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「シティに勝ったから優勝ってことで良くないですか?」〜勝手にプレミア定点観測 23-24 序盤戦編 part2~

第1弾記事

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【6位】マンチェスター・ユナイテッド

7勝0分5敗/勝ち点21/得点13 失点16

不可避だった「その場しのぎ」

 天下のマンチェスター・ユナイテッドが6位という順位に甘んじているのは不服かもしれない。しかしながら、開幕からの3ヶ月での彼らを取り巻いている状況を考えれば、むしろこの順位でもよくやっている方と位置付けることができてしまうのが今季のユナイテッドの難しいところでもある。

 開幕から常に何かしら問題点を抱えているのが今季のユナイテッド。一番初めに騒がれたのは新加入となったオナナである。開幕戦となったウルブス戦のカライジッチへのパンチこそ見逃されたが、飛び出しと繋ぎの判断で不安定さを露呈。セービングでもリズムを掴むことができず、ズルズルと悪いプレーを続けてしまった。

 この時期は悪いなりにもトライアンドエラーをしていた感があったユナイテッドだが、リサンドロ・マルティネスの負傷からはその場しのぎの連続に移行した感が否めない。もちろん、妥当性はある。マルティネスの不在による質の低下だけでなく、DFの離脱者が相次いでしまい守備ブロックは量も足りなくなってしまったのだ。

 特に重症だったのはSB。ワン=ビサカ、ショウ、ダロト、マラシアが全滅。リンデロフはもちろん、アムラバトのデビュー戦がLSBになるというてんやわんやぶりだ。センターラインは頼みとヴァランとカゼミーロのコンディションが全く上がらず。開幕前は放出候補だったマグワイアは週に2試合出ずっぱりで、緊急補強のエバンスにもコンスタントに出番がある状況だった。

 WGはアントニーとサンチョがいきなり穴を開け、ガルナチョは覚醒前夜の状況で燻り続ける状況に。ラッシュフォードとマルシャルはムラがあり、新加入のホイルンドがフィットしてなおこれだけ苦しい台所事情というのはなかなかにしんどいところ。

 内容の割に勝ち点は積めていると見るべき。ラストプレー付近の勝ち越し弾が多く、勝負強さは感じる。頼みの綱となっているのは一人気を入っているブルーノ。終盤におけるシュート精度もさることながら、今のユナイテッドに何より求められる長いプレータイムをコンスタントに計算できる存在であるというのは非常に大きい。

 マグワイア、マクトミネイは敵陣ボックス内で無類の空中戦の強さを発揮。得点に絡んだ分、PK献上でバランスを取るという謎の悪癖を2人とも持っているところが気にならないと言えば嘘になるが、押し込んだ際の武器が少ないユナイテッドにとっては彼らの空中戦の強さは貴重だ。

 正直、既存戦力の復帰及びコンディションの向上が見られなければ上向いた展望を描くのは難しい。CLも現状では厳しい位置につけているが、連勝すれば突破の可能性は十分に残っている。戦術が浸透した充実の2季目という青写真には程遠い状況ではあるが「ここは負けるとやばそう」という一戦で負けない悪運の強さはテン・ハーグには感じる。

 まずはきっちりとプレミアで戦えるコンディションを整えること。それが叶った時にいる順位次第で今季の目標がようやく見えてくるはずだ。

Pick up player:ハリー・マグワイア
 マジで放出しないでよかったですね。手癖の悪さをはじめとした軽率さはあるが、押し込むことができれば後方支援役もボックス内の出撃もできる頼りになる存在にはなれる。フラム戦ではボックス内で凄みを見せるなど、少しずつコンディションは上がっている。踏ん張る今のユナイテッドをある意味象徴しているパフォーマンスを見せていると言えるだろう。

今季の道のり

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【7位】ニューカッスル

6勝2分4敗/勝ち点20/得点27 失点13

週2のスケジュールに食らいつくタフさを見せる

 週に1試合にフォーカスし、強度十分な内容で駆け上がってきたチームが、週に2試合強度の高い試合があるスケジュールに変わった時にぶつかる困難にきっちりぶつかっている。今季のニューカッスルはそんな印象だ。

