イプスウィッチ【12位】×リバプール【13位】

色がハマって今季初勝利
開幕2試合でまだ勝利のないリバプール。すでに今季は勝利を挙げているイプスウィッチの本拠地に乗り込んで今季の初勝利を狙う。
ミドルゾーンで構えるイプスウィッチに対して、ポゼッションからスタートするリバプール。ゆったりと左右にボールを散らしつつ、本命となるのは激しいボールハント。イプスウィッチの右サイド側に誘導するような形でボールを奪うと、ここからショートカウンターを発動。マイキ解説員も指摘していたが、ショボスライが1つ前に出てきてガチっとハメ込めるかがキーだったように思う。
ゴールを奪ったのはまさにこのプレーの1つ目。イプスウィッチとしてはファタウがロストした後にCHが逆を取られてしまい、さらにはイサクにCBの背中を取られてしまう。イサクは塞がっていたニアをシュートのパワーでこじ開けてみせた。
2つ目のゴールは後方3枚のポゼッションから。イサクのシグネチャープレーと個人的には思っているニアのCBの背中を取る動きからファーのCBを引き出してかわすというCB2枚抜きを披露し2点目。
イプスウィッチとしてはGKのシェルペンのポジションが絶望的。CBと面がかぶる中途半端なポジションを取ったせいで、イサクにとってはCBのグリーブスをかわすことができれば、そのまま無人のゴールに流し込むことができるボーナスステージとなった。
イプスウィッチの保持はまずはプレスに出てくるショボスライの背中を取ることができるかどうか。失点以降も再三ここでボールハントをされており、そういう意味では3失点目をしなくてよかったと言える序盤となった。
希望の光となったのは右サイドのファタウ。抜ききらなくてもファーにクロスを上げることができるWGはイプスウィッチの攻め手として十分有力。リバプールは自陣に残るアラウホがクロス対応に奔走。普段は攻撃的なSBを置くことが多い中で用兵がハマっていると言えるだろう。
面白いのは攻め上がらないリバプールのSBは保持においても効いていたこと。イプスウィッチの撤退守備は最終ラインまで下がることができるSHの守備意識の高さが助けになっていたけども、アラウホやケルケズが攻め上がらなければさすがに下がることはしない。
リバプールの攻め筋はSBを上げずにイプスウィッチのDFラインに横を4枚で守らせた状態をキープし、前線が斜めのランで相手の管理から外れること。この動きを繰り返してできるイサクは非常に状態が良くなっているように見えるし、ヴィルツやガクポが初期位置とは異なる位置から飛び出してくるのも管理から外れるための工夫のように見えた。
このリバプールのプランで持ち味を完全に殺されたのが前田。守備で最終ラインに入りながら、攻撃で相手より早く敵陣に辿り着くのが彼の強みだけども、そもそも攻め上がってこないアラウホが対面であれば、トランジションでのアドバンテージを取りにくい。リバプールのプランに消されてしまった感があった前田だった。
イプスウィッチは後半にプレスを強化することで対応。具体的にはリバプールのボールが左サイドにある時に前田を中盤の守備に組み込むことでワンサイドにボールを追い込む圧力をかけていく。
こうなると、意地でもリバプールの左サイドにボールを閉じ込めたいイプスウィッチ。しかしながら、GKを経由してリバプールは逆サイドまで展開。こうなると前田の中盤の守備参加はスカされた感がある。逆サイドのムニョスも最低限ファウルを取ってくる程度の単騎性能は見せていたのも大きい。
ただ、イプスウィッチはラインの駆け引きの点では前半よりも手応えがあった感。オフサイドを取ることができていた。ここは早々にイサクが下がった影響もあるのかなと思う。それだけ、彼の動き出しは盤面を制圧する武器になっていたということだろう。
エメルソンとジャケのマッチアップから活路を見いだせそうな時間もあったイプスウィッチだが、時間の経過とともに前線の運動量が低下。ファタウとエンシソの存在感がなくなっていくことをクラークとフレミングの投入だけではカバーできていなかった。
