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「Catch up Premier League」~Match week 5~ 2026.9.18-9.20

目次

ブレントフォード【7位】×チェルシー【6位】

素晴らしい筋書きと指揮官の雄叫び

 リーグ戦ではここ2試合勝利がないチェルシー。ジョアン・ペドロという前線の核抜きでブレントフォードとのアウェイゲームに挑むという、代表ウィーク前のラストゲームは大きな試金石になりそうな試合である。

 前半は端的に言えば、保持側が互いの布陣のギャップを有効活用している試合だったと言えるだろう。チェルシーは左右のWBを出口として積極的なクロスを入れていく。ブレントフォードはプレスの位置を上げようとSHがポジションを取り直す分、布陣にズレが出やすくなっていた。アンソニーの前に出ていく意識を抑制することで後方の陣形を合わせていたが、その分チェルシーはゆったりとボールを持つことができていた。

 ブレントフォードもワンサイドカットを狙うチェルシーのプレスをかわしていくことで敵陣まで。CBをきっちりと浮かせてキャリーしつつ、サイドアタックに移行する。

 レーン交換で誰かを浮かせる意識が強いチェルシーのサイドアタックに比べると、ブレントフォードはきっちりと奥を取って揺さぶっていく形を積極的に採用。少ないタッチから抜け出す選手を作っていく。

 この点に関してはチェルシーの守備が非常に上手く対応しており、これまでの試合に比べると完成度が上がっているように見えた。光ったパーマーのプレスバックも含めて、これまでの試合よりも一段階上のパフォーマンスを見せることができたと言っていいだろう。

 アンソニーがラインを下げたことでチェルシーに保持の機会を譲ったブレントフォードだったが、トランジションからダムズゴーのキャリーを増やしていくことで、こちらも左サイドを中心に反撃の様相を見せていく。

 徐々に増えていくトランジションの中でパーマー、ネト、シャーデといったここまで好調な選手たちが鋭さを見せるが、守備側も負けじとこれについていく。スコアレスの中でも見どころのあるファーストハーフとなった。

 後半も前半と同じくアグレッシブにお互いが食らいついていく流れ。ブレントフォードはチアゴが左サイドに流れる機会を増やし、時間を作れるようになった分、ルイス=ポッターの攻撃参加時の存在感が増していく。

 一方のチェルシーはトランジションからのファストブレイクのチャンスを探っていくが、相手のCBの対応が素晴らしかったとはいえ、ウェルベックがなかなか高い執行力を見せられないのが辛いところ。右サイドからのダイレクトクロスや配球を行っていたヘンダーソンにも少し似たようなことが言えるようにも思える。

 そういうわけでジリっとペースを引き寄せたブレントフォード。左サイドを軸としたクロスで攻勢を強めていくと、得意なセットプレーで先制。ファーサイドの折り返しをフリーのアンソニーが仕留めて試合を動かす。

 ブレントフォードは徐々に前からのプレスを抑制。4-4-2で構えながらチェルシーを迎え撃つ。チェルシーも4-4-2にシフト。クエンダをサイドに投入し、前線はロジャーズとパーマーというダブル0トップのような体制だ。

 右サイドからファーサイドへのクロスを狙っていくチェルシー。だが、ブレントフォードのDF陣のボックス内でのクロス耐性が強く、効果的な形を生み出すことができない。そもそもダブル0トップでやることなのかという話もあるけども。

 ブレントフォードが虎視眈々と狙っているカウンターが完全に刺さったのは83分。ダムズゴーがDFラインを置いていくパスを出した時点で半分は勝負あり。マルティネスがセーブでわずかに望みを繋いだが、チアゴが無人のゴールに押し込んでその望みを握りつぶした。

 チェルシーから見ると、ヘンダーソンからCFへのギャンブルパスが潰されたところからのカウンター。ジョアン・ペドロが欲しかったなという試合を象徴するような失点の仕方に。

 最後は負傷明けのカルバーリョが得点を祝うという素晴らしい筋書きを実現したブレントフォード。沈黙のシャビ・アロンソを尻目に雄叫びを上げたアンドリュースの姿が、後半の両チームの姿をよく表していた。

