クリスタル・パレス【16位】×マンチェスター・シティ【8位】

見える設計図と見えない完成図
開幕節では苦しみながらもボーンマスを下したシティ。フライデーナイト行きとなった今節はパレスとの一戦に臨む。
お決まりのシティが保持でパレスがローブロックで迎え撃つという展開にはならなかったこの試合。序盤にボールを持ったのはむしろパレス。左右に散らしながらゆったりとビルドアップを敢行。CHの鎌田やウォートンが浮けば、そこから1つ奥に向かうことができる。
アタッキングサードでの狙いは右のハーフスペースの裏。ピノが抜けてここからアシストを狙っていく。4バック相手の狙いとしては悪くはないのだけども、少し気になるのはWBが静的な局面で相手に仕掛けるイメージが湧かないこと。ブロック崩しにおける大外のキャラクターは周りのオフザボールをエサに自分で仕掛けることができる怖さが欲しい。ミッチェルもカライリも、ついでにムニョスもそういうキャラクターではない。
シティはそのままハイプレスに出てくるパレスをいなしながら前進。アンダーソンがアンカー役となり、SBのグバルディオルは前に出ていくというポジションバランス。序盤はやや直線的なアクションが目立つ展開ではあったが、少しずつWGを活かしながら押し下げる形にシフトする。
先制点は大外からのシンプルな形。ハーランドが空中戦でリチャーズに勝利。ノルウェー代表仕様に近いハーランドの活用方法からゴールを生み出す。
パレスはハイプレスでのギアアップができないのが辛いところ。保持のところで相手を外しながら前進するフェーズはできそうだったので、そこから右のハーフスペースの裏を出口にしていく。
しかしながら、前述の通り大外が効かせるキャラクターじゃないこともあり、なかなか決め手に欠ける展開。無理が効くインサイドの選手たちが軒並み欠場していたのも辛いところだった。
後半、シティは順当に押し込みながらポゼッションでの追加点を狙う。決め手になったのはチェルキのドリブル。アンダーソンのボール奪取から加速すると、見事な緩急でパレスの3人のCBを一気に刈り取り、冷静にフィニッシュして見せた。
ピノの一撃でオウンゴールを誘発し、ここから一気に巻き返したかったパレス。しかし、再びチェルキのミドルでシティが反撃ムードを黙らせてしまう。
このゴールで試合のテンションは一気に降下。ゆったりとした展開の中でシティの交代選手がアピールを必死に続けていく。
試合はハーランドがもう1つゴールを重ねてシティの完勝。2連勝と2連敗という対照的なシーズンの幕開けになった。
ひとこと
クリスタル・パレス、やりたいことは見えてきたけども、やりたいことのために必要な選手が揃っているかは微妙なところ。
試合結果
2026.8.28
プレミアリーグ 第2節
クリスタル・パレス 1-4 マンチェスター・シティ
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:56‘ ドンナルンマ(OG)
Man City:17′ 84′ ハーランド, 54′ 59′ チェルキ
主審:アンディ・マドレー
リバプール【10位】×ノッティンガム・フォレスト【15位】

またも初勝利はおあずけ
ランチタイムキックオフはアンフィールド。ともに開幕節を勝てなかった両チームが初勝利を賭けて対戦する。
よりアグレッシブな入りとなったのはリバプール。高い位置からマンツーに出ていくことでフォレストに蹴らせていく。
ロングボールのターゲットとなったジェズスはまともにリバプールのCBとぶつかり合うと苦しいところがあったが、ラインを前後に駆け引きするアクションを組み合わせるとかなり威力は増す格好に。セルスからのダイレクトなフィードは再現性もあり、これが先制点にも繋がった。
フォレストは5-4-1の構え。リバプールは序盤こそフリンポンの追い越しによる縦への揺さぶりからチャンスを作ろうとしていたが、こうしたケースは稀。
ボーンマス時代に照らし合わせるとファジーなところで受ける前線はもう少し欲しい。この役割ができるのはヴィルツだけというのは寂しいところ。
