Fixture
明治安田 J1百年構想リーグ プレーオフラウンド 第1戦
2026.5.30
サンフレッチェ広島(4位/8勝4分6敗/勝ち点30/得点29/失点21)
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川崎フロンターレ(4位/7勝4分7敗/勝ち点28/得点23/失点27)
@エディオンピースウイング広島
戦績
近年の対戦成績

直近5年間の対戦で広島の2勝、川崎の4勝、引き分けが4つ。
広島ホームでの戦績

直近10戦で広島の2勝、川崎の6勝、引き分けが2つ。
Head-to-head
- 直近5試合でどちらのチームのクリーンシートもないカード。
- 直近4試合ではいずれもホームチームの勝利がない。昨年はアウェイチームが共に1-2で勝利。
- 通常レギュレーションのリーグ戦を除いての対戦は2012年のJリーグカップ戦以来。2レグ制で言えば2011年のJリーグカップの1st roundで対峙しており、この時は2試合合計スコア5-3で川崎が勝ち抜け。
- 川崎は広島とのアウェイゲームで直近13試合無得点試合がない。
スカッド情報
- 塩谷司
- 荒木隼人
- キム・ジュソン
- トルガイ・アルスラン
- 越道草太
- 大迫敬介
- 紺野和也(左ヒラメ筋肉離れ)
- 佐々木旭(?)
- エリソン(?)
- 家長昭博(右腓腹筋肉離れ)
- 大島僚太(?)
- 谷口栄斗(左ハムストリング肉離れ)
- 山市秀翔(右鎖骨下静脈血栓症、右胸郭出口症候群)
- 小林悠(左ヒラメ筋肉離れ)
予想スタメン

Match facts
- 3試合勝ちがないあと、今季初めての3連勝。
- ホームでは直近5試合負けがない(W3,D2)
- 東俊希は百年構想リーグで7つのアシスト。中山克広と並んで最多タイ。
- 走行距離は中野就斗の166.4kmが最多。リーグ全体の39位であり、2025年シーズンはこの順位までに3人の広島の選手(佐々木翔、ジャーメイン良、川辺駿)がランクインしていた。1試合平均の走行距離は両リーグの中で最下位。
- xGの合計値は33.5。両リーグの中でトップ。
- 川辺駿は川崎相手に3得点を決めており、キャリアにおいて清水と並び最も多くの得点を挙げている相手。1得点にかかる時間は282分で、これより少ないのは長崎(274分)だけ。
- 水戸戦ではアウェイでの3連敗と3試合連続の無得点をストップ。
- 先制した6試合は全て勝利を挙げている。
- 一度でもリードを得た試合で勝利を逃したことがないチーム。勝てていない11試合ではリードシチュエーションがない。
- 終盤15分の得点が10で全体の43.5%。
- 脇坂泰斗は9つのゴールに関与。東地区でこれより多いのはレオ・セアラ、鈴木優磨、谷村海那の3人だけ。
- 持山匡佑は前節ハットトリック達成。川崎としては開幕節のエリソン以来のハットトリック達成。いずれの記録も1得点目から3得点目までが30分以内に集約されており、前半と後半の片方で固め打ちしている。
予習
第16節 G大阪戦