リバプールはメリハリをつけて自陣にきっちりと下がる守備をしながら落ち着いて時計の針を進める。時折飛んでくる長いレンジのシュートもアリソンは難なくシャットアウトしてみせる。
序盤で得た2つのゴールを元手に逃げ切ったリバプール。アウェイの地で今季初勝利を挙げた。
ひとこと
素晴らしかったリバプール。イラオラは本来対策色が薄い監督だと思うのだけど、すごくこの試合ではイプスウィッチにプランが刺さった感があるので、あえてなのかどうかがめっちゃ気になる。
試合結果
2026.9.4
プレミアリーグ 第3節
イプスウィッチ 0-2 リバプール
ポートマン・ロード
【得点者】
LIV:6′ 9′ イサク
主審:ダレン・イングランド
ニューカッスル【6位】×ボーンマス【14位】

引き戻すきっかけをつかめなかった結果の決壊
序盤からボールを持ちながら盤面を制圧したのはボーンマス。後方3枚で4-4-2のプレスをずらしながら前進。CHはアダムスが後方に残る縦の関係性で前進を図っていく。
ギャップを作って左右に散らしながらシュートを打つというところまで持っていくことができていたボーンマス。跳ねたシュートを仕留めたタヴァニアのシャープな動き出しがボーンマスに先制点を生み出す。
やや面食らう形となったニューカッスル。受ける展開な分、エランガのロングカウンターを活かして反撃を狙う格好。
この日のボーンマスの非保持はかなりはっきりと前がかりで意志が統一されていた。ニューカッスルはボールをつなぐ余裕をなかなか見いだせず、試合はスコア同様に支配的にボーンマスが制圧する流れとなった。
少しずつその流れが変わったのはニューカッスルが自陣に引き込むポゼッションからボーンマスのプレスを回避できるようになってから。とりわけ、前にでも出ていくことができるけども、入れ替わられた際のリスクが大きいスコットのところを越えることができるかがキー。ここを越えてマイリーがボールを持つことができるようになるなど、少しずつニューカッスルは試合を引き戻すきっかけを掴む。
しかし、穴を空けるリスクをニューカッスルが冒すのは当然メリットがあるから。スコットがボールを捕まえたところからボーンマスは追加点。さらにリードを広げる。
だが、ニューカッスルはすぐに反撃に成功。左サイドからのカットインでバーンズがシグネチャームーブとも言える豪快なシュートで1点差に詰め寄る。
ゴールを奪った時間帯から少しずつサイドを引き寄せつつ裏を取りに行くニューカッスル。先制点を取ったバーンズがいる左サイドからチャンスを探っていく。
逆にボーンマスはトランジションから縦に速い攻撃にフォーカス。序盤から攻撃のスタンスが入れ替わる形でハーフタイムを迎える。
後半、ニューカッスルは前半の流れを引き継ぐようなトランジション勝負。ハイプレスに出ていく形でボーンマスに圧力をかけていく。縦に速い攻撃で対抗したいボーンマスだったが、エヴァニウソンの負傷という不測の事態に巻き込まれて暗雲が立ち込めることに。
なんとか追いつきたいニューカッスルはフェルナンデス=バルドの投入でインサイドへのロングボールという起点作りを狙っていく。ボーンマスは攻め込むためのきっかけを掴むことができない。
かといって、ハイプレスで前がかりになっても手応えがない状態。半端なプレスで逆にニューカッスルのチャンスを誘発してしまう。
なんとか最後のブロック守備で耐えていたボーンマスだが、セットプレーの二次攻撃で決壊。ラムジーのゴールで同点に追いつくことを許す。
オープンな攻撃の応酬は最後まで続いたが、そのままスコアは動かず。試合はドローで勝ち点を分け合う結果となった。
ひとこと
ボーンマス、一回押し込まれてからの反撃の一手がなかった。
試合結果
2026.9.5
プレミアリーグ 第3節
ニューカッスル 2-2 ボーンマス
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:37′ バーンズ, 88′ ラムジー
