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【ベスト16】カナダ

心残りを挙げるとすれば・・・
開催国の一角として初戦のボスニア・ヘルツェゴビナ戦で躓いてしまったことは痛恨だろう。だが、カタールを叩きのめしたことでグループステージの突破は手中に。ノックアウトラウンドではくじ運にも恵まれたが、最終的にはモロッコを前に力尽きてしまった。
やはりこのラウンドまで進んできたチームということでどの局面も比較的しっかりしているなという感じ。ポゼッション、トランジッションでの縦に速い展開、ブロック守備、プレッシングなどどの盤面も水準以上のものを出すことはできた。
中でも基本的なフォーメーションである4-4-2ではカバーしにくいであろうポゼッションとハイプレスの局面への対応力が見事。問題なく変形とサイド圧縮を駆使して器用にこなしていたのが印象的だった。
大会の中での戦力の拡充もとても良かったように思う。第2節ではジョナサン・デイビッドが得点力を爆発させつつ、第3節ではジョーカー役のプロミス・デイビッドが得点を決める。SHも含めて前線に多様性のあるタレントで層が厚くなったのは心強かった。
ノックアウトラウンドからDFラインに入ったボンビトはスピードを生かした対応で、機動力のあるモロッコや南アフリカのアタッカーを封殺。この起用は明確に当たったと言っていいだろう。
極め付けとなるのは真打・デイビスの投入。南アフリカ戦で切り札として交代出場したLSBは明確にスイッチ役に。得点に辿り着くには時間がかかったが、最終的にはゴールをもぎ取り、なんとか起爆剤としてのストーリー作りにも成功した。
モロッコ戦で手痛かったのはフィニッシャーの質不足。前からのプレスがハマる展開だっただけに、前半のうちにここを決めることができれば状況は全然違ったはず。最後は力負けとなったが、後半にモロッコが持ち直す前にスコアで優位を取れればというところが悔やまれる結果となった。
もう1つ残念なところを挙げるとすれば、スイスに敗れてノックアウトラウンドのカナダが会場となるルートを進めなかったことだろう。せっかくならば首位通過で自国でトーナメントを突き進むルートを見たかった感じはある。力負けだから仕方ないけども。
それでも南アフリカ戦のゴールなど自国のファンを沸かせる部分は十分に作ったはず。デイビスが万全のままだったら、あるいはコネに負傷がなかったらなどいくつか「たられば」を言いたくなりはするが、胸を張って開催国としての責務を果たしたと言っていいだろう。
Pick up player:ジョナサン・デイビッド
多局面に対応できる器用さと決定力に欠けるところの両面でカナダを象徴する存在のように思える。
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【ベスト16】パラグアイ

成功と失敗で辿り着いたローブロック
大会としてのテーマはどのように4-4-2と付き合っていったか?ということになるだろう。最終的にフランス戦で見せた5-4-1での撤退もイメージにあるので、引いて受けてナンボのチームという印象に帰着するのは当然のこと。だが、そこに至るまでにはかなり紆余曲折があったのがパラグアイだったように思える。
最終的に撤退守備ベースで臨もうというフランス戦のスタンスが固まったのはドイツ戦の結果になるだろう。シンプルに回帰し、ハイタワー戦略以外の強みを押し出すことができなかったドイツにはパラグアイのローブロックベースの形はハマった。
前線のメンバーを考えると、簡単なロングボールからでの陣地回復は難しいようにも思えたが、エンシソのゴールで大枠としての戦術の後押しになったようには思う。結果的には延長まで持ち込んで、PKでのキックアウトに成功することとなった。
決勝トーナメントだけで見ればこの成功体験がフランス戦での礎になっていたように思う。だけども、個人的に指摘したいのはグループステージのアメリカ戦での失敗体験もフランス戦のプランの補強材料になっていること。
3-2-5に変形しながら、遅れて相手を捕まえにいくという形で後手後手のミドルブロックで話が進んでいったアメリカ戦の前半はこの大会の全ての試合を含めても一番一方的だったと言ってもいい45分。相手のビルドアップに食いつく形はこの大会では無理だと分かったのがこの試合だった。
