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「俺もカタール行きたかったな」~FIFA World Cup QATAR 2022 全チーム総括 part3~

敗れた各国の生き様を振り返る。その3。

その1

その2

目次

【ベスト16】アメリカ

■ポテンシャルにチームとしての幅をかけ合わせられれば

 大会前での日本との親善試合においては仕上がりの甘さを露呈したため、ひょっとすると日本人の中ではあまり前評判が高いチームではなかったかもしれない。しかしながら、本大会では質実剛健といった形で躍進。保持では4-3-3、非保持では4-4-2というフォーメーションをベースにどこが相手でも真っ向勝負を貫いた姿勢でグループステージを突破した。

 ボールを持つ時はゆったりとしたバックラインからの組み立てがメイン。主役となったのはリームとロビンソンのフラムユニットで構成される左サイドである。自らが持ち上がれるスキルを持ち、配球力にも優れているリームとインサイドに絞りながらのゲームメイクも可能なロビンソンのコンビはアメリカのバックラインからの組み立てに大いに貢献したといっていいだろう。

 中盤では安定感抜群のアダムスが目立った。なかでも非保持における防波堤ぶりはなかなか。ボール保持も含めて中盤に君臨。こちらも躍動したムサとセットでアメリカの中盤を支えてみせた。

 前線はオフザボールの動き出しが非常に豊富で外に張る形と裏に抜ける形を使い分けることで相手のバックラインをかく乱。中盤のマケニーのパスと組み合わせることでこうした動きはさらに相手のDF陣に脅威を与えていた。

 基本的には攻守ともレベルが高くまとまっているチームだとは思う。その一方で気になったのはゲームの展開に応じた振る舞いの変化の少なさである。上位進出チームを見ていると、試合の中でいろんな顔を見せるチームが非常に多く見られているのがこの大会の特徴だ。

    そういう意味では今大会のアメリカの振る舞いは愚直で柔軟性に欠けているという見方をすることができる。局面に応じた変化の付け方を学ぶことができればより期待ができる。

 仕組み以外の部分でいえば、個人的にジョーカーとして期待をかけていたアーロンソンが不発に終わってしまったのは残念だった。彼のような選手が暴れまわることができれば。同じ仕組みの中でも対応する相手に対しては変化を突きつけることができたはずだ。

 いずれにしても長期的なピーキングが自国開催となる4年後に向けられていることは間違いはない。若いチームの成長分に、戦術的な柔軟性をかけ合わせることができれば、楽しみなチームになるポテンシャルは十分に秘めているといえるだろう。

Pick up player:タイラー・アダムス
リーズでも夏の加入からいきなり高いパフォーマンスを発揮しているが、アメリカ代表ではさらにその存在感が一段と増している感じ。若いチームには彼のような経験豊富なかじ取り役の存在感が大きいはずである。

今大会のハイライト

【ベスト16】オーストラリア

■一本槍での大健闘とアルゼンチン戦の違和感

 グループステージを突破したチームの中では個人的には最も大きなサプライズだ。初戦のフランス相手にはボコボコにされながらも、デンマークとチュニジアとの2位争いを直接対決で下し、フランスに次ぐ2位でグループステージを突破したリバウンドメンタリティで逆転でのノックアウトラウンド進出を決めた。

 ロギッチ、ボイルは不在で、フルスティッチとメイビルはベンチからと特に中盤より前のメンバーのアジア最終予選からの入れ替えは激しかったため、その分やりくりは苦しくなっていたかと思われたが、グッドウィンなど起用された2列目は淡々とその仕事をこなしながら自らの価値を示した。

 長いキックでCFに当てる→セカンドボールを拾う→サイドに展開する→クロスという王道パターンが攻撃の要。オーストラリアの試合を見ていればこのパターンの存在には秒で気づくことができるので、相手からすると対策は打ちやすいチームである。

 だが、このパターンはわかっていても止めづらい。デンマークとチュニジアの両軍は対策が打てなかったというよりはむしろわかっていても止められなかった!の類のチームだと思う。特にチュニジアは制空権を握られたことで非常に苦しい戦いになってしまった。