BOU:9′ タヴァニア, 35′ ティアウ(OG)
主審:ロベルト・ジョーンズ
ブレントフォード【5位】×サンダーランド【11位】

質実剛健なぶつかり合い
スタイルに沿った粘り強い戦いがここまでできている両チーム。序盤はサンダーランドのポゼッションから。広がるCBがまずはブレントフォードのプレスの様子を見に行く。
ブレントフォードは外切りでのハイプレスから対応。SBも縦にスライドしてチェックに行くなどハードでタイトにプレスに出ていく。
詰まりそうになったらロングボールを蹴っていくサンダーランド。ダンソを活かしてのバラードというセットプレーから試合を動かしたかに思えたが、これはわずかにオフサイドとなり、得点は認められなかった。
それでも攻撃において自信を深めたサンダーランド。左右に相手を広げながらダンソがインサイドに縦パスやキャリーを仕掛けていくなど、かなり積極的な形からチャンスを作っていく。
インサイドにポイントを作れた後は左右に散らしながらチャンスを作るサンダーランド。左の大外に立つアングロからル・フェやヘイニウドのオーバーラップからボックスに進んでいく。マイナスのジャカからのクロスも含めて、左サイドから勝負を仕掛けていく。
一方のブレントフォードはサンダーランドのインサイドへのトライをカットしたところからのカウンターでスタート。自陣からのポゼッションにおいてはマンツー色の強いサンダーランドに対して降りるダムズゴーから打開を探っていく。
サイドでもプレスとの駆け引きをしていたブレントフォード。ルイス-ポッターがインサイドに絞ることで大外のシャーデへの動線を空けたり、逆にフリーのカヨーデから一気にボールをキャリーするなど、相手がタイトについてくるところも浮くところもうまく活用していた。
抜本的な改革が必要か?というほど前半のブレントフォードが悪かったようには思えないのだけども、後半頭にアンドリュースは3枚交代を敢行。サンダーランドのハイライン勝負にもう1回ポゼッションからリカバリーに挑んでいく。外を回しながらインサイドに入ってくるルイス-ポッターがアクセントになり、サンダーランドはブロックの中に穴を空けてしまった感がある。
先制点は先に交代で動いたブレントフォード。サイドが空いたところからの早めのクロスのセカンドボールを回収したヤネルトがミドルシュートを叩き込む。
ビハインドとなったサンダーランドは2トップに移行。インサイドに当ててサイドに散らす形からゴールを狙っていく。
直線的な攻撃に関してはブレントフォードが3人で攻撃を完結して追加点を奪ったかと思われたが、アンソニーがファウルを取られて無効に。難を逃れたサンダーランドが攻め続けたのが実ったのは終盤。ファーサイドのルイス-ポッターがイシドールを倒してPKを与えてしまう。
このPKを仕留めたのはル・フェ。らしい粘りを見せたサンダーランドが勝ち点1を確保。締まった好ゲームは痛み分けに終わった。
ひとこと
質実剛健な両チームらしいぶつかり合いだった。
試合結果
2026.9.5
プレミアリーグ 第3節
ブレントフォード 1-1 サンダーランド
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:57′ ヤネルト
SUN:82′(PK) ル・フェ
主審:トーマス・ブラモール
ノッティンガム・フォレスト【15位】×トッテナム【20位】

攻めあぐねで時間を溶かすスコアレス
ここまで勝利を手にすることができていない両チーム。昨季は共に残留に苦労した相手を蹴り落とし、今年は同じ思いをしたくない!というのが両チームの本音だろう。
序盤に仕掛けたのはトッテナム。CBが幅を取ってGKを挟み、ショートパス主体の前進を狙っていきたいフォレストに対して、高い位置からのプレッシングで敵陣から圧力をかけていく。
構造自体がよく練られたものという感じは正直しないのだけども、強度の面でフォレストを慌てさせることには成功したトッテナム。メリハリをつけること自体に目的を持たせた形となった。