ひとこと

 セットプレーで試合を動かして、そこからカウンターで得点を積んでいくというブレントフォードの振る舞いはもう強いチームのそれ。

試合結果

2026.9.18
プレミアリーグ 第5節
ブレントフォード 3-0 チェルシー
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:61′ アンソニー, 83′ チアゴ, 90+4′ カルバーリョ
主審:アンディ・マドレー

トッテナム【17位】×アストンビラ【19位】

初勝利と最下位という対照的な結末に

 ともに勝利がなく、ここまで苦しんでいる両チーム。長い3週間という代表ウィークの前になんとか初勝利を掴みたいところだろう。

 互いに積極的なプレッシングから敵陣に勝負を仕掛けていく立ち上がり。相手のプレスに苦しんでいたのはアストンビラ。CHが縦関係を形成しつつギャップを作っていくが、パスワークが不安定。低い位置でのロストからピンチを迎えている。

 ロングボールに関してもやや脱出が不安定。ジャクソンが出口になりきれず、プレッシャーをかけられた際の逃し先として定まらない。

 そうした苦しい状況を見事にカバーしたのが鈴木。高いセービング能力で相手の決定機をシャットアウト。相手に流れが行くのを抑制する。

 非保持におけるアストンビラはワンサイドカットからハイプレスを敢行。トッテナムはボールを散らしながらサイドの裏を出口として勝負する。ボールを逃しながら敵陣に入っていくところまでは安定していた。

 しかしながら、崩しの中での貢献度は高くとも、マルムシュやサヴィオはここで決定的な仕事ができない物足りなさを感じるところでもあった。そうした中でポロの負傷交代で入ったグレイがオフザボールでいい連携を見せていたのは好材料だった。

 アストンビラは徐々に左サイドのジャクソンを活かす形で前進の手段を確保。陣地回復の目処が立つように。不安定だった中盤のキャリーに関しても、ブエンディアやカマラのキャリーから少しずつ計算できるようになる。

 なんとか踏ん張っていたトッテナムだったが、最終的には前半の終了間際に失点。アバウトな放り込みに耐えることができず。ファン・デ・フェンが負傷で一時的にピッチを退いていたところで、つなぐプレーを判断したロバートソンがどうだったか。キンスキーとの連携も含めて拙さが見えた失点シーンだった。

 後半、追いかけるトッテナムはインサイドに当てつつWGからの仕掛けを探っていく。一方的に攻撃の主導権を握る後半の立ち上がりとなった。

 アストンビラは攻撃の機会を削られる立ち上がりとなったが、2トップを活かした速攻から反撃。前半に比べるとマンザンビの存在感が少しずつ出てきたのは朗報と言ったところだろう。

 試合のペースは攻撃機会よりも一発の攻撃の効果を重要視できていたアストンビラに流れていくように。ジャクソンが大きめなチャンスの2つ目を仕留めてリードを広げる。

 この2失点目でトッテナムは相当勢いを削がれることに。トランジションが死んでいるようなところからトドメの3点目を仕留められる。

 終盤に見せた2つのゴールが唯一の希望となったトッテナム。ようやく勝利を手にしたアストンビラと対照的に、まさかの最下位で中断期間を迎えることとなった。

ひとこと

 アストンビラ、ようやく前線の個人の力がハマってきた感じ。

試合結果

2026.9.19
プレミアリーグ 第5節
トッテナム 2-3 アストンビラ
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:86′ ギャラガー, 90+8′ ファン・ヘッケ
AVL:45+4′ マンザンビ, 67′ ジャクソン, 79′ ブエンディア
主審:サム・バロット

エバートン【9位】×イプスウィッチ【10位】

バタバタしつつもしたたか

 立ち上がりはデュエル色が強い流れでのスタート。肉弾戦から勝負をかけていく。

 そうした中でもポゼッションの要素があるのは今季の両チーム。エバートンは後方から左右にボールを散らしつつ、縦パスを入れるスペースを探っていく。当然左サイドのグリーリッシュとハーフスペースを狙っていくデューズバリー=ホールの組み合わせは今季も有効。ここが本命にはなっていく。

