■プラマイゼロにしたアロンソ
ニューカッスルにアーセナルが敗れたことにより、来季のCL出場権が確実になったチェルシー。今節の対戦相手は消化試合がやたら過密なレスターである。
この試合のレスターのフォーメーションはやや珍しいものだった。5-3-2という形のフォーメーションは後ろを重くして立ち向かう。序盤は中盤が人を捕まえる意識が高かったため、スペースを埋めることを優先している感覚は薄かったように思う。
ボールを奪ってしまえばレスターはすぐさま反撃。2トップのスピードを生かしたカウンターから、一気にチェルシーのゴールに迫る形である。
チェルシーはかみ合わされる中盤からではなく、ワイドからボールを押し下げることを選択。特に自由にボールを持つことができるチャロバーとリュディガーから押し下げる形でレスターの陣内に迫っていく。大外担当は右のツィエク。大外から1対1でトーマスをつり出しながらデュエルする。
粘っているレスターはカウンターからあっさりと反撃。カスターニュが抜け出し、開始早々の6分に一発で壊す。決めたのはマディソンだった。
確かにレスターにはスピード豊かなアタッカーが数多く揃っている。しかしながら、この場面ではチェルシーのバックラインの怠慢が目立つ形だった。ワイドにFWが抜けていく形をこの日のレスターは多用してきたのだが、チェルシーのバックラインはこれにあまりにも無頓着。終盤戦の無気力な感じがこのカウンター対応に出ていた。
先制点を取ったことでレスターの守備陣はやや重心を低めに構える形にシフトチェンジ。チェルシーはこれを崩す形に徐々にシフトする。
サイドから押し下げられたレスターは何とか粘っていたが、デューズバリー=ホールがジェームズを逃がしてしまったことで逆サイドまでの展開を許す。これをアロンソが叩き込んで同点に。失点シーンではカスターニュの抜け出しを許して原因を作っていたが、この場面ではそれを帳消しにして見せた。
迎えた後半、より強い3ポイントへの意識を見せたのはチェルシーの方だった。狙い目にしたのはレスターの中盤の背後のスペース。時間の経過とともにレスターはアンカーのメンディがだんだんとジョルジーニョを気にして重心を前にする。
この背後のスペースをルカクで突くのがチェルシーのやり方である。レスターも殴り合いに持ち込むことで何とか展開をフラットにしていこうとするのだが、徐々にレスターは保持の時間を増やしていく。
レスターのラインブレイクの頻度を抑制し、ルカクをよりスペース感覚に優れたハフェルツに入れ替えることで2点目を取りに行ったチェルシー。しかしながら、活性化には限度があった様子。試合は前半の1得点のみで打ち止めのドローゲームとなった。
試合結果
2022.5.19
プレミアリーグ 第27節
チェルシー 1-1 レスター
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:35‘ アロンソ
LEI:6’ マディソン
主審:スチュアート・アットウェル