対するフォレストは5-4-1のミドルブロック。5-4のラインはピッチを均等にカバーするような横幅の取り方で、縦方向はコンパクトという感じの仕上がりだった。
トッテナムはサイドから突っつく形を探っていく。サヴィオ、テルという両翼にボールを渡しながらクロスからチャンスを作っていく。
しかしながら、どちらかと言えばチャンスは手数をかけずにパパッと終わらせる形の方が有力。ポロ→マルムシュの一発の裏抜けからゴールを脅かす。
試合は徐々にトッテナムのプレスが弱まっていったため、交互のターン制のポゼッションの様相を呈する。しかしながら、フォレストのチャンスも縦に速いカウンターから。大外レーンのニコ・ウィリアムスの抜け出しや、デラップのポストから一気に縦に抜けたギブス=ホワイトからトッテナムのDFをダイレクトに攻め込んでいく。
しかし、試合はスコアレスのまま。同点でハーフタイムを迎える。
後半の頭にポゼッションしたのはトッテナム。フォレストは陣地回復のきっかけを掴むことができないまま一方的に押し込まれていく。
だが、即劣勢に繋がったかは微妙なところ。後半頭のトランジションからのサヴィオを使った攻撃はともかく、以降のポゼッションからはなかなか有効打を打つことができず。ファーサイドへのクロスは今ひとつ合わず、ブロックを崩す決め手にはならなかった。
60分過ぎにようやくボールを持つ機会を得たフォレスト。こちらも右サイドからファーサイドにクロスを上げていく形。機会自体は少なかったが、ボールさえ持てればこちらの方が期待感があるように見えた。
マカティーからインサイドをこじ開けたパスワークで最後はニコ・ウィリアムスがネットを揺らすシーンも。これは押し込む最後のところでハンドを犯してしまい、惜しくもゴールは認められなかった。
終盤はもう一度ボールを持ち直したトッテナムだったが、効果的なシュートを打つことができず、押し込むところから先には進めないまま。結局試合はそのまま終了。今季初の勝利は持ち越しとなった。
ひとこと
攻めあぐねたまま時間を溶かした両チームだった。
試合結果
2026.9.5
プレミアリーグ 第3節
ノッティンガム・フォレスト 0-0 トッテナム
ザ・シティ・グラウンド
主審:クレイグ・ポーソン
マンチェスター・シティ【1位】×コベントリー【17位】

ノルマを掴む逃げ切り
王座奪還を狙うシティは開幕2連勝スタート。2連敗で昇格組の中で唯一未勝利のコベントリーとは対照的なシーズンの序盤戦となっている。
まずはボール非保持から入ったコベントリー。5-4-1できっちりと陣形を組むことで相手の保持を受ける構えだ。機を見たハイプレスでドンナルンマを脅かすシーンもあったが、こうしたシーンは稀。基本は相手にポゼッションを許しながら、サイドに狭く圧縮できる場面を狙っていく。
シティは3-1-6のような布陣からポゼッション。アンカー役のアンダーソンは中央に鎮座する代わりに、動き回るのはデッドラインデーに加わったエンソ。主に右サイドに流れることで+1となりながら攻撃を活性化する。
前半はシティのチャンスが多かった。ハーランドの抜け出しに加えて、フリーマンやエンソのキャリーから前進。徐々にコベントリーに失点の危機を突き付けていく。
こじ開けるきっかけになったのは前半から存在感抜群だったエンソから。右サイドの縦へのセメンヨの抜け出しを誘発すると、ここからの折り返しをハーランドが仕留めてスコアを動かす。
ロングボール主体ながら前進のきっかけを掴むことができなかったコベントリー。失点しても一方的に殴られる構図を変えることができないまま。ハイプレスから相手のボールを奪うことができず、シティのポゼッションによるモノトーンな試合展開を動かすことができない。
一度アウォニィがカウンターからあわやというシーンを作るが、狙いが定めやすかったこともあり、あっさりとボールを奪って終了。エンソとセメンヨが存在感を発揮した右サイドからシティが一方的に殴り続けるままハーフタイムを迎える。
後半もペースはシティ。サイドから突っついていくフェーズは続き、延々とボールを回していく。