 昨年フル稼働で活躍した戦力は負傷やコンディションの低下でコミットが難しくなるというのは典型例だろう。ジョエリントン、ボットマンがこのケースに当てはまる。それを予期し、2チーム分のスカッドを準備するが、トライアンドエラーを繰り返して新戦力がガンガンフィットというわけには行かない。ここまではあるあるで済ませられる。夏の新戦力が賭博であっという間にシーズン終了を迎えてしまうというのはあるあるで済ませるにはパンチがありすぎる事象である。

 予期しなかったトナーリの離脱に加えて、バーンズも大怪我に見舞われてしまうなど中盤より前の新戦力には計算外の事態が続出。リヴラメント、ホールの両SBは即戦力というよりも長期的な主力としての獲得ということもあり、夏の新加入選手はスタメンから名前を消すことになる。

 それでもCLで死の組の突破の可能性を残しつつ、プレミアでも4位が観測範囲に捉えられる位置に立てている。内容自体も悪くなく、こうしたトラブルにハウのニューカッスルは十分に対応できることを示している。積極的なターンオーバーで試合単体の強度を下げながらも、勝負どころでは一気に強度を解放。ハイライトはリーグにおけるアーセナル戦と、ホームにPSGを迎えたCL第2節である。

 ここに関しては後方の超主力と言えるトリッピアー、シェア、ポープ、ギマランイスが踏ん張っており安定感を維持していることが大きい。そして、ロングスタッフやラッセルズといった既存戦力が昨シーズンよりもスケールアップしたパフォーマンスでトナーリやボットマンの穴を埋めていることも見逃せない。

 ゴードンが単体で解決できるレベルの相手でなければ、撤退守備に対する攻撃の引き出しが多くないことはチームとしての弱点とは言える。それでも、どの局面でも対応可能な総合力が高いチームだ。週2試合という難しい状況を想定外の事態に見舞われながら必死に食らいついていっている。今季もニューカッスルはプレミアのどのチームにとってもタフな対戦相手になっている。

Pick up player:ジャマール・ラッセルズ
 バックラインの超主力で唯一長く穴を開けているボッドマンのところでラッセルズが計算が立ったのは非常に大きいし、個人的には意外だった。軽率なタックルでファウルを与え続けていた昨シーズンとはまるで別人。高いラインを支える守備で得意な印象がない速い攻撃への対応にも食い下がることができている。間違いなくチームの大きな原動力になるパフォーマンスができている。

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【8位】ブライトン

5勝4分3敗/勝ち点19/得点25 失点21

移籍、負傷、過負荷でスケールダウンは否めない

 先に挙げたニューカッスルに比べると、ブライトンは欧州カップ戦との並行により苦しんでいるチームと言えるだろう。人件費にまつわる予算規模的な側面は無視できないが、それよりもカイセドやマック=アリスターという超主力の不在によるスタイルの再構築と週に2試合を消化するというスケジュールを両面こなすのに苦労しているように思う。

 これまでは主力の流出とはうまく付き合ってきたブライトンだったが、先に挙げた2人の離脱のダメージの大きさは感じる。「それは無理では?」という縦パスをつけられても平然とターンを決めるカイセドとセンターラインのあらゆる役割を安定してこなすことができるマック=アリスターの代役はいくらブライトンでも簡単に見つかるはずはない。シビアな縦パスを通すことが前提として成り立っているブライトンのスタイルはその分スケールダウンを強いられている。

 降りる選手について行った結果、一つ奥に選択肢を作られてしまうというのは昨シーズンのブライトンの対戦相手の悩みだったが、今シーズンはブライトンが保持に回ってもあまりそうした選択肢を突きつけることができていない。特に降りるCFに合わせてWGがDFの背後をとるフリーランを仕掛けるようなゴールに直結する動きを狙うアクションが激減しているのは気になるところ。

 移籍した2人だけでなく、続々と昨季のスタイルを支えた主力に故障者が出ているのは気がかり。エストゥピニャンとマーチの離脱はサイド攻撃の精度の低下に明らかに大きな影響を与えている。その結果、崩しの負荷が増えてきてしまった三笘がパフォーマンスを落としてしまうなど悪循環に陥ってしまっている感が否めない。

