MENU
アーカイブ
カテゴリー

「今日欲しいもの」~2026.10.21 UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ 第3節 バイエルン×アーセナル レビュー

プレビュー記事

目次

レビュー

意外性のある抜け出しから先手

 アーセナルにとっては中2日が続く難しい日程。そうした中で迎えるCLの最難関。Pot 1のアウェイに当たるフースバル・アレナ・ミュンヘンでのバイエルン戦だ。

 立ち上がりから守備側のルールを保持側がどう捻じ曲げていくか?という切り口から始まった感。ハイプレスに出ていく姿勢は程度こそ違えど両チームに共通。ニャブリなどSHがCBに蓋をすることでハイプレスに出ていくバイエルンに対して、まずはアーセナルは右サイドを軸にプレス回避を狙っていく。

 長いボールのターゲットとなるのはサカに加えて、ティンバー。ビルドアップに関与しないSBは前線のターゲットマンとして活用。マンツー主義のバイエルンはこの日はSH起用となったデイビスがティンバーについていく格好だ。

 この右サイドのロングボールはアーセナルにとってはまあまあ手応えがある格好。特に直近の試合で不調だったサカは躍動。1on1で相手を剥がしていく形から右サイドで推進力を持ったパフォーマンスを見せていく。

 しかし、そのサカは早々に負傷。立ち上がりに見つけることができた勝負できるポイント探しは振り出しに戻ることとなる。

 アーセナルはマンツーに迷いを与えるためにセンターラインが列落ちをすることで動く幅を使っていく。まずはバイエルンにロングボールを諦めさせることが第一歩。ライスのサリー、ギマランイスやウーデゴールが低い位置に下がることで徐々にマンツーではない状況を作っていく。

 右サイドでは引き続きマドゥエケがティンバーと協力してロングボールのターゲットに。しかし、序盤のサカほどのアドバンテージを作れないまま苦戦する。

 プレスはそれなりに落ち着かせそうだが、右サイドを軸に前線で勝てるポイントがなかなか見つからないというアーセナルにとっては悩ましいスタート。しかし、意外性のある形からアーセナルは先制。低い位置に下がるウーデゴールからタッチダウンパスのターゲットになったのはエゼ。これまであまり見なかった左サイドからの抜け出しが一発で刺さってゴールを呼び込む。

 バイエルンは中盤に降りたハヴァーツにミンジェがついていったことで最終ラインをお留守に。その結果、隣のスタニシッチがラインを合わせることができず。一番エゼから遠いスタニシッチがオフサイドをかけ損ねて得点を許してしまう結果となった。

縦への揺さぶりで反撃の盟主

 アーセナルの守備はプレスのスイッチを入れるときはマンツー。そうでない時は4-4-2でミドルブロックを組む形で臨機応変にバイエルンに対応。出ていくと決めた時はコンサが最終ライン付近まで下がるケインを潰しに行くが、4-4-2モードの時はあっさりと受け渡していたのが印象的だった。

 バイエルンはまずは上下で縦方向にギャップを作ることに注力していたように見えた。特に、センターラインのケインとサイバリにはその傾向が強かった印象。相手のついていく動きを誘発するように受ける高さを変えながらアーセナルのバックラインと駆け引きをする。

 なかなか相手が動かない!と見るや、今度はキャストを変えながら意外性を増やしていくバイエルン。前線にパヴロヴィッチが飛び出すことで降りてくる選手について来させないようなアプローチを仕掛けていく。

 中盤で起点を作ることができたら、そこからはサイドの裏に抜け出す選手を作ることで出口を作るバイエルン。ディアスがいない現状では、デイビスのオーバーラップが一番刺さる形。インサイドで上下動をかけながらフリーマンを作って、サイドの裏を狙っていくことで攻撃の形を作りにいく。

 徐々にアーセナルのMF-FW間が空いたような形が増えてくることでバイエルンはインサイドにフリーマンを作ることができるように。その結果、中盤で相手を壊すパスを刺したのはケイン。前を向くとタッチダウンパスでデイビスのフリーランを活用。ティンバーの背後を取って一気に仕留めてみせた。

 アーセナルにとってはなかなかシビアな対応。この局面はマンツーモードが起動していたタイミング。ということでコンサが途中までついていったのだが、パヴロヴィッチが攻め上がりの素振りを見せることでケインを中盤に受け渡す。しかし、そのマークを受け取ってもらえなかった上に、前に出てきたパヴロヴィッチも中盤に戻ったせいで結局コンサは宙ぶらりん。結局自由を享受したケインから一撃必殺のパスが飛んでくることとなってしまった。