 GSで敗れてしまったカタールとは逆で設計図は単純でもその強固さで勝負する。それが今大会のオーストラリアだった。バレていても強度で通用すれば世界とも互角に組めることを証明して見せた。

 それだけにアルゼンチン戦の彼らの振る舞いは少々残念だった。つなぐ志向が強く、前がかりなアルゼンチンに対して、なかなか高いラインの裏を狙うことが出来なかった。こうした静かな姿勢のままアルゼンチンの攻勢を受け入れてしまった案感あった。ボールを持てた状況だったなど情状酌量の余地はあるが、ボールを奪ったらスローダウンしてしまうのは彼らの良さを消してしまう部分が大きい。

 最後は1点差になり「大健闘」というラベルを張られてはいたが、その健闘の終盤戦に至るまでの試合運びにはやや不満が残るところである。彼らの抱える懸念はアルゼンチンに冷や汗をかかせた部分とは別の切り口で語る必要がありそうだ。

Pick up player:ミッチェル・デューク
今季J2でプレーしたプレイヤーがワールドカップでアルゼンチンと対峙するというのはそれだけで夢がある。グループステージではノックアウトラウンドの決め手になるゴールも決めており、オーストラリアを勝たせる働きをして見せた。

今大会のハイライト

【ベスト16】セネガル

■トレンドと逆行の猪突猛進網やぶりスタイル

 今大会はアフリカ勢の近代化が著しく進んでいることが記憶される大会になることはもはや確実。そうしたトレンドにおいて明らかに異質な存在といえるのがセネガルだ。

 4-4-2と4-3-3というメインパターンのフォーメーションを四角四面にとらえるスタンスは非常に珍しく、可変システムってなんですか?楽しいんですか?というような内容で相手に立ち向かっていた。変化を付ける成分はWGの斜め方向のドリブルか、IHのハーフスペースへの裏抜けくらいなもの。よって、非保持側からすると比較的網を張りやすいタイプのチームだといえる。

 しかし、張っている網にかかりまくっている状態でベスト16を取れるほどW杯は甘くない。セネガルは網を張っているところに突っ込みながら蹴破ることでここまでの進撃を見せてきたチーム。盤面上はハマっていたとしても、ターンやドリブルで強引に対面の相手を抜き去り、作戦盤には存在しないはずの穴を作り出して見せた。

 カタールとの一戦はまさに象徴的だった。網を張り続けるカタールをセネガルがぶち破り続ける姿には前者がグループステージ敗退に追い込まれ、後者がノックアウトラウンドに進出した理由を非常にシンプルに表していた一戦といえるだろう。一方で、グループ最終節のエクアドル戦では勝ち越しゴールで突き放した後は、ゆったりとボールを持ちながら相手の攻撃をいなし続けるなど大人の一面も見せていたことも付け加えておきたい。

 それだけにノックアウトラウンドの初戦でイングランドにぶち当たってしまったというのは不運でしかない。セネガルのプランが通用するのはあくまでフィジカルの側面で優位が取れる相手に限った話である。グループステージで食いつくことが出来たオランダがおそらくギリギリのラインだろう。

 イングランド人のバックラインにとってはセネガルの前線を擁する馬力のチームと戦うのは日常茶飯事のことである。そうなってしまうと、セネガルの強みは日常の範囲内になってしまう。持ち味であるバレてても突き破る!が全く通用しなくなると、イングランド相手に通用せずに動けなくなってしまったのは大いなる反省点であろう。

 単に強くなるということでいえば、多様な局面に対応できるチームを志向して柔軟な戦い方を選べるような形で成長していくのが理想的。ただ、現状ではそういう方向で伸ばしていくイメージは思い浮かばない。規律の部分と、いわゆる野生の部分でどこにバランスを取るか。セネガルにとっては向こう十数年向き合っていくべき課題になるだろう。

Pick up player:カイドゥ・クリバリ
クリバリの活躍でのグループステージ突破を想像した居た人は少なくないだろうが、フォワード顔負けのボレーで決勝弾を決めるという形でというところまで想像できた人がいればそれはもう未来人でしかない。