なんで?と思ったガクポの右サイド起用は思ったよりもハマっており、オフザボールの巧みさを活かす形で強引なクロスまで持っていくことはできていた。
相手の腰が浮いたトランジションのミスからヴィルツがネットを揺らして追いついたかに思われたが、これはオフサイド。以降も右サイドのガクポから粘り強く叩き割ろうとしていくが、得点を手にすることはできず。左サイドのフィニッシャーとしてのムニョスはもう一声という感じだった。
逆にフォレストの少ない保持機会からの対角の揺さぶりに困らされる場面も。ジェズスの決定機をアリソンがカバーすることでリバプールは1点差をキープ。試合はフォレストがリードのままハーフタイムを迎える。
後半、いきなりチャンスを作ったのはフォレスト。エンドイェがファウルではあるものの、単騎でゴールまで迫っていく。
フォレストはこの場面以外にもエンドイェのスピードを活かしたロングカウンターを展開。リバプールのポゼッションを跳ね返す形でゴールに迫っていく。
リバプールは延々と保持から打開策を探っていきながら、フォレストのカウンターを紙一重でかわしていく苦しい展開。それでも頼みのガクポが右サイドをこじ開けることに成功。見事な駆け引きから裏抜けに成功し、ファーのイサクにボールをぴたりと合わせる。
だが、ファストブレイクが成就したフォレスト。交代で入ったデラップがスローインから攻め上がるニコ・ウィリアムスにパス。アリソンから見事にPKをもぎ取った。
再び押し込みながらなんとかしなければいけないフェーズに入ったリバプール。ガクポも下がり、さらに苦しい展開となったが、右サイドに移ったムニョスが素晴らしいフィニッシュを披露。唯一の突破口であるヴィルツの縦パスを見事に沈めた。
同点となった両チームだが、これ以上スコアを動かすことはできず。第2節でも今季初勝利はお預けとなった。
ひとこと
フォレストのカウンターに耐える時間で2点差にされなかったことで耐えたリバプールだった。
試合結果
2026.8.29
プレミアリーグ 第2節
リバプール 2-2 ノッティンガム・フォレスト
アンフィールド
【得点者】
LIV:60‘ イサク, 82’ ムニョス
NFO:24’ エンドイェ, 70‘(PK) ギブス=ホワイト
主審:サム・バロット
コベントリー【18位】×ハル【5位】

明暗くっきりの昇格組
昇格組同士の対戦となる第2節。すでにユナイテッドを倒したハルとは対照的に、コベントリーは昇格組の中では唯一勝利がない。厳しい序盤戦のスケジュールを考えると、ここでの勝利は欲しいところだろう。
序盤、ボールを持つのはコベントリー。ハルがあまりプレスに来ない5-4-1のシフトを敷いたこともあり、ビルドアップの枚数を調整しながらポゼッション。SBは高い位置を取ることに専念しつつ、相手のトップの脇から対角パスで外を突っついていく。
立ち上がりはインサイドのルドニへの縦パスも有効。ここから中央をかち割るためのアプローチを狙っていく。
ただ、ハルがインサイドの受け渡しを整理したこともあり、徐々にコベントリーの保持は我慢をしながら壊していくモードにシフト。左のメイソン・クラークは対面の相手を剥がしながらのクロス。右のチャウナは抜け出しから速いクロスを仕掛けていくが、ハルのCBの高い牙城を越えることができない。
ハルの保持に対して、コベントリーは特に高い位置からプレスに行くことはなく4-4-2のミドルブロックを敢行。バックラインにプレッシャーを受けないという状況自体は開幕戦と同じではあるが、この試合ではCFのマクバーニーよりも左サイドのストラウドを前進のきっかけとしていたところがある。
コベントリーは自陣でのロストも含めて、ストラウドからイージーなカウンターを受けることもしばしば。しかしながら、最後はマクバーニーであることがわかっている分、コベントリーの守備は割り切りに成功。ユナイテッドよりも危ういところを集中的にケアする。
ハルはこのコベントリーのプランの裏をかくことができず。鋭いファストブレイクを綺麗な完結に持っていくことができなかった。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半、手応えがあったのはハル。ゆったりとしたポゼッションからサイドにボールをつけてのクロス。前半よりも人数をかけており、ボックス内はマクバーニーさえ抑えていればOKという状況ではなくなっていた。