コベントリーは縦に速い展開を狙うが、メイソン・クラークが前を向いて加速する機会は作れず。前半と同じ停滞に直面する。
やや試合の流れが変わったのは交代選手が入ってから。チャウナの馬力が出て、右サイドから縦への鋭さが出たところから少しずつコベントリーは反撃のきっかけを掴んでいく。
ボックスの中ではシムズがヘディングから決定機。スピード&パワーという反撃の舵の切り方を見ると、坂元に出番がないのは妙な納得感がある。
シティは反撃を受けても最後のところを凌ぎつつ、中盤をブアディで補強して保持局面を制御することに注力。交代選手でコベントリーが反撃攻勢に出てからは主導権を握り切れなかったが、淡々と時計の針を進めることには成功。ノルマとなる勝ち点3の確保には成功した。
ひとこと
コベントリー、勝てない現状から少しずつ方向性の整理に入った感じがする。
試合結果
2026.9.5
プレミアリーグ 第3節
マンチェスター・シティ 1-0 コベントリー
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:26′ ハーランド
主審:ポール・ティアニー
フラム【16位】×クリスタル・パレス【18位】

有史で最もオープン
共に新監督のもとでスタイルの変革を図っている両チーム。特にハードな形に変化しているのはフラム。相手の3バックに合わせるようにSHはジャンプ、後方のSBも躊躇なく縦にスライドするなど、プレッシングのアグレッシブさが際立つスタートに。
パレスはまずは横断してこのプレスを逃すアクション。インサイドのポストワークからサイドの裏を狙っていく。このサイドの出口となるパスを出したのは鎌田。パスを出した後に自身がフィニッシャーになるケースもあったが、これは半歩だけオフサイドにより認められず。このシーンでのアシストパスとなったピノのクロスも非常に試合を通して冴えていた。
フラムはボールを奪ったところからシャープに進んでいく立ち上がり。ビルドアップにおいては自陣の左サイドから前進を狙っていく。ロビンソンはビルドアップに絡まずに大外に。バッシー、イウォビと旋回しながら敵陣に入っていく。
先制点はトランジションから。チャールズのインターセプトからの折り返しをキングがシュート。このボールがディフレクトしてフラムが先制ゴールを生み出す。
先制してもプレスを緩めることはしないフラム。一方のパレスは追いかける展開となったのでプレスを強化。試合はここからかなりオープンな展開に。共に同数許容のハイラインの相手の背後をどのように破るか?というところに争点が移っていく。
ハイプレスに関してはどちらもツッコミどころはあり、相手を逃すケースもしばしば。先制点を奪ったキングが個人単位では目立っていたが、ワンサイドに追い込もうとする動きを中央のポストから左右に逃すという構造的な逃し方にはパレスの方が有力だった。
パレスの同点ゴールはまさにその形。エンケティアの逆サイドへの展開から浮いたミッチェルが豪快なシュートを仕留めた。
しかし、フラムもハイプレス破りから反撃に成功。サイドをずらしながら前進し、リチャーズを引っ張り出したところをキングで破壊。最後はパラシオスが仕留めて再びリードを奪う。
後半も展開は落ち着かずにハイプレスの応酬。スコアに関わらず、とにかくアグレッシブな形から行ったり来たりという流れは後半も健在。
その流れで次にハイライン破りに成功したのはクリスタル・パレス。左サイドから駆け上がったミッチェルがピンボール気味となったシュートを最後に仕留めて、この日2つ目のゴールを決める。
ここからはパレスがラインを下げたこともあり、フラムのポゼッションに試合は移行。ボックス内で反転するなど、相手を外せる素振りも見せることができるように。
しかし、ヘンダーソンの好守にも阻まれて苦戦していると、逆にパレスはワンツーから右サイドのハイライン破りに成功。最後はミッチェルから左WBを引き継いだチルウェルが仕留める。
