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「Catch up Premier League」~Match week 4~ 2026.9.12-9.14

目次

リバプール【6位】×フラム【19位】

探る間にフルタイム

 負けこそしないものの、なかなか勝ち切ることができない試合が続いているリバプール。今節ホームに迎えるのはフラム。こちらは勝ててはいないが、極端に内容が悪いわけではないという流れで来ているチームだ。

 序盤からボールを持つのはリバプール。2CB+2CHの4枚が時折形を変えながらポゼッション。たとえば、CHがサリーしてCBが外に押し出され、フラムの2トップの脇から前にボールを運べるか探るといった工夫である。

 フラムは大暴れ感のあったパレス戦に比べると非常に落ち着いた入り。構える4-4-2でリバプールの保持を受けていく構えだ。

 陣形のズレを作るためのきっかけは見えるリバプールではあるが、そこから先のボックスに入っていく過程は非常に不安定。なかなか相手のエリア内に効果的なボールを送り込むことができない。

 相手の保持に対する迎撃の脆さも辛いところ。フラムは非常にシンプルではあるけども、左の大外から背後を狙う形での前進でリバプールを押し下げることができる。ロスト後にアグレッシブにボールを取り返しにくるリバプールをかわすことができるかがポイントで、ここで引っかかり、なかなか起点を作れないケースも。フラムもそういう意味では順調なスタートとは言えない形。ただし、左サイドから縦に進撃する形とそこからのセットプレーでチャンスの目はあった。

 攻める局面を過ごす時間は長かったリバプールだが、決め手に欠ける展開は相変わらず。左のバルコラ頼みの突破はなかなか報われず、右サイドはそもそもアラウホが大外でボールを持ってもな、という状況だった。

 後半も大まかな展開は同じ。リバプールはポゼッションからのこじ開けを狙うが、フラムはきっちりとサイドを下げて防衛。引っ掛けてからのカウンターでチャンスをうかがう。

 イサク個人の体のキレなど見るべきものがなかったわけではないが、ボックス内でフリーの味方を生み出すための方策に欠けているという状況は前半と同じ。スペースレスな状態に解決策を見つけられず。むしろ、カウンターからキングのキャリーや左サイドの攻め上がりを効果的に使えるフラムの方が一撃のダメージは大きそうではあった。

 ングモハやフリンポンといった攻撃色の強いサイドの交代選手を入れても流れは変わらないまま。フラムのカウンターに決壊しなかったのが唯一の好材料。アンフィールドは閉塞感のあるスコアレスで幕を閉じることとなった。

ひとこと

 どうするのかな?と思って見ていたら90分が終わってしまった。

試合結果

2026.9.12
プレミアリーグ 第4節
リバプール 0-0 フラム
アンフィールド
主審:トーマス・ブラモール

クリスタル・パレス【13位】×イプスウィッチ【14位】

魔法の後半に逆転できず

 序盤は互いに守備側が慎重に入った印象。相手のバックラインには無理にプレスにいかず、ミドルブロックから相手を迎撃していく。

 というわけで互いにサイドからチャンスを探っていかなくてはいけない流れ。パレスは横断から幅を使っていく形。外からであれば内側が空いてくれるので、そこから逆サイドのWBを使うことでチャンスメイク。カライリが決めた先制ゴールはまさにこの形だったと言えるだろう。

 反撃に出たいイプスウィッチもアタッカーが外から突っかけることで相手を剥がしにいく。インサイドを経由するという点では明らかにパレスの方が流麗だったので、サイドの景色はイプスウィッチの方が悪かった。

 トランジションが失われた分、悪い意味で普通になっていたイプスウィッチ。このままでは少し厳しいかな?と思っていた矢先に同点ゴールをゲット。この得点はイプスウィッチからすると非常に見事。サイドで1枚を剥がしたところから左右に揺さぶり、最後はインサイドでフリーになったエメルソンが仕留める。

