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「満身創痍の相手を前に」~2024.4.3 プレミアリーグ 第31節 アーセナル×ルートン・タウン プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第31節
2024.4.3
アーセナル(2位/20勝5分4敗/勝ち点65/得点70 失点24)
×
ルートン・タウン(18位/5勝7分18敗/勝ち点22/得点43 失点62)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去の10回の対戦でアーセナルの5勝、ルートン・タウンの3勝、引き分けが2つ。

アーセナルホームでの戦績

 過去の10回の対戦でアーセナルは全勝。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • 裏のカードではアーセナルが4-3で勝利。この試合でも勝てば83-84シーズン以来のシーズンダブル。
  • 1991年が最後の対戦ではあるが直近10回のアウェイでのアーセナルとのリーグ戦でルートンは全敗。

スカッド情報

Arsenal
  • ブカヨ・サカは出場に問題はないという見立て。
  • 唯一の欠場者はユリエン・ティンバー
Luton Town
  • トッテナム戦で負傷したアルフィ・ダウティー、タヒス・チョン、リース・バークの出場は不透明。
  • 加えてさらに10人の負傷欠場者がいる。

Match facts from BBC sport

Arsenal
  • 直近10試合のエミレーツでのリーグ戦で9勝を挙げており、直近4試合は全勝。この4試合の合計スコアは14-3。
  • 2024年の9試合のリーグ戦で4失点。
  • クリーンシート12はリーグ最多。
  • 昇格組との今季5試合のリーグ戦は全勝。合計で23得点を挙げている。
  • 昇格組とのホームでのリーグ戦は直近38試合負けなし(W33,D5)で9連勝中。
  • ガブリエル・ジェズスは水曜日が27歳になるバースデー。2つの異なるクラブでバースデーゴールを決めるプレミア最初の選手になる可能性がある。シティにおいては3年前のレスター戦で達成している。
Luton Town
  • プレミアでは18試合連続で得点を決めており、今現在このカテゴリでは最も長いラン。
  • しかしながら、そのうち勝利は4試合だけであり、直近9試合は勝ちなし(D3,L6)
  • 現地時間19時以降にKOされたリーグ戦において24ポイント中4ポイントしか獲得していない。唯一のナイターでの勝利は1月のホームのブライトン戦。
  • 公式戦では直近10試合でクリーンシートを達成できておらず、この間30失点を記録している。
  • トップカテゴリーにおける直近72試合のアウェイでの唯一のクリーンシートは1991年のウェストハム相手に達成されたもの。
  • ロンドンでの直近40試合のトップカテゴリーでの勝利は1990年のウィンブルドン戦。この試合では89分に決勝点を挙げている。

予習

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予想スタメン

展望

対策どころの話ではない

 シティとのエティハド決戦はスコアレスドローの痛み分け。最高ではないが、悪くはない結果を手にしたアーセナル。タイトルレースをまだまだ続けていくことができる権利を得た。

 昨季のアーセナルがタイトル争いから脱落してしまったのは上位勢との対決以上に中位以下に対する終盤戦の取りこぼしが致命的なものであった。今季ここまでを見てもアーセナルが敗れた相手はアストンビラ、ニューカッスル、フラム、ウェストハムと軒並み中位勢に集中。そういう意味では直接対決を終えたここからが本番ということになる。

 対戦相手とのルートンは今この瞬間のプレミアにおいては最も戦力のやりくりが厳しいチームと言ってもいいだろう。連敗こそしていないが、内容は右肩下がり。節を追うことに苦しくなっている。順位こそ降格圏を脱出したが、これはフォレストの勝ち点減処分があってこそ。ルートンの勝ち点を積むペースが上がったわけではない。

 ルートンのスタイルはシーズンを通して大きく変わってはいない。マンツーベースのハイプレスからなるべく高い位置でボールを奪いつつ、攻撃的なWBを軸にサイド攻撃を素早く完結。一気に敵陣に侵入してのクロスからのゴールを狙っていく。自陣でのプレス回避ではCHのスキルを使って前進。相手にスペースがある状態を作り出したまま加速してゴールに向かっていく。

 端的に言えば、ルートンが苦しくなっているのはこのスタイルの維持が難しくなっているからである。そして、その理由もシンプル。中核を担う選手が離脱しているからである。

 最も手痛いのはエースのアデバヨの不在だろう。序盤戦こそプレータイムは伸びなかったが、中盤戦以降は圧倒的なエースとして9番の座を確保している。最大の持ち味は空中戦の強さだろう。長身を生かしたヘディングはマークにつかれていてもお構いなし。上から叩き込むことができる。プレミア屈指の電柱系FWと言っていいだろう。

 アデバヨの存在はチームの攻撃の方向性にも大きく関わる。左右からの「とりあえず上げてみよう!」というハイクロスが成立しているのはアデバヨがいてこそ。アデバヨの離脱以降はサイドからの崩しの質にもこだわらないといけない。