 それでも明るい兆しがないわけではない。既存の戦力がいなくなれば、次の戦力の突き上げがあるのがブライトンの強み。ビルドアップで過剰なリスクをかけ合うという謎の男気勝負が発生したリバプール戦においてはCHで先発したバレバが90分間安定したパフォーマンスを披露。中盤の新しい柱として名乗りを挙げた。

 マーチが不在の2列目はアディングラが躍動。キレのあるドリブルに加えて、フィニッシュワークから逆算できるオフザボールの動きができるところは彼の強み。主力として十分に計算できる領域まで上り詰めている。

 逆に突き上げがなく既存戦力のパフォーマンスが安定しないCF(ジョアン・ペドロは頑張っているが)とSBのところはもう一押し決め手が欲しいところ。二足の草鞋を器用に履きこなすのはどうしても無理が出てくるスカッドだと思うので、まずは23-24のブライトンが提供できる基本形を定めることが現状の課題になるだろう。

Pick up player:イヴァン・ファーガソン
 飛び抜けて悪いパフォーマンスではないが、飛躍を期待された今季としては出た時のインパクトも出場時間も不満が残る状況になっている。ブライトンのエースは自分というところをきっちり世間に知らしめる残りのシーズンにしたいところだ。

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【9位】ウェストハム

5勝2分5敗/勝ち点17/得点21 失点22

質実剛健なスタイルの持続と新基軸の可能性

 長年チームを支えてきたデクラン・ライスがこの夏にチームを去り、彼不在のチームを作ることが今季のウェストハムが向き合うべき課題だろう。いわば、グリーリッシュが去ってしまった後のアストンビラに近い状況に今季のデイビッド・モイーズは直面している。

 というわけで明暗を分けるのは中盤を軸とした新戦力を使った再構築である。方向性としてはソリッドな4-2-3-1ということでモイーズ政権で目指していた部分と大枠に変化はなし。このソリッドなプレーモデルを実現できるかが鍵になる。

 結論から言えば、多くの新戦力を組み込みながらうまくチームを進めているように思える。昨シーズンに比べれば明らかにリーグでの旅路は安定しているし、グレードが上がった欧州カップ戦でも首位をキープしており、突破までリーチがかかっている。

 新戦力の中で即効性を発揮したのはウォード=プラウズ。十分すぎるプレミア実績をベースとした安定感のあるゲームメイクにセットプレーという飛び道具がかけ合わさっているのだから、失敗の可能性はそもそもかなり薄い優良案件。プレースキックからのゴール、アシストのスキルはさすが。屈強な選手を多く揃えているウェストハムとの相性はよく、開幕からレギュラーの座を確固たるものとしている。相棒のアルバレスも少しずつ存在感を深めておりプレータイムを伸ばしており、CHはライス不在の喪失感をうまくカバーしたと言っていいだろう。

 2列目ではボーウェンの躍動が印象的だ。昨シーズン後半から調子が上がり、今季は開幕から好調を維持。代表にも名を連ねるなど一時期のパフォーマンス低下を補ってあまりある活躍をしている。

 新戦力で言えば楽しみなのはクドゥス。少しデビューは遅れたものの、出た試合におけるインパクトは抜群。得点能力に相手を背負って起点になるスキルなど攻撃面では万能さもすでに発揮。粒揃いのウェストハムの2列目の中でも別格の存在感を放っており、中盤戦以降にリーグを騒がせる存在になる予感もある。

 ボーウェンとクドゥスの併用はアントニオ以外のオプションがなかなか見えてこなかったウェストハムにとって新機軸になる可能性もある。クドゥスの獲得はアントニオ依存というウェストハムの積年の課題の解決策になりうる。

 CBも長いプレータイムで本職を起用できており、昨年のようなトラブルには陥ってはいない。保持からの崩しなど屈強なプレースタイルとマッチしない展開になれば苦しい部分はあるが、質実剛健なウェストハムのイメージ通りのサッカーをライス抜きで行うというミッションにはかなり順調に取り組めているように思う。

