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「FIFA World Cup 2026 チーム別まとめ」~オランダ代表編~

目次

第1節 日本戦

第2節 スウェーデン戦

インサイドに起点を生んだオランダが5得点の大暴れ

 序盤から試合を支配したのはオランダ。立ち上がりのダンフリースへのロングボールからスタートする形でスウェーデンのプレスを牽制すると、前がかりにきたスウェーデンの入りをひっくり返す形で先制。ブロビーのポストから左サイドのラインダースに繋がると、そこから背後を取っていくガクポからゴールを完結。起点となったブロビーがそのまま終点を務める。

 対するスウェーデンもロングボールから前進の機会を窺うスタート。しかしながら、チュニジア戦と異なり簡単にギョケレシュ一発では前進することができない。ロスト後もオランダは即時奪回を仕掛けてポゼッションを回復。ギョケレシュにカウンターの機会を与えないまま封殺する。

 スウェーデンにとって誤算だったのは5-4-1気味に守るブロック守備がほとんど機能しなかったことだろう。先制したことで余計に縦パスを差し込むトライを行っていくようになったオランダに対して、スウェーデンは完全に後手に。この日は右のSHでのスタメンとなったマレンはサマーフィルと比べると、こうしたファジーなポジションを取るのが上手。縦パスをレシーブしたところから、右の大外のダンフリースにボールを振ってブロビーがゴールを決める。この縦にパスを差し込む意識がオランダの主導権をキープするきっかけになった感じがした。

 しかし、スウェーデンは少しずつカウンターを打てるように。ファン・ヘッケのキャリーなどオランダは少しずつ隙を見せていく。スウェーデンがボールを持つ局面においてもオランダが日本戦で見せたデ・ヨングの5バック埋めを活用。中盤にギャップができたところにイサクが顔を出すことでチャンスを作る。

 ミドルゾーンでの攻防が激しい状況。2点のビハインドとなったスウェーデンは4-4-2気味にシフトする。フォーメーション変更を仕掛けた理由は難しいところだけども、5バックでも降りる選手に迎撃できないのであれば、4-4-2のような形でサイドの迎撃と前線のカウンター枚数の確保を両立させたかったのではないか。

 4-4-2にシフトした後もオランダの縦にギャップを作る関係性に苦戦はさせられたスウェーデン。サイドではガクポの縦の突破が健在でこちらも対策してもなお苦しい状態だ。

 スウェーデンはラガービエルケのFKでネットを揺らすがオフサイド。ギョケレシュのFKも含めてセットプレーから惜しいシーンを作り出す。

 後半も試合の主導権はオランダ。4-4-2でブロックを組むスウェーデンに対して、ギャップにボールを差し込んでいく。狙い目となったのはオランダから見て右のハーフスペース。非保持においては左のSHに入るケースもあったイサクとアヤリの間に選手を入れ込んで、縦パスを差していく。

 このギャップから再びサイドの裏を狙い撃つことができるオランダ。前半に何回も見た形から一気に背後を取ってガクポがゴールを決める。ハーフタイムに交代で入ったサマーフィルも起点に。スムーズに試合に入ることができた。

 さらにガクポのカットインからオランダは追加点。サイドで自由にこの人にやらせてしまうと、なかなかめんどくさいところがある。

 エランガを投入し、4-4-2からさらにサイドのスピードを強化することでギアアップするスウェーデン。1点は返したものの、総じて4-4-2のラインはガタガタ。特に中盤の前後に大きなギャップが空いてしまい、このスペースを狙ってくるオランダのアタッカー陣を捕まえられず。延々とスピードアップを繰り返されることに。

 試合はオランダの勝利。最後はサマーフィルの2試合連続ゴールで大量得点を締めくくることに成功。勝ち点3と大きな得失点差を確保した。

ひとこと

 スウェーデン、ベースとなるブロック守備で歯が立たないのであれば、なかなか厳しいものがある。

試合結果

2026.6.20
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループF 第2節
オランダ 5-1 スウェーデン
ヒューストン・スタジアム
【得点者】
NED:5′ 17′ ブロビー, 47′ 54′ ガクポ, 89′ サマーフィル
SWE:59′ エランガ
主審:マイケル・オリバー

第3節 チュニジア戦

貫禄の勝利で堂々の首位突破

 すでに突破が決まっているオランダに対して、チュニジアは敗退が決定。残される決定項目はオランダのグループステージの通過順位のみというのがこの試合の状況だ。

 裏のカードのスコア次第だけども、最低限勝利が欲しいオランダ。先制点が欲しかったオランダは数分でそのミッションを達成。第2節でも攻略の重要なポイントとなったブロビーのポストから深さを作ることに成功。右サイドから抜け出したダンフリースからオウンゴールを誘発。この日は緊急手当的に最終ラインに入るスキリのクリアが非常に雑になってしまい、失点を喫することとなった。

 さらにオランダは立て続けにゴールをゲット。セットプレーの流れからブロビーが押し込んで追加点を生み出す。

 チュニジアはこういう状況では仕方ないのかもしれないが、オランダ対策がうまく行っていないのかな?と言わざるを得ない立ち上がり。オランダはスウェーデン戦での再現という感じ、縦パスの出し手にチュニジアは制限をかけられず、ブロビーがポストをしつつラインを下げてくる動きにも対応することができなかった。

 失点が重なってもなお、前からのプレスをかけることができないチュニジア。オランダは一方的にボールを持ちつつ、押し込みながらハイプレスで回収。延々と自分たちのターンを続ける。