 開幕当初はタウンゼントが第一人者だった感もあったが、精度やキレの低下に伴い序列が下がってしまった。そのタウンゼントと入れ替わるように存在感を高めていったのがオグベネ。ロングカウンターでのキャリー役をはじめとしてサイドからの崩しでエリア内にチャンスを供給する馬力系のドリブラーとして輝く。

 サイドにボールを渡すところで大きな貢献が見られたのはロコンガ。今年の初めくらいからのパフォーマンスがメキメキ向上。プレスをかわして左右に散らす展開力は元々持っているものを自信を取り戻して再開花させたのかなという印象だが、ネガトラに汗をかいてDFが置き去りにされた状況で最後の砦を担う姿はアーセナル時代とは別人。攻守に幅を広げて、バークリーに並ぶ中盤の柱となった。

 だが、オグベネとロコンガも揃って離脱。ルートンはサイドの推進力と中盤の展開力を失ってしまうこととなる。こうした状況をなんとかしようと受けるところから剥がしてのチャンスメイクに邁進していたチャンと大外からのクロッサーのダウティーも前節のトッテナム戦では負傷交代。アーセナル戦の出場は不透明である。

 このプレビューを書いている時点でプレミアの負傷者事情をまとめているサイトに記載されているルートンの怪我人は13人。正直、アーセナル対策がどうとかプランがどうとか言っている場合ではなく、その日戦える状況の11人を並べるのが精一杯というのが今のルートン。日に日に状況は悪くなり、アーセナル戦を迎える状態は今季ワーストと言って良い窮地となっている。

前線で狙いたい攻略パターンは?

 冒頭で「シティ戦の後が大事」と言っておきながらあれだが、この後の日程を見ても一息入れるとしたら明らかにここしかタイミングがない。ルートンのチーム事情を鑑みると勝つことはもちろん、誰を使ったどのように勝つかを念頭に入れながら試合を運びたい。

 ターンオーバーの観点で言えばまずは何人かプレータイムを与えたい選手がいる。トーマスと冨安はその最上位。バイエルン戦など来たる重要なビッグマッチに向けてこの2人の力は明らかに必要。マッチフィットネスを上げて前半戦の遅れを取り戻すラスト2ヶ月にしたいところである。

 この2人とジンチェンコは先発起用が良いと思う。入れ替わるのはアンカーと両SBが妥当だろう。キヴィオルをCBに回すプランもあり得るが、地味に彼は代表ウィークにフルコミットしてポーランドのEURO出場決定に貢献しているので、近々のプレータイムは一番タイトだったりするので、個人的にはジンチェンコとシンプルに入れ替えで問題ないと思う。

 IHはウーデゴール、ハヴァーツ、ライスと代表にきっちり参加した組の扱いが悩ましいところ。ライスとこちらも使っておきたいヴィエイラをテストしつつ、ウーデゴールとハヴァーツは後ろからというイメージがいいかなと思う。

 前線はマルティネッリ、トロサールは問答無用でスターターとして考えていいだろう。悩むのはもう1枚。サカはフィットネス的には問題ないという判断になっていそうではあるが、個人的にはここで一息入れるのもアリ。ではもう一枚を誰が務めるか。ここは迷いどころだが、個人的にはジェズスを推したい。

 理由としてはルートンを攻略するプランにある。マンツーベースで後方同数を受け入れるのが彼らの基本スタンス。であれば、なるべく動きを大きくすることでオフザボールの量を増やして攻略をしていきたいところ。動きを大きく、そしてスペースをシビアに管理してくるタイプではないと考えればCFはトロサールがベストだと思う。挟まれることもないので中盤に降りてきてターンを狙うアクションもトライしていい状況が整うはずだ。

 WGは斜めのランでトロサールが降りるアクションで開けた中央に侵入する形を意識したい。それであればマルティネッリとジェズスのコンビで裏のスペースを狙っていきたい。CFの降りるアクションからWGが斜めのランで少ない手数で押し込んでいく。以下のウェストハム戦での攻略パターンの焼き直しをベースに考えればいいと思う。

 ただでさえ脆いDFラインは連携不足という追い打ちがかかっている状況のルートン。その状況を利用して足で揺さぶり守備ブロックを破壊していきたい。

 守備はハイプレスで敵陣からのプレッシャーをかけるスタートにしていきたい。理由はいくつかある。ロコンガ不在のCHはプレス耐性に脆いこと、自陣から遠ざけることで彼らの数少ない得点源であるセットプレーの機会を奪うこと、そしてできるだけ早期決着を狙って彼らの意識を週末のボーンマスとのホームゲームに向けることである。

 満身創痍の相手を前にきっちりと勝ち点を上げたいところ。そして、今季スカッドに食い込みたいものにとっては正真正銘のラストチャンス。勝ち点以外のことも色々と意識できるような展開に持ち込み、正念場の4月のスタートを気持ちよく切りたいところである。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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