 逆にパレスからすると課題が見えた失点だった。対人のゆるさ、オフサイドに関してのセルフジャッジ、そしてボックス内のクロス対応の遅さなどが失点につながった。

 以降もサイドの切れ味からチャンスを作っていくイプスウィッチ。ファタウの突破力を活かしながらパレスのバックラインを突いていく。

 この時間帯は保持から相手を動かすことができなかったクリスタル・パレス。だが、勢いに乗ったイプスウィッチがハイプレスに出てくると、中盤にスペースができてくるので、暴れることができる!という均衡の仕方を見せる。

 展開的には一進一退。だが、ここでディザジが一発退場。タックルの間合いを見誤ってしまい、危険行為での一発レッドを喰らう。

 5-3-1で構えるパレスに対して、一方的にボールを握るイプスウィッチ。右サイドからの突破で勝ち越しゴール。ハーフタイムを前にリードを確保する。パレスはここでも守備のチェーンの切れ方がまずい格好。数的不利とはまた違う不安要素が見えた。

 後半頭は初めこそイプスウィッチが保持で制圧しそうな流れだったが、時間の経過とともに3バックと3センターがイプスウィッチと微妙に噛み合わないことを利用してパレスが一気に主導権を回復。押し込みながらゴールに迫っていく。

 イプスウィッチは完全にプレスの的が定まらずに苦戦。一方的に殴り続けられる。交代策もどちらかといえばカウンターフォーカスの状況を助長するようなテイスト。守れていない中で押し込まれることを受け入れてしまう流れとなる。

 その結果、パレスはラーセンの反転シュートで同点に追いつく。さらにゴールに迫るパレスは追加点まで一気に狙えそうな状況だった。

 だが、80分が過ぎたところでパレスの魔法は切れることに。イプスウィッチの保持に対して前に出ていくことができなくなったパレスは、今度は自陣に押し込まれてしまう。

 左右からのクロスはやや狙いが定まっていないように見えたイプスウィッチだが、幸運なゴールポストからの跳ね返りを最後はフレミングが仕留めて勝ち越し。10人のパレスに苦しめられたイプスウィッチだが、最後は3ポイントを確保した。

ひとこと

 魔法が効いている間になんとか勝ち越しておきたかったパレスだった。

試合結果

2026.9.12
プレミアリーグ 第4節
クリスタル・パレス 2-3 イプスウィッチ
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:14′ カライリ, 75′ ラーセン
IPS:23′ エメルソン, 45′ デイビス, 90′ フレミング
主審:クリス・カヴァナー

ボーンマス【15位】×ブレントフォード【5位】

動くスコア、一貫した構図

 ボールを持つターンを立ち上がりから作り出していたのはボーンマス。CBがGKを挟んだところから左右に散らしつつ、高い位置からプレスにくるブレントフォードを撃退していく。

 左右に振りながら1stプレスをかわし、敵陣まで入ることができたボーンマス。セットプレーから抜け出したシウバをターゲットに、あわやという場面を作り出していく。

 安定した保持で勝負ができるボーンマス。特に右サイドのラヤンからの1on1でアタッキングサードに入り込んでいく。対面のルイス=ポッターはやや後手に。ラヤンにとっては基本的にはいい前半だったが、左サイドから放たれたミドルを仕留めきれなかったことだけは後悔となるだろう。

 一方のブレントフォードは非常にダイレクト。前線にとにかく当てる形をひたすら割り切りながら実践していく。カヨーデがいない分、誰がロングスローを?と思ったのだが、そこもシャーデが問題なくこなしていた。ロングスローの層が厚い。

 なかなか収めて重心を上げることができなかったブレントフォード。だが、ハイプレスで咎めたところからシャーデがゴール。先制点を奪い取る。

 しかし、すぐにボーンマスは反撃に成功。クライファートのミドルで試合を振り出しに戻す。

 後半も構図は同じ。ボーンマスはポゼッション、ブレントフォードはトランジションからゴールを狙っていく流れだ。

 ポゼッションで押し込むボーンマスはエヴァニウソンを起点とした攻撃でゴールに迫っていく。一度目のチャンスとなった抜け出したスコットに合わせるポストこそシュートが枠外になったが、二度目で仕留めることに成功。タヴァニアがエヴァニウソンの助けを借りてゴールを奪う。

