども、動きはだいぶシャープになってきたリバプールだった。
試合結果
2026.9.20
プレミアリーグ 第5節
ボーンマス 0-1 リバプール
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
LIV:57′ イサク
主審:マイケル・オリバー
第6節 マンチェスター・シティ戦(H)

大騒動をよそにアンフィールドを制圧
ピッチ外での大騒動を経て3週間ぶりのリーグ戦に臨むシティ。アンフィールドに駆けつけたファンはバナナの風船を持ち込み、チームを盛り立てるサポートをしてみせた。
迎え撃つアンフィールドのリバプールファンは凄まじい圧力。シティがボールを持つたびに大音量のブーイング、リバプールが奪うたびに大歓声。普段から雰囲気がいいスタジアムだが、この日は明らかに一段上のパワーを発していた。
リバプールはサイドからきっちりと奥を取るスタート。右サイドを中心に背後を取っていく。ミドルゾーンにおいてはフラフェンベルフのキャリーもアクセントになっており、シティのプレスを回避するところから攻撃を一気に加速させていく。
攻撃の機会を得たリバプールではあったが、仕上げるところまでは至らず。序盤のラッシュはドンナルンマを中心とした守備でシティに抑え込まれてしまう。
15分が経つとシティが少しずつ保持を敢行するように。セメンヨ、エンジアイというWGから仕掛けてボックス内にボールを入れていく。リバプールもWGからの仕掛けが攻撃の中心。どちらのチームもWGからの仕掛けのクオリティ次第という状況に。
この流れの中で悪い意味で目についてしまったのはバルコラ。1on1を仕掛ける舞台自体は味方に整えてもらったものの、シティの守備者がサポートに来て1on2になるまで仕掛けることはできず。味方を引き寄せたことを特に左サイド全体でカバーするような動きもなかったので、時間をかけてただただ潰されてしまう場面が多かった。
対面との駆け引きという意味ではバルコラに比べると、シティのWG陣は1on1をなんとかできそうな雰囲気はあった。しかしながら、インサイドとのつながりやサイドとの連携という意味では充実度はもう一つ。リバプールに比べると押し込む頻度が少なかったこともあり、得点に直結する機会を作ることはできず。序盤のアンフィールドの圧力というハイライト以降はなかなかチャンスという意味での見どころが少なめの前半だった。
後半も立ち上がりを思い出すようにリバプールはハイプレスから攻勢に。中盤のカットからスピーディに攻撃を完結しにいく。WGに展開してしまうと決め手に欠けるという前半の反省を活かすように、縦に速く仕留める意識を持ちながら攻撃を仕上げにいく狙いだ。
非保持からリズムを掴む攻撃の完結はミドルシュートラッシュ。ブロックの外からオープンになったところでガンガンシュートを放っていく。しかしながら、ドンナルンマ相手に遠距離から穴を開けるのは骨の折れる作業。なかなかこじ開けることができないまま時間が過ぎていく。
そうした中で流れを変えることになったのはドクの投入だろう。右に移ったセメンヨも含めて、この時間からシティのWGは懐の深さを見せるように。相手を背負いながらの反転でマークを剥がし、リバプールのセンターラインにカバーを強いる場面が目立っていく。
敵陣でもドク→オライリーというラインが成立したことで、ラインを押し下げながらの攻撃が機能するように。どこからでも崩壊してもおかしくない流れを作ると、リバプールはまんまとこの流れにハマってしまうことに。この日好調だったフラフェンベルフが2枚の警告で退場。アラウホを剥がして加速するドクに対して思わず体が反応してしまい、リバプールは10人となる。
攻め筋を確立したシティが一番欲しかった「攻撃の機会」を担保する数的優位を確保できたことで試合は一方的に。ドクの仕掛けに合わせたハーランドをきっかけに一気に3得点を決めてアンフィールドを沈黙に陥れる。
ピッチ外の騒動の余波を感じさせないパフォーマンスを見せたシティ。虎視眈々と反撃の機会を待ちつつ、一気に牙を剥いてのアンフィールド制圧に成功した。
ひとこと
優勢ではあったものの、危ういバランスでもあったリバプールなので、こういう傾き方をすると一気にというのは仕方ないかなという感じ。
試合結果
2026.10.11
プレミアリーグ 第6節
リバプール 0-3 マンチェスター・シティ
アンフィールド
【得点者】
Man City:65′ ハーランド, 68′ ドク, 78′ チェルキ
主審:クリス・カヴァナー
第7節 ブレントフォード戦(A)

