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「22年前は中学生だった」〜勝手にプレミア定点観測 25-26 決定版 part4~

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【16位】ノッティンガム・フォレスト

11勝11分16敗/勝ち点44/得点48 失点51

狂い咲きの監督人事に振り回された一年間

 まさしく狂ったようなシーズンだった。監督交代の回数は合計で3回。4人の監督を経て残留を最終的に勝ち取ったという結果がついてきただけハッピーだった。そんな1年間だった。

 何度も監督を代えたということ自体にも混乱を感じるが、個人的には一番初めの監督交代が一番狂っているように思う。もともと、関係は悪かったヌーノとの決裂は仕方ない(それでもシーズンオフにやっておけばよくない?とは思うが・・・)としても、ポステコグルーを引っ張ってくる決断には驚かされた。

 「去年、あの成功の仕方をしたスカッドをポステコに渡してどうするの?」というプレミアウォッチャーなら誰でも真っ先に引っ掛かるであろう疑問を解決できないまま、1ヶ月半という時間と契約にかかったお金を無駄にしたのはなかなか。個人的にはパワー系のオーナーはキャラが立っていてリーグにこういうオーナーがいる分には楽しめるタイプではあるが、狂い方がもうちょっとあるだろうという感じがする。ちなみに後半にはオーナーがいた席が空席になっていて、その試合後に解任というストーリーは美しい。さすが世界に誇るプレミアのカメラワーク。

 最終的な残留に向けた解答というのがヴィトール・ペレイラというのは味わい深いし、なんだかんだELに準決勝まで残ったのも興味深い。いろんなところに寄り道をしながら、最終的には手堅いルートにはたどり着いた印象。ただし、ウッドが不在の期間が長く、エランガが移籍ということでギブス=ホワイトの相棒探しにはかなり苦戦した印象。それでもプレミア初年度のジェズスやエンドイェ、そしてハッチンソンなど新戦力を活用しながらなんとか善戦。そもそも、ギブス=ホワイト本人が15点を叩き出したことが素晴らしい。

 後方ではアンダーソンがさらにスケールアップ。個人的にはニューカッスルからの移籍時に払った価格は「まあまあ行ったな」と感じていたので、自分の見る目のなさを痛感させられる。守備での危機管理能力に、長いレンジのパスを活かすパスなど攻守に万能に成長した8番はこの夏マンチェスター・シティに旅立っていった。

 来季は現状のスカッドと目指すスタイルのギャップを狭めながら安定感のある1年間を過ごしたいところ。グラスナーということでややモデルチェンジを示唆されることになるが、編成も含めて新指揮官をバックアップできる体制を整えることができるかどうか。25-26のような狂い方を繰り返せば今度は助からない可能性もある。

Pick up player:モーガン・ギブス=ホワイト
 ピッチ外の混乱もどこ吹く風。今年も誰よりも頼りになる男が攻守に汗をかいてフォレストを牽引した。

今季の道のり

【17位】トッテナム

10勝11分17敗/勝ち点41/得点48 失点57

救世主による再定義から始まる

 「シーズンの最終戦を終えた瞬間に歓喜の輪ができた」というエンディングだけを見れば、成功のシーズンのようにも映らなくはない。実際のところ、最終盤に立てた目標にコミットすることができたからこそそうしたシーンは生まれているのだから、ある意味では間違いではない。

 だが、トッテナムが最終戦で残留を決めたという事実自体が衝撃的であることも間違いない。昨季のような下位の3チームが決まっていた見かけだけの17位とは訳が違う。今年はウェストハムとのマッチレースが最終節まで続き、正真正銘の残留争いを経験した。

 トーマス・フランクを迎えた新シーズンは開幕してしばらくは順調。必殺技を使わずに地道にビルドアップやプレッシングの精度を上げていくようなアプローチで腰を据えながら少しずつ前に進んでいこうという方向性自体も悪くないようにも見えた。第2節のシティ戦での勝利はその証明の一環だと言えるだろう。

 しかしながら、お得意様であるシティ相手以外での上位勢との直接対決で敗れ続けると、欧州カップ戦との並行したスケジュールの中で少しずつ順位が低下。年明けから長らく続いた未勝利は3人目の監督であるデ・ゼルビが指揮した4月25日まで止まらなかった。