コベントリーは引き続きサイドから壊しにいく形。チャウナの縦突破からのライナー性のクロスは後半も効いていたが、イーガンの山を越えるのは困難であった。
チャウナ→坂元の交代で少しずつ流れを変えることに成功したコベントリー。抜ききらないクロスと縦突破を両方備えている坂元の投入でさらにゴールに近づく。押し下げられて、ハルがなかなか前に行きにくいタイミングというのも刺さった感があった。
しかし、試行回数を重ねているコベントリーをハルは先制点で置き去りにすることに成功。カウンターからミラーが一撃で仕留めてみせた。
終盤は押し込みながらブロック攻略を探っていくコベントリーだが、ギアを上げてのラッシュという感じではなく、なかなか試行回数を稼ぐことができず。
結局そのままタイムアップ。昇格組同士の一戦は前節から明暗をくっきりと作って幕を閉じた。
ひとこと
コベントリー、ギア上げ方のバリエーションがもう少し欲しいところ。
試合結果
2026.8.29
プレミアリーグ 第2節
コベントリー 0-1 ハル
コベントリー・ビルディング・ソサエティ・アリーナ
【得点者】
HUL:82′ ミラー
主審:ジョシュ・スミス
ボーンマス【13位】×エバートン【4位】

お家芸で勝ち点を引き寄せたエバートン
勢いのいい入りを見せたのはエバートン。高い位置からのプレッシングで縦パスからショートカウンターを狙っていく。今節も前節と同じく狙うはCHのボール奪取。アームストロングとガーナーという2人のボールハンターから一気に敵陣からゴールを陥れにいく。
ボーンマスは安易に縦パスを入れると狩られてしまうので、ゆったりと左右にボールを散らしながらまずはエバートンのプレスを撃退。大きな対角パスからサイドの奥を取っていく。持ち上がったシウバからのフィードが印象的だった。
インサイドに対してタイトなプレスを行うことができるのはボーンマス側も同じ。バリーのポストから簡単な前進は許さず、エバートンのパスワークは外循環。ジョージが根性でミドルを放ち、セットプレーからニアに飛び込んだブランスウェイトが決定機を迎える。
少しずつ手応えのある前進ができるようになってきたのはボーンマス。まずは右の大外に流れるエヴァニウソンからラヤンを前に向かせるサポートを敢行。ここからボックス内を狙っていく。
インサイドでも細かいレイオフから前を向いたドリブルで深い位置まで。中央でポイントを作れる分、サイドでも景色が良くなるという好循環を迎える。
エバートンは押し下げられても体を投げ出す守備で簡単に失点しないチームであるが、ボーンマスはこじ開けることに成功。右サイドに流れるエヴァニウソンから前を向いたスコットがついにゴールを決める。
ボーンマスほど流麗な感じではないが、少しずつインサイドでのつながりができてきたエバートン。ボーンマスを人の移動で動かしながらインサイドのスペースを空けていきながら前を向いて仕掛けを敢行していく。
しかし、ゴールを仕留めることはできず。前半はボーンマスのリードでハーフタイムを迎える。
後半、エバートンは得意な中盤でのボール奪取からカウンターの決定機。しかし、後半頭のこの大チャンスをバリーは仕留めることができなかった。
高い位置でボールを奪おうとするエバートンの姿勢は後半の立ち上がりは目立っていたが、徐々にボーンマスは対応。近い位置でのパス交換からボールを運ぶことができるスコットのキャリーで敵陣まで進むスキームを安定したものとしていく。
後半も中盤を過ぎるとロングボールからのセカンド回収で前を向く選手を作るように。キャリーする選手をどう作るか勝負をガチンコで行うことで徐々に展開はフラットに。
その中でも前を向いた選手のクオリティからボーンマスは決定的なチャンスを迎える。だが、エヴァニウソンをはじめとしてボーンマスの選手たちが放ったシュートはエバートン名物のボックス内無限シュートブロックの連打を前にシャットアウトされてしまう。
なんとか終盤まで1点差をキープしたエバートンは後半ATにセットプレーから同点。これしかない!と思い切ってシュートを打ったターコウスキの一撃がネットを揺らして同点に追いつく。
