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「Catch up FIFA World Cup 2026」~2026.7.11 アメリカ・メキシコ・カナダW杯 Quarter-final ノルウェー×イングランド ハイライト

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ジリジリとあらわになったリソースの差

 ついにメジャートーナメントに姿を現したノルウェー。フランスと同居しながらノックアウトラウンド進出を決めて、ブラジルを撃破してベスト8にまで辿り着いた。この大舞台で相対するのはハーランドやウーデゴールにとっては馴染みのあるイングランドの面々との対戦である。

 序盤のロングボールのフォーカスの展開を経ると、ノルウェーは自陣に4-5-1のブロックを構築。イングランドにボールを持たせてOKという形の撤退守備を見せる。イングランドはこれに対して3-2-5気味に変形。オライリーはやや前に絡みつつ、ゴードンとどちらかが幅取り役。右の大外はマドゥエケで固定し、コンサは後方待機が基本線だ。

 イングランドはブロックの手前から対角パスで大外のマッチアップを使いたい構え。特に左のアンダーソンから右のマドゥエケへの展開を重点的に狙っていくが、マドゥエケは無駄なオフサイドにかかってしまったり、シェルドルップがやってくるダブルチームに手詰まり。コンサは自重気味なので、シェルドルップがマドゥエケにフォーカスしているという構図を咎められなかった。

 対角パスの先からチャンスを作れそうなのは縦突破の鋭さがあり、かつ高い位置を取るオライリーとの連携が期待できる左の方。2人のワンツーを含めて、左サイドのポケットを取る形からのクロスでチャンスを探る。大外ではさっぱりだったマドゥエケもボックス内のターゲット役としてなら活用できる予感もしなくはない展開だった。

 ただし、ノルウェーが保持に転じた時のターゲットもこのイングランドの左サイド。セルロートをトランジッションで走らせることでオライリーのいないスペースから侵攻。序盤の前進局面はセルロートに託すという流れは今大会の一貫したノルウェーのトレンドで、この試合でもそれが踏襲された格好だろう。ハーランドは前進局面での寄与はほぼなかった。

 自陣でのポゼッションはウーデゴールがかなり低い位置まで降りることで後ろ重心。後ろ重心の割には相手を引き寄せたところからのカウンターやCBのキャリーからのリリースでイングランドを前がかりにしたところを咎めるような場面はなく、前節のようにクリティカルなカウンターを受けてもおかしくはない怪しさはあった。とはいえ、一定のポゼッションを確保するという意味では後ろ重心の意義はあった。

 リスク管理優先の展開が動いたのはハイドレーションブレイク明けから。自陣では4-5-1のIHの一角の守備位置を取っていたウーデゴールがプレス隊に加わる4-4-2で敵陣からのチェイシングをゆるっと開始。これで敵陣でのプレーが増えたノルウェーは左サイドからのシェルドルップが角度のついたところから先制ゴールをゲットする。

 このゴールでノルウェーは勢いづくことに成功。ファークロスを主体としてイングランドのボックス内にガンガン攻め行っていく。

 なかなか攻め切ることができないイングランドの景色を変えたのはベリンガム。前がかりなノルウェーの守備のわずかなギャップに対して、左サイドからの進撃に成功。スペースを享受したところからのドライブからの左足でゴールを仕留める。

 このゴールの前後の前半終わるまでの数分間のベリンガムは凄まじかった。ゴールだけでなくわずかにオフサイドながらラストパスまで。中盤からのキャリーをしながら抜群の存在感を放っていた。

 後半、イングランドはハイプレスを起動しつつ、対角のパスから前進を狙っていく形。同じアーセナルのマドゥエケから役目を引き継いだサカを狙い、右サイドから相手のブロックを突っついていく。

 しかし、もう1つの交代策はやや逆噴射気味。明らかに本調子でなかったライスに代えてエゼを投入し、4-1-2-3にシフトする形はアンカー脇にノルウェーの縦パスを刺すためのコースを誘発してしまった感があった。

 イングランドはすぐさま陣形を4-4-2に修正。プレスの勢いも抑えながらブロックを組むシーンを作っていく。セットプレーからのラッシュは意外性の男・セルロートのクロスからの流れ。ノルウェーはネットを揺らすが、これはハーランドのプッシングによってやり直し。ここも新規則の影響だ。

 4-4-2で構えるイングランドに対して、ノルウェーはイケイケドンドンで圧力をかけていく。オープンな展開から主導権を握ったノルウェーはボブとヌサにWGを交代することで仕掛けを増やしていこうとするが、ハーランドに頼りたいボックス内のフィニッシュはクオリティが上がってこない。

 80分が過ぎるとゆるっとペースはイングランドに。ノルウェーの圧力が持続可能ではないものとなり、イングランドの保持の阻害が明らかに減退していく。

 こうしたジリジリとした展開はサウスゲート時代から得意であるイングランド。4-4-2でのプレスの強度を強めて、ノルウェーと入れ替わるように敵陣での時間を増やしていく。

 延長戦も当然織り込み済み。押し込んだところからのロジャースのミドルを最後はベリンガムが押し込んで勝ち越しに成功。ブロック外から枠内ミドルをかち込まれてキャッチし損ねたところをという流れは前日のベルギーを踏襲する格好となってしまった。

 リードを奪ったら素早く下がるイングランド。この辺りの色気の見せなさはトゥヘルの現実主義感が漂っているなと思う。メキシコ戦での成功体験もあったのだろう。逆にハーランドが下がったノルウェーは敵陣ボックス内での優位構築の代案を出せないまま試合は進行。スペンスがあわやPKを奪取したシーンにおける足の動かなさを見ると、流石にリソースの差は感じざるを得ないだろう。

 延長戦という舞台、そしてリードしている展開をうまく活かしながら逃げ切りに成功したイングランド。最後は5バックに切り替えることで試合をクローズする。

 最後まで抵抗を見せていたノルウェーだったが、同点ゴールを手繰り寄せることはできず。試合はイングランドの勝利で幕を閉じることとなった。

ひとこと

 最後はリソース差というのは否めない展開になってしまったかな。

試合結果

2026.7.11
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Quarter-final
ノルウェー 1-2 イングランド
マイアミ・スタジアム
【得点者】
NOR:36′ シェルデルップ
ENG:45+2′ 93′ ベリンガム
主審:クレマン・トゥルパン

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