 しかしながら、インサイドにダイレクトにつけていくパスワークもできるのが今季のエバートンの良さでもある。アタッキングサードで狭いところにパスを刺し、そこからコンビネーションでゴールまで向かっていくところも。アームストロングのパスを受けたジョンソンが決定機を迎えるが、ゴールを揺らすことができない。

 イプスウィッチは後方3枚の構成を変えながら。サリーしたり、GKを絡めたりしながら前に進めていく。攻撃の狙い目としてはエメルソンへのロングボールか、右サイドのファタウの1on1で勝負をかける。

 前半の中盤は押し込む時間が続いたイプスウィッチ。エバートンはグリーリッシュにつけて押し返すような間もなく、ロングボールを跳ね返される時間が続いていく。

 中央のエメルソン、右のファタウのところから攻め筋を作るイプスウィッチ。ファーサイドのデイビスという今季の得点パターンから決定機を迎えるが、ゴールを奪うことができない。

 少し苦しい展開だったが、エバートンはワンチャンスから。セットプレーからエリアの外でのシュートのコースを変えたバリーが先制ゴールを決める。

 引いて受ける展開が続いたエバートンだったが、徐々にイプスウィッチのプレスが弱まって前進。ホルダーを捕まえられないイプスウィッチの悪癖が露呈。ボックス内のナローなスペースの管理の怪しさも見えてくる。

 後半も順調に時計の針を進めていくエバートン。セットプレーからの一撃でネットを揺らすが、これはジョンソンがオフサイド。明確に視界を遮ったが、どちらにしてもバリーのシュートはネットを揺らしていただろうから、ジョンソンからすると悔やまれるプレーとなった。

 前半はあまりなかったエンシソの背後へのランから、こちらも決定機を迎えたイプスウィッチ。フィロジーンを入れてサイドのアタッカーを強化し、一気に勝負をかける。

 しかし、ここでファタウがシミュレーションで退場。10人のイプスウィッチは追い込まれることに。

 エバートンはサイドにボールをつけながら時間を溶かすコントロールをしばらくしていたが、イプスウィッチは選手交代とともに総攻撃。裏への抜け出しと前プレから、前田はアクセントという言葉ではとどまらないくらいの影響を試合に与えていた。

 終盤はイプスウィッチが攻め込むが、最後の一歩を越えさせないことに定評があるエバートンはミッションコンプリート。勝ち点3を死守した。

ひとこと

 数的優位を活かしきれなかった感はあるが、先制点からの逃げ切りは総じて見ればしたたかだったエバートンだった。

試合結果

2026.9.19
プレミアリーグ 第5節
エバートン 1-0 イプスウィッチ
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
EVE:11’バリー
主審:スチュアート・アットウェル

ブライトン【5位】×アーセナル【1位】

中断前に重たい完敗

 レビューはこちら。

 ブライトンはかなりシャープなハイプレスでスタート。ボールサイドとは逆のSBは捨てていたため、オールコートマンツーとは厳密には違うものの、思想的には実質同じと言ってもいい強度だった。

 アーセナルは狭いサイドに閉じられながらもショートパスの交換から打開。誤算だったのは相対的に守備の緩さがあったアーセナルの左サイド側からのキャリーがうまくいかなかったこと。カラフィオーリのリリース、ギマランイスのフリーでのプレーの精度、ガブリエウのキャリーのなさなど、どちらかというと個人のスキル不足だった感がある。

 縦パスにおいてもハヴァーツがなかなかボールを収めることができないまま。ブライトンはハイプレスから中盤でボールを奪い、ショートカウンターを打っていく。

 アーセナルはウーデゴールを降ろしながらブライトンのプレスを自陣側に押し下げていく。ブライトンからすると、どのように陣地回復をしていくかということになっていくが、こちらのプレス回避とオフザボールの動きはアーセナルよりも上。敵陣に入っていくためのパスワークは十分に備えていた。