軽率に止まる無敗記録
この試合の前の時点でシティと並んで2つの無敗のチームとして君臨しているブレントフォード。ホームに迎えるのは前節にそのシティに敗れたリバプールだ。
序盤は落ち着いた入りを見せたこの試合。より調子の良さを見せたのはブレントフォード。カヨーデの強引な横断から逆サイドへの展開を見せたりする。
リバプールは一回ブロックを組んだところから捕まえに行こうとする素振りを見せていたが、ブレントフォードはこのプレスのスイッチが入った瞬間の回避が見事。フリーの選手をきっちりと作って前を向く。
ブレントフォードはこの前を向いた一瞬で前線にパスを通せる。パスはロブで受け手にとってはコントロールしやすいが、きっちりと画を共有できていないと通すのは難しい。そういうパスをリバプールのテンポを外しながら前線につけているのが彼らの強みでもあった。
リバプールはどちらかというとブレントフォードの誘導を外し切ることができず。置かれたサイドでの突破が重要となる展開。当然この展開で重要となるのはWGのバルコラ。
しかし、1on1で勝負をかけきれず、ファストブレイクからも得点を得ることができず。CLでの得点といういい流れを継続することができない。
そんな状況を尻目にブレントフォードは前半終了間際に得点。リバプールは一度攻撃を切ったかに思えたが、ダイレクトに前線につけると、右サイドからのクロスに飛び込んだのはルイス=ポッター。見事な嗅覚でスコアリングに貢献する。
順調だったブレントフォードだが、前半終了間際にヤルモリュクが不要な頭突きで退場。これで10人で後半を過ごすこととなったブレントフォード。ミソをつけて前半を終えることに。
後半、ブレントフォードは良くも悪くも普通にやっているなという感じの入りに。序盤はそれでリバプールと渡り合えていたのだが、徐々に背後のケアで後手を踏む場面が出てくるように。
リバプールが負傷者を出すたびに攻撃的な交代カードに入れ替えていくのも彼らがペースを引き寄せるのに拍車をかけていた印象。フリンポンがダメならングモハ!というのはなかなかにパンチが効いている。
しかしながら、サイドでなんだかんだ枚数が余るようになったリバプールの攻撃。セットプレーで中央にファン・ダイクが君臨するパターンならばなおさら。初めは10人であることを感じさせなかったブレントフォードだったが、徐々に時間の問題感が出てくる。
ハイラインを破りながら対面を動かし切ったムニョスが逆転に向けて先陣を切る。ルイス=ポッターをかわし切って同点となるゴールを掴み取る。
逆転ゴールはイサク。ボックス内の数的優位から最後は難しい体勢から押し込むストライカーとしての力強さを感じる得点だった。
反撃のチャンスもないことはないブレントフォードだったが、最後は9人になって万事休す。1点差ながら試合をコントロールしたリバプールがブレントフォードの無敗記録を止めることとなった。
ひとこと
10人の減らし方がもったいなかった。
試合結果
2026.10.17
プレミアリーグ 第7節
ブレントフォード 1-2 リバプール
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:44′ ルイス-ポッター
LIV:62′ ムニョス, 70′ イサク
主審:ジョン・ブルックス
第8節 ブライトン戦(H)

あっさりと手に入ったホームでの勝利
得点を大量にぶち込んでのクリーンシートを重ねるというド派手な連勝街道を突き進んでいるブライトン。そのブライトンとの差を縮めたいリバプールとのアンフィールドでの一戦だ。
序盤から手応えがあったのはホームのリバプールの方。左サイドの奥を取り、そこからのパス交換でペナ角付近からのクロスやシュートまで持っていけることが多かった。ファストブレイクではシンプルにイサクのスピードを活かす形も。速いテンポでもよりゆっくりなテンポでも敵陣に攻め込む機会を得る。
ブライトンからすると、これまでの試合とは少し違うのかな?という立ち上がり。プレッシングで相手を飲み込むような迫力がなく、かつ自陣での守備の再構築も甘め。
保持に回ればサイドからグロスの抜け出しでチャンスを迎えることもあるが、ミドルゾーンでのパスワークはやや不安定。逆にリバプールの強気のプレッシングに捕まるシーンもあったくらいである。
フィフティーのボールでむしろアドバンテージを得ていたリバプール。先制点は右サイドから。お互いの即時奪回がぶつかるデュエルで右サイドを制したのはアラウホ。ここからのクロスでヴィルツが放ったシュートがオウンゴールを誘発。試合を動かすことに成功する。
さらにリバプールはまたしても右サイドから追加点。ボスカリの中途半端な処理を引っ掛けたバルコラからカウンターが発動。イサクがこの速攻を冷静に沈めてリードを広げる。以降も前線のスピードを活かした速攻と機を見たアラウホのオーバーラップという得点シーンの形はブライトンを脅かす。
それでも少しずつ高い位置からのプレスでチャンスを作れていたブライトン。だが、アタッキングサードではやや手数をかけすぎてオープンにシュートを打ちきれず。前半の中盤以降はブライトンが盛り返すが、リバプールは2点のリードを保ったままハーフタイムを迎えることとなった。
後半、ブライトンは選手交代を敢行。ボスカリに代えてヒンシェルウッドを投入し、MFを増員。アグレッシブさと前半の課題への手当てを兼ね備えた用兵を行う。
後半の流れは前半の終盤と同じ。ブライトンがじんわりと保持で攻め筋を探していきつつ、リバプールはカウンターで反撃という形。左サイドから攻撃の形を作るブライトンはヤルクエを早々に入れてさらに攻撃を強化していく。
しかし、ボックス内に迫っていく出力がやや単調な形に終始。リバプールは安定した跳ね返しで相手にチャンスを与えない。
ジリっとした盛り返し以上のものを手にすることができないブライトン。2点のリードをキープしながらリバプールは安定して時計の針を進めてタイムアップ。4月以来のホームゲーム勝利はあまりにもあっさりと手に入ることとなった。
ひとこと
2つのゴール先行でハーフタイムを迎えたことが終わってみれば大きかったか。
試合結果
2026.10.25
プレミアリーグ 第8節
リバプール 2-0- ブライトン
アンフィールド
【得点者】
LIV:17′ グロス(OG), 21′ イサク
主審:サム・バロット