壮絶な撃ち合いとなったロンドン・ダービーはパレスに軍配。逆転負けとなったフラムはこれで開幕3連敗となった。
ひとこと
有史で一番オープンなフラム×クリスタル・パレスだった可能性がある。
試合結果
2026.9.5
プレミアリーグ 第3節
フラム 2-3 クリスタル・パレス
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:11′ キング, 42′ パラシオス
CRY:35′ 54′ ミッチェル, 77′ チルウェル
主審:サム・バロット
ブライトン【9位】×リーズ【8位】

縦への速さを受け止めて反撃
序盤からダイナミックなロングボールの応酬となったこの試合。左サイドに流れるキャルバート=ルーウィンという具体的なターゲットがいるリーズの方がこの流れにはうまく入ることができた。
オカフォー、グズムンドソンなど左サイドを中心にブライトンの高め設定のラインをブレイクすることにも成功したリーズ。ラインを動かす意識をセットプレーでも応用。キャルバート=ルーウィン、田中、ボーグルと繋いで15分に先制ゴールを奪い取る。
スライドしながらハイプレスを敢行するリーズに対して、ブライトンは横断しながら左サイドを出口にすることで応戦。デ・クーパーからのクロスを仕上げとする攻撃に出ていく。
しかしながら、直線的な鋭さに欠ける分、リーズほどの攻撃の推進力を出すことはできず。それよりは地道にプレス回避から相手の背中を取っていく形で徐々に主導権を取り戻す。相手のプレス隊の背中に位置することが多かったダンクのキャリーから左サイドを少しずつ侵食。
左サイドには開幕から調子の良いパフォーマンスを続けているヤルクエがサポートに。抜け出すアクションをサイドで作ることが安定するようになってくる。
トランジションでは1つ上の破壊力を見せていたリーズが序盤からしばらく主導権を握り、スコア上でも優位。しかしながら、ブライトンが左サイドからの前進のルートを安定させることで少しずつ試合の支配力を取り戻していった。そんな前半だった。
後半は前半の終盤に近い展開。プレスの応酬といった前半の立ち上がりのような迫力のある場面は少なく、ゆったりとしたスタートに。
そうした中でセットプレーから追加点のチャンスを掴んだのはリーズ。シュタハがこぼれ球から決定機を迎えたシーンに続き、抜け出した田中がネットを揺らす。だが、これはわずかにオフサイド。絶好の追加点のチャンスを逃してしまう。
安定した保持で時計の針を進めるリーズに対して、ブライトンは60分が過ぎたあたりから徐々に保持に注力しながら押し返すことに成功。すると、セットプレーからファーで競り勝ったヴシュコヴィッチが同点ゴールをもたらす。
このゴールで流れを掴んだブライトン。トランジションからヤルクエを中心に逆転ゴールを狙っていく。終盤にはプロミス・デイビッドも入れることで前線の高さを強化。サイドに流れてしまうなど、いまいち味方との呼吸は合わなかったが、攻め込む局面のホールドには成功する。
終盤にはグロスが決定機を迎えるが、このシュートを仕留めることはできず。最後はリーズに勝ち点1を持ち帰られる形での痛み分けとなった。
ひとこと
ヤルクエ、なかなか凄まじい存在感。
試合結果
2026.9.5
プレミアリーグ 第3節
ブライトン 1-1 リーズ
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:71′ ヴシュコヴィッチ
LEE:15′ ボーグル
主審:スチュアート・アットウェル
ハル【3位】×アストンビラ【19位】

自信をつけて3戦無敗に
ここまで2試合連続クリーンシートでの勝利と抜群のスタートを決めているハル。対するは例年のスロースターターぶりに負傷者で拍車がかかっているアストンビラだ。
ハルは5-4-1のローブロックを構築。アストンビラはどのようにナローなスペースを壊しにいくか?というのが問われる展開となった。ギャップに入るのがうまかったのはヘミングス。ハルのSH-CHの間で受けて前を向くケースが多かった。
