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「シティに勝ったから優勝ってことで良くないですか?」〜勝手にプレミア定点観測 23-24 序盤戦編 part3~

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目次

【11位】ブレントフォード

4勝4分4敗/勝ち点16/得点19 失点17

2本柱以外のトラブルにもなんとか対応

 快進撃を見せた昇格初年度の21-22に続き、22-23という2年目の壁も残留争いに巻き込まれることもなく順風満帆に過ごしたブレントフォード。プレミアでは最も少ない規模の人件費でこれだけの安定感を確立できているのはトーマス・フランクを軸に築かれた2020年代のプレミアにおける発明といってもいいだろう。

 しかしながら、3年目となる今季はこれまでとは異なる試練を迎えることになった。もちろん、大エースのイヴァン・トニーの出場停止とアーセナルに去っていったダビド・ラヤの穴が埋まるかどうかである。20ゴールを保証できるストライカーと守護神、そしてロングフィードでつながる2人のホットラインが解体されてしまうことは間違いなくブレントフォードにとっては大打撃である。

 さらに、ブレントフォードを追い込んだのは怪我人事情だ。勝負となるはずの前線では好調をキープしていたシャーデが長期離脱。チャンスが回ってきそうなルイス-ポッターは細かい負傷が続き、安定した出場機会を掴むことができない。前線はほぼ3人で回すことになっており、昨季は代打の切り札だったウィサが使い倒されている。

 それ以上に深刻なのはSBである。充実一途のキャリアを描いていたヘンリーが大怪我で復帰の目途が立たず、左右両用のヒッキーもリタイヤ。中盤のジャネルトをコンバートする必要があるくらいに困窮することとなってしまった。無理をしないスカッド作りが第一なので、もちろん補強は平年並み。エースと守護神以外にも非常に苦しいやりくりのシーズンになっている。

 そんな状況でもらしさを失わないのがブレントフォードの素晴らしいところ。穏やかな4-3-3と対強豪用の3-5-2の使い分けは今季も健在。一時は低迷していた時期もあったが、今季も残留争いとは遠く離れた位置でプレミアを駆け抜けている。

 トニーの不在で開花したのはムベウモだ。もとからトニーの陰に隠れていただけで実力は十分だったのだが、なんでもやる必要がある過酷な環境が彼をさらにスケールアップさせた感がある。

 裏に引っ張る形でカウンターの完結役としてチームを牽引。ここまで6ゴールという成績はワトキンスやソランケなど実績十分なストライカーに並ぶ数字となっている。右に流れれば、左足からゴールに結びつけるクロスからフィニッシュをおぜん立てする場面も。ゴールとアシストの合計値が彼より多いプレミアリーガーはソン、ボーウェン、ワトキンス、サラー、ハーランドの5人だけである。得点でこれだけ数字に関与しながらも、守備をさぼらずに行っているのだから頭が下がる。

 チームとして要所要所における出力は確かに昨年よりは陰りが見える。ただ、明らかに悪い時期は脱し、ブレントフォードらしい相手を飲み込むラッシュも少しずつみられるようになった。冬の編成がどうなるかは不透明だが、きっちり不足箇所を手当できれば、今年も最低限の残留という目標達成に苦しむことはないだろう。

Pick up player:マティアス・イェンセン
 本文を読めばわかるとは思うが、怪我人だらけのスカッドでもタフな中盤は今季も無傷。イェンセン、ノアゴール、ジャネルトの鉄人ぶりは今年も健在である。その中でもロングスローに定評があるイェンセンをピックアップ。いろんな投げ方があるロングスローだが、個人的には背筋力をシンプルに生かすフォームが好き。だからイェンセンとフォレストのニアカテが好き。

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【12位】ウォルバーハンプトン

4勝3分5敗/勝ち点15/得点16 失点20


後方のムラがなくなれば台風の目になりうる存在

 もはや伝統芸能となりつつあるシーズン序盤の出遅れは今年も健在。もっとも、今季は例年に比べると内容は悪くない立ち上がりだった。開幕戦ではユナイテッド相手に一歩も引かない真っ向勝負を挑み善戦。オナナがカライジッチをぶん殴っているのを見逃されなければ十分に勝ち点を取れていた可能性はあったといえるだろう。

 その開幕戦が象徴するように序盤戦のウルブスは悪くない内容なのに、なぜか負けてしまうという流れが非常に多かった。開幕5試合の中で唯一勝利したエバートン戦はその真逆。タコ殴りにされながら勝ち点3を掬い取ったような試合内容であった。

 そこから先はだいぶ成績も安定。大きな要因となったのはコンディション面の良化だろう。序盤戦の悪くない流れを結果に結びつけられなかった一因は躍動するアタッカー陣が60-70分を目途にガス欠を起こしてしまうから。

 しかしながら、前線のエース格が90分を苦にしなくなってから風向きは変わり始めた。ポスト役のクーニャが中央に君臨し、ポストにフィニッシュに八面六臂が駆け回ると、前を向いたWGたちが一気にゴールに迫ってくる。