Pick up player:モハメド・クドゥス
 アストンビラのディアビに続き、「え、この選手ってこんな安く取れるの?訳あり?」と思ったら特に訳はなさそうだったシリーズ。多くのポジションで起用可能なユーティリティ性が示す通り、多彩なスキルで攻撃に貢献。すでにゴールを生むなど起用されてから波に乗るまではあっという間。後半戦が楽しみな選手だ。

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【10位】チェルシー

4勝4分4敗/勝ち点16/得点21 失点16

パズルの組み合わせは見えてきた

 パズル作らせてはピースを半年でシャッフルということを繰り返している近年のチェルシー。この夏も直近の前例に漏れることなく、大幅な戦力の入れ替えと新監督での再出発を図ることになった。

 監督を決めるフェーズは夏の市場が動いてからになったのでチーム編成という側面でもあるいはシステム構築という部分でも多少の出遅れは仕方ないだろう。案の定、ポチェッティーノはランパードやトゥヘル、ポッターが取り組んできたパズル組みに挑むことになった。

 開幕直後、チームは個の集まりという印象しかなかった。馬力が抜群のスターリング、ジャクソン頼みになることは多く、彼らが効いている早い時間帯で得点を決められなければ明らかに苦しくなるというのがチェルシーの苦戦パターンの一つ。

ジャクソンは60分を過ぎるとスタミナ切れを起こすこともしばしば。交代で入ってきた選手はやりたいことがてんでバラバラであり、90分間精度を保つ攻撃を続けるのが難しくなっていた。この序盤戦を見る限り、チェルシーがチームとして機能するのはだいぶ先のように思えた。

 パッとしない試合も少なくはないのだが、それでもここまでのリーグで十分なインパクトを残せているのはひとえにビッグマッチでのパフォーマンスが印象的な出来だからだろう。トッテナム、シティ、アーセナル相手に全て勝ち点を奪ったのは見事。ここ一番での出力に関しては信用がおけており、上位勢によっても気の抜けない対戦相手になっている。

 逆に強豪相手の試合の谷間に挟まれた中位にきっちりと勝てていないことが気になるポイント。ホームゲームでは7試合で勝利はルートンに対する1勝のみ。この点を解消しなければ、上位勢を追走しての欧州カップ出場権争いには絡んでくることは難しい。

 ポジション別に見るとインパクトが大きいのは中盤。エンソ、カイセドで盤石と思われていたセクションではあるが、ギャラガーの進歩が著しくピッチ内では先に挙げた2人の£100mプレイヤーよりも大きな存在感を放っている。高い位置でのプレーだけでなく、ゲームメイカーとしても進捗が見えているのは驚きの一言。頭角を現したパレス時代ともまた違った持ち味を見せてチームを牽引している。

 新加入選手の中でも大きなインパクトを残しているのはパルマー。中盤での繋ぎにおける存在感は見事で最前線におけばジャクソンやスターリングが生み出す直線的なペースとはまた異なった試合のテンポを生み出すことが可能。もちろん、彼らとの併用も問題なく得点に絡む力も十分ある。

 ポチェッティーノが組み上げてきたパズルはここにきて完成系の輪郭が見えつつある。ラヴィア、エンクンクといった出遅れ組を入れ込んだ形を仕上げることができるかどうか。そして、その形を持続させることができるかどうか。少しのきっかけで浮き沈みしてきた時期を過ごしているだけに、この部分は時間をかけて信頼できるものなのかを評価する必要があるだろう。

Pick up player:ニクラス・ジャクソン
 プレミア初年度ながらどんな相手でも吹っ飛ばせるスピードとパワーを兼ね備えているフィジカルはすでに圧倒的。プレーテンポを落としたり、味方と連携しながらアタックを仕掛けていくなどのところはまだ荒削りな部分が残る。トッテナム戦では大量に決定機を外しながらもハットトリックを果たして味方を煽るなど、いろんな意味で愛され要素があるのは確か。ドログバのような長期的に君臨する柱になるか、あるいはここ数年のCFのように定着せずに去っていくか。どちらに転ぶのか見守っていきたい。

今季の道のり

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 つづく!

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