撤退守備を組んでいる相手に攻め筋があるというのは相当保持側にとっては好材料。このまま行きたい!というところなのだけども、それを阻害した感があるのは非保持面。SHを低い位置に下げる6バックのような形での守備によって、ハルのバックラインにはプレッシャーが全くかからず。
ここまでのハルは勝ちながらもマクバーニーが前進のターゲットになれないと苦しいという側面も出していたので、そこにプレッシャーをかけられなかったのはアストンビラのしんどいところ。WBをきっちりケアする!というならそれまでだし、そうなると支配力が下がってくるのは必然。さらには結局埋めているサイドもハルに破られてしまうケースもあり、色んな意味で中途半端な非保持となった。
それでも前がかりにプレスに来たハルをロングボールで寸断できるあたりはさすがのアストンビラ。押し込む局面に入ればある程度の時間は攻めるアクションを続けることはできていた。
オープンな流れからジャクソンやヘミングスがチャンスを迎えるが、アストンビラは仕留めきれず。逆にハルもワンチャンスのセットプレーに賭けるが、鈴木が問題なくハイボール処理ができることを証明する機会を与えてしまっただけという感じだった。
スコアレスで迎えた後半。ハルはミドルブロックをキープしながら前半頭よりは少し高い位置からアストンビラを阻害しにかかる。しかし、これはアストンビラが押し下げに成功。ゆったりとした保持にギャップに入るヘミングスを掛け合わせてローブロック攻略を狙っていく。
ハルも右サイドにボールを集めながら左のジャイルズに大きく展開。早めのクロスからボックスに入っていくなど、前半とはまた少し違った攻め筋でゴールに迫っていく。
アストンビラは選手交代で勝負をかけていきたいところだが、むしろ突き抜けられない感が顕著。それどころかフル出場のジャイルズに交代選手がサイドで走り負けてしまうなど、少しジリ貧感が目立った。
試合は結局スコアレスで決着。勝ち点1を分け合う結果となった。
ひとこと
ハル、自信をつけているんだなと実感する内容だった。
試合結果
2026.9.5
プレミアリーグ 第3節
ハル 0-0 アストンビラ
MKMスタジアム
主審:マイケル・オリバー
エバートン【7位】×マンチェスター・ユナイテッド【10位】

特大インパクトの自己紹介
デッドラインデーでは駆け引きに失敗し、FWの補強は叶わず。トップチームでのCFはバリーただ一人という状況で残りのシーズンを戦うこととなったエバートンである。
いきなり試合はマグワイアの頭部の負傷でスタート。一時は10人となったことでエバートンがゆったりとボールを持つ展開で始まることとなった。
エバートンはGKを絡めながら自陣からショートパスで繋いでいく。左サイドからエンベウモを手前に引き寄せつつ、その背中をジョージで取る。
ジョージ自身が旋回、もしくはダイレクトに落とす人がいるかどうかという設計で出口を作ることができるか勝負。そうした賭けに序盤はかなり勝っていた。
非保持においてはいつも通り、ガーナーとアームストロングのところでボールを取り切りたいエバートン。しかしながら、必勝パターンに持ち込むには障壁が多い試合。早々にアームストロングが警告を受けてしまったのが1つ。もう1つはCHが前がかりに出て行こうとした時に、クーニャやエンベウモが背中を取るように縦パスをレシーブすることを狙ったこと。
敵陣に入っていくユナイテッドだが、少し仕掛けは早め。もう一手二手かけたいところでシュートを打つケースが散見された。
それでも左サイドのラッシュフォードは違いを時折見せることでミドルからあわやというシーンを演出。だが、ネットを揺らすことはできないまま。エバートンもレールが右の外からトランジションに出ていくが、こちらもユナイテッドの守備は間に合っていてチャンスには繋がらなかった。
前半ジリジリしていた展開は後半早々に嘘のように決着。インサイドに入り込んだエンベウモのミドルで先制。ドリブルに対するリアクションが遅れてしまった感があった。