 この試合のヒュルツェラーが優秀だったのはフィニッシュワークにもきっちりと攻略法を落とし込めていたこと。ミドルシュートのコースが空いたら迷わず振れという教えを守ったグロスとコストゥラスがネットを揺らす。

 2点目となったコストゥラスのゴールの直前には、アーセナルに貴重な同数の速攻が見えただけに失点は悔やまれるところ。1-1も見えたシーンで2-0にされてハーフタイムを迎えることとなる。

 後半、2点差でも躊躇なくハイプレスに出ていくブライトン。アーセナルは右サイドに寄せつつ、左サイドからフリーで運んでいくという仕組みはできていたが、フリーの選手のパスの精度が伴わない。

 自信を持ったブライトンはハイプレスをまだまだ強めていく格好。主導権をきっちりと握っていく。

 最終的にはプレス回避のために降りたハヴァーツを咎めたところから得たセットプレーで追加点。チェマ・アンドレスのゴールでさらにリードを広げる。

 このゴール以降はアーセナルは強度でも完全に後手に。文字通り、ブライトンに飲み込まれてしまった危ういシーンの連続。ラヤはファインセーブで4失点目を救った側面がありつつ、クロスカットにはいつもほどのキレがなかった。

 ギョケレシュのラストパスからの抜け出しでハヴァーツが掴んだ決定機で一矢報いることも許されなかったアーセナル。重たい完敗で代表ウィークを迎えることとなった。

ひとこと

 フリーの選手がミスを簡単にするようでは勝てない。

試合結果

2026.9.19
プレミアリーグ
第5節
ブライトン 3-0 アーセナル
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:31′ グロス, 45′ コストゥラス, 57′ チェマ・アンドレス
主審:ダレン・イングランド

ニューカッスル【12位】×ハル【4位】

充実のブロック攻略で土をつける

 前節ついに無失点記録は止まったものの、ここまで無敗の記録は続いているハル。新監督のもと、なかなか波に乗り切ることができないニューカッスルとの一戦に挑む。

 ボールを持つのはニューカッスル。スティアーがアンカーというような運用で、ウィロックはIHのような立ち位置に。前線ではウィサとフェルナンデス=パルドの2枚が自由に動くようなイメージで流動性を持たせていく。5-4-1で構えるハルに対して、前に人数をかけるプランで勝負する。

 特に可変の要素が多かったのは左サイド。ウィロックに加えて、フェルナンデス=パルドも左サイドに流れるケースが多く、アウトサイドレーンをバーンズと入れ替えながらインサイドに入っていくことも少なくなかった。

 先制点はこの左サイドの可変から。早々にウィロックがこじ開けることに成功。バーンズのカットインと組み合わせてブロックの中に入っていく。

 一方のハルはサイドに流れるマクバーニーからまずは起点を作る動き。しかしながら、トランジションで強度を見せたニューカッスル。センターラインでフェルナンデス=パルドのプレスバックから始まったカウンターで追加点。今季好調のホールがネットを揺らし、リードを2点に広げる。

 2点を取ったところでニューカッスルのプレスは沈静化。ハルは少しボールを持つ時間を作れるように。逆にハルは非保持において強気のプレスに出ていく場面もあったが、ニューカッスルはプレスに出てきたところにすかさず縦パスを通すことに成功。緩急をつけた前進でハル相手に優位を取っていく。

 トーマスがマーフィーの足に手をかけるという非常に珍しいPKの献上はあったものの、このPKはゾラキスがセーブ。前半のうちに試合を決められることはなんとか凌いだハル。

 しかしながら、2トップ気味にバランスを変えるなど前半に手を打った方策がなかなかハマらず。3点差にはならずに踏ん張ったというのが前半のハルの少ない収穫となるだろう。

 後半、再びハルはバランスを5バック気味に変えた格好。ニューカッスルにゆったりとした保持は許すものの、自分たちがボールを持つときはこの方がいいと感じたのだろう。

 この回帰によってハルは3トップの距離が近くなる格好に。インサイドのパスワークで崩すという新しい手札が加わったハルは、前半になかった連携からゴールに向かうシーンを作っていく。