ましてやフランスが相手となれば、遅れて出ていく形は命取りになる。ギャップからの加速に関してはフランスはこの大会の世界一と言ってもいいレベルなので、そこをまずケアしましょうとなるのは当然の話。
5-4-1にするかはともかく(4-4-2の場合はSHが自陣を埋めて時には6バックになるようなプランだったと思うけども)として、ローブロックに専念するという方向性自体はこの大会のどの試合を見ても理に適っているものだった。
しかしながら、前述の通り、ローブロックからの陣地回復の術に優れているチームではないのは明らか。ドイツ相手なら誤魔化しが効いたことはフランス相手には全く通用せず。1点取られたらおしまいの試合は文字通り1点取られて終焉。ダーティーなプレーと国会議員とエンバペの喧嘩を残し、大会を去ることとなってしまった。
Pick up player:ミゲル・アルミロン
口隠しからの退場に加えて、人間違いでの警告など「歩く新競技規則」と言ってもいい存在感。「今、この男に下されるジャッジが熱い」という特集をしてもいいくらい。
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【ベスト16】ブラジル

早すぎた当意即妙さの登場
大会全体を通してみれば、目の前の状況に対する最適化を粛々と続けてきたチーム。だが、敗退の瞬間にはそのバランスが崩れてしまったのかなという感想がしっくり来るチームでもある。
モロッコ戦で勝ちきれなかったことはいい気持ちでの滑り出しではなかったかもしれないが、スコットランドとハイチという2強2弱のグループであれば、ここで勝てないことは先々に大きな問題にはならないという判断になっても不思議ではない。前半の豊かな内容に比べると後半のギアダウンに寂しさは覚えるものの、モロッコもブラジルもここにピークを持ってくるチームというわけではないので、当然の帰結とも言えるだろう。
ハイチ戦では前半決着、スコットランド戦では要所で見せたハイプレスで試合の主導権を掌握。どちらの試合も余力を持ってノックアウトラウンドを迎える格好となった。
迎えた日本戦では佐野のゴールによって一発で当たりを引かれてしまう難しい展開になったが、CBを攻撃寄りのバランスに調整しつつ、対角のクロスから制空権を握るというベースプランの見直しが見事にハマった形。日本のポジトラやロングボールに対して、枚数をかけなくても対応できるというところから逆算したプランはアンチェロッティらしい理詰めの仕方であった。
しかしながら、ノルウェー戦では切り札として起用されたネイマールが逆噴射。ノルウェー相手に効いていた強度重視のファストブレイクに特化するという方向性を自ら弱めてしまったことが致命傷となった。
直接的な敗因は最後の選手交代の選択ミスだろう。1点を返すきっかけとなったとはいえ、ネイマールの投入はやりすぎだった感がある。
前線はハフィーニャ、ロドリゴの欠場など仕方のないところから、ジョアン・ペドロの選外とチアゴの機能不全など最後までメンバー選出が噛み合わなかった感。ライアン、クーニャは彼らの役割を全うしたと思うが、彼らとタイプの異なるタレントでリレーできるところまで設計をしておきたかった感じはする。
もっとも、アンチェロッティがすべて悪いのかというとそういうわけではない。日本戦での修正は見事だったし、パケタの負傷をマルティネッリのコンバートで埋めるアイデアもよかった。
逆にいうとそうしたアンチェロッティの修正力に左右されてしまう領域があまりにも早く来てしまったなという感じもする。ブラジルであればもう少し自分たちの強みありきの設計を押し付ける部分が欲しいなと思ってしまう。どっしりと構えて自分たちのスタイルを押し付けるのではなく、当意即妙さが割と早めに顔を覗かせた時点でこのチームの天井は見えてしまったのかもしれない。
Pick up player:カルロ・アンチェロッティ(選手じゃないけども)
スターシステムを採用し、負けたら鬼のように叩く人たちが支持者という点でアンチェロッティはレアル・マドリーのような職場を代表でも選ぶことはある意味必然のようなストーリーだなと思う。いろんな角度からのプレッシャーを整理しながら結果を出すならば、今の時代においてもこの男が第一人者ということなのだろう。
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【ベスト16】メキシコ

世代を超えて受け継がれるカラー