返さなくてはいけないエバートン。だが、エバートンの左サイドの仕掛けに対するユナイテッドの守備者は少し遠さが気になるところ。ジョージはのびのびと仕掛け、ハーフスペースを抜ける味方との連携で大外を抉る。
時間の経過とともに左サイドのマークがタイトに。そのタイミングでグリーリッシュというのはなかなかにニクい。ユナイテッドの守備のロストの多さも相まって、この時間はエバートンペースだと言っていいだろう。
押し込む機会が増えたエバートンは右サイドのジョージが強烈な一撃で同点。鋭くニアを撃ち抜くシュートで追いつく。
ショウの高精度クロスからの88分のシェシュコの勝ち越しゴールはこの試合を決めるのに十分なものかと思われた。しかし、この日のヒル・ディッキンソン・スタジアムにはそれ以上の決め手が。実質ラストプレーで見事なゴールを叩き込んだのはメイトランド=ナイルズ。緊急出場となったデビュー戦でホームのファンに特大の自己紹介に成功。エバートンは勝ち点1を最後の最後で掴み取った。
ひとこと
ちょっと最後のシュートは凄すぎて言葉がないね。
試合結果
2026.9.6
プレミアリーグ 第3節
エバートン 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
EVE:83′ ジョージ, 90+6′ メイトランド=ナイルズ
Man Utd:47′ エンベウモ, 88′ シェシュコ
主審:ジョン・ブルックス
アーセナル【2位】×チェルシー【4位】

ダメージにも動じない逆転勝利
レビューはこちら。

連勝同士で迎えたロンドン・ダービーはいきなり試合が動く立ち上がり。アーセナルへの移籍の噂があったロジャーズが敵地で先制点を奪うという、チェルシーにとっては最高にダメージを負わせるスタートとなった。
しかし、アーセナルは落ち着いて立て直した感がある。4-4-2で受けようとするチェルシーを徐々にミドルブロックから自陣側に押し下げていくと、右サイドからの連携で少しずつギャップを生み出していくように。
序盤のセットプレーの連打はなんとか凌いだチェルシー。しかし、ジョアン・ペドロへのロングボールを軸とする速攻はなかなか刺さらず、押し込まれ続ける時間を回避することはできない。
アーセナルは再三続けた右サイドからの攻撃で同点ゴールをゲット。ハヴァーツのカットインという非常に珍しい形から追いつく。
以降も押し込むアーセナルが試合のペースを握る。ナローなスペースを攻略するための浮き球の使い方、オフザボールのシャープさなどはチェルシーのそれと比べても今の段階では一段上。押し込みながらさらなるゴールを狙い続けて前半の残りの時間を過ごす。
後半、チェルシーは高い位置からのプレスに出ていくことでアーセナルを牽制。アーセナルはプレスをうまく活かしながら押し返すことに成功。
前半の押し込む局面が安定してきた時間から徐々に優位を見せてきたツォリスが2点目をお膳立て。対角パスを引き取ると、カットインからウーデゴールへの華麗なアシストを披露。この試合で再三見せていたハヴァーツのスルーが実を結び、アーセナルがこの試合で初めて前に出る。
チェルシーは少しずつ押し込む時間を作れるようにはなるが、ブロック攻略にアバウトさが出てしまい、なかなかボックス内に入り込めず。サイドの裏を抜けてもCBに落ち着いて跳ね返されるシーンが続く。
アーセナルも逆にカウンターを仕留めきれずに苦しい時間が続くが、ブロック守備が安定している分、特に焦る様子はなし。攻めあぐねるチェルシーを最後までコントロールし続け、逆転での3連勝を果たした。
ひとこと
早々の先制点にもバタバタしない貫禄の勝利だった。
試合結果
2026.9.6
プレミアリーグ
第3節
アーセナル 2-1 チェルシー
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:25′ ハヴァーツ, 50′ ウーデゴール
CHE:2′ ロジャーズ
主審:クリス・カヴァナー
今節のベストイレブン