 交代で入ったアリ・チョーのゴールはまさしく中央のコンビネーションを使っているからこそ。後半頭の攻撃ルートの整理が反撃ルートを作り出す。

 ニューカッスルは自分たちの保持のターンでは幅を使いながら押し下げるシーンを作っていくものの、時間の経過とともに非保持の時間は増えていく。ハルは改めてキャストも入れ替えた上での4-4-2。ボックス内での高さ勝負に持ち込んでいく。

 最後はだいぶ粘られる形となったニューカッスル。しかし、なんとか逃げ切りでの勝利に成功。ハルに今季初の黒星をつけることとなった。

ひとこと

 前半の流れるような攻略は素晴らしいフィーリング。バーンズ、調子いいね。

試合結果

2026.9.19
プレミアリーグ 第5節
ニューカッスル 2-1 ハル
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
NEW:3′ ウィロック, 7′ ホール
HUL:67′ アリ=チョー
主審:トニー・ハリントン

ノッティンガム・フォレスト【11位】×コベントリー【20位】

ついに抜けたトンネル

 ここまで得点もなく勝ち点もないコベントリー。プレミアの洗礼を思いっきり浴びている中で、なんとかトンネルを脱出するための先制点が欲しいところだろう。

 フォーメーションは互いに3-4-3。噛み合わせががっちりとしたミラーフォーメーションとなる。フォーメーションを相手に合わせる立場となったコベントリー。前から強引にプレスにいくというよりは、きっちりとスペースを埋める立ち上がり。ある程度フォレストのバックラインにボールを持たせる。

 ラインが下がる分、コベントリーのポジトラは前線の3枚の馬力を活かすような形。縦に速い攻撃からまずは打開を探っていく。フォレストのライン設定はコベントリーよりは高め。中盤に留まるような振る舞いとなった。

 プレスをかけられると相対的に苦しい振る舞いとなったコベントリー。中盤の列落ちから自ら仕掛けたミラーを解消することでスペースを作っていく。これで保持の時間を十分に取れるようになった。

 やや受ける機会が多くなったフォレストはサイドに流れるデラップからお手軽な陣地回復。縦に速い攻撃で行ききれない時はポゼッションに冷静に移行。3CBが保持に絡むことでサイドに厚みを出した攻撃で敵陣に入り込んでいく。

 しかし、結局スコアは動かず。スコアレスでハーフタイムを迎える。

 後半、コベントリーはチャウナを投入。前線のフリーダムな動きにスピードが加わり、縦への鋭さから打開を図っていく。

 一方のフォレストもガンガン放り込んでいく形。力でぶつかり合うような後半の立ち上がりとなった。

 この流れでネットを揺らしたのはコベントリー。GKのラッシュワーズのフィードを活かして左サイドから抜け出したダシルバが、ついに沈黙を破る一撃。コベントリーのホームにプレミアのゴールを届ける。

 このゴールできっちりと構えながら防戦に入るコベントリー。フォレストは積極的にプレスを入れていくが、コベントリーの守備陣に跳ね返されてしまう。

 コベントリーはディオマンデ→ジェズスの投入で4バックに。このジェズスのオフザボールはローブロックのコベントリーの攻略には相当に有用。しかしながら、ネットを揺らしたシーンはわずかなトリッピングを取られてしまい、同点ゴールには至らない。

 クロスに耐え続け、根性で跳ね返しを続けたコベントリー。初ゴールとともに本拠地に勝ち点3を届けることに成功。5試合目でトンネルを抜けることとなった。

ひとこと

 点を取って勝った。これに尽きる。

試合結果

2026.9.19
プレミアリーグ 第5節
ノッティンガム・フォレスト 0-1 コベントリー
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
COV:55′ ダシルバ
主審:ジャレット・ジレット

ボーンマス【15位】×リバプール【8位】

猪突猛進な勝ち越しゴールで2勝目

 なかなか勝ち点を順調に積むことができていないリバプール。負けてこそいないが、4試合を終えて勝利は1つだけというのはうまくいっているスタートとは言い難い。対するは今季初勝利を中断前になんとしてでも欲しいボーンマスだ。