 2人目の監督であるトゥドールはピッチ内外に不運もあったものの、個人的にはノース・ロンドン・ダービー前という交代のタイミングが悪手に見えた。ライバル相手に結果を出せば勢いが出るという魂胆は理解できるが、強引なハイプレスで再建者として名を馳せる指揮官を付け焼き刃のプレス設計で首位チームにぶつけるというのは明らかに空振りの確率が高い。1つ目で空振りしてしまうと苦しいであろうストーリーだっただけに、初戦で結果が出なそうな相手に当てるのはもったいなかったように思えた。

 シーズンが進んでも怪我人の数は減らず、勝ち点を積み上げることができないホームスタジアムの観客は試合を追うごとに諦めが早くなるという悪循環。それでもデ・ゼルビが腹を括って監督に就任した終盤戦には6試合で11ポイントを確保して残留を達成した。

 来季はやりたいサッカーの再定義から始まることになるだろう。デ・ゼルビも就任初戦は「こういうことがやりたいのかな?」と感じるシーンもちらほら見られたが、徐々になりふり構わない形から勝ち点を取ることを優先したようにも思える。

 燃え盛る山火事から栗を拾った指揮官に応えるべく、この夏は積極的な動きを見せている。初めてのプレシーズンを過ごす指揮官とともに来季は本来の位置にチームを戻すための1年間ということになるだろう。

Pick up player:アントニーン・キンスキー
 メトロポリターノのピッチに全く適応できず、大敗の主役となってしまったCLを経て、最終盤には守護神としてカムバック。チームを救うセーブを連発し、一転して残留の立役者となった。

今季の道のり

【18位】ウェストハム

10勝9分19敗/勝ち点39/得点46 失点65

土台となる堅守に脆さが生じる

 過去2年のボーダーとは打って変わって引き上がった残留ライン。競争力のある昇格組が入ってきた中でその被害者となったのはウェストハムだった。

 星勘定の話をするのであれば、好調の時期がなかったのが痛かった。上位を含めて年間を通して安定した状態をキープするのが難しいリーグにはなっているが、その中でも多くのチームはある程度まとめて勝ち点を取る時期が存在している。その山を作ることができなかったことが最終的にウェストハムが涙を飲んだ要因だと言えるだろう。

 スタッツを見ると60の大台に乗った失点数はなかなかに重荷になっていることは想像に難くない。本来であれば、堅く守って縦に速く進んでいくというスタイルがウェストハムが成績をコンスタントに出していた時期の特徴。

 だが、平たく言えば「堅く守る」という前提が守られないまま受けに回ることが今季は明らかに多かった。後ろに重心を傾けてもセットプレーでの対応やクロス対応に難を抱えることが多く、カウンターで仕留めるまで踏ん張ることができない。

 最終盤は防波堤として君臨したマヴロパノスとシュートストップ覚醒モードのハーマンセンによって勝ち点を少しずつ集められるが、監督交代でまとめて勝ち点を奪ったトッテナムとのマッチレースに敗れてしまった。せめて、この守備の軸がもう数ヶ月前に定まればという思いはあったかもしれない。1月や2月の時期の拙いゲームクローズで落とした勝ち点は最後には大きな足枷になった。

 サマーフィルの活躍や冬のカステジャーノス、パブロを使った前線の再編など攻撃的なタレントのシャープさ自体は残留を決めたチームと比べても遜色はない。それだけに守備を中心とした試合運びのところはなんとかしたかった。そもそもヌーノに期待したかったのはその部分だろう。

 来季はチャンピオンシップでのリスタート。ボーウェンはすでに残留宣言を行っており、愛するチームと共に1シーズンでプレミアに帰還することを目指すこととなる。中心選手の心意気と共に手堅いウェストハムを復活させて、プレミアに再度殴り込みをかけたいところだ。

Pick up player:マテウス・フェルナンデス
 安定したゲームメイクで加入1年でトッテナムに高額で売られて行ったMF。もう少し長くこのクラブで見たかったファンは多かっただろうが、少なくとも投機案件としては大成功だった。

今季の道のり

【19位】バーンリー

4勝10分24敗/勝ち点22/得点38 失点75

理想と現実との乖離を埋められず

 近年のプレミアにおけるエレベータークラブの代名詞的な存在となりつつあるバーンリー。今回の挑戦も23-24と同じく1年でチャンピオンシップに逆戻りとなった。

 平たく言えば彼らが残留を目指すことが難しいのは、目指したいスタイルと実際にプレミアの戦いで強いられるスタイルがあまりにも乖離しているからだろう。ショーン・ダイチ時代のキックアンドラッシュのイメージが強いバーンリーではあるが、コンパニ就任以降は一貫してポゼッション志向が強いのが特徴。