世代が移り変わっても、不思議とチームカラーの核となる部分が変わらないチームはあるのだけども、まさにこのメキシコ代表はその代表格のようなスタイルだなと思う。世代は移り変わってもボールを大事にするという精神がチームの中にきっちりと存在している。
アンカーのリラはポジションバランスが抜群で、どの位置に立てば相手がプレスをかけにくいかを熟知している。CBにはアルバレスを入れる形で後方の保持を補強するような姿勢もあった。
可変のメインとなるのは右サイド。アルバラードが低い位置まで降りていくアクションで空いた大外レーンをIHのモラかサンチェスが活用していく。この右サイドの旋回がアタッキングサードにおける決め手。4-3-3で大外に崩しの核となるWGがいなくとも、スペースを作ってクロスを上げ切ることができることが彼らの強みである。
ボックスの中ではエースストライカーのラウール・ヒメネスとLWGのキニョーネスが左サイドからのクロスを待ち受ける格好。サイドの可変に合わせて、逆サイドの選手はボックスの中に飛び込む構えができており、ターゲットがヒメネス1人になることはとても少なかった。
基本的にはこの保持のペースで相手を置いていくことができるのが強み。Round 32のエクアドル戦までは完全にこれで飯を食っていた感があった。
守備では人を捕まえるアクションをベースとした強気のプレスがよく見られる格好。テクニカル要素優先かと思われた中盤の人選がイングランド戦ではケインやベリンガムを抑える時間帯も作り出しているのだから、上手いだけではないことがよくわかる。
そのイングランド戦ではクロス対応が致命傷となっての失点。この失点で流れを持っていかれてしまい、得意なはずのビルドアップで立て続けにミスからの追加点を許してしまったのがもったいなかった。
イングランド戦では終盤に相手が10人となったところが苦しくなったところ。やはり、相手が出てきてくれてナンボというところはあるので、ビハインドシチュエーションかつ相手が引いて受けることに専念するという得意ではない状況に落とし込まれてしまった感じ。スペースを作り出す達人だけども、素材がありませんでした感があったのが今回のメキシコの最終回となってしまった。
自分たちの伝統的なスタイルを世代が変わっても継承できたことを確認しつつ、詰めの甘さによって苦手なシチュエーションに迷い込んだことが致命傷となったのが今回の大会だった。メキシコはどこまで行ってもメキシコだった。
Pick up player:ジルベルト・モラ
17歳でこの完成度なのはガチ。めちゃめちゃ市場価値が上がっただろうな。
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【ベスト16】ポルトガル

最終回では主人公にはなれず
クリスティアーノ・ロナウドの最終回という大きなテーマを背負ってこの大会に臨んだポルトガル。第1節のDRコンゴ戦では幸先よく先制点を奪うものの引き分け。
この試合で出てきた課題はプレス回避のところだろう。DRコンゴはかなりプレスへの意欲が高いチームだったので、ポルトガルはハイプレスをいなす必要性が出てくる展開だったのだが、全体的な重心が後ろに重くなってしまい、相手の守備者の背中を取るレシーバーが不在に。ブロックの手前、守備者の体の向きに沿った位置にしかパスをつけることができず。その結果、プレスに捕まることはないけども、ひっくり返して前進できるわけでもないというところに入り込んでしまった。
第2節のウズベキスタン戦からはベルナルドをベンチに置くことでMFよりも2列目のアタッカー成分を増やしていくことでメンバーを調整。相手のプレスを外した後のオフザボールの成分を増やすことで敵陣に入っていく頻度も上がっていったことでウズベキスタンをボコボコにする。
続くコロンビア戦ではすでに突破は決まっていたものの、メンバーの入れ替えは敢行せずに正面からの殴り合いに挑むような展開。前節のオフザボールのシャープさから相手を外すアクションの連携をより強い相手にも!という感じだったが問題は山積み。まず、非保持のフェーズでボールを奪いにいくアクションで間延びをしてしまい中盤がスカスカに。さらには敵陣にスピーディーに入っていくことはできるが、肝心のシュートがとにかく枠に飛ばないという決定力不足も露呈。オープンな展開で無駄に体力を消費してしまった感があった。
そういう意味ではRound32のクロアチアというアウトボクシングに付き合ってくれる相手は相性が良かったと言えるだろう。紙一重のところで失点を免れたという幸運もありつつ、Round16に進むことに成功。