 だが、今度はブレントフォードがすぐにリカバリーをする番。ペドロビッチをプレスで引っ掛けたシャーデが同点のゴールを決める。

 片方が点を決めても、すぐにもう1チームがリカバリーを図って同点にするという展開が続いたこの試合。スコアは動くけど、構図は一貫。やや保持から押し込むボーンマスの方が優勢となった終盤戦。ブレントフォードは前線に収めるポイントがない分苦戦したが、終盤にオープンになるにつれて、ボーダーレスでフラットな撃ち合いにシフトした感がある。

 それでもさらなるスコアの更新はなし。スペクタクルな撃ち合いは痛み分けで決着となった。

ひとこと

 とったらすぐ取り返す。わかりやすく楽しめる試合だった。

試合結果

2026.9.12
プレミアリーグ 第4節
ボーンマス 2-2 ブレントフォード
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:38′ クライファート, 52′ タヴァニア
BRE:34′ 56′ シャーデ
主審:ジャレット・ジレット

アストンビラ【17位】×ノッティンガム・フォレスト【16位】

未勝利対決を制したフォレスト

 ここまで勝ちがない両チーム。第4節での初勝利を目指しての一戦となる。

 積極策に出たのはアウェイのフォレスト。ハイプレスからアストンビラのバックラインに圧力をかけていく。アストンビラはそれでも深さを作りつつ、ミドルゾーンに差し込むスペースを探していく。リスクを取る組み立てが許容できるのは飛距離が出る鈴木のキックという保険が存在するから。

 少しずつ押し込む機会を増やしていくアストンビラ。ただ、正直に言えば手前に引き寄せたところから加速できているうちに勝負を決めておきたかったのが彼らの本音だろう。SBが参加して攻撃に厚みが出るのはいいが、アストンビラは撤退守備をこじ開けることはあまり得意なチームではない。

 CFのポストを絡めつつ、少ないタッチで狭いスペースをこじ開けようとはしていた。だが、最後は大外のWGでの突破という手札がない分、明らかに苦しさが先行していた。

 フォレストのポゼッションは3バックから。右サイドで縦に並んだアイナとムニョスがいるところからビルドアップがやたらと機能しているのが興味深かった。

 徐々に押し下げられた展開に順応するようにデラップがサイドに流れてボールを引き出すなど、一撃での陣地回復を視野に入れたアクションが増えてきたフォレスト。しかし、こちらもクリティカルな攻撃ができないままハーフタイムを迎える。

 後半はフォレストが立ち上がりからペースを握る。奪ったら素早くサイドに展開してクロスに持っていくというプランがハマっていた印象。

 アストンビラは引いて受けるのが基本線なのだが、トランジションだと特にサイド裏のケアが間に合っていない印象。ここから押し下げられてスペースを作られた分、マイナスからより決定的なチャンスを作られていく。

 そんな中で先制点を決めたのはデラップ。意外性のあるミドルシュートでスコアを動かしてみせる。

 この得点で流れに乗ったフォレスト。アストンビラを押し返し続けて、エイブラハムへのロングボールもディオマンデが封殺。ボールを奪ったらサイドの裏を取ってさらにチャンスというメカニズムを生み出していく。

 マンザンビ、エンバイェといった新加入選手の投入で流れを変えたいアストンビラ。しかし、投入直後にもチャンスを作られるなど雲行きは怪しい。

 それでもライン間に降りるマンザンビから少しずつ起点を作っていくビラ。こちらも意外性のある形でセットプレーからアリソンがゴールを決める。

 だが、マートセンが負傷し、アストンビラは終盤に10人に。再び押し込まれる局面を作られる。鈴木のファインセーブも目立ってはいたが、最後はこの試合で効いていたフォレストの右サイドの連携からジェズスが勝ち越し。アウェイでフォレストが初勝利を手にした。