 以降も前半にペースを握ったのはバイエルン。アーセナルのビルドアップミスからカウンターで数的優位の状況を作ったり、マドゥエケの背後にケインが陣取ってデイビスのオーバーラップを活用したりなど、狙いどころを定めながら勝負をかけていく。アーセナルはタイスコアでなんとか食らいついてハーフタイムを迎えることとなった。

サイドの守備の緩みを逃さず

 後半頭、先にチャンスを迎えたのはアーセナル。カウンターからセットプレーで機会を掴むが、押し込みきれずに得点機会を逃してしまうことに。

 逆にバイエルンはこのカウンターをひっくり返すところから反撃。ライスの対応ミスから右サイドで数的優位のカウンターを迎えるが、息が合わずにオンサイドのままゴールネットを揺らすことができない。

 それでも優位をキープしたのはバイエルン。ウパメカノのワンツー的な攻め上がりなど、中盤の位置交換からアーセナルのプレスを外すことに成功。そのまま前線に攻め上がり、クロスから決定機を迎えるが、これはラヤのファインセーブに阻まれる。

 中央のライン間へのパスやサイドへの展開、そこからの攻め筋がアーセナルに比べると安定していたバイエルン。ジリジリと敵陣にアーセナルを追いやっていくと、右サイドからのクロスに合わせたシュートがハンドを誘発。ティンバーの手にシュートが当たり、主審はPKスポットを迷わず指差した。

 このPKをケインが決めてバイエルンは逆転。ラヤとの駆け引きできっちりと逆をついた上に、方向を読まれていたとしても届かないコースに蹴り込むというまさしくオーバーキルのようなPK。決め打ち型で先に動くラヤからするといくらなんでも相性が悪すぎるキッカーだった。駆け引きするキッカーは無理。

 アーセナルは前進に苦戦。前へのキックはアバウトでフィフティーの状況となり、バイエルンのDF陣は余裕を持って対応できるシーンが増えていく。

 アーセナルはメンバーを入れ替えることで流れを変えたいところだが、ルイス=スケリー、ギョケレシュといった交代選手はすぐには流れに乗れず。保持の時間は増えたが、主導権を握るところまでにはたどり着かない。

 バイエルンはSHが前に出る機会を減らしたことでアーセナルのCBがボールを持つことができるように。SHは基本的にはサイドを埋めましょうというのがベース。エゼは奮闘していたが、マドゥエケがガス欠気味のアーセナルにとっては辛いところ。

 しかし、徐々にバイエルンはサイドの守備の規律が微妙に乱れるように。右のSHのカールが気まぐれで前に出ていったことで後方をエゼに使われる場面が出てくる。後方を使われるということはバイエルンの守備のスライドができていないということなので、この点で意思疎通が図れていないことになる。

 アーセナルが決め手となるサイドアタックを決めたのは逆サイド。ギョケレシュのポストを壁にライスが攻め上がることでシュートを振り切り、ノイアーの壁をぶち破ってみせる。バイエルンはスタニシッチ、デイビスのどちらも攻め上がるライスについていけず、ウパメカノのカバーも間に合わなかった。サイドの守備の乱れを中央がカバーできなかったケースだと言えるだろう。

 もう1回勝利のためにギアを上げたいバイエルンだが、途中投入のディアスが負傷してしまったことでテンションがやや下がってしまった感。アーセナルもこの日は左サイドに顔を出すなどフリーダム感があったティンバーが枠を捉えるシュートを放つが逆転には至らず。

 緊張感のあるリーグフェーズの山場はドロー決着。勝ち点1ずつを分け合う結果となった。

ひとこと

 内容面から見ても優勢なバイエルンに食らいつきながら引き分けをもぎ取ったというのは満足と言っていいのかなと思う。もちろん、勝ちたかった試合ではあるし、アウェイでバイエルンを下せれば力を証明できる機会に間違いなくなったので、それを逃したのは残念ではある。

 しかし、今のこの時期に求められることはプレミアリーグで勝ち点を積み上げながら、CLの上位8位以内を確保することでしかない。そういう意味ではこの1ポイントは十分にその目標に前進。今日欲しいもの全部手にしたと言っていいくらいだ。

 強いクラブ同士のガチンコバトルは年明けで上のラウンドに上がっていけば自ずと実現するので、またその機会に。その時にバイエルンを上回れるように数ヶ月かけて力をつけていかなければいけないし、バイエルンもまた同じ気持ちで春までの時間を使うことになるだろう。

試合結果

2026.10.21
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第3節
バイエルン 2-2 アーセナル
フースバル・アレナ・ミュンヘン
【得点者】
BAY:35′ デイビス, 61′(PK) ケイン
ARS:25′ エゼ, 82′ ライス
主審:ダビデ・マッサ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次