スペイン戦では彼らなりに精一杯のコンパクトさと対角パスからのミドルというらしさを活かすことでなんとか食らいついていくが、ヤマルと対面するメンデスの負傷を合図にラインが下がってしまうことに。ジリ貧となったところを最終的には仕留められてしまった。
スペイン戦はむしろ健闘できた方であり、最終的にはどこかしらではGSまでで見せた課題は露呈してしまったかなというのが正直な感じ。主役が順当に輝く大会の中ではロナウドは相対的に物足りなかったことも含めて、この大会のメインキャストにはなれなかった感があった。
Pick up player:ヌーノ・メンデス
タラタラ感が否めない中盤より前の面々を尻目に後方から追い越して最前線に飛び出しつつ、ビルドアップ貢献やヤマルを止める守備までこなすスーパーSB。なんとなく、ポルトガルは代表になるとスケールが小さくなってしまう選手が多いイメージなのだけども、この人はやっぱりすごいことが再確認された。
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【ベスト16】アメリカ

斜め上の解決方法で取り戻せなくなったもの
開催国の一角としてグループステージから華々しい勢いで勝利を重ねてきたアメリカ。やや主力とベンチの差は大きい側面はありつつも、11人がきっちり揃えば出せるパワーの最大値はそれなりに天井が高いものだった。
フォーメーションは基本的には3-2-5に変形するようなオーソドックスなものだが、その中でも数人の選手がスペシャリティを発揮。2人分動くことができるマッケニー、目の前の相手を剥がすことができるプリシッチ、そして、ファストブレイクを一手に担いつつ、サイドに流れての背後のランもこなすバログンの3人はアタッキングサードでは欠かせないタレントであった。
こうしたタレントたちの存在がアメリカの3-2-5を引き上げた格好。細かく動くことで絶妙にマーカーを外したり、反転から加速したりなど、守備側が5レーンの立ち位置を遵守したところで守りきれない要素を付加することで相手に脅威を与えていた。
パラグアイ戦の前半は中でも圧巻。45分で面白いようにミドルブロックを壊し続けてあっという間の攻略。続く、オーストラリア戦でも同じ文脈で早々に首位通過を決めた。プリシッチの不在という難局も乗り切ったことで、さらに自信を深めることにも成功した。
しかしながら、ここから状況が一変。ボスニア・ヘルツェゴビナ戦では同じくただ5レーンを埋めるような守備をしている相手に対して完勝を収めたが、エースのバログンが退場。スピードを生かした裏抜けはベルギーのDFに対して刺さりそうと思っていただけに、さてどのように手を打つのか?というのは注目だった。
アメリカがこの事態をどのように解決したかはご存知の通り。ホワイトハウスからのホットラインにて退場による出場停止処分を猶予してもらうという非常に斜め上のアクション。私もサッカーのレビューを長年書いているけども、ドナルド・トランプと書くレビューが出てくる人生になるとは思わなかった。
状況的にはバログンが出られるようになったので、アメリカとしては問題解決したのだけども、ベルギー戦でピッチに出てきたアメリカ代表はRound32からはまるで別人。重々しくピッチを浮遊する様子ではベルギーを翻弄することができず、最終的にはリリーフエースのルカクに引導を渡されて大会を去ることになった。
開催国として高まる代表の競争力を世界に誇示する機会を別の形で上書きしてしまったこと。そして、Round32までの素晴らしいパフォーマンスを「もう戻らないんだろうな」と思うところまで落としてしまったこと。この大会でアメリカが失ってしまったものはあまりにも大きい。
Pick up player:フォラリン・バログン
変な形で時の人となってしまったが、豪快な抜け出しからのフィニッシュワークで得点を重ねる姿を見ると違う形で主役になる未来もあったのではないかなと思ってしまう。
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【ベスト16】エジプト

変身を残していたアルゼンチン戦
リバプールを退団するという節目を大エースのサラーが迎えるタイミングでのW杯。久しぶりの出場であり、集大成である国際大会を迎えることとなる。