試合は痛み分け。ボーンマスはギリギリで勝利を逃してしまうこととなった。
ひとこと
追加点が遠いことが結果的には足を引っ張ってしまったボーンマスだった。
試合結果
2026.8.29
プレミアリーグ 第2節
ボーンマス 1-1 エバートン
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:41′ スコット
EVE:90+1′ ターコウスキ
主審:クリス・カヴァナー
トッテナム【19位】×ニューカッスル【11位】

中盤の構成力で差をつけたニューカッスル
立ち上がりにボールを持ったのはトッテナム。ニューカッスルは高い位置からのプレスでまずは味見。トッテナムの左サイドにプレスをかけて、ファン・デ・フェンのイエローカードを引き出すことに成功する。
しかし、トッテナムは左サイドからテルへの縦パスを通して直後にプレス回避に成功。ニューカッスルとしては闇雲にプレスに出て行くわけにはいかないということになった。
トッテナムはニューカッスルのミドルブロックに対して、どこまで差し込んでいけるか?という流れ。どちらかといえば縦パスを差し込む手応えはファン・ヘッケがいる右サイドの方があった。
インサイドにパスを刺す、もしくは逆サイドへの展開でテルに1on1の状況を作ることができれば勝負ができるトッテナム。カットインからのシュートやロバートソンのオーバーラップから一気に攻撃に出ていくが、ホルニチェクのファインセーブなどでニューカッスルは失点を逃れる。
ニューカッスルの保持はCHのニコ・ゴンサレスが枚数調整役。トッテナムのプレス隊はCHをケアしようとする姿勢を見せるが、やや中途半端。その結果、マイリーやウィロックが浮いてしまい、そこから一気に前進をすることができるように。
前半の中盤はこのスキームから継続的にリズムを掴んだニューカッスル。序盤の右サイドからのカウンター勝負よりも一段踏み込んだ形からゴールに迫っていく。
しかし、再び前半の終盤はトッテナムの保持が息を吹き返して試合を制御。得点こそ入らないが、両チームそれぞれに流れがもたらされるスリリングな展開となった。
後半、トッテナムの保持にニューカッスルはハイプレスを再起動。オープンな展開となり、前半以上の殴り合いが行われるような行ったり来たりの立ち上がりとなる。
トッテナムはその中でも右のハーフスペースの裏抜けを中心に行っていく。初手であるマルムシュの抜け出しはファウルをもらえなかったが際どい形に。だが、グレイの攻め上がりはほとんどがニューカッスルに先読みされた感があった。
ニューカッスルは浮いている最後方のポジションからダイレクトにフィードをつけることで前進。前線中央だけでなく、サイドに対角でボールを供給することもトライする。
得点に繋がったのはニコ・ゴンサレスからの右サイドへのフィード。エランガの絞るアクションを囮に、外を回るデディッチを本命とする前半も見られたロングボールが刺さる形。最後は落としを受けたエランガが左足でアクロバティックにゴールを決める。
さらには交代で入ったヴォルテマーデを活かしたセットプレーで追加点。折り返しをウィサがトリッキーな押し込み方でリードを広げる。
トッテナムは右サイドにクドゥスを置くことでファークロスと右のハーフスペース裏を両睨み。しかし、特に前者のファークロスが刺さりきらなかった感。こういう手札をさらしながらの縦突破は魅力があったけど、回数が限られてしまっていた。
ニューカッスルの3点目の脅威を回避することで精一杯だったトッテナム。開幕2試合を連敗でスタートすることとなった。
ひとこと
何もかも悪いわけではないスパーズだけども、浮いているところはあるよなという感じもした。
試合結果
2026.8.29
プレミアリーグ 第2節
トッテナム 0-2 ニューカッスル
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
NEW:62′ エランガ, 72′ ウィサ
主審:ピーター・バンクス
チェルシー【6位】×ブライトン【1位】