第17節 京都戦

第18節 名古屋戦

展望
3試合で考えるガウルサンフレッチェのカラー
東京Vの大失速により、まさかの4位で百年構想リーグを終えることとなった川崎。迎えたプレーオフラウンドで対戦するのは広島。まずは敵地で1st legを迎えることになる。
百年構想リーグによって完全に浦島太郎状態のWEST。ガウル監督が率いる広島の試合は3つだけチェックした。3連勝を決めている直近の試合がサンプルとなる。
ベースのフォーメーションは3-4-2-1で全く同じ。強度を重要視するという大枠もそこまで変わっていない。個人的には大きな箱はそのままに、「昨季よりもあらゆることができるようになりましょう!」というのがこの広島のテーマに見える。
縦に速く、上下動を繰り返して攻守の切り替えをとにかく増やすという以前のコンセプトに比べると、バックラインから幅を使ったり、あるいはインサイドにボールを差し込んだりするなど、ポゼッションの要素は強まっているように見える。この3試合では、膝を痛めた荒木に代わって中央のCBとして起用されている山﨑の対角パスが幅を取る助けになっている。
左右のWBはやや高さが異なる印象。左サイドの東は高い位置に張ることが多い反面、右の中野は上下動をしながら揺さぶる形も見せる。攻略の形も右サイドの方が人数をかけた攻撃が多めというテイストの違いがある。枚数をかけて抜け出す選手を使うというところも前政権から感じる違いであり、名古屋戦では右サイドの揺さぶりが2点目と3点目の大きなきっかけになっている。
ボックス付近で攻め筋を探る上で重要な役割を果たしているのは川辺。サイドのフォロー、ボックスへの突撃、ミドルなど、浮いているエリアに顔を出し、かつできることの幅も広い。局面の最後に登場し、仕上げを行うことができるのが彼の強みだ。
ワイドのCBの塩谷やCHの新井からは、キャリーや縦パスなどインサイドを覗くアクションも見られる。CFの鈴木は高さを変えながらポストプレーを引き出していく。シャドーもWBと同じで高さは左右で異なる。加藤は高い位置をキープしている反面、中村は縦に揺さぶるアクションが多い。
広島の全ての攻撃の中でも中村のスピードを活かした抜け出しは最も威力が高い。トランジッション局面やサイドの崩しの両面で、常にオフザボールでのアクションを探っている中村をポジトラと組み合わせる形は守備側にとって警戒が必要だ。
守備は以前より強引なマンツーは減った印象。名古屋戦のように同じフォーメーション同士のミラーであればもちろん噛み合わせることもあるが、4バックなど異なるフォーメーションの際は枚数を合わせるところまではいかない試合もある。
その中で強度もきっちりと押し出すことができるのが広島らしさでもある。プレスバックや二度追いなどを前線の選手たちがサボらないことで、保持側に圧力をかけることができている。強度を維持しつつ、攻守に安定感のある試合運びという引き出しを探っているのが今の広島のテイストだと言える。
想像を超えてくるFWの人選になるか
もちろん、川崎としては強度で簡単に負けたくはないという話になるのだが、3試合前に広島と対峙した京都は典型的な川崎の負けパターンとして考えられる形だった。遅れたハイプレスで相手にパスコースを自ら示してしまったり、あるいは個々人が部分的に最適と考えたであろうタイミングでプレスをかけた結果、チームとしてより重要なスペースがガラ空きになってしまったり。後半に見られたフィフティーのボールに延々と負け続ける形もここに分類できるかもしれない。真っ向からぶつかりにいくと、こうした負け方をするということは今季の川崎であればあり得る話だろう。
基本的にはフォーメーションが噛み合わない相手との対戦なので、ハーフスペースをどう埋めるか。また、ハーフスペースに届ける手前のところで、いかに相手の選択肢を制限できるか。名古屋はかなり個々人の距離が遠く、ミドルシュートも含めてホルダーの選択肢を制限することができなかった。
以前よりも手数をかけた攻略をやってくるチームなので、こちらとしても細かい対応が求められる。一番ゴールに近いルートを防いだ上で、相手が選択肢を選べる状況なのかどうかは重要なポイントとなる。右サイドのWB、シャドー、CH、CBによる枚数をかけた攻撃、そして左サイドの中村の抜け出しに対して、どこまで選択肢を絞り切れるかが川崎にとって大事な部分だ。
もう1つ気をつけたいのはボールの失い方。ミドルゾーンでロストした時に相手のポジトラを許す形になると中村を捕まえる難易度が一気に上がってしまう。サッカーは失敗のスポーツだから、「完全にパスミスをなくしましょう!」というのはさすがに無理筋だとは思うが、フリーの状況で簡単にパスをずらして相手にボールを渡すという川崎の悪癖を咎められやすい相手であることは頭に入れておくべきだ。
保持からの攻略に関しては、DFラインの手前と背後で脅威になれる選手が欲しいところ。ビルドアップのフェーズで中盤やサイドに浮く選手ができるという条件付きだが、G大阪のヒュメットや南野の抜け出しはオープンな形を創出できていた。名古屋の木村のように強引に体を張ってファウルをもぎ取る動きも有効だ。
荒木がいないこともあるだろうが、強度押しのチームではなくなった分、ゴリ押しに対する耐久性は広島比ではやや目減りした印象。ボックス内のクロス対応も、質の高い抜け出しができる山岸を簡単に逃がすなど怪しい場面はある。しかし、クロスでマークを外したところから得点というのはあまり川崎の得意パターンではない。やはりビルドアップのフェーズから相手のDFラインに揺さぶりをかける方が賢明に思える。
そういう求められるFW像としてはエリソンが一番フィットしそう。だが、当然ながらチームの流れとして考えるのであれば、ここは持山をスターターから見たいよねということにはなると思う。その場合は想像を超えてくるプレーを彼が見せることができるのかがポイントになってくるだろう。
怪しいところを見せればきっちりと咎められるレベルの相手。そういう意味では、プレーオフでの広島との180分はもどかしい18試合で川崎がどこまで到達できたのかをチェックする試験のような時間になるのかもしれない。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)