ひとこと

 流れを掴んだかと思いきや、不運で手放してしまう。うまく波に乗れていないチームだなと思ってしまうアストンビラだった。

試合結果

2026.9.12
プレミアリーグ 第4節
アストンビラ 1-2 ノッティンガム・フォレスト
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:74′ アリソン
NFO:46′ デラップ, 88′ ジェズス
主審:アンディ・マドレー

チェルシー【4位】×ハル【3位】

難しい試合にしてしまった感

 アーセナルが失点を喫したことでリーグ唯一の無失点チームとなったハル。無敗記録を継続するべく対峙するのは、そのアーセナルに今季初失点を喰らわせたチェルシーだ。

 チェルシーはここまではファストブレイク重視で得点を重ねてきたチーム。ハルのようにまずはローブロックで始めてくるチームにどのように得点のアプローチをかけていくか?というところが序盤の見どころになるはずだった。実際にハルの守備の方向性もその路線に沿ったものだった。

 しかし、チェルシーは少し違う角度から課題を解決。CKのカウンターからお馴染みの速攻でロジャーズがニア抜きに成功。7分で先制点を決める。これまでの5分以内という今季の傾向からはやや遅いくらいしか不満点がない試合だ。

 ハルの保持に対してもチェルシーはハイプレスで飲み込むようなスタート。マクバーニーへのロングボールで逃げるしかないハルは苦しい立ち上がりとなった。

 押し込む局面においてもラヴィアの列を越すパスが冴えており、ナローなスペース攻略にも手応え。プレスはやや落ち着いてハルの保持の時間はできたものの、左右に散らすところへのスライドに対応しており、特段問題はないかのような前半となった。

 一変したのは失点してからだろう。なんの変哲もない左サイドへのロングボールに対して、チェルシーは終始後手後手。誰かがきっとなんとかしてくれるだろうとチェルシーのDF陣がボールを見守り続けた結果、最終的にはベローミにゴールを叩き込まれる結末を見届けることとなった。

 この得点をきっかけにハルの猛攻に晒されたチェルシー。横幅が足りない!という感じのコイルの攻め上がりからのシュートはなんとかマルティネスがセーブをしたが、セットプレーの二次攻撃から逆転となるゴールを献上。またしてもベローミがシュートを叩き込んだ。

 うまくいっていたはずの崩しまで細かいところが微妙に噛み合わなくなり、なんとなく嫌な流れのまま前半を終えたチェルシー。ハルがリードのままでハーフタイムを迎える。

 後半、チェルシーはチャバリアを投入。左右ともに積極的なSBのオーバーラップを活用するという方向性により沿った人選にDFラインを入れ替える。

 敵陣でのプレータイムは期待通り多かったものの、なかなかクロスを思ったように味方には届けられず。ニアの高い壁に引っかかってしまい、狙ったところにボールを落とすことができない。

 ハルはゆったりとしたポゼッションとロングボールでの前進。機会自体は少ないが、全く歯が立たずに一方的に押し込まれるわけではないかなという感じの後半の立ち上がりだった。

 メンディの脳震盪に伴い、3枚交代を敢行した後はハルは左サイドを中心に攻勢に。スタンフォード・ブリッジを怪しい空気に巻き込んでいく。

 しかし、その状況をチェルシーは変えることに成功。左サイドに流れたパーマーからの折り返しを最後はジョアン・ペドロが仕留めてゴール。ニアからの折り返しを閉じきれなかったハルは反省すべき対応ではあったが、ニアしかない状況で突き刺したジョアン・ペドロのシュートの質は相当高かった。