今大会のハイライト

【ベスト16】ポーランド

■EUROからの改善の手ごたえと裏腹に待ち受ける未来の懸念

 自分が昨年夏のEUROで「がっかりだった」感のあるチームを1つ選べと言われたらポーランドである。ちなみに、次点はクロアチアなのでこのランキングはあまりあてにならないといえる。逆に「しっかりしてた」感のあるチームはデンマークだったのだが、こちらはあっさりと敗退している。

 試合の中で際立っていたのは掴みづらい保持での変形である。自在に動き回る2列目を軸にショートパスにおけるレーン交換や攻め上がりを見せながら相手をかく乱していく。サイドにおいてはSHとSBが献身的な上下動で高い貢献を見せている。

 しかしながら、より変化が見られたのは非保持におけるソリッドさである。この部分はクリオヴィアクに丸投げした結果あっさりと崩壊したEUROの悪循環を断ち切っており、不安定なチームが陥りやすい不安定さを見事に払しょくさせることが出来た。

 難点は試合の中での変化があまりに付けにくいことだろう。敗れたほかのチームに言えることではあるけども、ポーランドの試合を動かすための手段の乏しさは特段苦しいものだった。

 長年にわたってポーランドに貢献してきたレバンドフスキの存在感が偉大なのはもはや議論するまでもない話ではある。だが、存在感を発揮している他の国のベテランを見ると、今回のレバンドフスキのパフォーマンスはややもどかしい部分がある出来に終始しているようにも見えたのもまた事実。彼が手ばなしで勝算できるレベルでなければ、フランス相手のアップセットは難しい。

 レバンドフスキが代表を引退するのは今すぐのことではないかもしれないが、そんなに遠い話ではないはず。エースの代替とそれ以外の押し上げ。大舞台でのパフォーマンスは改善傾向にある一方で抱える問題の深さは気になるところだ。

Pick up player:ヴォイチェフ・シュチェスニー
次々に襲い掛かるPKのピンチをものともせずにセービングでピンチを救い続けた。グループステージだけでいえば今大会ベストのパフォーマンスを見せたGKといえるだろう。

今大会のハイライト

【ベスト16】日本

■三笘シフトへの応じ手が欲しい

 ドイツ、スペインを連続撃破というパフォーマンスはグループステージでも屈指。ノックアウトラウンドで大暴れするモロッコには劣ってはいるものの、今大会で見せたアンダードックとしての働きは目を見張るものがあった。

 4-2-3-1でスタートしたドイツ戦では前半途中から一気にドイツに攻める隙を与えてしまったが、3-4-3のハイプレスにシフトチェンジした後半からは猛反撃。この3バックでのハイプレスはスペイン戦での同点ゴールにつながっており、2つのアップセットを演出した象徴的な「奇襲」といえるだろう。

 際立っていたのは途中交代の選手たちの活躍である。ドイツのバックラインを翻弄した浅野、大舞台でその真価を発揮して見せた堂安、そして泣く子も黙る三笘薫の3人は非常に際立った活躍を見せたといえるだろう。列強も含めて交代枠でのゲームチェンジに苦しむ中で、ペースを変えるための日本の手札の豊富さは大会トップレベルと表現しても相違ない。

 放り込みへの耐性の強さも特筆すべき点である。高さで違いを見せた吉田と板倉、大外で対人無双を見せた冨安などの海外組の活躍はもちろん、Jリーグを主戦場としている谷口も違和感なく大舞台で跳ね返しができていたのがさすがであった。

 課題となるのはやはりボール保持の局面だろう。カウンターとハイプレスに特化しながら試合中盤まで進め、最後は三笘に託すことで保持のクオリティはうやむやにしてきたところがある。だが、ボールを持った時の崩しのパターンが確立されていないことは火を見るよりも明らかである。

 クロアチア、コスタリカなど日本が勝てなかったチームはいずれも三笘の投入から明確に守備のシフトを変えており、とっくに彼がジョーカーであることはバレてしまっている感があった。三笘によってスライドした相手の陣形を壊すなど、三笘シフトへの応じ手が必要であった。