一撃の重さで天敵を下す
なかなかにやりくりの厳しさを感じさせるブライトンのスタメン。ボスカリをアンカーとする4-3-3という表記が正しいのだろう。放出と負傷者によるやりくりの厳しさを感じるスカッドとなった。
そのスカッドの出来を測る前の段階でチェルシーは先制。セットプレーからウィーファーとフェルブルッヘンのミスからラヴィアがこぼれ球を押し込んでスコアを動かす。
試合はブライトンの保持を中心に推移。無理にバックスにプレスに行かないチェルシーの5-4-1を前にボールを動かしながらきっかけを探っていく。
目立ったのはブライトンの中盤のローテーションの多さ。中央に出たり入ったり、前線に飛び出したりなどグロスとヤルクエの2人を中心にポジションの入れ替えをかなりやっていた。
そうした動きで相手のマークを惑わすことが最善ということは、裏を返せばどっしりと組んだ時に勝てるマッチアップがないということでもある。この形で怖いのは攻撃を完結させ切ることができない時に陣形が乱れた状態でカウンターを受ける必要があるということ。一度ボールをロストすると、あっさりと自陣に運ばれてシュートまで持っていかれる怖さがある。
かつ、この日のチェルシーは仮に対面にブライトンの選手がいても簡単に吹っ飛ばすことができていた。特にネト、ロジャース、ペドロあたりはそれが顕著。チェルシーは1on1のデュエルの強さを繋ぎ合わせるような形で追加点を重ねていく。特に2点目のロジャーズ→ネトの繋ぎはその前段も含めて美しかった。
ブライトンは積極的な前線の飛び出しで1つゴールをもぎ取ることに成功。コストゥラスが破ったチェルシーの左サイドは前節も脆弱性を見せた部分でもある。
ブライトンは前線への飛び出しの人数の確保だけはサボらなかったため、早めのクロスの仕掛けによってチェルシーのバックラインを脅かすシーンは少しずつ。反撃の雰囲気をちらつかせながらハーフタイムを迎える。
後半も試合はブライトンの保持がベース。チェルシーはパーマーとロジャーズを共に自陣の左サイドに揃ってプロテクト。非保持は5-3-2の陣形となる。
この陣形の狙いはよく分からず。中盤のスライドがかなりアバウトで、ブライトンはサイドチェンジ一発で簡単にMFラインまでキャリーができる場面が続く。
ブライトンはサイドから簡単に進むことができたので、ボックスにはクロスを早めに入れていく。逆サイドに流れてもシュートや二次攻撃などの面白い展開が待っており、前半以上に楽しむことができた。
特にアタッキングサードではヤルクエが躍動。リズムを変える縦パスで変化をつけると、ジョアン・ペドロのオウンゴールにつながるグロスの抜け出しをお膳立てした。
全体的にいい流れではあったブライトン。だが、カウンターで吹っ飛ばされる守備の軽さは健在。ネトやジョアン・ペドロなどの右サイドからの単騎突破にはかなり手を焼いていた。
4点目のパーマーのシュートもペドロのポストを活かしてブライトンの左サイドの軽さを利用したもの。シュートは見事だが、好きなようにドライブをさせてコースを空けすぎの対応になってしまった。
交代選手がギアアップすることができないまま時間が過ぎていった終盤戦。グロスが1点を返す意地を見せるが、勝ち点奪取の可能性を残すにはあまりにもこの一撃は遅過ぎた。
撃ち合いを制したチェルシー。近年相性の悪いブライトンを下し、開幕2連勝を決めた。
ひとこと
細かいところは気にはなるけども、大枠としてはいいところが先に来ているので、問題にはならないかなという感じのチェルシーだった。
試合結果
2026.8.30
プレミアリーグ 第2節
チェルシー 4-3 ブライトン
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:4′ ラヴィア, 14′ ネト, 32′ ジョアン・ペドロ, 74′ パーマー
BHA:35′ ヤルクエ, 63′ ジョアン・ペドロ(OG), 90+6′ グロス
主審:マイケル・オリバー
リーズ【9位】×ブレントフォード【3位】

エランド・ロードで熱い痛み分け