 チェルシーは逆転のためにありったけの攻撃のカードを投入。負傷が絡んだとはいえ、ギュスト→ウェルベックでかなり前傾の姿勢を高めていく。

 打つし打たれるしという意味で見応えがある終盤戦にはなったが、これ以上スコアは動かず。試合はドローでの決着となった。

ひとこと

 余計な失点で変な試合にしてしまった感があるチェルシーだった。

試合結果

2026.9.12
プレミアリーグ 第4節
チェルシー 2-2 ハル
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:7′ ロジャーズ, 66′ ジョアン・ペドロ
HUL:28′ 34′ ベローミ
主審:ファライ・ハラム

トッテナム【18位】×エバートン【8位】

辿り着けなかった解決策

 いまだに奪えていない得点が欲しいトッテナム。ここまで無敗のエバートンに対して、立ち上がりから襲いかかっていく。

 主役になったのはサヴィーニョ。右サイドからキレのある動きでボックスの中に入っていく。マルムシュ、サヴィーニョあたりの動きを見ると、かなり強度寄り。スピードでなんとか振り切りたいという強引さが見える。

 しかしながら、シュートに行こうとコントロールをすると、なんとかボックス内で体にボールを当てることが異様に上手いエバートンの守備に引っかかってしまうのが難しいところ。いい形でシュートを打とうとすればするほど相手に引っ掛かるというのがなかなか難しいようにも見えた。

 一方のエバートンもWGから仕掛けていかなければいけないのは同じ。前節も鋭いシュートを決めているジョージを中心として打開策を探っていく。

 しかしながら、トッテナムは落ち着いた守備で対応。押し下げられたとしても簡単にはチャンスにはしないというブロックでエバートンの攻撃を跳ね返す。

 攻撃の機会では優勢だったトッテナムだが、それがそのまま主導権とはならず。互いにサイドアタッカーからの打開を狙い続けた前半。試行回数が異なるだけで、ペースを掴めないままスコアレスでハーフタイムを迎えることとなった。

 後半もテーマとしては膠着した試合の中で何を起こすことができるか?ということにフォーカス。フェルナンデスのミドルからスタートしたトッテナムが先に主導権を握ったかと思われたが、ボックス付近でのパスワークが冴えず。この辺りは夏に組み替えたチームだなという連携の甘さを感じる。

 エバートンは基本的には受ける展開。瞬間的にはジョージのクロスからチャンスを迎える場面もあるが、ファン・デ・フェンが得意のギリギリの対応から相手をシャットアウトしていく。

 試合はトッテナムのポゼッションをエバートンがローブロックで受ける展開が主体。トッテナムの布陣がブロックの外に多くの選手を置くスタイルだったこともあり、試合は完全に停滞する。

 マディソン、グリーリッシュという停滞局面を動かすことができるカードを入れる両チーム。エバートンは左サイドからデューズバリー=ホールの抜け出しからジョンソンが決定機を迎えるが、ここを仕留めることができない。

 何かできないか?ということを最後まで探っていきながら、解決策に辿り着けなかった両チーム。互いにゴールネットを揺らせないまま試合はスコアレスでタイムアップを迎えた。

ひとこと

 デ・ゼルビのチームっぽくない感じの停滞感だった。うまく行く行かないは別として方向性の問題。

試合結果

2026.9.12
プレミアリーグ 第4節
トッテナム 0-0 エバートン
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
主審:ダレン・イングランド

サンダーランド【12位】×アーセナル【2位】

強いチームの勝ち方

 レビューはこちら。

 ナポリでのCLを制し、開幕からの公式戦の連勝記録を伸ばしているアーセナル。アウェイ連戦となる今節は昨シーズン、劇的なゴールで勝ち点を失ったスタジアム・オブ・ライトでの一戦だ。

 序盤からボールを持つのはアーセナル。人基準でハイプレスに来るサンダーランドに対して、陣形を縦に引き伸ばしながらSBを高い位置に忍ばせて前進の起点とする。

 まずいと感じたサンダーランドはスムーズにミドルブロックの4-4-2主体に移行。スペースを消すという違う形の構え方が中心となる。

 アーセナルはナローなスペースをこじ開けるのに苦戦。安全なサイドから運びつつ、打開策を探っていくが、そこから先の一手が出てこない。

 サンダーランドはローブロックに押し込まれながらも割り切ってブロビーでの陣地回復にフォーカス。コンサの対応は最短最速でのカウンターは許さない。けども陣地回復としては十分に効いたという内容のブロビーのポストプレーだった。