 今回のスコット・パーカーに率いられたチームも例外ではなく、ボールを自陣から動かしていきながら手数をかけて敵陣に入っていく。得点を取ることができるパターンは縦に速いカウンターよりも幅を使いながらボックス内に枚数を送り込むことができたケース。大外のSBのオーバーラップで厚みを作り、ボックス周辺でのアンソニーやフレミングで仕留める形から得点を取るのが理想的である。

 しかしながら、今のバーンリーはプレミアでの多くの時間を受けに回るケースが多く、押し込んで敵陣でプレーする機会がほとんどない。そうなってくると耐久性がない守備陣では苦しいものがあるし、一発で陣地回復するのが難しい前線の面々の持ち味も生きてこない。

 これが目指したいスタイルと現実との乖離である。実際は押し込んで枚数をかけて崩したいところだが、リーグでの力関係を考えると自陣に押し込まれる時間を長く過ごすこととなり、敵陣には少ない枚数で鋭く入っていくことが求められる。チームが力を入れるフェーズと実際に力を求められる領域が一致していないのがここ数シーズンのバーンリーのスタイルである。

 おそらく、チャンピオンシップを制圧するにはこのスタイルは安定しているのだろう。力関係が下にならない状況であれば、保持から作るスタイルで持ち味をより強く押し出すことができる。だが、プレミアでは同じ構図にはならない。このギャップに苦しんでいるように見える。

 次回のチャレンジでは相手に自分たちの強さを押し付けて、敵陣でのプレータイムを増やすアプローチか、リアクションでの強度を高めてリーグにアジャストするかの2択。それができなければ今回のように再チャレンジは簡単に阻まれることになるだろう。

Pick up player:ハンニバル・メイブリ
 マーカス・エドワーズとともにピッチを広く使いながらバーンリーの攻撃に厚みを出すパスワークから敵陣に迫るルートを探る司令塔。W杯はお疲れ様でした。

今季の道のり

【20位】ウォルバーハンプトン

3勝11分24敗/勝ち点20/得点27 失点68

例年通りに行かなかったスロースタート

 毎年のことという意味では開幕直後の出遅れはあまり焦る必要はないという感覚だった。しかしながら、例年通り降格圏からシーズンを始めるウルブスにとって誤算が2つ。

 1つ目は明らかに例年に比べて残留のボーダーが上がりそうなシーズンだったこと。開幕の時点で旋風を巻き起こしていたサンダーランドの存在からも、ここ2年のような残留争いにならないことは序盤戦から容易に想像ができる状況。その中でボーダーから引き離される状況が続くことは明らかに不穏であった。

 もう1つはウルブス自身の不調がいつもよりも長引いてしまったこと。いくら後半からの巻き返しが得意なチームとはいえ、前半19試合の勝ち点が3であればここからのリカバリーは難しい。

 最終的なボーダーだった40ポイントをターゲットとするならば、後半戦19試合で必要な勝ち点は37。年間勝ち点74のペースでハーフシーズンを過ごす必要がある。エドワーズが就任した第12節の時点ですでに状況は奇跡を祈らなくてはいけない状況となり、シーズン半分を残した時点で事実上の残留争いは決着したと考えるのが妥当だ。

 苦しかったことはまともに渡り合えるような武器に欠けていたこと。どのチームにでもあるようなこの形であれば勝負できる!という形を確立することができず、アグレッシブなスタイルでは火力で敗れ、耐え忍ぶスタイルではジリ貧に追い込まれるという八方塞がり。

 その象徴としては前年よりも半減した27得点という年間ゴール数が挙げられる。独力でゴールに向かうことができたクーニャの不在は思ったよりも重たかった。

 むしろ、この絶望的な状況で後半戦は通常の降格圏チームくらいにはよく巻き戻したというべきだろう。来季を見据えた戦力の整理をする中で、集中力を切らさないような運用でアーセナルやリバプール相手に勝ち点を奪ったエドワーズの統率力は一定の評価を与えるべきだ。

 ラウール・ヒメネスのカムバックなど最短で復帰するための準備は着々と進んでいる。今季の最多得点者が3得点だったことを考えれば、安定したゴールゲッターの加入はこの上ない朗報。エースの確保に早々に成功した中で、セザール・ペイショット新監督は1年でのプレミア帰還を果たすことができるだろうか。

Pick up player:トル・アロコダレ
 プレミアリーグらしい未知数だけどもとにかく競り合いだけには強いというパワー系FW。コンスタントな活躍は難しかったが、戦況に関わらず怖い状況を作り出すことができるという強みはそれなりに発揮できたとは思う。

今季の道のり

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