ドロー沼となったグループGの中で第2節に勝利を挙げて頭1つ抜けることに成功したのが序盤戦のハイライトだろう。ニュージーランドに先行を許すという非常に苦しい戦いであったが、サラーの素晴らしいカウンターが刺さって逆転。最終的にはセットプレーから3点目を仕留めることで格の違いを見せつけた。
オーストラリア戦では左サイドの片上げでのビルドアップというここまでの形を踏襲。陣形の変化を左サイドのローテーションを軸に行っていくとプレスを外す。最終的にはPKでの決着となったが、それまでのポゼッションのターン制バトルにおいても展開的には優位に立っていた。
ただ、真骨頂だったのはアルゼンチン戦だろう。ここまでは少しボールが持てつつもどういうチーム?という疑念が拭えないところではあったが、最終的にここで1つの大きな形を作り出したという点は評価すべき。前回王者をあわやというところまで追い詰めることに成功する。
アルゼンチン相手に刺さったのは押し込まれながら繰り出すロングカウンター。サラー、ジーコ、そしてハッサンの3枚のスピードを生かした自陣からのカウンターの精度が抜群。1回はオフサイドで取り消されたものの、合計2回カウンターからアルゼンチンのゴールを突き刺してみせた。
最終的には大外ゴリラと化したメッシによって破られてしまったものの、引いて受けてカウンターという形で明確に格上のチームにインパクトを与えたことは功績になるだろう。カーボベルデは奮闘している一方でアルゼンチンが負ける画は見えなかったが、エジプトは具体的な敗北の可能性を提示することができていたように思える。
保持をベースにグループステージを戦いつつ、ノックアウトラウンドに変身を残すという大会の中でのストーリーはなかなか絶妙。審判への言及がやたら多いという後味の悪さはあるものの、トーナメントに入っていく中で右肩上がりで進めたことには大きな意味があるように思える。
Pick up player:モハメド・サラー
クラブもナショナルチームもどちらもキャリアにおいては変化の夏。まだ代表は続けるのかな。
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【ベスト16】コロンビア

バランスの良さを支えたのは・・・
引いて受けてを徹底してヒール役まで引き受けたパラグアイ、ビエルサが現代っ子の教育に苦しむというやや不思議な形の内紛が起きたウルグアイ。個性豊かなW杯を過ごしている南米中堅勢の中ではコロンビアは非常に堅実な大会に持っていったなという印象だ。
基本的にはどんな状況でも対応ができるしなやかなチームだなというのが今大会のコロンビアの印象。守備で構える形もデフォルトの4-3-3だけでなく、4-4-2もこなすことができる柔軟さを有している。サイドへの圧縮も見事。ガーナ戦ではセメンヨをサイドに追いやりながら沈黙させることに成功する。
保持に回れば、ディアスやスアレスをターゲットとしたロングボールも選択肢から除外はしないまま、ショートパスからの組み立てにも対応。オーソドックスなIHの列落ちだけでなく、DRコンゴ戦では相手の5-3-2の泣きどころであるSBのところからの保持で揺さぶるアクションにも対応してみせた。
ポルトガルとともに「もうどうにでもなれ!」というメンタルで大爆発した第3節を除けば試合運びは非常に落ち着いたもの。特にガーナ戦は1点差という状況で相手を完璧にコントロール。最小得点差ながら「これはもう負けないだろうな」というクローズでRound16への進出を決めた。
スイスには組み合いながらも圧に屈した感もあるが、これはややスケジュールの詰まり方に差があったようにも思える。いずれにしてもややスイスが有利ながらも大崩れしないままPKまで持ち込んだ地力は確かだ。
この万能性を際立たせていたのはアリアスとプエルタという2人のIH。ビルドアップにおける関与する/しないの判断の正確さ、4-3-3でも4-4-2でも守ることができるインテリジェンスの高さ、そしてアタッキングサードにおける攻撃関与など、多くの局面においてコロンビアのバランスを支え続けたのが印象的だった。
バランスを欠くチームが多かった南米の中で終始落ち着いていたコロンビア。手に入らなかったベスト8の座も紙一重だった。
Pick up player:ルイス・ディアス
「困った時には僕に任せて!」という風格はこの4年間で増したなと思った。
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