 チュニジアは時折サイドの裏を取ることで陣地回復を仕掛けていくが、逆にこれはオランダの反撃のきっかけを引き寄せることにもつながっていた感じ。スピードに乗ったカウンターを受けるリスクもあった状況となった。

 後半も展開は同じくオランダの保持が支配的な状況。引き続き、得点の可能性が高いシチュエーションを作り続ける。

 だが、後半の初めに得点を決めたのはチュニジア。ハンニバルを起点とした縦に速い攻撃がようやく決まり、反撃の狼煙を上げる。

 この時間帯に日本がスウェーデンに得点したこともあり、非常に日本人として盛り上がる展開だったが、その状況に冷水をぶっかけたのはオランダのセットプレー。ファン・ヘッケの一撃でさらにオランダはリードを広げる。

 以降も一方的に押し込むオランダが試合を支配する展開。だが、次のゴールを生ませずにチュニジアは踏ん張りこのまま試合はクローズ。オランダが首位通過でRound32でのモロッコとの対戦を決めた。

ひとこと

 さすがに早めの先制点はチュニジアが意地を見せたいという心を折ってしまったかなという感じ。

試合結果

2026.6.25
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
グループF 第3節
チュニジア 1-3 オランダ
カンザスシティ・スタジアム
【得点者】
TUN:54′ マストゥリ
NED:3′ スキリ(OG), 7′ ブロビー, 62′ ファン・ヘッケ
主審:カティア・ガルシア

Round 32 モロッコ戦

一発回答のパワープレーで列強切り崩しに成功

 日本を抑えてグループFの首位通過を果たしたオランダ。迎えるのはグループCをブラジルの次点で突破したモロッコである。

 オランダはグループステージと異なる3バックを採用。ナチュラルな立ち位置で4-4-2をとるモロッコに対して、バックラインの数的優位を確保する。

 時にはインサイドの反転から背後への急加速という形も持っていたオランダだったが、基本的にはボールは外循環。幅をとるWBもしくはシャドーから追い越すアクションから相手をサイドから削っていく。

 逆にここまでのオランダの攻め筋のメインだったインサイドのブロビーを活かすような形は前半はほぼ見られず。あくまで外フォーカスというこれまでのオランダとは違ったプランだった。

 しかしながら、アウトサイドでの攻め筋がうまくいっていたかというと微妙なところ。特に3人での連携は不確定要素が強く、右サイドからダイレクトにサマーフィルが抜けるなど、よりシンプルな形の方が有力だった。

 モロッコの保持は片方のCHがアンカー役。後方はSBを枚数調整役としてのビルドアップを敢行。CHのサリーも含めて後方は3枚をベース。オランダはブロビーが背後で中盤をケアする慎重な守備体系だった。

 モロッコの保持の特徴はどちらか片方のサイドに狙いを定めて人をかけていくスタイル。今日は左サイドがターゲット。トップのサイバリがファストブレイクでファン・ヘッケとガチンコ勝負をしつつ、ブアディとウナヒがサイドに流れながらポイントを作りにいく。

 オランダが中央を固める流れになったのでこちらの攻撃もサイドから。しかしながら、オランダのDFを凌駕できないまま展開は膠着。セットプレーでニアに入ったエル・アイナウィに合わせたCK以外は得点の機会はなし。

 サイドの削り合いとなった展開はオランダがポゼッションでは優勢もチャンスらしいチャンスがないまま展開が進む。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。

 後半は前半と比べるとモロッコの保持の局面が多くなったのが特徴。こちらもアウトサイドからの崩しにフォーカス。オランダと異なり、出張で人をあえて偏らせながら圧力をかけていく。

 しかしながら、仕上げがトランジッション寄りなのはオランダと同じ。特にアケと対峙したハキミのフリーランは抜群に効いており、オランダの3バックを無効化してみせた。

 オランダも押し下げられながらもサマーフィルとブロビーによって陣地回復を図っていく形。攻撃の形として得意なのはむしろこちらの方なのかなと感じるところもあった。

 カウンターにフォーカスしたオランダはファストブレイクから先制。サマーフィルとガクポの2人で完全にやり切った速攻から先制点を生み出す。

 反撃に出たいモロッコはここからは保持一辺倒。しかし、インサイドを固めるオランダはなかなかスペースを簡単に与えず、試合は膠着する。

 だが、そんな状況をモロッコはシンプルなパワープレーで打開。高い位置に出ていったディオプが一発回答。ファン・ダイクを出し抜いてのゴールで土壇場で追いつく。

 延長戦も構図は同じ。自陣を固めるオランダを一方的にモロッコの保持が殴っていく格好。時にはプレスにいきたい素振りも見せるオランダだったが、誰も彼もドリブルができるモロッコに対しては空振りに終わるケースばかりだった。

 それでも自陣を固め切ったオランダ。勝負となったPK戦は互いに失敗が目立つ格好となったが、モロッコの5人目となったサイバリがエースとしての役目を果たして勝利を引き寄せる。オランダの夢はここで止まることとなった。

ひとこと

 カウンターフォーカスの展開で前線を務められる交代選手がもう1人欲しかった感のあるオランダ。そして、あのパワープレーは3バックなら食い止めたい感。

試合結果

2026.6.29
アメリカ・メキシコ・カナダW杯
Round 32
オランダ 1-1(PK:2-3) モロッコ
エスタディオ・モンテレイ
【得点者】
NED:72′ ガクポ
MAR:90+1′ ディオプ

総括

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