 より外側のレーンでプレーするネトと縦への鋭さでゴールに迫るヒチャンの両雄は開幕からコンディションを少しずつ上げており、終盤戦でも十分に勝負ができるスタミナを身に着けている。

 ネトはドリブルからのキャリーでシティを撃破する一振りを見せたし、ヒチャンは欠場もなく、ネトより高い安定感を誇り、特にフィニッシュの局面でチャンスを作っている。クーニャを含めた3人への信頼度は高い。

 アタッカーは彼らに続く4人目の男が出てくるかが争点になるだろう。現状ではトッテナム戦で違いを見せたサラビアが最有力。再起を図るファビオ・シルバはブレイズ戦で負けにつながるPKを献上してしまうなど、依然としてピリッとしなさが先に来る。

 中盤より後方のブロックはGKのジョゼ・サを筆頭にいい時と悪い時に出来の差がある印象。ハマれば強いが、簡単なミスも多くこの部分が安定した成績に繋がっていない理由になる。

 バックスの安定感が板につけばウルブスの脅威は倍増。その課題をクリアできれば、昨季のボーンマスのようにオニールのチームが2年連続で軌道に乗ることになるだろう。

Pick up player:ファン・ヒチャン
 とにかく数字を残すし、試合終盤でも使い減りしないタフさがある。加えて大舞台には物怖じしないという強心臓も持っている。強豪食いにうってつけのストライカーだ。

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【13位】クリスタル・パレス

4勝3分5敗/勝ち点15/得点12 失点16

若武者2人が更なる高みに引き上げられるか

 ここ数年は安定して注意をキープしているクリスタル・パレス。もはや、プレミアの門番といってもいい立場を確立したといってもいいだろう。

 昨季途中にヴィエラに代わっての緊急登板感があったホジソンは今季も続投。老将は今季も堅守速攻の手堅いチーム作りに終始している。SHのアイェウとシュラップはリーグでも屈指の守備的SH。サイドの封鎖に加えて、攻撃でも文句のないクオリティでチームの屋台骨を支えている。

 中盤セントラルではドゥクレとコンビを組むのはプレミア実績十分のレルマ。ソリッドな中盤で撤退型の手堅い展開にもっていくのは今年も得意な形である。今季はヒューズも台頭。昨シーズンのような軽さは消えて、しっかりと存在感のあるプレーを攻守に見せている。

 例年と少し事情が違うのはロングカウンターの軸となるアタッカーが不在なこと。ザハはトルコに新天地を求め、新世代としてバトンを受け取ったエゼとオリーズは揃って負傷で出遅れてのスタートとなっている。

 パレスの堅実さの大きな柱となっているのが堅いローブロックの守備。だが、これだけでは怖さが皆無。スピード豊かなアタッカーを軸としたロングカウンターがセットにならなければ、相手に脅威を感じさせることは難しい。

 序盤のパレスはこの両立がうまくいかなかった。エドゥアールは好調ではあるが、1人ですべてをやりなさいというタイプではないだけにワンマン速攻をしていたザハを同じようなことをやるのには無理がある。前を向くタイプのマテタと縦関係を作れればそれでもいいのだが、揃って起用してしまうとやや前線からの守備のソリッドさが失われるのは気になるところ。そうしたジレンマに悩まされる前半戦となった。

 それでも大崩れをしないあたりはさすがの安定感。イングランド代表の常連となっているグエイがアンデルセンとコンビを組むDFラインのソリッドさは今季も健在。そして最後方に位置するジョンストンの守護神ぶりもさすが。ロースコアという欠点を守備力できっちりと補っている。失点16はボトムハーフでは最も少ない数字である。

 そうこうしている間にオリーズとエゼは復帰。ここからは反撃のターンといえるだろう。ボトムハーフの中では安定感は別格。はっきり言ってしまえば残留を目標にするチームではないのは明らかだ。ソリッドさの上に脅威を載せられるかどうかは攻撃を牽引する2人の若武者にかかっているといっても過言ではないだろう。

Pick up player:ミカエル・オリース
 エゼと揃って報道を裏切る契約延長。まずは通年のシーズンでパレスを牽引するエースとして君臨できることを証明したい。

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【14位】エバートン

4勝2分6敗/勝ち点14/得点14 失点17

突き落とされた降格圏から脱して落ち着きを取り戻したい

 ブログの記事を書く時はまずひな形をガンガン下書きに入れ込む。枠組みだけあらかじめ山のように作っておき、そのあとに本文を書いたらさっさと提出できるスタイルになっている。試合直後にハイライト記事をあげることができるのはこのひな形の記事をあらかじめ準備しているからである。

 何が言いたいかというと、確かにこの記事のひな形を作った時にはエバートンは14位だったということ。そして、そこから1試合もプレミアリーグは開催されていないにも関わらず彼らは5つ順位を落としているということである。理由は聞くな。野暮である。というわけで当初の予定通りこの順位での紹介になります。ご容赦ください。

 昨季途中就任でチームを救ったダイチに二季目を託す決断をしたエバートン。もちろん、方向性は昨季を踏襲。古き良きイングランドの4-4-2を優秀なフィジカルを持っているエバートンでやってしまおうという形である。