 序盤から互いの強度を活かしたアグレッシブな入りとなった両チーム。ひとまずは前線にアバウトにつけていく立ち上がりとなった。

 個人的によく目についたのはボーンマスのポゼッション時のポジションの自由度が高いこと。CHがかなり移動するくらいはイラオラ政権時代も見られた部分ではあるが、旋回しながらフリーの選手を作るということに関して今季は熱心に取り組んでいるように見える。

 リバプールはマンツーの原則に則ってきっちりと高い位置からのプレスについていく。降りるクリスティーを深追いするマック=アリスターはその象徴と言えるだろう。

 リバプールはよりダイレクトな展開を好む。ボールを奪ったら素早く縦につけていく。イサクの動き出しのシャープさを利用したいことがよく見える立ち上がりに。

 ボーンマスはボールを失うとすぐに4-4-2ブロックを形成。バックスに無理にプレスをかけるのではなく、CHをケアすることを優先。リバプールのバックスはフリーでもあまりキャリーをする様子がなかったので、窮屈なインサイドからなかなかきっかけを掴むことができずに苦しむ。

 リバプールは時間の経過とともにポゼッションを高めていく。ボーンマスの旋回しながらサイドの裏を狙う保持には苦しんでいたので、ボールを持つ時間を増やすことはそこに対する防衛という意味では大きな意義があった。その一方で、もう1つボックスからゴールに迫る決め手というところはトランジション要素を差っ引かれると苦しい側面もあったと言える。

 一方のボーンマスも縦パスを受けたホルダーがなかなか前を向けず。押し下げられてからはかなりチャンスメイクはタイトとなった。

 後半は前半よりはオープン。自身へのプレスが弱まったクリスティーからキャリーできる頻度が増えたボーンマスはサイドの奥からチャンスを狙う。

 しかし、先制したのはリバプール。トランジションを中心としたチャンスメイクではなく、猪突猛進の右サイドのガクポが密集を切り拓いたところからのボール。強引にマイボールにしつつ、最終的には目の前にボールが転がってきたイサクが先制ゴールを仕留める。

 反撃に出たいボーンマスだが、中盤が浮いた先の一手がなかなか出てこず。リバプールのタイトなDF陣とプレスバックをサボらない中盤の強度にも苦しめられた。攻撃に転じればゴリゴリとドリブルで切り拓きにくるアタッカー陣にも苦戦する。

 交代で入ったアタッカーがアクセントをつけることができなかったことにも苦しんだボーンマス。リバプールの守備陣に穴を空けることができず、未勝利のままでブレイクを迎えることとなった。

ひとこと

 アタッキングサードでの単調さはないことはなかったけども、動きはだいぶシャープになってきたリバプールだった。

試合結果

2026.9.20
プレミアリーグ 第5節
ボーンマス 0-1 リバプール
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
LIV:57′ イサク
主審:マイケル・オリバー

マンチェスター・シティ【2位】×サンダーランド【14位】

乱戦を制して唯一の5連勝

 前日にアーセナルが敗れたことで、唯一の5連勝の可能性を残すチームとなったマンチェスター・シティ。今節は前節にそのアーセナルに敗れたサンダーランドを迎えての一戦だ。

 アーセナル戦で撤退した守備+ブロビーによる前進という徹底的な割り切りを見せていたこともあり、この試合でも同様の形で進んでいくかと思われたサンダーランド。しかし、3-1-5にプラス1でサンダーランドの撤退4-4-2を攻めるというシーンはあまり見られず。サンダーランドはガッツリと組み合いながらトランジションで勝負を仕掛けていく。

 一方のシティもこの直線的な試合展開に乗っかった感。こういう展開でもWGに雑にボールを預けておけば勝負をかけられるというところが今季のシティの編成の強みでもある。

 先制点は少し意外な形から。レフスのポジショニングを見たエンソが虚を突く直接FKで試合を開幕させる。

 しかし、すぐにサンダーランドは反撃。糸を引くようなル・フェの正確なラストパスからブロビーが一気にゴールを奪い取る。

 このゴールをきっかけに始まったトランジションの応酬は試合の終盤までテンポを引っ張ることに。常に先手を取っていたのはマンチェスター・シティ。今季のサンダーランドの悪癖と言ってもいいCBの強引なパスをカットし、チェルキが見事なフィニッシュで仕留めた。

