
一段上がったサイドアタックで振り切る
4試合にわたったW杯直後の代表戦も最終戦。キリンカップの方式で執り行われる決勝戦はニュージーランドを迎えての国立決戦だ。
日本のフォーメーションは4バック。ニュージーランドの5-4-1に対してフォーメーションを噛み合わせない形で攻撃を構築する。
噛み合わせの問題は保持と非保持が入れ替わっても同じ。ニュージーランドはライン間のギャップに入り込んだシャドーへの縦パスから手早く進撃。右サイド側の伊藤や鈴木淳之介をスピードで振り切りながら、ニュージーランドが機動力を活かした進撃を見せる。
ニュージーランドがサイドで加速をするには中央でウッドがポイントになれるかが重要。ここでタメが効くのであればサイドの裏への道は開ける。ここで佐野がインターセプトを決めたり、あるいは戻った前田が挟み込んだりしてウッドを封じることができれば、逆に日本はカウンターの起点を作れる。ウッドのポストが機能するかどうかはニュージーランドの速攻の機能性を大きく左右した。
日本はまずはボールを奪ってからのカウンターで勝負する序盤戦。特に堂安はシュートで終わる意識が強め。久保と共に右サイドでのコンビネーションから遅攻でも存在感を見せる。
ややインサイドに入る傾向が強い堂安の外を回るのは中野。伊藤の対角や瀬古のパスで高い位置でボールを受けて、大外からクロスで勝負をかけていく。
左サイドは前田がスピードをシンプルに活かすところから。対面をドリブルで抜くことができるなど、スピードだけでない分野でも存在感を見せたことが印象的だった。
先制点は右サイドの武器の掛け合わせから。久保と堂安のドリブルで相手を引き寄せたことで浮いた大外から中野がクロス。飛び込んだ上田が豪快にシュートを決める。
しかし、ニュージーランドは直後に同点。前田のパスミスからウッドを軸とした速攻を構築。すぐに試合を振り出しに戻す。
失点シーンはまずは前田のパスミスがよくなかった。中野も位置的には戻れたらよかったが、それができなかった。その上で伊藤と瀬古のマークの受け渡しの連携が合わなかったのは痛恨。できれば同サイドに閉じ込めるような対応に進み、浮いている逆サイドを使わせないトライまではたどり着きたかったところである。無論、その状況でも守れていたかはわからない状況ではあったけども。
同点で迎えた後半。日本は引き続きポゼッション。対角パスでサイドを使うところを徹底する後半。右の大外には堂安が立つというのは前半とは傾向が変わった立ち位置だった。
ウッドを咎めたところからのカウンターも健在。ファストブレイクにもSBがきっちりと速攻で上がって攻撃参加ができる縦のシャープさは日本の武器。鈴木淳之介も中野もクロスであわやというシーンを作り出すが、なかなか仕留めきることができない。
中村と伊東の登場は日本の攻撃を一段引き上げたと言えるだろう。とりわけ縦への鋭い突破から速いクロスは鈴木淳之介や中野のレパートリーにはないプレーであり、ここがニュージーランドの自陣での守備の混乱に拍車をかけた。
最終的には中村の縦突破からの折り返しをファーで堂安が仕留めて勝ち越し。直後には鎌田も絡む連携から中央で上田が抜け出してネットを揺らしたが、これはわずかにオフサイドとなった。
終盤はオープンな展開となったが、最後まで1点差をキープすることには成功した日本。キリンカップは優勝で代表ウィークの幕を閉じることとなった。
ひとこと
1失点目のシーンは4バックをやるなら出てくる可能性があるシチュエーションだと思う。ミスの起点の責任の所在の問題は別として、この状況でも認知と判断が正確にできるCBがいないと難しいのかなという感じだ。
試合結果
2026.10.5
キリンチャレンジカップ
日本 2-1 ニュージーランド
国立競技場
【得点者】
JPN:28′ 上田綺世, 71′ 堂安律
NZL:32′ オールド
主審:ナズミ・ナサルディン
