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「兆しを広げる作業」~2026.8.15 J1リーグ 第2節 川崎フロンターレ×京都サンガF.C. プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第2節
2026.8.15
川崎フロンターレ(10位/0勝1分0敗/勝ち点1/得点1/失点1)
×
京都サンガF.C.(14位/0勝0分1敗/勝ち点0/得点1/失点2)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近の対戦で川崎は4勝、京都の3勝、引き分けが3つ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の6勝、京都の3勝、引き分けが1つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近5試合で川崎は京都に勝てていない。
  • 直近6試合でホームゲームの勝利がないカード。最後のホームチームの勝利は2022年10月の等々力。谷口彰悟、橘田健人、マルシーニョの3得点で勝利。
  • 直近3試合のこのカードにおける京都の勝利は全て1-0のスコアライン。
  • 直近5試合のホームの京都戦において、川崎が勝ち点を取ることができた3試合はいずれも川崎が3得点を挙げている。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • 小林悠(?)
京都サンガF.C.
  • 永田倖大(?)
  • マルコ・トゥーリオ(左長内転筋腱断裂)
  • 米本拓司(左足第五中足骨骨折)

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 直近6試合において勝利したのは1試合だけ。アウェイの水戸戦。
  • 直近5試合のホームゲームで3得点以上を記録することができていない。
  • 先制点をとった試合は6連勝中。先制点を奪って最後に勝ち点を落とした試合は2025年11月の広島戦。
  • 関西のチームとの対戦は直近5試合未勝利。最後の勝利は2025年5月のC大阪戦。
  • ホームでのリーグ開幕戦は直近3年でいずれも4得点以上を記録している。
  • 8月の試合は直近4試合無敗(W2,D2)
京都サンガF.C.
  • J1での昇格以降、5試合のアウェイでの開幕戦で未勝利(D3,L2)
  • 直近11試合での勝利は2つだけ。
  • 直近7試合で引き分けがない。
  • 直近2つの勝利はいずれも1-0のスコアライン。
  • ランコ・ポポヴィッチ監督は等々力での2つの試合においていずれも無敗(W1,D1)。
  • しかし、ポポヴィッチは長谷部監督のチームに対しては過去3試合勝ちがない。アウェイでの2試合はいずれも未勝利。

予習

第1節 長崎戦

展望

出口の手前の色付けが未整備

 開幕戦では劇的な形で追いつくことに成功した川崎。ホームでの初陣となる第2節はアウェイ連戦となる京都との一戦だ。

 ランコ・ポポヴィッチが監督に就任した京都の開幕戦は長崎に敗戦。個人的にはまだまだチームがどのようなスタイルに向かっていくのか?というところがあまりはっきりしていないように思えた。

 昨季であれば、もちろん強度勝負というのが前提。前からのプレスで追い回す形から止まらず守備から仕掛けていく。しかしながら、今季はより構える形が増えた印象。4-4-2で構えて、ジリジリと相手を追い詰めるような形に舵を切りたいのだと思う。

 だが、長崎戦では相手が3バックということもあり、3人目のビルドアップ隊に誰がいつ出ていくのか?というところがはっきりしなかった。さらに悪いことに、思い切って出ていった際にはあっさりとサンタナのロングボールで逃げられてしまうなど空振りも目立ってしまった。

 ボックス内での対応の甘さも気になるところで、長崎はこの甘さを生かして得点を重ねていった印象である。守備には、思い通りにいかない時間を耐える意味合いと、ボールを持たない状況から得点を取りにいくきっかけを作る意味合いがあると個人的には思っている。

 奪いにいくことでそのまま攻撃につなげたいのか、耐えるところは耐えてロングカウンターを狙うのか。あるいは、そもそもボールを持つことで守備の時間を減らすのか。今の京都はまだ、どういう風に守備の時間をコーディネートしたいのかは読み取れなかった。キジェ時代に比べて、落ち着いて試合を進めたいというのだけは確かだろうけども。

 攻撃においては縦に速い少人数での攻め筋が結果的には一番効いていた印象。特に後半、ソウザが入って以降は右のハーフスペースでの裏抜けの頻度が明らかに増加した。ただ、ここも第一目標として縦に速い攻撃を仕掛けていきたいのか?と言われると微妙なところ。ポゼッションの最中にCBがコントロールミスしたことが早々の失点につながっていることもあり、ゆったりとした保持は使いにくかったかもしれない。

 しかしながら、縦に一度パスを入れてからは一気にスピードアップしたい傾向があるのは確かだろう。長崎戦では新井への縦パスが入るとそこから一気にラインの裏に進んでいくようなプレーが多かった。

 正直、ボールを敵陣まで運ぶ過程に関しては正確性に欠けるきらいがあるが、ボックス付近まで持っていくことができればエリアスで勝負ができるのは大きい。開幕戦では厳しい体勢から反撃の狼煙となるゴールを挙げている。機会さえ作ればボックス内で仕留める形は簡単に用意することができるチームだ。