開幕直後はフラム戦やウォルバーハンプトン戦などシュートチャンスを多く作りながらも勝ち点を取れない試合が続くことになった。新加入のベトはロングボールのターゲットとしては優秀なのだが、ボックス内でのシュート精度という点では明らかに注文がつくレベル。ほかの選手もこれを補うことができず、チャンスをドブに捨てては勝ち点を手にする機会を逸する試合が続いていた。

 なんとか踏ん張れていたのは後方のCBコンビが定まったことが大きい。特にブランスウェイトの定着は大きなプラス。ターコウスキとのコンビは派手さこそないが、安心してバックラインを任せることができる選手が2人そろっているのは大きい。

 そして、攻撃面で契機になったのはやはりキャルバート=ルーウィンの復帰だろう。ブレントフォード戦で試合を決める3点目を手にするなど、ボックス内での存在感はベトをはるかにしのぐところがある。

 トップ下に抜擢されたドゥクレもダイナミズムを解放。プレスやボックス内への突撃などのびのびとしたプレーを多く見せており、決定的なスコアラーとしても活躍を見せている。ピッチのあらゆるところに顔を出していたイウォビの退団は痛いが、ガーナーが独り立ちしたのは大きな材料。オナナ、ドゥクレ、ゲイェの中盤に割って入れる存在はエバートンにとっては貴重だ。

 マクニール、ハリソンという頑張れる系SHもダイチのカラーにぴったり。ハマった時のインテンシティは脅威で、ボーンマス戦は完全に試合を飲み込んでボーンマスに本当に何もさせなかった。中断前ラスト3試合のウェストハム、ブライトン、パレスという難敵相手にも2勝1分と無敗で乗り切るなど、スカッドが揃い強度が担保できたエバートンは上り調子である。

 それだけに今回の勝ち点減点は大きなインパクトになる。このままの強度を維持できれば、残留は難しいミッションではないと思うが、悪い流れに引っ張られてしまうのもサッカーあるある。まずは降格圏から抜け出してチームに落ち着きをもたらせたいところだ。

Pick up player:ヴィタリー・マイコレンコ
 LSBながら目下2試合連続得点中。インサイドでの攻撃参加に開眼したマイコレンコのスコアリング能力は一時のバグなのか覚醒なのか。

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【15位】ノッティンガム・フォレスト

3勝4分6敗/勝ち点13/得点14 失点18

アウォニイ以外のホットライン開通がカギになる

 昨シーズンは大幅な補強でチェルシー以上にパズルゲームの様相を呈していたスティーブ・クーパーのフォレスト。終盤にようやく最適解が見つかった感があり、最終節を前に残留を決めることができた。

 今季も昨シーズンほどではないにせよ、クーパーのパズルゲームは開幕から行われていた感がある。もっとも、昨シーズンに比べれば混乱は少ないといえるだろう。中盤ではPSVからサンガレを確保。有望株をあっさりとかっさらっていった衝撃はなかなかに大きい。

 IHで相棒を組むドミンゲスもすんなりとフィット。攻守にハイインテンシティに耐えることができて、プレミアリーグのリズムにもあっという間になじむことができた。このように中盤はかなり早い段階で構築が完了した感があり、その分チームとしての安定感は早い段階で確立することができた。

 戦績にばらつきがあるのはやはりアウォニイがいるかいないかでカウンターという背骨に一本筋が通るかが決まってくるからだろう。限られたプレータイムで二桁ゴールを記録した昨シーズンの活躍が目覚ましいのは確かだが、怪我がちな傾向は今季も継続。前線の柱としてシーズンを通してどこまで計算ができるかは未知数である。

ジョンソンがチームを去った今季はアウォニイ以外にギブス=ホワイトとのホットラインを築ける選手がどれくらいいるかが重要なポイントになってくる。候補として挙げられるのはメガクラブでの経歴を持っている2人。エランガとハドソン・オドイだ。

 現状ではエランガが一歩リードという感じだろう。スペースがある状態では無類の強さを誇れるエランガならば、フォレストでも十分に活躍できる土壌はある。その一方でスペースがない時の引き出しの少なさは課題といえるだろう。彼がギブス=ホワイトとの関係性を確立できれば、アウォニイ不在時のパフォーマンス低下はある程度抑えることができるはず。そうなれば、やや不安定なフォレストの成績も安定することになるだろう。

 CBコンビのニアカテとムリージョの2人も面白い。身体能力で勝負できるニアカテと上背は低いが読みが光る上に、バックラインからボールをキャリーできるムリージョの組み合わせでどこまでいけるかは興味深いところ。

 GKとSBのクオリティも含めて戦力的な位置づけは残留争いよりは少し上にいる感覚だ。昨年よりも早く最適解は仕上がった感がある。危険水域に踏み込まないように勝ち点を拾いながら、安全地帯をキープするシーズンにしていきたい。

Pick up player:モーガン・ギブス=ホワイト
 今季もフォレストの10番として君臨。保持での万能性はもちろんのこと、ピンチに陥った際には体を張った守備で雄たけびを上げてチームを牽引するなど、チームの顔といっていい存在だ。

今季の道のり

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 つづく!

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