 アーセナルは狙いを左サイドに切り替えながら追撃。わずかな隙間からチャンスを生み出していくが、これを仕留めることはできず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。

 後半、サンダーランドはサイドから押し込みつつ、セットプレーやロングスローを絡めながらアーセナルに攻勢をかけていく。そうした中で流れを変えたのはセットプレーの中でのホールディング。コンサのバラードへのアプローチがファウルを取られて、サンダーランドは絶好の先制のチャンスを迎える。

 だが、このPKをラヤが見事にストップ。先に飛ぶというラヤのPKでのスタイルが、リアクションしてからでは難しい端のコースを止めるということにつながることとなった。

 返す刀でアーセナルは反撃に成功。左サイドから繋がったパスをミドルで完結させたのはギマランイス。サンダーランドにとっては宿敵の元キャプテンという最もやられたくない相手に仕留められてしまった。

 終盤は乱戦の中でセットプレーとカウンターを軸に攻勢をかけるアーセナル。サンダーランドも2トップ移行をきっかけに仕掛けていたフィジカルバトルからあわやという場面を作るが、これもラヤによって凌がれてしまう。

 さらには終盤にPKとヘイニウド退場のセットでトドメを刺したアーセナル。昨季は土壇場で勝ちを逃した難所を制し、開幕からの連勝をさらに伸ばした。

ひとこと

 ナローなスペースを空けてミドルで仕留める。勝ち方が強いチームのそれになってきた。

試合結果

2026.9.12
プレミアリーグ
第4節
サンダーランド 0-2 アーセナル
スタジアム・オブ・ライト
【得点者】
ARS:58‘ ギマランイス, 90+8’(PK) サカ
主審:ジョン・ブルックス

コベントリー【20位】×ブライトン【10位】

今節もきっかけは掴めず

 ここまで唯一全敗となってしまっているコベントリー。トッテナムより先に得点を決めて、なんとか調子を取り戻すきっかけを作りたいところだろう。

 5-4-1というフォーメーションながらブライトンのバックラインに陣形を歪めながら前進を仕掛けていくコベントリー。しかし、ブライトンのバックラインにはこれがそこまでの圧力にはなっていなかった様子。テンポよくパスを繋ぎながら敵陣に入っていく。

 コベントリーが良かったのはプレスが空振りに終わったとしても裏返されなかったこと。自陣の低い位置まで戻ってブロックを組んで、ブライトンにもう一段階攻略を強いる格好となった。

 コベントリーは初めはアウォニィへのロングボールにフォーカスしていたが、少しずつポゼッションを敢行。高い位置を取るファン・エバイクによって、デ・クーパーを前プレ隊から締め出すことに成功。ヤルクエの負担を増やし、インサイドにスペースを作り出していく。

 サイドから押し下げていくとボックス内では脅威を与えることができるコベントリー。ブライトンの守備陣に肉弾戦で勝負を仕掛けていく。

 決定機も作り出していたコベントリーだったが、これを阻んだのはフェルブルッヘン。ファインセーブで立て続けのピンチを防いでいた。

 コベントリーは非保持においても無理にプレスにいくことを自重。安定したブロックを組むことで試合の安定を図る。

 崩す手間がかかる展開に持っていくことができたコベントリーだったが、コストゥラスのダイナミックなコントロールによって、ブライトンは見事に状況を打開。前半をリードしてハーフタイムを迎える。

 後半、追いかけるコベントリーは積極的なプレスとロングボールからチャンスを探る。しかし、ボックス内での決め手に欠ける状況は相変わらず。明らかな決定機と言える場面でもシュートはミートせず、せっかくの大チャンスを不意にしてしまう。