 守備の色合い、ゆったりとしたポゼッションの重み付け、ボックスに届ける導線など未確定な要素があるのが開幕戦の京都。特に一番最後の項は整ってしまえば、間違いなくその先のクオリティは保証されているだけに、早めに方向性を見せていきたいところだろう。

優勝争いのスタートラインに立つ条件

 川崎の開幕戦の位置付けはどちらかといえば京都と真逆。こうしたいのだろうなという方向性は見えたけども、どうやってこれで勝ちにもっていくか?の出口がボヤけている。こうしたい!という方向性に迷いがありながら、エリアスにボックス内で勝負を仕掛けさせて勝つという結末が決まっているのが京都である。

 ビルドアップにおけるオフザボールのサポートの質量の増加は明確に触れておきたい部分。やや距離が近すぎる傾向もなくはないが、基本的には動くことでパスを通すためのゲートを変えているので、相手の守備は狙いを定めにくい。

 ただし、そうした動きはビルドアップ局面に限定されており、アタッキングサードで相手を動かして攻略するというフェーズには至っていない。フリーズさせられてしまった局面において、対面を動かすことができるアタッカーは不在であり、ボックス内でも誰をターゲットにした攻撃を仕掛ければいいのかが定まってこない。

 開幕戦を見る限り、鹿島はファーの鈴木優磨を活かす折り返しを徹底していたことが大逆転劇につながっているなど、優勝を争うことができるチームはここの設計がとてもはっきりしている。もしくはセットプレーで押し切ることができる。言い換えれば、川崎が本気でタイトルを取りにいくのであれば、終点に近いところの攻撃のイメージを共有できることが最低要件。それができなければ、タイトルを争うスタート地点にすら立てないということになる。

 独力で突破をするWGは簡単には生えてこないが、今の川崎にはアタッキングサードでも活躍ができるSB陣はいる。山原、三浦、佐々木といった面々のオーバーラップを生かしたサイドアタックの構築が第一。その上で、ボックス内に複数人を飛び込ませる形を作りたい。上背はないので、SBの抜け出しが相手の守備ブロックを揺さぶることは絶対条件。その上で、浮いたスペースに速いクロスを送り込む。ここの設計を得点源にできるところまで磨く必要がある。

 さて、京都戦の話をする。京都の問題点は先述の通り、ハイプレスのスイッチがいまいち入らないこと。特に2トップ以外の3人目のプレス役が曖昧であること。川崎としては、まずはサリーしてもいい(開幕戦の川崎は一度重心を下げても回復することができていたので)から、相手のプレス隊の3人目が出てくるかどうか悩ましい状況を生み出すこと。ここが1つ目のポイントになってくる。

 ミドルゾーンでスピードアップできる状況を作ることができた後は、左右に散らしてSBを活かす攻撃設計の話に向き合うか、あるいはそこからもう一段縦の速い攻撃に向かっていくか。長崎戦の京都は、ハーフスペースを使われた際の守備のリアクションが一歩遅れる場面もあった。東京V戦で見せたビルドアップの列上げをアタッキングサードまで継続できるのであれば、SBが幅を取りながら内側のレーンを先に使う形は狙い目になりそうだ。

 縦に速いアクションについては、選手の特性に依存する部分も大きそうだ。エリソンがいれば、もう少しゴールに向かえただろうなというシーンも東京V戦ではちらほら見られた。ここはおそらく、ロマニッチ、ラセルダの外国籍CF2人のどちらかが役割を果たせるかに懸かってくるのだろう。

 守備に関しては、京都が低い位置から繋いでくるのであれば、ハイプレスから相手を牽制する構えは見せたい。SHのプレスのスイッチ役としての機能性やSBの後方のスライドなど、4-4-2ベースの流れから相手を狩りにいくマンツー仕様への変身はかなり滑らかになった印象。京都が開幕戦のようなトライを続けるのであれば、このプレスは刺さる可能性も有している。

 一方で、京都に敵陣までボールを運ばれた際にはハーフスペースへの対応が重要になる。先にも書いたように、長崎戦ではソウザ投入後を中心にこのレーンへの裏抜けが明確に増えた。川崎としてはSB、CH、CBの誰がランナーを捕まえるのかを整理したいところだが、厄介なのは裏抜けだけを見ていればいいわけではないこと。最終ラインが横に揺さぶられれば、中央にはエリアスが残っている。

 京都はボックスまで届ける過程にはまだ粗さがある一方で、最後はエリアスとのマッチアップに持ち込むだけで得点の可能性を作ることができる。川崎のCB陣がハーフスペースへのランニングをケアしながら横へのスライドを行い、なおかつ中央のエリアスとのマッチアップを制することができるかは大きなポイントになる。

 東京V戦のレビューでも述べたが、まずは開幕戦で見られた変化の傾向を継続できるか。その上で優勝争いのスタートラインに立つための材料をどれだけ集められるか。求められるのは兆しの輪郭をさらにはっきりさせる作業だ。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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