開幕節の中では特に体のキレを感じた2つのチームの対戦。ダイレクトにガツガツと体をぶつけ合うところから勝負をかけていく。隙あらば敵陣でも厳しくカット。そういう意味では開幕節からの流れを汲む試合だったと言えるだろう。
徐々に試合を掴んでいったのはブレントフォード。ラインを高めに設定し、相手のターンになれば即時奪回で跳ね返し。少しずつリーズ陣内の時間を増やしていく。
リーズはハイプレスでブレントフォードのリズムを乱しにいくが、そうなった場合はライン間にボールを落とすことでプレスを回避。トップ下のダムズゴーがレシーバーとなり、ここを前進のポイントとしていた。
リーズはサイドに圧縮したところに圧力をかけて一気にボールを取り切りたいところだったが、逆にブレントフォードにCHが空けたスペースを使われる展開。ライン間からの横断で逆サイドに揺さぶったり、あるいは縦に進んでいったりなど工夫を見せながら前進する。
トランジションでのスピードアップもさすが。ボールだけが前がかりになることもなく、適切に人数をかけての前進に成功。リーズのDF陣は背走での対応で粘っていたが、ロドンが負傷で交代してしまうなどかなり負荷がかかっていた状態だった。
優勢だったブレントフォードは41分に先制点をゲット。右サイドからの侵入で左のルイス-ポッターまで流れたところを折り返してシャーデがゴールを決める。アクロバティックで見事な得点だった。
リーズはかなり苦戦した前半だった。こちらもビヨルを1列上げるなどプレス回避のためのポジションチェンジから旋回を試みるが、なかなかスピードアップのきっかけとなるボールを使うことができない。キャルバート=ルーウィンのロングボールも孤立気味だ。
得点以降も主導権を握ったのはブレントフォード。リカバリーをしたいリーズの前からのプレスをいなし、敵陣でのプレーをしながら追加点を狙っていく展開。スコアも内容もブレントフォードが優勢なままハーフタイムを迎える。
後半、リーズは4-3-3にシフト。前半よりもポゼッション志向が強くなり、直線的な動きを減らしながらボールを動かしていく。しかしながら、手探り感は否めず。漠然とした数的優位の中でどのように攻略に進んでいくかの落とし込みは進んでいないように見えた。
非保持でもリズムを落としてしまえば、ブレントフォードの思うツボ。WGのポジションが下げられてしまい、自分たちの攻撃のターンを取り返すことができない。
よって、多少強引だとしてもテンポアップは必須。時折間延びしたところを容赦なくブレントフォードに前進されながらもなんとか自陣の守備で食らいついていく。
少し風向きが変わったのは横への揺さぶりをかけるようなボールの動かし方をリーズができるようになってから。ボーグルのつっかけから逆サイドのジャスティンがシュートを打ったシーンくらいからである。
ヌメチャ、ジェームズなど交代で入ったアタッカーがキャルバート=ルーウィンの近くに立つことができるようになったことで、ロングボールが具体的な前進の手段につながるように。フィニッシュのスキルの甘さはあったが、最終的にはキャルバート=ルーウィンのゴールをヌメチャがお膳立てしたように、投入した意義はあった。
同点ゴールで着火したエランド・ロードによってさらなるゴールを狙うリーズ。だが、ブレントフォードも受ける時間をやり過ごしながらなんとか勝ち点1を確保。最低限の成果を持ち帰ることに成功した。
ひとこと
体がキレており、非常に見応えがある試合だった。
試合結果
2026.8.30
プレミアリーグ 第2節
リーズ 1-1 ブレントフォード
エランド・ロード
【得点者】
LEE:79′ キャルバート=ルーウィン
BRE:41′ シャーデ
主審:トニー・ハリントン
サンダーランド【14位】×フラム【12位】

初勝利を呼び込むカウンターの馬力
初勝利を狙い、スタジアム・オブ・ライトで激突する両チームの一戦。序盤から非常にアグレッシブにぶつかり合う試合。サンダーランドはアングロがバックスやGKへの外切りプレスをかけることで3枚のプレス隊を形成する。
フラムはイウォビやベルゲを後ろに落とすことでビルドアップの枚数を確保。左サイドを軸に近い距離でのパス交換を狙いながら、フリーマンを作りにいく。新加入のパラシオスの旋回からのドリブルで攻撃を加速させることができていた。