 するとブライトンは追加点をゲット。相手のパスワークの乱れから独走したのはヤルクエ。追加点を冷静に流し込む。

 さらには直後のロングボールの競り合いでアウォニィが退場。10人での戦いを余儀なくされる。

 なんとか縦に速い攻撃を繰り出すこともできていたコベントリーだったが、さすがに数的不利をきっかけにアドバンテージは取れず。前進のきっかけをなかなか掴めず、一方的にブライトンに押し込まれる。

 ブライトンは粛々と得点を重ねてゴールショーを演出。殴り続けて最終的には大量得点に成功。得失点差で大きなアドバンテージを握る。対するコベントリーは今節も得点できないまま幕を閉じることとなった。

ひとこと

 パフォーマンス自体がめっちゃ悪いわけではなく、ミスから崩れてしまうのは切ない。

試合結果

2026.9.12
プレミアリーグ 第4節
コベントリー 0-5 ブライトン
コベントリー・ビルディング・ソサエティ・アリーナ
【得点者】
BHA:35′ コストゥラス, 51′ ヤルクエ, 70′(PK) グロス, 83′ ダンク, 90+4′ アヤリ
主審:トニー・ハリントン

マンチェスター・ユナイテッド【11位】×マンチェスター・シティ【1位】

数と結びつかない武器

 新監督の元でロケットスタートを決めているシティと、正式監督に着任してからはどこか閉塞感が否めないユナイテッド。ここまでのシーズンの運びはやや対照的な両チームのダービーだ。

 序盤からボールを持つのはシティ。後方は3-1型、前線は遊びを持たせた6枚による動きをつけながらの前進で敵陣に入っていく。

 アンカー役のアンダーソンのサポート役となったのは、エンソではなくトップ下のチェルキ。枚数を調整しながら後方でボールを動かしていく。

 対するユナイテッドはロングボールから。ただし、この日はロングボールのターゲットとなる前線はいないので、対角パスでサイドを終着点としたキックが多かった。

 インサイドにボールをつけることができなかったユナイテッド。外外での攻め筋となり、クリティカルな形で敵陣にボールを送り込むことはできず。

 むしろ、ユナイテッドの手応えとなったのはプレッシング。4-4-2からCHのメイヌーがジャンプしてアンカーのアンダーソンにプレスをかけていく形はどことなく有効。強引に取り切るのではなく、ジリジリと圧力をかけて相手のミスを呼び込むのがうまかった。

 シティはショートパスからプレスを回避していきたいが、ミドルゾーンでの少ないタッチでのミスが目立ったことで脱出できず。保持からリズムを掴むことができない。

 とはいえ、ユナイテッドも決め手を欠く中で主導権がどちらに流れるかは難しいところ。そうした中でフォーデンが報復行為で退場。シティは10人での戦いを余儀なくされる。

 シティのポゼッションに変化はなし。3-1をベースに中盤のヘルプなどレーンを明確に固定せず、流動性を持たせながら攻め筋を作っていく。あえて不確定要素を作っている感は個人的にはいい方向性だったように思える。

 ユナイテッドは少しずつ保持のターンを増やしていくが、外循環でインサイドにパスを差し込むことができないのは同じ。大外での無駄なオフサイドなど、ため息が出てしまうような攻撃の終わり方が多かった。一番惜しかったのはラッシュフォードのFKという、退場が起きた展開とはあまり関係ないものだった。

 後半、ようやくユナイテッドは左右に散らしながらメイヌーのミドルなど、保持の長所を活かした攻撃からゴールに迫っていく。隙があればラインの高さを回復しようとするシティに対して、裏を取る動きを見せるアプローチも悪くはなかった。

 ただ、誤算だったのは前半よりもプレスの強度が落ちていたこと。シティがなりふり構わずハーランドを前進手段に使ったこともあり、ユナイテッドは少しずつ自陣に押し下げられる場面も出てくるように。