 ノックアウトラウンド未勝利の壁を越えられなかった部分も非常に明確であり、今度日本が立ち向かうべき示唆に富んだものだった。その一方で、個人レベルで世界に負けない選手が増えたという点では非常に意義深い大会になったといえるだろう。

Pick up player:堂安律
本大会前での代表での不発ぶりはどこへやら。本番一発で結果を引き寄せるのだから、この男の勝負強さは本物なのだろう。シュート、クロスと多岐に渡った彼の左足の貢献なくして日本の大物食いは果たし得なかった。

今大会のハイライト

【ベスト16】韓国

■ギリギリだったグループステージ突破が生んだテスト不足

 初戦のウルグアイ戦は寝技に持ち込まれてのスコアレスドロー。続くガーナ戦ではキム・ジンスのオーバーラップから今大会のアイドルであるチョ・ギュソンへのクロスで2点のビハインドを一気に埋めて見せるも、ガーナに再び勝ち越しを許しての敗戦。

 追い込まれたポルトガル戦では勝利のみが突破の要件。後半追加タイムのファン・ヒチャンのゴールで重かったノックアウトラウンドへの扉を開くまでは、韓国はこの大会でリードを奪ったことが一度もないほど苦しい状況でグループステージの突破を決めた。

 実際のスコアの推移はともかくとして、3試合共通でいえるのは韓国は非常に「普通」に各大陸の猛者たちと渡り合っていたということである。フィジカルでの当たり負けもしないで立ち向かうことができるというのは日本、オーストラリアも含めアジアからグループステージを突破した3チームの共通点だ。

 そのアジアの2チームに比べれば韓国の得意な局面はバランスが取れている。保持も苦にしないし、フォーメーションを変えながら敵陣に迫っていくという部分に関しては日本やオーストラリアに比べればスムーズである。アタッキングサードにおける仕上げには不満があったが、その部分を突き詰められている代表チームの少なさを考えれば受け入れられる部分だろう。

 一方でどの局面でも問題なくやれた!というグループステージでの手ごたえがブラジル戦では裏目に出た感じであった。結局、普段通りで4-4-2でプレスをかけたことがブラジルの尾っぽを踏んでしまい、前半からあっという間に決着を付けられる一方的な展開の呼び水になったのは否めない。

 このあたりはグループステージの使い方も含めた議論にはなりうる。先に示した通り、韓国がグループステージを通してリードを得たのはポルトガル戦の終盤数分のみ。ブラジル戦に向けたオプションとして誰しもが考える「引きこもって守り切る」というプランを全くテストできる状況じゃなかったのは不運であった。

 無論、そうした戦い方を選択したからといってブラジル相手に健闘できたかといえるとそういうわけではないだろう。ただ、グループステージからそうしたプランのテストができなかったのが戦いの幅を狭めた可能性もまた否定できない。

Pick up player:チョ・ギュソン
ガーナ戦での2得点のインパクトは十分。韓国らしさを世界に知らしめるヘディングは彼自身の欧州の扉を開くものになるかもしれない。

今大会のハイライト

【ベスト16】スペイン

■DNAの分野では疑うことのないナンバーワン

 ある程度ブロックを組むことに定評があるコスタリカ相手に大量得点でスタート、懸念となるストライカー不在の不安は早々に払拭されたかに思われるなどスペインのスタートは上々だった。

 ボール保持からの即時奪回をコンボとしたスペインの支配力はドイツや日本相手にも十分に牙をむいたといっていいだろう。淡々としたポゼッションの中で中盤で移動を繰り返すガビとペドリは相手の基準点を乱すことに貢献をしていたし、神出鬼没のダニ・オルモはEUROと比べても明らかに存在感を増しているなど個人のインパクトも十分だった。

 しかしながら、得点を奪うという部分で決め手になる部分が見当たらないのが痛恨だった。実質得点を取るための手段は中盤で作ったズレを淀みなく敵陣まで運べた時に限っており、そこまで運べたケースはいくらスぺインと言えど稀である。