ワンサイドを縦に進んでいくことを狙っていきたいフラム。だが、サンダーランドはル・フェが中盤のサイドで枚数を埋めて重心を下げてスペースを圧縮。簡単に前進するきっかけを与えない。
前進がスムーズだったのはサンダーランドの方。キングと後方の受け渡しのミスが出ると、フリーになったジャカから一気にキャリー。サイドにボールをつけていく。
サイドにボールをつけていくとル・フェが3人目の動きをすることでサイドの奥を取る形に。3-2-5ベースの保持に両サイドに顔を出すル・フェからチャンスを作りにいく。
ジャカが浮くスキームも安定しており、敵陣の奥に入ることができる機会を確保できたサンダーランドが、前進のきっかけを掴めなかったフラムに比べると優位。だが、ブロックの外で浮いたところからのシュートの精度が伴わず、試合はスコアレスのままハーフタイムを迎える。
後半は互いにポゼッションから進む機会を探りつつ、ダイレクトな場面から決定的な得点機会を生み出す。フラムが迎えたゴンサロ・ガルシアの抜け出しは文字通り千載一遇のチャンス。サンダーランドも交代で入ったイシドールからラインブレイクの機会を増やしていく。
フラムが後半に保持の機会を増やしたのはル・フェが最終ラインに落ちることでバイタルが空洞化したことが原因のように思える。中盤中央でベルゲが浮く回数が増えたため、そこから縦にパスを差し込むことができていたフラムだった。
しかし、最終的に上回ったのはサンダーランド。交代で入ったディアッラとイシドールの馬力を活かしたカウンターで75分に先制点を奪う。
最後まで諦めずに敵陣に攻め込んだフラムだが、ネットを揺らすことができず。今季初の勝ち点3を手にしたのはホームのサンダーランドとなった。
ひとこと
イシドール、目が覚めるようなカウンターだった。
試合結果
2026.8.30
プレミアリーグ 第2節
サンダーランド 1-0 フラム
スタジアム・オブ・ライト
【得点者】
SUN:75′ イシドール
主審:マイケル・サリスバリー
マンチェスター・ユナイテッド【17位】×イプスウィッチ【7位】

得点ラッシュで相手をへし折る快勝
開幕戦はハル相手に敗北を喫してしまったユナイテッド。オールド・トラフォードでのリーグ初陣は同じく昇格組のイプスウィッチとの対戦となった。
序盤は降りるクーニャから左右に散らすようなプレーもあったマンチェスター・ユナイテッド。左はラッシュフォード、右はムベウモを中心としたサイドアタックを敢行。右サイドはダロトなどと3人目の動きを画策するが、献身的に戻る前田をはじめとしてイプスウィッチの守備陣の枚数が揃っていたこともあり苦戦。徐々にクロスやシュートの選択のタイミングが早くなる。
極端に早めの仕掛けをした結果、試合は徐々にオープン合戦に。ユナイテッドのプレスはハル戦よりは時折高い強度で観測することができたが、イプスウィッチは基本的にはこのスピード勝負には乗っかりたい構え。スペースがある状況でのエンシソのキャリーはなかなかユナイテッドにとってはややこしいものだろう。WGは静止した局面でもスピードで対面に優位を取ることもできる。前田が大外レーンからダロトを脚力でぶち抜いたのは驚きだった。
イプスウィッチは逆サイドの仕掛けから先制。ファタウがアプローチに来たショウの逆を取ってボックス内にサイドから侵入。折り返しをデイビスが丁寧に流し込む。
トランジションからのチャンスに攻撃がフォーカスしていたユナイテッド。ゆったりとボールを持つケースもあるが、シュートやクロスの選択が割と早めで遠い位置からアバウトにしかゴールにアプローチができていなかった。
デイビスにさらなる決定機を与えるなど苦しい試合となったユナイテッド。しかし、ヌニェスのミスを逃さずカウンターでブルーノが同点に。タイスコアでハーフタイムを迎えることとなった。
後半は前半とは打って変わって一方的な展開に。ポゼッションからユナイテッドがゆったりと主導権を握ると、徐々にサイド攻撃が手応えのあるものに。上下動の揺さぶりから少しずつイプスウィッチの守備陣が体を投げ出して守るシーンが増えていく。