 すると、左サイドからのクロスをハーランドが一撃で仕留めることに成功。エンソのオフサイドの有無が物議を醸したゴールではあったが、この試合では得点は認められることとなった。

 反撃に出たいユナイテッドだが、とにかく保持で勢いが出てこない。サイドでの少ない人数での攻撃、セットプレーでのマグワイア、強引なミドル。武器がいずれも数的優位というシチュエーションを活かしきれていない感が否めない。

 相手の守備ブロックを越えてもそこに待っているのはドンナルンマ。ファインセーブでユナイテッドのチャンスをシャットアウトする。

 10人で受けながらリードを守るという慣れない展開でも勝ち点3を確保したシティ。開幕からの連勝をさらに伸ばし、アーセナルと再び勝ち点で並ぶこととなった。

ひとこと

 崩しに3人以上の連携のカードが出てこないと10人だろうと11人だろうと押し込む試合は難しくなる感が見えたユナイテッドだった。

試合結果

2026.9.13
プレミアリーグ 第4節
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 マンチェスター・シティ
オールド・トラフォード
【得点者】
Man City:60′ ハーランド
主審:マイケル・オリバー

リーズ【9位】×ニューカッスル【7位】

トランジッションで圧巻の4得点

 マンデーナイトの一戦は序盤からリーズペース。サイドでボールを持ったところからシュタッハがいきなり抜け出すなど、ニューカッスルのゴールを脅かすスタート。

 非保持においても高い位置からハメるように追いかけていく。ニューカッスルはロングボールで対抗していくが、前線はなかなか収めることができない。サリーして自陣でギャップを作ろうとするニューカッスルだが、リーズはそうなればリトリートで無理なくブロックを形成。5-4-1でスペース管理を優先する。

 逆にニューカッスルのハイプレスに対してリーズは落ち着いて対応。リーズの右サイド側に追い込んでいくワンサイドカットにはややバタバタしたものの、逆サイドへの展開からキャリーで徐々に対応していく。

 押し込んだところからは左サイドからのクロスが効いていたリーズ。逆サイドからはボーグルだけでなく、この日はCBロールだったジャスティンも飛び込んでくる。折り返しから得点のチャンスもあったが、ホルチニェクもセーブでなんとか回避する。

 耐えていたニューカッスルに風穴を開けたのは田中のミドル。ディフレクションでゴールが揺れたのは幸運だが、きっちりと左右に振って前が空いたご褒美だと言えるだろう。

 勢いに乗るリーズはハイプレスからさらに攻勢に。脳震盪となったゴンサレスと緊急で交代したステュアがプレスの餌食となり、カウンターからリーズは2得点目。

 ニューカッスルはリーズのプレスを咎めることができる方策がなく、前半のうちに勝負を決める3点目が入るかどうか?というところが争点に。

 なんとか追加タイムまで耐えることができていたニューカッスルだが、最終的には追加タイムにキャルバート=ルーウィンがゴール。前半のうちに決定的な3点目を手にする。

 後半もトランジションでの手応えが止まらないリーズ。ハイプレスからさらに追加点を探っていく。59分にはロングスローからのセカンドを仕留めたオカフォーが4点目を決める。

 4失点目を喫したところから少しずつリカバリーを図っていくニューカッスル。しかしながら、リーズはプレッシングを引き締めながらも保持においては試合をコントロール。相手に主導権を渡さないまま時計の針を進めていく。

 最後には意地の1点を奪い取ったニューカッスルだったが、大量4失点で完敗。今季初黒星を喫することとなった。

ひとこと

 解説の岩政さんのいうとおり、ニューカッスルは前に出てくるリーズの中盤の背後を取ることができなかった。

試合結果

2026.9.14
プレミアリーグ 第4節
リーズ 4-1 ニューカッスル
エランド・ロード
【得点者】
LEE:32′ マイリー(OG), 34′ ボーグル, 45+1′ キャルバート=ルーウィン, 59′ オカフォー
NEW:90′ トゥーレ
主審:マイケル・サリスベリー

今節のベストイレブン

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