 そうした苦しい状況を産んでしまったのはやはり頼れるストライカーの不在だろう。モラタのパフォーマンス自体は比較的高いレベルだったのだが、あくまで前線のアクセント止まり。得点源としての働きを彼に期待することはそもそも厳しい感じがあるし、それ以外の選手が入ればMFが1人増えた色が強くなってしまう。

 さらに状況を苦しくしたのが大外におけるアタッカーが実質不在だったこと。日本戦が非常に顕著だったが左のアンス・ファティはおそらくここで起用したい選手ではないだろうし、右のフェラン・トーレスは汗かき役としては優秀な一方、三笘との1on1を制せないようではノックアウトラウンドでボールを預けて何とかしてもらうことを期待するのは無理がある。

 リズムを刻むようにパスをつなぐことはできるし、選手を多少入れ替えてもそうしたリズムを継続できるのは彼らの代表としてのDNAを感じる部分。ルイス・エンリケのいうように代表のスタイルの根差し方でいえば彼らが一番であることに相違はない。

 だが、W杯は代表のスタイルの根差し方を競うものではなく、勝利を目指してゴール数を競うもの。スタイルが失われていないからこそ、4試合中で3試合を勝てない状況に陥ってしまったことは重たい。早々と敗れた列強の中で最も舵取りが難しいチームの1つのように思える。

Pick up player:ダニ・オルモ
スペインに求められるポゼッションにおけるスキルを満たしながら、個性を乗っけることが出来たという意味では彼が一番ではなかっただろうか。中盤にコンバートされた日本戦の終盤で最もゴールを脅かした恐怖は簡単にはぬぐえない。

今大会のハイライト

【ベスト16】スイス

■極端なマンツー志向は後悔が残る

 グループステージでの戦い方は堅実そのもの。カメルーンをしたたかに下し、ブラジル相手には粘りながら終盤勝負に持ち込むことに成功。敗れはしたものの健闘したといっていいだろう。

おそらく、大会前の想定通りであろう1勝1敗で迎えた最終節ではセルビアとの一騎打ちを制し、見事ノックアウトラウンド最後の1席を掴んで見せた。

 セルビア戦で見せたのはチームとしての完成度の高さである。ポゼッションは柔軟であり、ライン間を引き出す動きとライン間を攻略するソウやシャキリの連携は抜群。攻撃の起点を明らかに作り続けて、やや終盤に緩慢さが目立ったセルビアとの違いを見せつけたといっていいだろう。

 セルビア戦で見せた保持での引き出しから、ブラジル戦で見せた粘り強い非保持までの振れ幅の豊富さこそスイス最大の武器。どの分野で戦わせてもかなり高い水準の出来を提供することが出来る。

 それだけにポルトガル戦で見せた極端な戦い方は悔いが残るように思える。深くまで人を捕まえるスタンスはポルトガルとのアタッカーと純粋な勝負の土俵をうみだしてしまい、ゴンサロ・ラモスとジョアン・フェリックスにあっさり破壊されてしまう引き金を自ら引いてしまった。

 ブラジル戦のようなブロック守備でポルトガルのボール保持をじらし、プレス回避からセネガル戦で見せたようなライン間攻略をメリハリをもって戦うことができれば少なくともここまで差がつくことはなかっただろう。ポルトガルに勝てる土俵は他にあったはずなのに、マンツー志向が強い守備であっさりと散ってしまったのは切ない。

 これでベスト16で阻まれるのは5度目。日本以上にベスト16の壁に跳ね返されているのは彼らしかいない。日本と同じように苦しい状況をどのように打開するのか、悔しい思いをまた4年持ち越して再チャレンジに挑むこととなる。

Pick up player:ブリール・エンボロ
スイスのアタッカーは器用だが、パンチ力に欠けるイメージがあるが、陣地回復ができる分エンボロは過去のストライカーと比べても特別。展開を選ばずに貢献できる万能性に縦へのスピードを付与したスイスにおける不可欠な9番といえるだろう。

今大会のハイライト

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