奪ったボールをどう処理するか?というところも含めて不安定なシーンが続いていたイプスウィッチ。エンシソが自由に運ぶシーンも限られるように。自陣に釘付けになったところに、マグワイアがオウンゴールを誘発するダイナミックなシュートを叩き込んで均衡を破る。
直後にCBの間をかち割ったクーニャの抜け出しでPKを獲得したユナイテッド。この3点目で試合の決着はもう決まったと言ってもいいだろう。献身的に上下動して攻守を成立させているイプスウィッチの仕組みはこれで折れてしまった感があった。
さらに2つのゴールを重ねたユナイテッド。イプスウィッチも終了間際にエンシソがハイプレスから意地の一撃をお見舞いするが、反撃はここまで。ユナイテッドが本拠地で今季初勝利を挙げた。
ひとこと
立て続けの得点で一気に流れを引き寄せたユナイテッド。縦への鋭い意識が奏功した試合だった。
試合結果
2026.8.30
プレミアリーグ 第2節
マンチェスター・ユナイテッド 5-2 イプスウィッチ
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:40′ 61′(PK) 68′ ブルーノ・フェルナンデス, 56′ グリーブス(OG), 82′ ムベウモ
IPS:29′ デイビス, 90+1′ アクポム
主審:クレイグ・ポーソン
アストンビラ【20位】×アーセナル【2位】

重みのある1点を捻り出す
レビューはこちら。

開幕節は対照的な結果。ブライトン相手に大敗したアストンビラと、コベントリー相手に快勝したアーセナルの激突だ。
まずは開幕戦が不甲斐なかったアストンビラがどこまでリバウンドメンタリティを見せられるかの立ち上がり。敵陣までプレスに来るアーセナルに対して、立ち上がりは引っ掛けてしまう場面もあったが、時間の経過とともに徐々に適応。主役となったのはデビュー戦となった鈴木彩艶だ。
GKに並ぶように立つパウ・トーレスにつけるだけでなく、左右のSHをターゲットとしてフィードをつけていく。W杯でも見られた弾丸フィードはアーセナルにプレスを躊躇させるには十分。ミスキックからあわやという場面もあったが、前節のことを考えれば天井の高さは見せたと言える。
ただ、アーセナルを押し込んだ後の崩しに関しては堅さに阻まれた印象。自陣から誘引しながら従来の前進方法を使いながら横断してマートセンを出口にする形の方がボックス内にルートを残せる。
アーセナルの保持はプレスに来ないアストンビラの4-4-2に対して、3-2-5に変形しての対角フィードから右サイド勝負。ヘミングスを下げて5-6バックで対応するアストンビラの守備に、CB-SBのゲートを抜ける裏パスからアーセナルは勝負を仕掛けていくが、なかなか決め手となる一撃を打ち込むことができない。
左サイドはツォリスが対面に苦戦。むしろアストンビラのカウンターの温床となり、開幕節までのいいパフォーマンスを持続できなかった。
後半はツォリスに代わってエゼが登場。カラフィオーリを外、エゼを内に固定する形で左サイドを整理する。
引き続き右サイド主体の姿勢は変わらなかったアーセナルだったが、解決策を最終的に提示したのは左サイド。モスケラの縦パスからエゼとカラフィオーリの連携を引き出し、最後は折り返しをサカが仕留めてリードを奪う。
後半も横断からのマートセンを出口にしていたアストンビラ。失点してからしばらくのオープンな時間はチャンスだったが、カウンターの精度を欠いたまま過ごしてしまったのは痛恨だった。
最終的には押し込む局面を迎えたアストンビラ。だが、引いて受けることをきっちりと割り切ってできるアーセナルを前に苦戦。アーセナルはメリーノとギマランイスを投入して、さらにガチムチになる嫌がらせを仕掛けていく。
鈴木の活躍もあり、最小失点差では最後まで食らいついたアストンビラ。だが、その1点で余裕を見せるアーセナルに冷や汗をかかせることができず、開幕2連敗を喫することとなった。
ひとこと
堅い試合の中で重みがあった1点を生み出したアーセナルが強さを見せた。
試合結果
2026.8.31
プレミアリーグ 第2節
アストンビラ 0-1 アーセナル
ビラ・パーク
【得点者】
ARS:59′ サカ
主審:ジャレット・ジレット
今節のベストイレブン