 しかし、シティが先に行くとすぐに反撃をするというのがこの試合の前半の構図。ムニエの抜け出しから、あとは誰もいないゴールに押し込むだけのブロビーが2点目を確保する。

 だが、三度シティは前に。サイドからのファークロスを狙うアクションが奏功し、セメンヨが二次攻撃を仕留めてリードでハーフタイムを迎える。

 後半はシティがゆったりとした保持からペースを整えようとするが、サンダーランドは非保持でペースが緩まるのを許さない。アングロ、ブロビーのフィジカルを活かした前進にはだいぶシティも苦しめられた感がある。

 しかし、その状況を活かしたのはシティ。ラストパスを受けようとしたセメンヨとハーランドは同じ目的地に同じ時間で待ち合わせをしてしまうという、ややもったいないオフザボールの動きを見せてしまったが、この動きがお互いのマーカーが待ち合わせ場所で事故るという奇跡を創出。こぼれを手にしたセメンヨがゴールを奪った。

 一手遅れながらお馴染みとなった反撃をブロビーが仕留めたのは2分後。この試合のブロビーのゴールはいつだって反撃を目指すための一撃であった。

 終盤はオープンな中で兵糧に勝るシティが少しずつアドバンテージを引き寄せる格好。最終的には終始シティが頑張っていたサイドのトランジションで決着。飛び出したグバルディオルが最後にハーランドのゴールをお膳立て。大乱戦はついに終幕。シティがリーグ唯一の開幕5連勝を決めた。

ひとこと

 ブロビー、3点中2点がxG0.9超え。PKよりはるかに上のxGで面白い。

試合結果

2026.9.20
プレミアリーグ 第5節
マンチェスター・シティ 5-3 サンダーランド
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:9′ エンソ・フェルナンデス, 29′ チェルキ, 43′ 57′ セメンヨ, 81′ ハーランド
SUN:12′ 33′ 59′ ブロビー
主審:ロベルト・ジョーンズ

リーズ【3位】×クリスタル・パレス【16位】

粘り腰を感じるドロー

 今季ここまで非常に好調なリーズ。ホームのエランド・ロードで好調をキープしたままでインターナショナルウィークに入る。

 まずは肉弾戦でのスタートとなったこの試合。互いに噛み合うフォーメーションだったこともあり、ガチガチとぶつかり合う流れとなった。

 ボールを持つことを相対的に大事にしていたのはクリスタル・パレス。リーズのプレスを誘引しつつライン間を開けて、ストランド=ラーセンやピノに縦パスを当てることを狙っていく。

 そこからオーバーラップするWBで勝負をかけるクリスタル・パレス。フリーランを活かすためにインサイドに起点を作るという今季のパレスの攻撃を形作っていく。

 リーズはよりダイレクト。キャルバート=ルーウィンに当てていきながら陣地回復し、敵陣に入ったところからはアンパドゥのロングスローで上からパレスを殴っていく。

 互いにハイプレスでジリっと前に行けるか?ということを探っていくような展開だったが、パレスはきっちりとラインを下げて受けることが増える。保持のカラーが増えているリーズは中盤で段差をつけながら横断。田中は左右に散らす役割でキャルバート=ルーウィンと繋がっていく。より保持のカラーが強いパレスはシャドーの鎌田とピノが降りることでギャップを作っていく。

 前半にゴールに近づくことができたのは、トランジションを軸に少しずつゴールに迫っていくリーズ。しかし、ネットを揺らすことはできず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。

 後半もジリジリとした流れ。そうした中で存在感を発揮したのはピノ。ドリブルでの加速やFKからリーズのゴールを脅かしていく。

 そのピノがライン間からカライリにパスを通したシーンはゴールネットを揺らすところまでたどり着くがオフサイド。カライリからのミッチェルといった今季のパレスらしい攻め筋であったが、わずかに抜け出すタイミングが合わなかった。

 後半の中盤は一進一退の攻防となっていく膠着状態。パレスはサールを入れて直線的な攻撃を増やす用兵を敢行する。

 狙い通り敵陣にダイレクトに迫ることができたクリスタル・パレス。だが、ジャスティンやエルヴェディといった3バックの面々が体を投げ出しながら決定的なシーンを防いでいく。

 後半は前半よりもオープンではあったが、決着としてはスコアレス。ともにネットを揺らせないままで幕を閉じた。

ひとこと

 リーズ、今季はこういう試合での粘り腰が効いている感じ。

試合結果

2026.9.20
プレミアリーグ 第5節
リーズ 0-0 クリスタル・パレス
エランド・ロード
主審:アダム・ヘルツェグ

フラム【18位】×マンチェスター・ユナイテッド【13位】

笑顔なきクレイブン・コテージ

 代表ウィーク前の最後の試合はクレイブン・コテージから。勝ち点を手にすることができれば暫定最下位を脱出することができるフラムはこちらも波に乗ることができないユナイテッドとの対戦だ。

 正直に言えばどちらのチームもなかなかハードな立ち上がり。フラムは3バックを形成するビルドアップからチャンスを探っていく。3枚目として浮いたバッシーはややアバウトさが先行していたが、それ以前にユナイテッドの右サイドの守備があまりにも相手との距離を掴めていない感じ。同数なのに相手が抜けていくシーンを作ることができるなど、重心を下げて枚数を合わせたところからさらに事態を悪くしてしまった。

 インサイドでも自由に横断を許すユナイテッド。フラムに左右に振られてしまうようなボールの動かし方をされてしまった。

 一方のフラムも順調とは言えない立ち上がり。前線と中盤の間でティーレマンスの受け渡しがうまくいかず、ここから自在な展開を許してしまう。たまたまラッシュフォードの動き出しのタイミングが合わずにオフサイドになる場面もあった。ラインの駆け引きはともかくとして、やはりここはホルダーをフリーにしてほしくはないところだった。

 しかしながら、先に挙げたラッシュフォードのオフサイドのようにユナイテッドはアタッキングサードにおいてやや連携の噛み合わなさが目立つ。クーニャが右のハーフスペースから抜け出す(あまり普段は見ないムーブのように見える)ところなど、単発で成立させることはできていたが、ここから攻めていこうというところの優先順位ができていない中で効果的な攻め筋が見つけられなかった。

 そういう意味ではフラムの方が左サイドを抜けたところからのファークロスということではっきりと攻め筋は見つかっていた印象。チャールズのチャラい組み立てへの関与と効果的な前進への寄与も個人的には新しい発見だった。

 後半、ユナイテッドはリサンドロ・マルティネスが3人目のバックラインとして保持で振る舞うようになったことで、フラムと同様に陣形のズレを享受できるように。敵陣に入ったところからのクロスも含めてユナイテッドの攻撃は手応えのあるものになっていた。

 引き続き、フラムの攻撃も効果的な状況。ボックス内での対応がバタバタする中で、ユナイテッドはリサンドロ・マルティネスのOGを献上してしまう。

 フラムは徐々に攻撃の手数を緩めながら自陣の陣形を固めていくように。80分には早々に5バックにシフトする決断をする。

 後ろの枚数が揃ったことで攻めあぐねることになったユナイテッド。このまま逃げ切りができそうな空気だったが、ユナイテッドはクーニャのミドルがディフレクトする形で同点。ここまで素晴らしいセーブでチームを救っていたレノもこの跳ね返りにリアクションすることはできなかった。

 試合はドローで決着。ともに悪い流れを断ち切りきれなかった両チーム。試合後もオールド・トラフォードのピッチには笑顔はなかった。

ひとこと

 フラム、悪い流れのチームのそれにハマってしまった感。

試合結果

2026.9.20
プレミアリーグ 第5節
フラム 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:63′ リサンドロ・マルティネス(OG)
Man Utd:89′ クーニャ
主審:ピーター・バンクス

今節のベストイレブン

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